女郎花 秋の野風に うちなびき 心ひとつを 誰によすらむ(女郎花は秋の野原に吹く風に揺られて靡くが、その一つの心を誰に寄せているのだろうか)――『古今和歌集』巻四・秋歌上・二三〇
偲ぶべき 人もなき身は ある時に あはれあはれと 言ひや置かまし(死んだとて偲ぶ者も居ないこの身であるから、生きている間に自分自身を哀れとでも言っておこうじゃないか)――『和泉式部集』正集・一五二