2015/06/30 のログ
ご案内:「保健室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
蓋盛 椎月 > 「ふふふ……!」

ある日の保健室。
蓋盛の目の前の壁に取り付けられているのは円を20等分して塗られたダーツボード。
そして蓋盛の手には医療用メス。

ショットガンを失った蓋盛が得た新たな武器、
それはメス…………!!!!

(※常世保健病院から拝借しました)
(※良い子はまねしてはいけません)

蓋盛 椎月 > 「やっぱさ~。
 医療従事者なら武器はメスを持たなきゃ嘘だと思うのよ。
 銃器なんて持ってちゃダメだわ~」

誰も見ていないはずなのにカメラ目線で得意げに語る蓋盛。
もちろん彼女は外科医でもなんでもない。

「…………」
かっこいい構え(当社比)でメスを構え……
かっこいいポーズ(蓋盛談)で乾坤一擲の投刃!

その結果は――

蓋盛 椎月 > べしょっ(投げられたメスがボードに当たる音)
かちゃりーん(ボードに当たったメスが床に落ちて転がる音)

ご案内:「保健室」に矛海 遼さんが現れました。
蓋盛 椎月 > 「ば……ばかな……」

ぶざまに転がったメスに愕然とする。
おかしい。漫画とかではもっとかっこよく行っているはずだ。
しかし今のはなんだ。
メスがまっすぐ飛ばずに、クルクル回転しながら飛んでいったではないか――
これではボードに刺さるはずもない。
いったいどうなってるんだ。

矛海 遼 > メスが転がる音と共に扉が開く音が聞こえて来る。
その場に写る物は

「……………何をやってるんです」

少々呆れたような表情で、着物の上にアロハシャツを羽織った青年が入ってくる。
右腕には少々黒ずんだ汚れのついた包帯が見えるだろうか。

蓋盛 椎月 > 「あっ」

とても悪いタイミングで来客が訪れた。
恥ずかしそうに頭を掻く。

「いやーははは。その、新技を開発していましてですね……
 ボーっとしていると戦闘力のインフレに取り残されちゃいますから。
 そ、そうだ。予海先生は何の御用ですか?
 この間のコゼット先生みたく包帯の取り替えでも?」

矛海 遼 > 「…まぁ確かに包帯の交換に来たのですが…………」

壁に掛けられたボード。そして転がったメスを見ながら軽く溜息を吐く。

「インフレって………未開拓地区や遺跡にでも行くんですか?
そもそも新技の開発って………」

珍妙な行動を取る同僚に視線を返しながらも、右腕の包帯を解いて行く。
撒き方自体はかなり手馴れているというのが解るかもしれない。

蓋盛 椎月 > 「いや別に行きませんし……誰かとバトルする予定もありませんけど……
 その……えーと……
 う、うるさいなー!
 保健室業務はヒマなんだよ! わかれ!!」
いきなりキレる。キレる20代だった。

「しかし矛海先生はなぜ怪我を?
 それこそ遺跡かどこかで怪異とバトルでも?
 まさかワンコに噛まれたって傷じゃないでしょうけど」
怪我自体はこの学園では珍しいことではないし驚きはしないが、その理由は確認しておきたい。
新しい包帯を取り出し、古い汚れた包帯を受け取りながら、右腕の傷を検分する。

矛海 遼 > 「まぁ、そういうことにしておきましょう」

一瞬、ほんの一瞬だがくすりと笑うかもしれない。
其れと共に包帯を外し、焼け爛れた右腕が露になる。

「どうにも、住んでいた所がうっかり炎上しまして。
火傷を負ってしまいましてね」

半分は真実だが、嘘である。怪異と戦闘したわけでも遺跡へ行ったわけでもない。
正確には落第街での戦闘の余波だ。

本来、矛海は体質の問題で怪我などとは無縁な存在である。
しかし、それは【簡単に死なない】だけであり、【負けない】と言う訳では無い。
自身の持つ【戦闘用に特化した魔術の行使】それによって再生が遅れるほどの障害を右手に受けたのだ。

火傷には違いないのだが、外から受けた物では無く【内側】から焼かれているのが、深く観察すればわかるかもしれない。

蓋盛 椎月 > 「……」
息を呑む。思ったより重い火傷だ。
「……なかなか痛そう。
 火事ですか。随分と器用な火傷のしかたですね」
含みのある口調。
明らかに信じてはいないが、特に追及したりはしない。
軟膏を塗ったガーゼを患部に当て、その上からするすると包帯を巻く。
「はい、できましたっと。お大事に」

ふと思いついた表情になって
床に落ちているメスを拾い、矛海に握らせる。
「矛海先生もメス投げトライしてみません?
 先生なら多分やれるんじゃないですかね」
と言ってボードを指し示す。完全にワルガキの表情であった。
できるんじゃないですかね、とは言っているが無論根拠などない。

ちなみに、メスは重心の問題で普通に投げたら決してまっすぐは飛ばない。
ブラックジャックのようにダーツ代わりに投擲武器として用いるには
訓練か類まれなるセンスが必要なのである。

矛海 遼 > 「褒め言葉として受け取っておきましょう」

冗談で言っているのか、本心で言っているのかはわからないが、
包帯を巻かれると右手の拳を数回、開いては閉じる。

(やはり良い腕だ。信頼できる…………不審に思われてはいるだろうが)
心の中で少し申し訳なく感じる。少々話の種にするには物騒で危ない物だ。

「ふむ、メス投げですか………」

メスを手渡され、軽く持ち手の先端部を下から指で支えるようにしながら、視線をボードに向け―――――――

「………やって見ましょうかね」

軽く上に弾き、左手でメスを掴み静かに、一閃を描くかのような綺麗な姿勢でメスを投擲する。
投げる動作とメスの飛ぶ動作は流れるように奔り、ボードの真ん中に吸いこまれるように綺麗な音を立てて刺さる。

蓋盛 椎月 > 「ええー」

ぽかんと口を開けた間抜け面で、
ストン、と見事に真ん中に命中したメスを見つめる。
明らかに納得の行っていない表情。
もう一本メスを取り出し、自分も真似してもう一度投げてみる。
クルクルクル。ベシャッ。チャリーン。

「…………えええー」
なんで? という表情。
まさかこんな身近に達人がいるとは思っていなかった。
もう一度メスを拾い上げて、刺さっているメスと見比べる。
「お、同じメスだよな~……」


(※よいこはメスで遊んではいけません)

矛海 遼 > 元々は独立傭兵として活動し、その後も【戦い】を続け、
ナイフに刀剣の投擲を実戦で扱える状態まで昇華させている以上は
少し癖はあったとしても、できない物では無かったのだ。

「こればっかりは訓練………もとい慣れですから」

少々、拾い上げている様子を見て微笑ましく見えたのか、
自然と、軽く頭の上に左手を乗せる。

蓋盛 椎月 > 「ははあ……慣れ、ですか。
 ええい! 撫でなさるな!」
ぺし、と乗せられた左手をはたく。本気で嫌がっているわけでもないようだが。

この学園の教師陣には戦闘のプロが多い。
目の前の彼もそうであったなら納得は行く。
とは言ってもまさかメス投げの訓練なんかしているはずもないし、
一発目であれほど鮮やかに投げられるのはすごい。
素直に感嘆と尊敬の視線を向けた。

「うーん新技開発は諦めましょう。
 付け焼き刃でどうにかなるもんじゃなさそうですね~」
へらへらと笑ってボードやメスを片付け、デスクに戻る。

矛海 遼 > 「ははは、これは失礼」

笑った、明確に。
あの『何を考えているかわからない教師ランキング』を建てたとしたら間違いなく上位に来るような男が、である。

「まぁ、蓋盛先生の技は怪我に的確に処置できる目と腕、それと性格でしょうから。」

なお、メスが何故ここにあるのかは触れる気は無い様だ。

蓋盛 椎月 > 「なんだ、矛海先生ってば笑えるんですね。
 はじめて目撃した気がします。
 せっかくだしもっと笑っておきましょうよ。そのほうが女子ウケいいですって絶対」
合わせて、軽薄な調子でカラカラと笑う。

「ありがとーございます。
 ま、本職には負けますがこれぐらいの処置は慣れてますからね。
 治療費は取らないし取れないんでお気軽にどーぞ」

んーっと伸びをして。
「さーてと、新技開発とおしゃべりで気も紛れたし、
 お仕事頑張るか~」

さっきヒマとか言っていたが、別に仕事がないわけではなかったらしい。
矛海先生に軽く礼をして、再びデスクワークに没頭するのであった……


(※このあとメスの無断借用でめちゃくちゃ怒られたという)

ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
矛海 遼 > 「笑えますよ。楽しいと感じれば」

『女受けとはなんぞや』とも思いつつ軽薄に笑う姿を見て一つ。

「こうやって話しやすいというのも技、ですかね」

聞こえるか聞こえないかの大きさで呟くと、ゆっくり出口へと向かって行き

「それでは、失礼しますね。お仕事の邪魔になりますので。」

左手で扉を開けると、静かにその場を後にする。

ご案内:「保健室」から矛海 遼さんが去りました。
ご案内:「教室」に桜井 雄二さんが現れました。
桜井 雄二 > 桜井は教室で勉強をしている。
テストが近い。テストが近いということは、勉強せざるを得ない。
生活委員会の活動だけで単位を全部賄った、なんて人は聞いたことがない。
結局のところ、学生の本分は勉強なのである。

「………う」
誰もいない教室で小さく呻き声を上げる。
本当はカフェか図書館で勉強がしたいが、今の時期人で混雑していてそれどころではないだろう。

桜井 雄二 > 現在勉強している授業は熱操作概論。
炎熱系能力者、氷雪系能力者。どちらも異能と魔術を含む。
そんなポピュラーな能力者たちに人気のある授業だ。
テスト範囲は比較的広範であり、桜井得意の『全部暗記すればどこか出る』作戦が通用しづらい。
だが熱操作系能力者がこの単位を落とすのはなんだか気恥ずかしかった。

桜井 雄二 > 「ダメだ……グァバジュースが飲みたい…」
心が折れる10秒前な言葉が誰もいない教室に響く。
ここがカフェであるなら頼んで4分以内に届くものを。
紙パックのグァバジュースくらい用意しておくべきだった。

だがもう遅い。

ご案内:「教室」に『車掌』さんが現れました。
『車掌』 > 空き教室にふらりと入る。
鉄道委員会も今はテスト期間中だ。交代で勉強をしている。
ヴァージニアもぐっと我慢して勉強中だ。
はっきり言って成績は悪い。
理数系、それに工学系は良いのだが、基礎的な国語、歴史などが壊滅的なのである。
そこで赤点が心配される古典の自主勉強に来たのだが――

「おっと、先客か?」

桜井 雄二 > 頬を掻いて椅子に座ったまま足をぶらつかせていると、教室に入ってくる女性の姿。
「あー……先に勉強させてもらっている」
とりあえず相手が勉強に集中し始めたら話しかける機会も失われるか、と思い。
「あなたも勉強のためにここに? というか…多分先輩ですよね?」
「俺は二年、桜井雄二。生活委員会の……あと怪異対策室三課です」
そう話しかけてみた。

『車掌』 > 「へぇ、生活委員会か」

遠慮なく教室へ入り、鉄道委員会制服の上着をそのへんに置く。
委員会の誇りでもある制服だが、ぶっちゃけ暑い。

「鉄道委員会のヴァージニア・ヴァンダービルドだ。呼びにくかったら『車掌』とでも呼んでくれ」

ふらりと桜井の近くに座る。
勉強の準備をしながら。

「そ、あたしも勉強さ。
こんな事より、列車に乗っていたいんだけどねぇ」

ヴァージニアは教科書と一緒にオレンジ・桃・グァバ・スターフルーツの紙パックジュースを机に並べた。
鉄道委員は長時間鉄道に乗る為に常に何本か飲み物を携帯している。特にこの季節は脱水症状が怖い。結局多量のジュースを持ち歩く事になるのだ。

桜井 雄二 > 「はい、生活委員会です。街の『便利』を守ってます」
上着を脱いで近くに座る彼女を無表情に見る。
「ああ、鉄道委員会の……ヴァージニア先輩……いや、『車掌』先輩と呼ばせてもらいます」

「そうですか、仕事熱心なんですね」
はぁ、とため息をついて。
「俺は完全にエネルギー切れです、勉強範囲が広くて…熱操作概論なんですが」

その時、彼女が机に並べたジュースの中に大好物を見つける。
「あ、あああ………」
息を呑んで、素早く財布から硬貨を取り出した。
「そのグァバジュース、売ってください……喉が渇いてるんです……」
渇望の視線、もう無表情ではいられない。

『車掌』 > 「あぁ、生活委員会には色々助けてもらってるよ、有難うな」

頷きながらこちらもげんなりする。
古典、あぁ、面倒な――

「ん、熱操作概論?
簡単なのならあたしでも……」

と、そこまで言って。

「ん、なんだ、欲しいのか?
いいよ、やるよ。金なんていらねぇ。こんだけあっても飲みきれないしな」

ほらよっと桜井の目の前にグァバジュースを置いてやる。

桜井 雄二 > 「こちらこそ、鉄道委員会がいないと常世は回りません」

簡素に感謝の言葉を述べてから、相手の言葉に目を見開く。
「なんて……いう…グァバジュースを、くれるだなんて………っ」
目の前の女性が女神に見えた。
「ありがとうございます、ありがとうございます…!」
飢渇した農奴のように頭を下げながらグァバジュースを飲む。
「生き返りました………それで、さっきの言葉なんですが」
「熱操作概論、先輩は初級がわかるんですよね?」
「俺は現代文、古文、漢文、現代社会辺りが得意なので協力し合いませんか」
そこまで言って頬を掻いて。
「といっても、先輩に教えられることは限られるかも知れませんが」

『車掌』 > 「お、おう、そんな好きなのか……」

ちょっと引きつつも頷く。
まぁ、役に立ったならいいか。

「――っと、そいつは良い取引だな。あたしの国語、社会なんかも初級も初級のやつだ。それでも教えてくれりゃ助かる」

いそいそと社会、古文の教科書を見せる。ぶっちゃけ高校1年生レベルである。
ありがたいなぁと言いながら、熱操作概論に関する資料を受け取ろうとするだろう。

桜井 雄二 > 「はい、それはもう。グァバジュースが一本あれば三日生き残れます」
引かれているが気にしない。
だってグァバジュースだから。

「じゃあお互い教え合いましょう。取引成立です」
見せてもらった社会と古文の教科書を見ると、頷いて。
「これなら教えられそうです、これが熱操作概論初級で使っているテキストです、先輩どうぞ」
そう言って資料を差し出す。なんだかやる気も出てくるというものだ。

『車掌』 > 「ほーう、どれどれ……」

熱操作概論初級を見て頷く。
うん、自分が2年前に取ってたのと同じだ、これならなんとか教えられる。

「いいか、お前があたしと同じタイプだとしたら、理論を理論で覚えようとするからこんがらがるんだ。
理論を覚えようとするんじゃなくて、実際のものに当てはめて、それに必要なものを計算していくんだ」

あたしの時は蒸気機関車に当てはめた、と言いながら。

「そうだな――お前は生活委員会だから、焼却炉がいいかな。
効率的にゴミを燃やす焼却炉を造る。その為に必要な熱の量、熱の働き、温度、それを実際に計算する為の式を当てはめていくんだ」

ノートに大きな焼却炉の絵を書き、それに式をいくつか書く。
桜井は熱系統の能力者だ、コツを掴めばヴァージニアよりもはやく理解に到達するだろう。

桜井 雄二 > 「………うーん…」
先輩の言葉は、理解しやすい。
計算に丸暗記ではなく、実体験に基づいたアプローチからの勉強法。
「なるほど、わかりやすいです………」
「ありがとうございます、『車掌』先輩」
相手の言葉に頷きながらメモをとっていく。
「俺、炎熱系と氷雪系の能力者なんで……この単位落としたくなくて」

次に相手の古文の教科書を見る。
「ええと、多分先輩が躓いているのは文法問題だと思うんです」
「大体、覚えるべきは動詞の活用と助動詞の活用と意味、接続です」
「例えばここは………」
たとえ話を交えながら相手に説明していく。
得意分野なのでこっちも上手く説明できていればいいのだが。
「あとは『る、らる、す、さす、しむ、ず、じ、む、むず、まし、まほし』で未然形接続なんですが…」
「ぶっちゃけ助動詞の接続はリズムで覚えたほうが楽です、口で言いながら覚えるんですよ」

『車掌』 > 「はは、そりゃそうだ。
あたしだって車輪の運動の単位と弾道学だけは死んでも落とすもんかって思ったもんさ」

こちらも頷く。
前は呪文だとしか思えなかった古文だが――

「なるほどな――『る、らる、す、さす、しむ、ず、じ、む、むず、まし、まほし』
あ、なんかテンポいいな。覚えられるかも」

軽く手で机を叩きながら呟く。
そうか、面倒がって目で追ってるだけだから覚えられないのか。

桜井 雄二 > 「ですよね……なんか気恥ずかしいですよ、自分の仕事や能力に関する単位を落とすのって」
苦笑いをして熱操作概論のテキストを見る。
今までは漠然と覚えることばかり広がっていた文章が、今は順序だてて攻略できる対象に見える。
これなら次のテストもいける。

「はい、あとは古文が読み解けなくてもあらすじさえ知っていれば点数が稼げる問題がかなり出るので…」
「授業でやった範囲の古文はストーリーを覚えておくといいです」
例えば、と出題範囲の古文の内容をかいつまんで言っていく。
「……先輩は何で鉄道委員会に入ろうと思ったんですか?」
それは何気ない質問。

『車掌』 > 「鉄道が好きだから」

あまりにもあっけらかんとした答え。
だが、彼女は胸を張って堂々と答えた。

「お前さ、列車の運転手になりたい、って思った事、ないか?
あたしは思った。小さい時、これを運転したいって思った。
だから列車に何度も乗ったし、列車の事を勉強した。
そんで今はこの通り、ってわけさ」

ヴァージニアは嬉しそうに話す。
列車の事を話す彼女は、どんな時よりも輝いているだろう。

「去年は運転手もやってた。
で、今年は車掌さ。本当はずっと運転手でも良かったんだが、管理職か車掌かどっちか選べって言われてさ。
列車に乗れないなんてまっぴらごめんだから、車掌を選んだ」

にこにこしながら古文のメモを取る。
うん、これならテストもいけそうだ。

桜井 雄二 > 「好きだから……ですか」
それはあまりにも単純かつストレートな答え。
だがそれに留まらないのは、彼女の語り口。
「列車の運転手ですか…それは、憧れたことありますよ」
「子供の頃には、運転手になりきる玩具が擦り切れるまで遊んでました」
そして彼女の輝きを知る。
本当に好きなことだから、頑張れる。
そんな誰もが知っていて、誰もができているわけではない行動が。
どこか―――――眩しく見えた。

「だから車掌、ですか……なるほど」
にっこり笑って熱操作概論のページを眺める。
今日はひと段落、ということでいいかも知れない。
「今日はありがとうございました、『車掌』先輩」
「ひと段落ついたんで、俺は後は家に帰ってから勉強することにします」
「また何かあったらよろしくお願いします、ではまた」

頭を下げて、勉強道具を仕舞うと、飲み終えたグァバジュースのパックをゴミ箱に捨てて教室を立ち去っていった。

ご案内:「教室」から桜井 雄二さんが去りました。
『車掌』 > 「おう、またな、桜井」

手を振って見送る。
うん、良い奴だった。おかげで勉強もはかどった。

「さぁって、テスト、頑張りますかね……」

ご案内:「教室」から『車掌』さんが去りました。