2026/02/27 のログ
ご案内:「農業区」に佐々木伊織さんが現れました。
■佐々木伊織 >
僕は畜産を志して常世に入った。
支援をしてくれた両親の期待を裏切るわけにはいかない。
夕陽が沈む前に作業を終えなければ。
……裏切る?
僕はもう人倫を裏切っている。
僕は……“暴虐の鱗獣”カタストロアなのだから。
日が暮れる中、僕が育てている鶏たちの餌を取り替える。
掃除を先にしたせいで彼らのご機嫌はナナメだ。
肥育している僕が言うのもなんだけれど。
丸々と太った常世オリジナルの品種、“白色テイリッシュ”。
肉付きが良く、どんな調理をしても味がいい。
放牧しているのに筋張った部分もない。
僕が作り出した……美味しそうな…
今、僕は何を考えていた!?
彼らの生肉を貪る妄想を……!!
ダメだ、思考にカタストロアが侵入している……!!
頭を振って溜息を吐いた。
■佐々木伊織 >
空は紅く、気持ちは重い。
僕はどんどんカタストロアに自我を侵されつつある。
最初から自首なんてできなかった。
しようとすれば、彼は人格を乗っ取って邪魔ができた。
むしろ佐々木伊織という男の社会性が死んでも彼には何のダメージもない。
絶望の夕陽。
ニワトリに餌を与える。
地鶏に近い育て方をしているから高タンパク質、高エネルギーの餌は必要ない。
ただ、僕が彼らを育ててどうするのだろう。
未来がない少年の、未来がないニワトリたち。
彼らが食卓に並び、品種が繁栄することなどあるのだろうか?
……犯罪者の、交配させた品種の…
■佐々木伊織 >
日が沈めば、いつの間にか僕は意識を失い。
意識を取り戻せば時間が経過していて、知らないうちに着替えている。
こんなこと長く続くわけがない。
僕の自我が完全に喪失するか。
カタストロアが討伐されるか。
終わる。
僕の命も、僕の夢も。
僕の育てているブロイラー、白色テイリッシュは食肉用だ。
肉も卵もいただく、卵肉兼用種タイプは彼らが軌道に乗ったら作り出そうと思っていた。
比内鶏のように…愛される……
生命力が高くて、病気に強い。
そんな品種を夢見ていた。
夢?
カタストロアが傷つけた罪もない人にも夢はあったんだ!!
僕だけ感傷に浸ることが許されるはずもない!!
■佐々木伊織 >
日が暮れてしまった。
作業もなくなった。
やることがない……帰るしか、ない。
長い尾羽根を揺らしているニワトリたちに。
「僕がいなくなっても上手くやるんだよ」
とだけ声をかけ。
農場区を後にしていった。
ご案内:「農業区」から佐々木伊織さんが去りました。