2016/02/28 のログ
ご案内:「廊下」に獅南蒼二さんが現れました。
獅南蒼二 > 深夜の学校というものは、無条件に不気味な雰囲気を醸し出しているものだ。
それが何によって演出されているのかは定かではない。
強いていうのなら、普段生活している日常の場が、普段とは違う姿を見せている。
喧騒と活気にあふれた場所が、静寂と暗黒に包まれている。

ただそれだけの事なのだが、それが、不気味に見えるのかもしれない。

獅南蒼二 > その廊下に、ぼんやりとした光が灯る。
電灯の灯りではなく、ろうそくの火とも違う。
魔術的に生み出された柔らかな光が、廊下をゆっくり移動していく。
その灯りにぼんやりと照らされるのは、顔色の優れない白衣の男。

巡回の規則があるわけではない。すでに勤務時間外である。
彼はしずかに、教室棟の廊下を、歩いていく。

暗闇に潜む者を探してか、それとも、己自身を暗闇に潜ませてか。

獅南蒼二 > 教室を1つ1つ、特別教室を1つ1つ、照らしながら歩く。
それこそ、本当に何かを探すように。
しかし、決して廊下の電灯を点けることはせず、暗闇の中を行く。
ぼんやりとした光が廊下を行き、教室を1つ、また1つ、照らしていく。

獅南蒼二 > 誰も居ないはずの教室で、獅南は立ち止まった。
空間を見回して、それから何事かを小さく呟く。
浮遊するちいさな光の玉がその光を増し、教室全体を照らす。

だが、そこには獅南本人の影以外に、何者も存在することはない。
窓際の観葉植物が、風も無いのに僅かに揺れた。
ただ、それだけだった。

ご案内:「廊下」から獅南蒼二さんが去りました。