2015/06/28 のログ
ご案内:「ロビー」にサリナさんが現れました。
サリナ > 試験期間もあと少し。

魔術学は実技試験があるらしいのでさっきまで訓練所で色々やってたが、
他にも勉強しなければならない事もあったので教室棟に戻るついでに休憩を挟んでいる所。

サリナ > (………)

なんだか疲れてしまって何も考えたくなかった。こんな感覚は久々だ。もしかしたら眠いだけかもしれないけれど…
ソファーにゆったりと腰をかけつつ、自分の長い髪を前に持ってきて撫でるように触れる。

ご案内:「ロビー」に遠峯生有子さんが現れました。
遠峯生有子 > 一方、教室棟の方からも少女がひとり、
上階でなにかしていたのだろう、階段室から出て足取り軽く玄関の方へと向かっていたが、
空き席に気づいてもといた少女の隣のソファへと腰掛ける。

革鞄を背負って、うさぎさんのアップリケがされた手提げを手に。

サリナ > 髪を指先で梳いていると、次第に動作が緩慢になってきた。

(眠い…)
なんとか意識を保とうと手を止めて周囲に視線を見回す。今しがたロビーに入ってきた少女に目が留まった。
確かあの人は獅南先生と一緒に居る所をたまに見た事がある。おそらくは先生の授業を何か取っているのだろう。

よく見てみればうさぎ?のようなものの手提げをもっている。
そういえば椚さんもそういうのを鞄から下げていたなぁと思いつつそれをじろりと見続ける。

遠峯生有子 > 背負った鞄を脇へ下ろし、手提げ鞄から携帯端末を取り出すと時間を確認…

…したところで隣からの視線に気づく。
鞄への。
ひょいっとそれを上に持ち上げてみよう。
目が合うなら人懐こく微笑むのが生有子の常である。

サリナ > 手提げをこちらに向けているのに気付いてはっとした。見ているのに気付かれたと悟る。
さてどうしようか、声をかけるべきか…なんてかけるか?

相手は微笑んでいる。こっちを見ている。逃げ道はなさそうだった。

「…どうも」
ちょっとだけ頭を下げて取り繕った。

遠峯生有子 > 「こんにちはー。」
 にこにこと、通学路の商店主に声をかけるような調子で声をかけたが、
 相手がいくらか困惑しているように感じられたので
 それにとどめる。

 手提げから、『魔術の系統』とタイトルの入った図書シール付きの本を取り出し、
 ふぅ、と息を吐く。
 とりあえず目次をぱらぱら。深く読み込むという様子にも見えない。

サリナ > 普通に挨拶されて、なんだか人懐っこい印象を感じた。それに対して少しそっけない態度を取ってしまっただろうか。
そうこう考えていると彼女が魔術関係の本を取り出したのに気付いた。
ぱらぱらとめくっていて、なんだか流し読みしているような印象を受ける。

「あなたも何か魔術関連の授業をとっているのですか?」
眠気醒ましには丁度いいかもしれないし、つい興味本位で聞いてみた。

遠峯生有子 > (歴史の中の魔術、魔術の系統、魔術の分布…)
 読みたかった理由は系統の所だけだけど、最初の部分は読み飛ばしても大丈夫なのだろうか。
 そんなことを考えつつぱらぱらやっていたので、
 今度は生有子の方が驚いた格好になった。

 ぱっと顔を上げ、隣の人物の方を見やるとぱちくり。
「あ、えっと、うん。『魔術学概論』を取ってます。」
 それは獅南の持つ講義の中で最も初歩的なものである。

「本当は実技とかも取った方がいいのかも知れないんだけど…。」
 えへへと笑って、逆に、
「“も”っていうことは、あなたも何か取ってるの?どんな感じ?魔法使える?」
 矢継ぎ早な質問の雨。

サリナ > 「魔術学概論ですか、では獅南先生の授業ですね…」
私も取っているが、しかし授業で一緒になった事がないような事がする。
とすると私は【魔術学概論Ⅱ】を取っているので彼女は【魔術学概論Ⅰ】を取っているのだろう。

「私は獅南先生の授業なら大体取ってますよ。私も『魔術学概論』を取っていますがⅡの方ですね。獅南先生の授業と言えば感じもわかると思います」
繰り出される質問には落ち着いて答えて、最後の質問には実際に披露して答える事にした。

「…」
静かに口を動かす。声は小さすぎて聞き取れないぐらいで何を言ってるのかわからないだろう。
短い詠唱が終わると手のひらから丸い光が現れる。それを浮かべて目の前の彼女に見せる。

その光は獅南先生が教えている初等魔術【灯火】とは赴きが異なっていて、ただ光ってるだけでなく、近づいてみれば熱を感じる。

遠峯生有子 > 「え、あの講義Ⅱがあるの?」
 驚きの声を上げる。
 ネットワーク上のシラバスで初心者向けの講義を検索して引き当てただけだったため、
 しかも最初の日程を出席していないため、そういった講義間の関係性を全く把握していなかった。
 概論を理解していく過程でそういったものを判断できるようになるだろうと考えていた所もある。

 続きがあることにも驚いたが、あの難解な講義の上位カリキュラムとは、
 いったいどの程度のものなのだろう。
 想像できる気もするが、それを裏切られそうな予想もなくはない。

 案の定、目の前の少女は、短い――恐らく呪文のようなものを唱えただけで、
 生有子がどれだけ悩んでもなしえないことを、
 光を創り出すということをして見せた。
「すごーい。」
 ぽやーっと口をあけて、
 サリナに目をむけ、
「これ何?なんかあったかいね。」

サリナ > 自分の魔術は授業以外ではそんなに見せないので彼女の反応に少し嬉しくなった。
まるで子供に手品を見せるような、そんな感じだな、と。
…思ったが、彼女も魔法を使えるのではないのか?何も驚く事じゃないような気がする。


「これは…言ってみれば太陽、でしょうか。実際には違いますが、小さいですし」
と、簡潔にこの魔法の説明をする。これはまだ未完成の魔術なのだ。

遠峯生有子 > 「太陽…。」
 サリナの説明を、ふんふん、っと手品を見る子供のように聞く。
 種も仕掛けもあるのだろうが、まるでそれとは遠い夢の情景を見たような、
 しかし同時に、種と仕掛けの秘密に想像を膨らませるような。
「小さくてもすごいよ。」

「…そういえば、獅南先生の光の魔法はこんな風じゃなくて、
 特にあったかい感じはしなかったです。
 あれが月で、あなたの術が太陽なんですか?」
 言葉のイメージからそんな想像をしてみる。
 その発想は、逆に魔法を使える者のものとは、思えないかもしれない。

サリナ > …月?なんだかおもしろい表現をする子だな、と思った。

「獅南先生の光の魔法と言うと『灯火』でしょうか?とすると…
あの魔法は魔力で光という形を再現してるだけに過ぎません。月という表現はとても面白いですが…」

言葉の途中でちょっと暑くなってきたので魔法の光を消す。


「私のこの魔法は光ではなく、太陽という形を再現してるので太陽と言ってもいいかもしれませんが、
系統に分類するなら炎の魔術と光の魔術の領域のものですね」

なんだかかなり初歩的な事を聞かれているような気がする。
もしかしてこの人は本当は魔法を使えないのだろうか?

「次はあなたの魔法を見せてもらえますか」
意地悪なお願いだったかもしれないが、確認の為に聞いてみる。

遠峯生有子 >  サリナの論に真剣な表情で聞き入る。
 飲み下せないものを飲み込むための手がかりを、一心に探るような。

 消えた魔法の光に少し残念なような顔を見せたが、
 すぐに思い直して話の方に集中する。

 魔法で形を再現するということの意味が、
 獅南の講義においても、特に理解の難しい点だった。
 理解の助けになるかと物理のテキストを読み進めてみたがなんら助けにはならなかった。

 魔法が火とか光とか、術の流派によっていくつかの領域に分かれているところまでは、
 なんとかついていくことが出来るのだが。

 そんな風に、メモでも取らんばかりの勢いでいた生有子に、
 不意にその言葉が降ってきた。
『あなたの魔術を見せてもらえますか』
 手が止まる。
 困ったように首をかしげ、
「私、使えません。」
 そう言った。

サリナ > 使えないと、そう言った。つまりまだ習得していないと見るのが正しいのだろう。
獅南先生は魔法を使えない人に対しても授業をしてくださる先生だ。いつかきっと実を結ぶと信じて…

私の言葉に目の前の彼女は困ったような顔をしている。慰めになるか知らないが、言うべき事を言おう。

「…そうですか。変なお願いしてごめんなさい、あなたはまだ基本的な事を学んでいる最中なんですね。
…私も、最初は魔法が使えなかったんです。でもその足掛かりになる事はこの島にいくらでもあります」

遠峯生有子 >  律儀にごめんなさいという彼女に、手を振り、身振りで恐縮する。
 気にしないでというように。
 自分のために相手が逆に申し訳なさそうにしているとすれば、本意ではない。

 しかし、続く言葉に、
「うん、ありがとう。その足掛かり、私もっと探してみるよ。」
 それにはもっと勉強しないとね。と笑った。

サリナ > なんだか悪い事をしてしまったかな。でも人の話をちゃんと聞くようだし、真面目な生徒というのは身振りでわかる。
応援したくもなるし、協力したくもなる。彼女が見せた笑みに頷いて、

「ええ、それだけ熱心ならきっと使えるようになります。
だから、がんばってくださいね。何かお手伝いが必要なら私も手を貸しますので」

本心から、そう言った。
教えれば熱心に聴いて、実践すればそれに習おうとするのだろう。何故だかそんな光景を思い浮かべた。

遠峯生有子 > 「ありがとう。」もう一度、今度こそ曇りない笑顔を見せる。
 手伝ってもらおうというつもりが出来たということではなく、
 応援をされるのが嬉しい。

 すごくいい人だな、というのが生有子からの感想である。
 親切だし、根気よく、何もわからない自分に教えてくれる、この……
「あ、ええと、私、遠峯 生有子っていいます。1年の。」
 相手は上級生かな、と予想しながらそう名乗る。

サリナ > 話に暮れた辺りでようやく自己紹介。
相手も自分と同じく一年だったみたいでいくらか親近感が湧いた。

「とおみね…遠峯さんですね。私はサリナ・イバルラ・アマビスカと申します。同じく一年です」

ふと、時計を見遣る。…結構長く居座っていたかな。
そういえばこの後教室に行って勉強するつもりだったのを思い出す。

「それじゃ、私はそろそろ休憩を終えて行きますね」
ソファーから身を起こし、身だしなみを整える。

遠峯生有子 > 「え、一年生だったんだ。」
 驚く。
 物腰の落ち着きはべつにしても、先ほどの魔術の実力からして上級生かと想像していたのだ。

 サリナにつられて時計に目をやる。
 生有子にとってはまだ余裕のある時間だが、本を読もうと思っていたのだった。
「うん、いろいろ教えてくれてありがとう。またね。」
 立ち上がった彼女を手を振って見送った。

サリナ > 「それ、よく言われます。私ってそんなに老けて見えるんでしょうか…」
何故だかよく言われる。2年か、3年ではないのかと…1年というと人によっては驚かれるのだ。

「それじゃ、さようなら遠峯さん」
別れを告げ、軽く手を振って返してその場を後にしたのだった。

ご案内:「ロビー」からサリナさんが去りました。
遠峯生有子 >  サリナの姿が見えなくなるまで見送ると、
 手元の書籍に目を落とした。
 やはり最初から読もう。
“歴史の中の魔術”
 あえてそういう章立てになっているのは、意味のあることかもしれない。
 それから2章の“系統”…時間前に読み終えるだろうか。
 携帯端末のタイマーをセットする。
 そして1ページ目を開いた。

ご案内:「ロビー」から遠峯生有子さんが去りました。