2015/06/24 のログ
遠峯生有子 >  あとは単純に解き進めていく。
 書けば書くだけ答えに近づいていくこの瞬間はけっこう好きだ。
 途中何回か、計算がややこしくなって、迷いが出たが、
 最後には思った回答に収束していく。
「…ゆえに、5。出来たー。」
 小声で歓声を上げ、先ほどから存在を忘れていたお茶のコップに手を伸ばす。

遠峯生有子 >  飲み終わるころに前の時間の終了を告げるチャイムが鳴った。
「やだ。結局1問しか解けなかった。」
 喜びは半ばとなり、落胆が半ばとなり、
 しかし浸っているわけにも行かないのでノートだのペンだのを片付けて席を立つ。

 コップと皿を返却口に返して、次の教室へと向かった。

ご案内:「食堂」から遠峯生有子さんが去りました。
ご案内:「保健室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
蓋盛 椎月 > (窓や扉のあたりに、
 神社で買い求めたと思しき大量のお守りを取り付けている。
 お守り袋、御札、五芒星のステッカー、パワーストーン……
 ゴテゴテとしていて統一感が存在しない)

蓋盛 椎月 > 「ふー、こんだけありゃ大丈夫でしょ」

(やってやった、という顔。
 れっきとした悪霊退散のお守りもあれば、
 なぜか交通安全とか安産祈願まで混ざっている……)

(とは言っても、実際のところ効果にはそれほど期待してはいない。
 以前怪異の類に好かれやすい生徒を匿ったとき、
 もう一度同じようなことがあれば
 気休めぐらいにはなるかと考えたのだ)

蓋盛 椎月 > (お守り設置の作業を終わらせて、
 デスクに座って先日図書館で借りてきた本を読みはじめる)

(タイトルは『猫でもできる外科手術』。
 茶猫が前足で鉗子にタッチしている実写の表紙が
 印象的な本だ)

(ファンシーなタッチで描かれた挿絵が
 はじめて外科手術を行う初心者にも優しいと
 評判の医学書である)

(パラパラと適当に頁をめくると
 十二指腸を『とったどー!』という表情で
 掲げている猫のイラストが目に飛び込む。
 それ、『とったどー』していい臓器だっけ?)

蓋盛 椎月 > (……しかしまあ)

(いくらわかりやすく書いてあっても
 学ぶ意欲の薄い者にとっては意味のないことなのだ)

(というかいきなり外科手術の教本は
 一足飛びもいいところである)

(……本を閉じて、デスクに置く)

(煙草を一本取り出して、火を着ける)

蓋盛 椎月 > (閉じてしまった本の代わりに、
 本棚から一冊の文庫本を取り出す。
 物持ちの悪い彼女が珍しく昔からずっと読み続ける
 小説本であった。
 それを煙草を咥えたまま、片手で器用に開く)

蓋盛 椎月 > (体制の尖兵である主人公が、
 ある日不思議な少女と出逢い、
 自分の考えに疑問を持ち始めるシーン……)

(ぺらりぺらりと、そこまで読んで閉じる)

蓋盛 椎月 > (……一服済ませたら仕事しよ)
ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
ご案内:「ロビー」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > 「あちゃー……」

授業の質問をしていたら、すっかり遅くなってしまっていた。
もうちょっと早く帰るつもりだったのになぁ、
と自己嫌悪しながらも、
なんというか、疲れたので自販機でジュースを買うことにする。

「ど・れ・に・し・よ・う・か・な――♪」

神様のいうとおり――
という訳でカルピスである。
ガコン、と出てきた缶を手に取る。

「わー、つめたーい♪」

四十万 静歌 > 適当な椅子に座って、缶を開けてカルピスをのんびりと飲む。

「はー……幸せ♪」

暑い時に冷たくて甘い飲み物は最高なのである。

「それにしても、
 夜の学校ってなんでこんなに怖いんだろ。」

はは。と笑う。

「幽霊とか出そう。」

出ないよね?
ときょろきょろと辺りを見回しながらそんな事をぽつり、と。

四十万 静歌 > 「……」

そういえば最近ぶっそうだとか、
……あれ、こんなに遅くなるの不味い?
どうしようかな。
と、カルピスのみながらゆっくり考える。
まぁ、結局の所、
最終的に力を使う。というのが最適解な訳だけど。

四十万 静歌 > 「はぁ……」

カルピスをおいて、
そっと大きくため息をつき、
天井を眺める。
なんだか凄くだるい気がする。
きっとこんな時間になって、
悪い想像したせいで気力がなえたせいだ。
あーうーあーうー……
今、凄く間抜け面してる自信がある

四十万 静歌 > 「よっと。」

立ち上がって
カルピスの残りを一気のみしてゴミ箱へ。

「んーっ……!」

大きく背伸びをする。

四十万 静歌 > 「かえろっと。」

スウッと姿が消える。
あまりにも自然に。
最初からそこには誰もいなかったのように。

ご案内:「ロビー」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「食堂」にヘルベチカさんが現れました。
ヘルベチカ > 券売機に投入したのは千円札一枚。
券売機から出てきたのは食券が三枚と小銭。
掌の上に乗せた小銭の枚数を数えてから、ポケットへと仕舞い込んだ。

ヘルベチカ > 調理カウンターへと歩みを進める間に、手の中で食券の向きをそろえる。
ポーカーでカードの向きを揃えるように。
食券の上に書かれた文字が、一目に見えるように。
そして、辿り着いた先。カウンターの上へと食券三枚をずらし、並べて。

ヘルベチカ > 「ひやあつ」
食堂のおばさんに一言告げれば、帰ってきたのは頷き一つ。
カウンターの上へと手を載せたまま、そっと視線を己の背後へ飛ばした。
広い食堂の中。賑わうその場所。なんとはなしに、茫洋と。眺めて。

ヘルベチカ > ことん、とカウンターの上から音がした。
視界を戻すと、盆の上に一つ。大根おろしの入った容器。
それなりに深さがあり、たっぷりと量があるのがわかる。
そして隣、続けて置かれた、丸い天ぷら。卵だ。
衣を透かして見える、白く綺麗な艶。

ヘルベチカ > 白い大根おろし。
白い卵の天ぷら。
そして。
最後、置かれた、重い音。
白い丼の中。湯気は立たない。注文の通り。
冷水で〆た麺に、熱い汁を注いだもの。
かけうどん、ひやあつの、白。

ヘルベチカ > ただ只管に白いその盆を持つ。
引き換え、回収される食券。
カウンターに背を向ければ、空いている席へと歩いた。
途中、コップに冷たい麦茶を汲んで。盆の上に加わる、薄茶の色彩。
そして、定めた食卓の上へ。盆を、置いた。椅子を引いて腰掛ける。

ヘルベチカ > 卓上中央に置かれた箸立てから、割り箸を引き抜く。
両掌を合わせて。両親指が割り箸を挟んで。
「いただきます」
目を閉じて呟いた。聞く耳は四つ。全て己の耳。誰の元にも届かない挨拶。

ヘルベチカ > 割り箸を横にして、割った。
ぱきっ、と硬質な音を立てて、二つに別れる。
ちらりと視線を落とせば、どうやら無事真っ二つに分かたれた様子で。
片方だけに偏って、途中で折れることも、時にはある。学食の割り箸なのだ。大層に上等なわけでもない。
文句は言えないが、綺麗に割れた時に喜ぶことを留める理由もまた、なかった。
持った箸の先がかけうどんの麺を、縁から少し離すように動く。
そして丼の中、開いた空間めがけて、縁に口をつけた。汁を一啜り。
あぁ。温い。熱くは、ないのだ。
ごくり、と喉を鳴らして飲んだ。

ヘルベチカ > 冷たい麺が、熱い汁を冷まして、丁度良い温度。
ほぅ、と口から洩れた息に篭もる、柔らかな安らぎ。
麺を摘んで、一口。つるつると口の中へと滑りこむ麺は3本ほどか。
一息に、歯で噛み切らず、端まで口内まで啜りきった。
歯ごたえが強い。腰がある。けれど硬過ぎもしない。
しっかりと咀嚼を終えれば、顎に心地よい疲労感。嚥下する。
優しい味わい。美味い。

ヘルベチカ > 二、三度。麺をすすったところで。
箸を置いた。代わりに右の手にとった、大根おろしの器。
躊躇はなかった。流れるように一息。
器の中身を、うどんの入った丼の中へ、流し込んだ。
僅か、容器についたままの大根おろしが有る。器を左手に持ち替えて、箸で掻きだす。
大量の大根おろしが、すっかりうどんの上を覆っている。
箸でゆるゆるとかき混ぜた。荒く削られた白の合間から顔を出す、艶ある白。

ヘルベチカ > 麺を再度食べる前に。再び、汁を啜った。
甘い。
元より、讃岐風で出汁の甘みを持っていたうどんの汁が、大根おろしの甘みを得て、また一味違った味わい。
笑いながら頷いた。麺をすする。大根おろしが絡んで、歯ごたえに癖が出る。