常世島内の交通機関には公営、私営の物を含めていくつか存在する。
列車や路面電車、さらには路面バスなども存在する。
それらに乗れば、常世島の様々な地点を素早く移動することが可能である。
常世島を走行する列車は基本的には日本本土の電車と変わるところはないが、一部レトロな車両など特殊な車両も存在する。通勤・通学の学生や職員に使われる。運行は主に鉄道委員会が行うが、いわゆる私鉄のようなものも存在している。
島内の様々な場所に駅があるが、最も大きいのは学園地区の「中央駅」である。
列車やバスにせよ、鉄道委員会が運行を取り仕切る交通機関は多くの島民が利用するため、そのセキュリティは堅固である。
一部私鉄や私営バスは運行に送れが出ることなどがあり、問題視されている。
参加者(0):ROM(1)
Time:06:17:03 更新
ご案内:「地区ごとの駅」から角鹿建悟さんが去りました。
■角鹿建悟 > 「――我ながら、一度”圧し折れた”くらいじゃ変われないものだな…。」
二度とあんな失態を見せたくは無いが、自分の脆さを自覚はした一件を思い出して。
度し難い己の性根、それなりに捻くれているのは分かっているけれど。
(――一度足を止めて、考える時間も余地もあって”これ”とは…つくづく――)
角鹿建悟という人間は■■なのだろうな、と。
そんな、言葉にならぬ言葉を吐息で流した所でアナウンスが入る。
そろそろ電車が来るようで、ゆっくりと立ち上がれば待合室から外に出る。
流石に、秋も深まりこの時間帯だと多少肌寒く感じるようにもなってきた。
遠くに見える電車の明かりをぼんやりと眺めつつ、さて次は何を直すか――と。
そんな、どうしようもないくらいにまた『直す』ことを考えながら列車がホームに来るのを静かに佇んで待つだろう。
■角鹿建悟 > ふと、懐の携帯の振動に気付いて、気だるそうな仕草で取り出して画面を確認。
『角鹿、お前働き過ぎだからいい加減に休めよー』
『建悟君、本当にワーカーホリックぽいから心配だし』
『むしろ、俺らも頼れよ、同じ生活委員会の仲間だろ?』
同僚からのメッセージをザッと流し読みすれば、僅かに沈黙を挟んでから「…悪いな、それは出来ない相談だ」と呟いて。
返信をする事は無く、そのまま携帯を懐に戻してゆっくりと溜息に似た大きな深呼吸。
頭の中に浮かべるのは歯車仕掛けの大時計。
チクタク、チクタク、秒刻みに頭の中に響き渡る時計針の音。
能力のイメージは、それを逆回しにしたもの。力を使う時にイメージというものは馬鹿に出来ない。
(……時計の針をもっと”速く”動かせれば修復時間も短縮される…が、その分、消費は激しくなる。
消費を抑えるには、もっと能力を効率的に用いる必要があるが…現状、これ以上の最適化はハードルが高い…。)
異能のStageは暫定的に『2』、限定的に『2・5』評価。直す事に特化”し過ぎた”能力だから評価は意外と妥当だろうか。
■角鹿建悟 > つい先日、どうも交通機関で”派手な事”があったらしい。
風紀でも公安でも、ましてや当事者でもない男に詳細は正直よく分からない。
ただ、インフラ整備もする生活委員会の一員としては、仕事が増えたという現実があるだけだ。
――そして、今もあちこち直して回っていて、今日何度目の列車待ちかも分からない。
多忙過ぎて――まぁ、自分からやっているのもあるが、お陰で時間間隔が狂い気味だ。
「………もう夜か。」
駅のホームの待合室にて、作業着姿で座り込みながらホームの時計を見て時刻を確認する。
慢性的な睡眠不足、栄養の偏り、異能の酷使による気力と体力の低下…と、地味に積み重なってキツい。
だが、それは”一切顔に出さない”のがこの男の無駄な痩せ我慢の強さである。
(……もうちょっと、異能のパフォーマンスを引き上げたい所だが、現状だと頭打ちか…。)
異能の代償がシンプルに気力と体力の為、その消費を出来る限りは抑えたい所。
一応、直す合間に試行錯誤しているが今の所は芳しい結果は出ていない。
ご案内:「地区ごとの駅」に角鹿建悟さんが現れました。
ご案内:「交通機関:激熱の特急列車」から安綱 朱鷺子さんが去りました。
■安綱 朱鷺子 >
明後日の方向に飛んでいくパンタグラフがどこに墜落したかは分からぬ。
殺し損ねた。牙が罅割れる程に噛みしめる…!
「けたくそ悪ィ…!」
仲間の亡霊を戦わされるような悪趣味な催し、『風紀』だからこそ腹立たしい!
科学技術とは、兵器とは、量産し誰にでも使える利便性という…
今の常世では権勢をやや緩めている技術、なれど!
斯様な冒涜、赦されるものか…!
「あ?」
背から投げかけられた光のせいで逆光が生まれる、それが助力のヘッドライトだとは理解が及ぶ。
視界の外で起こった車両の減速に姿勢が揺らぐことはないが…
「邪魔すんなやっ! …あァ!? 見逃すだァ?
巫山戯たこと抜かすなや…ぐっ!?」
だが、然し!
相手が姿を晦ませど、周囲を探るは視覚だけ成らず!
捕まえるのに一切の支障なし、としたところで、
首輪が点灯し、がくり、その場に膝を突く始末。
監視員からの強制異能発動措置…助太刀の本丸が到着した今、あわやお役御免!
「…ならばっ! こう言うたるわ…!
風紀は、この島の秩序は、あんたを絶対に逃がさん!
無関係な命を巻き込んだ犯罪者に、救世主も破壊者も気取らせはせん!
あんたはその生き方を続ける限り、希望を確実に喪っていく!」
鋼鉄の魔人、否犯罪者に…殺人者に。
吠え立てるその声は、はてさて如何なる遠吠えか?
「思い知らせたるで……絶対に!
あんたの世界は、あんた自身が壊すことになるんやってなぁっ!」
夜闇に谺する怒りの声。哀切の叫び。
常世学園の秩序は、信じるに値せぬと。
言外に告げられたならば、秩序の守り人は悪逆への罰の為、研いだ牙を剥くのだ…
ご案内:「交通機関:激熱の特急列車」からパラドックスさんが去りました。
■パラドックス >
防壁で抑えたとはいえ、アーマーのダメージの蓄積は予想より遥かに上。
侮ったわけではない。此の島を護れるほどの秩序機構。
それを抜きにしても、此の島民たちの戦闘力。
底を見たなどと決して自惚れた訳では無い。
──────だが、何処まで強大なんだ。この学園都市は……!
初めから無謀な事と知っていても、この底知れなさは"畏怖"さえ覚えた。
だからこそ、だからこそ滅んだのだ。故に、滅ぼさねばならない。
<ウインド!>
剛速球で投げられたパンタグラフは、直撃する直前で風に撒かれ軌道を逸らされた。
ぐ、と拳を握り込めば魔力を疑似再現したエネルギーが鉄の魔法使いの周囲をうねり始めるが……。
『……タイムオーバーか』
別路線から列車が迫る音がする。
その猛スピードは、決して人々の生活を支えるものではない。
重厚な鉄の軋む音は、武装列車に他ならない。時間を掛けすぎた。
誘い込む以前に、安綱 朱鷺子との戦闘で迅速に包囲網自体が完成しかかっているようだ。
命を捨てるステージは、此処ではない。周囲のエネルギーが、ふ、と消えた。
『安綱朱鷺子。その生命、今は見逃してやる。
だが、私は此処で止まるつもりも、お前如きに止められる算段も無い』
<ペイント!>
迫る武装車両の足止めをすべく、周囲の路線にぶちまけられる黒い液体。
粘性の液体だ。どれだけ早かろうと、減速を避ける事はできない。
月下を背に見下ろす鉄の魔法使いは、鬼を指さした。
『……私が憎いか?安心しろ。既に此の力も"私のもの"だ。
お前達の此の時代は、お前達自身の力で滅びる』
『止められるものなら、止めてみせろ』
決して止まる事は無い。
慈悲も慈愛も必要無い。
この挑発に燃える憎しみがあるのであれば、何度でもぶつかってくるが良い。
<インビジブル!>
高速の電子音声の詠唱が破壊者の姿を消し、気配さえ消えてしまうだろう。
結果的に、破壊者の排除・捕縛には至らなかった。
だが、大勢の人物の活躍により、今宵失われるはずだった生命が救えたのは、紛れもない事実だっただろう。
■安綱 朱鷺子 >
刃が非物理の盾に押し留められる…事も気にはせぬ。
落撃の圧は星の墜つる如くの重み。
食いしばる牙、人間とはそもそもの組成が違う筋繊維が同様にきしむ音を立てる。
「潰れろや…鉄屑ゥ…ッ!!」
人間の姿の時に抑え込まれていた殺意の怨念が呪詛となり、更に圧を強める…だが、押し切れぬ!
優れた魔術、それをそのまま模していたとすれば、確かに得心の行く事態。
尚の事赦せぬ。同胞への冒涜、恨みは晴らさねばならぬ。
「逃げンなやっ!」
シールド・バッシュの要領で離された距離も、着地から発進までの間隙がほぼ同時。
まさに餓狼、否、餓鬼の如くに追いすがる。
疾走する車両の上、たとえそこから振りおとされたとてどれほどの不都合があろうか!?
報いを与えぬままおめおめと生き残る等、死者にも先達にも顔向けができぬというもの。
飛び上がり、ガツンと車上に落星すらば、それだけで床がへこむ。
抑え込まれていた《存在》がわずかでも解封されればこうなる。
《想定交戦時間超過、及び封の緩みが観測された場合、直ちに回収する。良いな》
「喧しい……否、了解。それまでに決着(けり)をつける!」
荒れ狂う突風に、逆風が吹き荒れる。
無手の片腕にて金属の圧し曲がる音とともに引き抜いたのは、鋼鉄の魔人が拳を叩きつけたことで用をなさなくなったパンタグラフの残骸。
腕を振り上げ半身に構え、鎧ごとスクラップにせんと剛力でもって『投球』する!
■パラドックス >
弾け飛ぶ爆発は車両の障壁を吹き飛ばすには十分すぎるもの。
爆炎の暴威が辺りを吹き飛ばし、自分以外の全てを
眼の前の風紀委員も木端微塵に──────。
『……フンッ!!』
──────とは、いかない。
翳した手から貼られる青白いエネルギーシールド。
魔力防御壁を再現した術であり、先程のシールドと違い
自らの驚異を"拒絶"し、その衝撃を完全に殺す魔法だったが……。
『ぐぉ……!?此の力……!?その姿は……!』
"殺し切れない"。
周囲の炎さえも吹き飛ばし、鉄の魔法使いの足場さえへこみ
衝撃だけで全身のアーマーにダメージが入り、各部から火花が散った。
先程まで見た剣客の少女の姿はなく、それは紛れもなく"鬼"。
鉄の魔法使いの時代にも生き残っていた蛮力の末裔。
正しく一撃必殺の一撃。まともに受ければただでは済まない。
防護壁と拮抗する刃からギリギリと火花が飛び散り
周囲の隔壁が破損した影響か、現状速度のみを残す暴走列車の暴風が
互いの衣服やコードを暴力的に靡かせている。
徐々にスピードが落ちているとはいえ、今落下すれば────……。
『(だが、此処は不利だ)……姿が変わった程度で、私が臆するか……!』
まずは距離を離す。
防壁を突き出し、距離を取ると同時に靡くコードを翻し飛び上がる。
着地する先は後続車両の天井。殺しに来ると言うのであれば、この暴風の中追いかけてくると良い。
■安綱 朱鷺子 >
「言うてみただけや。
風紀委員は投降の意思がある相手をむやみやたらにぶった斬るわけにはいかへんの」
相手が本気でやっているのは重々どころか百も承知。
鋼鉄のように揺るがない冷たき魔人にも、安綱朱鷺子は譲らない。
「ぶっ殺してやりたいて言うとるんやで。
…あんたがどれだけ大層なお題目並べて銃爪引いとるんやとしても
うちらからしたら罪なき命を奪ってきただけの…ただの殺人者や」
逸りかけた意思を制動。手の力を緩める。
両手の握りを確かめ、相手を見据える。
盗まれた異能は四つ。
こいつが愚弄している仲間の数と同じ。
そしてそれ以上の命を奪った者は、たとえどれだけ悲壮な覚悟を持っていたとて!
「…うちの前でそれを使う意味判っとるんやろな。
こっちは風紀の看板背負うとるんや。
生活委員の子や一般のシスターとは理由が違うで」
跋扈する悪を赦さず、護らねばならぬ面子もある。
この為し様、鉄の風紀に対する挑戦と受け取った。
朱鷺子は…赤熱する車両から動かない。
鉄の魔神を睨めつけていたからか?
「知っとるで、その魔術もようくな。
色々教えてくれたもんやけど、さっぱり理解できひんかった。
違うな、ちゃんと聞いてなかったんや。
明日も登校してくるって能天気に信じとった。
…あんたを斬って、四人分供養したらんとな」
爆風の吹き荒れる直前、通信機越しの声が響く。
《第陸號までの解封を許す》
橙色の獄炎に呑まれた安綱朱鷺子は。
「第陸號、《奈落の綱(ヤマ・ナラカ)》…解封」
宣告のように炎から飛び出してきたのは。
安綱朱鷺子だったもの。
額から一対の角を立て、食いしばった歯は犬歯と言うにも鋭く長い牙の有様。
自らに掛けた六重の封印《六道呪戒(ヤマ・アヒムサ)》のうち、一つを外した鬼神の末裔。
《神便鬼毒》は両手に大上段に構え、炎にその身を焼かれながら、頭上から唐竹割りの一撃!
落雷よろしくの乾坤一擲は、先に増して数倍どころでない膂力から繰り出される《物理》の暴威!
たとえその一撃が成らずとも、振り下ろしの突風は周囲の炎すら容易く吹き散らす程の!
■パラドックス >
『─────投影』
<リフレクションタイム!>
怪人の全身を、紅蓮の炎が包む。
背後に燃える炎さえも吸収に、大きくなる炎。
それらをパチンッ、と乾いた音ともに弾け飛び
現れた怪人の姿は巨大な鉄のローブを身につけ
全身のケーブルをまるでコートのように垂らした異形の姿。
<クォンタムウィズソーサラーハント……!>
あの時殺した風紀委員の一人。
魔法使いの力をラーニングした、鉄の魔法使い。
『消えろ』
<ボンバー!>
鉄の魔法使いの意志に反応し、無機質な電子音声が響く。
ただの符号ではない。魔術的な『呪文』を科学へと落とし込み
それを短縮・最適化させたプログラムの『呪文』だ。
科学力で再現された魔法の力。不意に、先頭車両全体が熱を持ち始める。
刹那の判断。此の熱の"危機感"に反応出来なければ、先頭車両を吹き飛ばす爆発に巻き込まれることになる────!
■パラドックス >
鉄拳は細い白刃に打ち返された。
衝撃に僅かに上半身が揺れ、眼の前の剣客を見据える。
魔術や異能ではない。これは"技術"だ。
男の時代にも確かにいた。あのような一本の武器。
ハッキリ言ってしまえば"時代遅れ"な獲物一つで戦えるようなもの達。
最新鋭のこの"兵器"に太刀一本で立ちはだかるのは、その"技術"に自信があり
先の交差で既にそれが裏付けされていた。クォンタムの力なしに、防げなかった一撃。
『成る程、風紀委員か。良い一撃だったが、それだけでは殺せない』
捕縛を目的としない一撃。
そして、先程の路線変更。
彼女が此処にいるということは、無辜の民は脱出したと見るべきだ。
彼女を尖兵とし殺すか、殺しきれなければ変更先で囲まれる。
元より、自分は単独。此の程度の不利、想定している。
ならば、やるべきことは一つ。
『……私が降ると思うか?そうであるなら、当に降っている』
どれだけ無謀な事であろうと、四面楚歌であろうとも
"初めからわかりきっている状況など、投降材料にすらならない"。
それ以前に、それで止まる事はない。その程度なら、危険を犯して此の時代に来ない。
投降など、万一に無い。この身が滅びようとも、此の時代を先に破壊する。
赤いデジタル数字の置くの胡乱な瞳。光がなくとも、絶対的な"意志"がそこにはある。
<マジック!>
即座にホルスターに差し込んでいたデジタル時計型のメモリを抜いた。
それをベルトの側面に差し込むと同時に、無機質な電子音声が辺りに響く。
『安綱 朱鷺子……お前に私は止められない。
お前は今日、此の歴史から姿を消す』
鉄の怪人の周囲に無数のデジタル数字のホログラムが浮かび上がり
その真正面には「9/26」の数字が浮かび上がる。
花咲里 十狼太含む、あの時犠牲になった風紀委員は"四人"。
■安綱 朱鷺子 >
(穿けへんかったか…!)
虚を衝けた手応えはあったが光の障壁に阻まれる!
鎧の性能頼りのボンクラではないのは先輩方が敗北した事からも明らかだったが、
『殺す』なら相手になにもさせぬのが鉄則…認めざるを得んが仕損じた!
チィッ、と行儀悪く舌打ち。
膝を弛めて車両の床に着地、切っ先は怪人に向けたままで。
「あんたに名乗る名なんざっ」
速度も想定のうち、むしろ今の姿はまだ基本形、
せんぱいの異能を模した、速さの最高値を持つ姿ではない筈。
拳に対して刀を『打ち返す』動き。
跳ね飛ばすものの膂力は武装している相手のほうが上、今度はこちらが跳ね跳ぶ、が…!
「…無い、と言いたいとこやけどな。
最近手帳出さずにしょっぴいて怒られたばっかなんで名乗ったるわ」
間合いを離して直立し、正眼に切っ先をつける。
睨む。瞳に宿るのは敵意と怒り。天誅刹の決意の顕れ!
「風紀委員…安綱朱鷺子。
パラドックス、あんたを仕置きに来た。
ヨソモンが好き勝手やりすぎや。今日ここで降るか死ぬかしてもらうで…!」