2016/06/17 のログ
リビドー >  返ってきた挨拶には、快い表情を以って受け取った事を示す。
 会話中、ふと、意外そうな反応を零しただろうか。

「おや、そうなのか。
 魔術的とされるような側面も見えたから、材料そのものの認識も関係すると思ったが――
 ――成程、純粋に世界を広げて貰う為の愛情か。」

 可愛らしく動く所作は彼女の想いの現れか。
 態度と言動から彼女の熱意を受け取れば、はっきりと納得した言葉を返す。

「ああそうだな。同意だ。激しく同意するよ。ステキな一面。薬から離れた隣にある世界。
 それらはとても刺激になるし、その一面はまた新しい一面を産む。巡り巡って円が出来て、初志の助けになるかもしれない。
 特にこんなご時世だからな。多くの選択肢を用意してあげたいとボクも思う。
 例え用意された道を使わなくても、他の道を知った上で選んで欲しいな。
 ――ま、だからこそボクは多くの哲学を教えているんだが、やはり中々ままらないものだよ。」

 左手で髪を掻きながら、苦いならばも満更でもなさそうな表情で笑んでみせた。
 気取りや格好つけが一気に引っ込むような気恥ずかしさ・決まるの悪さも伺えるだろうか。

白泉椿丸 > お喋りをしながら、ゆっくりと整頓を再開する。
ずっとこのままにしておくのも、視界の邪魔であることこの上ない。
プリントは【授業内容】と書かれたフォルダへしまいこまれた。
椿丸はリビドーの言葉には強く頷いて、ソレ!それよソレ!とばかりに人差し指をビシッと決める。

「教師という立場である以上、手助けするにも難しい問題はあるけどン。
 自分の持っている知恵を分けて選択肢を増やす贅沢を届けてあげられるって感じてるから。
 …ンまっ、リビドー先生は哲学を受け持っていらっしゃるのン?
 青春真っ盛りで思考の迷路にいる生徒もいるわけですものネ…自分を鑑みるのにもすっごォく大事…」

いやだわアタシ、リビドー先生はてっきり数学や理系の学科かと勘違いしてたわ…。
生徒たちの思考の確立にも刺激を与え、古人による指南を読み解かせる哲学の先生だなんて!
ファンタスティック、とってもファンタスティックな事じゃない…。
アタシもリビドー先生に、一晩中哲学してもらいたい……なんちゃって…。

リビドー > 「ふむ。」

 手を止めさせていたなと思えば会話のペースを下げる。
 興味があるのか、ちろちろと箱にも視線をやるが――体躯の都合で出てくるものを視るに留まっている。

「そうだ。選択肢を増やせることは良い贅沢だと思って欲しい。
 贅沢の果てに選んでくれた時は心も躍るものだ。

 ああ。哲学だよ。
 とは言えやはりどうしても難しいヤヤコシイが付きまとう学問だからどうしてもな。」

「今では神性や魔術が当たり前となっている分、
 ある種の実学としても作用する故の需要もあるが――
 ――やはり思考の外にも多くの選択肢がある事を知って、知る事を好むようになってほしくはある。
 そもそも哲学の走りは知らないものへの好奇と探究にあるからな。
 それの好さは知ってもらいたい。知った上で、好きに生きてほしいと思うものだ。」

 語り倒しながらも確かに白泉を見据えている。
 分かりやすい程に感情が動かしている様に見えたのか、楽しそうに口を緩めた。

 

白泉椿丸 > 箱からは先程のプリントと同じような紙束が多い。
資料や作成の手順、植物の辞典などもたっぷり出てくるだろう。
それらを丁寧にデスクのブックエンドでまとめて立たせる(ヤッダァ!立たせてるのは本よォ?)。
時々、10代くらいの若い子が読むようなファッション雑誌も露見する。
教える立場としての熱意を語るリビドーの方へ、頼もしそうな眼を向けた。

「考え方が変われば、見えてなかった選択肢や道も生まれるものねェ~。
 学園で受ける刺激に自己や概念が迷ってしまっても、見直す方法があるって理解できるのだしィ」

書類の間に挟まっていた薄っぺたい小瓶に、アラ懐かしいと漏らす。
水色がかった液体が少量詰まっているそれを、丁寧に横へどかした。

「魔術や異能を動かすために知る哲学だけじゃなく、考えて突きとめる楽しさは精神にも眠っているって、
 リビドー先生の授業で学んでほしいわァ、アタシ…。目に見えるものだけが全てじゃないもの…」

リビドー >  兎に角色々出てくる。
 それとなく彼女?彼?いや、白泉椿丸だ。
 白泉の荷物から白泉の片鱗を見て取りながら、ゆっくりと会話を続ける。

「ああ。とは言え哲学だって刺激っちゃ刺激だ。
 そのように迷わせてしまうからな。そこも踏まえねばならんとは常々思っている。
 だから最初は魔術や異能を動かすために知る哲学として悩まずに扱えるようにもなってほしくもあれば、
 どこかでその位迷って欲しくもある。どうにもさじ加減が難しい。……おや?」

 小瓶を見つけて作業の手を一瞬止めていた。
 何か思い入れがあるのだろうか、と、気に掛けつつ。

「困ったな。そこまで褒められてしまうと照れてしまう。……でもそうだな。目に見えるものがすべてではない。
 その上で、目に見えないものは目に見えるものに隣接している。だからある種の形で突き止められる。
 故に考えて突き止めることの素晴らしさを知ってほしいと思う。」

白泉椿丸 > 「ウッフッフ。生徒たちに体験して欲しい欲は、教師誰もが抱える問題ねン!
 ちょっと意地悪な問題を出しちゃってェ、真剣に悩む顔を見たくなる時があるもの。
 突きとめていく方法や解決方法は教えちゃったら、いくらでもあるけど、ネ…」

そう、子供たちが悩む姿って可愛く見えちゃうのよね、大人って。
すっごく意地の悪いことしてるって分かってても、ついついヤっちゃう…。
その悩みを踏み越えて成長して欲しいし、頼っても欲しいなんて…ワガママよねン。

リビドーが小さく疑問の声を出したのを耳にした椿丸は、自分の荷物を見る。
これが気になったのかしらと、先程の小瓶を彼へ見せた。
手に取るかと差し出すのだから、囲っておきたい品というわけではないようす。
液体は油のように、しゃばしゃばしたとろみを持つ存在だ。
リビドーの語りへしっかり頷きながら、悪戯っぽく緑の眼を細めて

「リビドー先生は照れた顔もステキだと思うから、真っ赤になってくれてもイイのよ~?」

リビドー >  
「全くだ。
 教師程欲深い職業もないかもしれんよ。……ああ、それだそれ。何かなと思ってね。」

 提示された小瓶を見て、差し出されれば手に取って改める。
 興味津々に色んな角度から小瓶を見たかと思えば、すん、と、匂いを嗅ぎもする。
 果て、何だろうか?

 彼女は身なりに気を遣って高められる様に思う。
 だからまずは(詳しくはないが)美容品か?とアタリを付けた。
 
 とろみが強い様に見えるが、香水だろうか?
 近しい所の香油だろうか?
 あるいは美容品ではなくて、専門分野に連なる薬品だろうか?

 熱心に調べている横で悪戯げな甘い語調の声が聞こえれば――

「……そこではいと言えたら赤くならんな。」
 
 ――不意を打たれたらしく、落ち着かなさそうに視線を逸らしました。
 
 

白泉椿丸 > リビドーの仕草に大笑いである。
手のひらで口元を隠し、ウフフほほほと響かない程度に肩を揺らす。
思っていたよりも可愛らしい反応をもらい、とても楽しそうだ。
クスクス笑いをそのままにして、しようとしていた説明を改めて口にした。

「フフ、それはねェ…魔女薬の一種よ~。
 耳の後ろに塗るのだけどォ、聴覚へ働きかけて音を拾いやすくするのン。
 アタシの学科は実習があるから、全体へ眼を向けられない時の為の補助ってとこねン」

香りはシトラスに近いが、深く吸い込んでも鼻の奥に苦味が残らない。
人差し指にたらす程度の量を両耳に1回分で使用するのよン、と自分の耳を指す。

リビドー > 「全く……」

 大きく息を吐き出し、小瓶を置く。
 白泉椿丸の装いや振る舞いは恐らく人を選ぶ程度には特徴的だが、
 完成度の高い装いと肉体美を持っているに違いない事は分かる。
 それ故に動じるものはなく哲学的にも好ましいと言える。

 が、唐突には照れた顔もステキだと思うから、真っ赤になっても良い――
 ――要するに照れや羞恥で顔を赤くするようなものを肯定されるのはどうも困惑する。
 そのようなイメージしてしまえばギャップを覚える。
 早い話、自分の姿勢や理論の外、似合わない行動を想起してしまうだけでもすごく抵抗がある。

「成程、見えなくとも聞こえていれば分かる事もある。ちょっとした聖徳太子になれるのは好い。
 音には感情が敷かれて言葉には理論が乗る。聴く事は大事な要素だな。」

 理論を通して要素を評価しつつ、気を取り直す。
 取り直している。
 

白泉椿丸 > 「生徒のお喋りはともかく、なんだけどネ。
 製薬する際に起きる手順違いで、ちょっとした暴発…なんかもあるから」

危ない時は素早く動いて生徒を庇うらしい。
それはもう、この肉体に魔術を乗せた動きで俊敏に移動するのだ。
指先の火傷程度ならば軽い注意と手当で済むが、それ以上となれば――らしい。

リビドーの困惑や佇まいの取り直しには深く突っ込まない。
というより、それを眺めるのも楽しいのだろう。それは、気を取り直すしぐさすら。
椿丸はあいも変わらずニコニコしながら、整頓をする手を止めずにいる。
箱も大方片付いて、本当にいらないものだけが寄せられていた。

「さあて、ようやく授業の準備が出来るデスクに戻って来たわねェ~…」

リビドー >  
「そうだったな。生徒の言葉だけじゃなくて、生ずる音もか。
 確かにそれも肝要だな。危ない音と分かれば即座に動ける。」

 納得する調子はいつも通りに。
 整ったデスクをまっすぐにみれば、内心で白泉の手際の良さを覚えた。

「ああ、お疲れ様。
 ……準備で思い出したが、ボクも授業の準備が残っていたな。
 少々名残惜しくもあるが、ボクもボクでやることを片づけなければならんな。」

 そうと決めれば廊下に通ずる扉へ向かう。
 扉の前まで歩けば、振り返る。

「と言う訳で失礼するよ。
 それでは、また後で。白泉。」

ご案内:「職員室」からリビドーさんが去りました。
白泉椿丸 > 「ええ、またそのうちね!」

準備へと消えていったリビドーの後ろ姿に、そう声をかけた。
生徒だけじゃ無く、先生との交流もやっぱり大事よねェと独り言。
箱を持ち上げ、丁寧に重ねる。

白泉椿丸 > 重ねた箱をたたむ。
さらに丁寧にたたみ、中に存在する燃えるゴミごと圧縮していく。
たたむ。方向を変えて畳む。さらに方向を変えてたたむ。

めきめき、めきめきと嫌な音をさせながら箱はおもいきり小さくされた。
その間の椿丸の腕と言えば、まるで丸太の様に膨れ上がっていた――らしい。

フゥ、ひと段落ネ!といった顔で、何事も無かったようにゴミ袋へ箱だったものを入れる。
あとはほこり取りをサッとかければ終了だ。

ご案内:「職員室」から白泉椿丸さんが去りました。