2016/12/16 のログ
ご案内:「ロビー」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 > ロビーのテーブルに沢山のレジュメを並べてうーんと唸る

そう、進路関係の話題が増える季節である
冬休みを経て歳を超えれば、皆が必死になってゆく……ハズ

「でもまぁ、この島だとそんなこともないのかもなー…」

広げたプリントを集めて、トントンと整える

伊都波 凛霞 >  
───しかしそんなことよりも、
我がイメージチェンジは成功したと言える

まぁ前は膝裏近くまで髪があったし、どうしても目立っていたけど
心機一転、バッサリとそれを切ってしまって、ついでに眼鏡もかけた

実はこの眼鏡、研究区から借りている特注品なのだけれどそれは置いといて

───この一年色々なことがありすぎて、
少し学内でも悪い意味で目立つというか…噂の立つ存在になってしまった
それとどこか気持ちの切り替えポイントが欲しかったのもある

…まぁ、地味にはなったけど別にヘンじゃないと信じて
冷え込むようになってきた中でも温かいロビーで、
ポケットからコーンポタージュの缶を取り出して手でコロコロする

暖房の中でも末端はまだまだ冷えるもの、缶の熱が心地よい

ご案内:「ロビー」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > 着物を着た男がロビーへと入ってくる。
珍しく学校に来ていた男は、ふとロビーで見覚えのある顔を見つける。
髪の毛を切り、大分アイドルとしての雰囲気は無くなっている。
が――

「やぁ、凜霞」

彼女のテーブルを見て、ふと気付く。
そういえば、冬休み前の課題の提出時期だ。
そんな物をやった事が無いのですっかり失念していた。

「課題、結構あるね?」

伊都波 凛霞 >  
「あれ?烏丸くん」

学校で会うのは本当に珍しいなと思った
イメチェンした自分に人目で気づくのはさすがというかなんというか

「ふふ、休み前だからねー。
 烏丸くんはどうしたの、講義?」

烏丸秀 > 「ん? あぁ、学校の美術室にね。新しい教材の納品」

一応信用商売である。
たまに顔を見せておかないと、商売に差しさわりがあるのだ。
ちなみに教師からはたまには授業に出ろとお小言をいただいた。
いつもの事なので無視。

「んー、凜霞、眼鏡をするとちょっと童顔に見えるかな?」

ずけずけと感想を言いながら隣に座る。
ちょうどいいので、ここでお茶にするつもりなのだ。

伊都波 凛霞 >  
お仕事のほうかー大変だねー、なんていいつつ
手元でまとめたプリントはバッグへとしまって、
手元で遊んでいたコーンポタージュのプルタブを開ける

ナチュラルに隣に座ってきたことに関しては、まぁ、彼はそういう人だし

「あは、そう?
 大分印象は変わるかな~?なんて思ってかけてみてるんだけど」

かわいいでしょ?と邪気のない笑顔

烏丸秀 > 途中で買ったほうじ茶のペットボトルを開ける。
まだ温かい。

「うん。なんだろう、最近の流行だよね。『顔は地味系だけど身体がエロい』まさに凜霞の為にあるような言葉だね」

さらっとひどい事を言いつつ、ふと。
先日、彼女に会った事を思い出す。

「――そういえば、この前悠薇ちゃんに会ったよ、公園で」

伊都波 凛霞 >  
口に運ぼうとした缶が途中で止まる
全く他の学生も結構そちらこちらにいるのに、この男は

「ね~、それって褒め言葉~?
 そりゃー残念ながら身体の方まではイメチェンできなかったけどー」

じとーっとした視線を向けて
続いた言葉には、少しだけ眼を丸くした

「悠薇と…?
 あ、さてはまだ諦めてないなー?
 やめときなってー悠薇と烏丸くんじゃ釣り合わないよー」

あははと茶化すように笑う

烏丸秀 > 「んー……」

少しだけまじめな顔。
ちょっとだけ、気になっていた。
もう彼女に焦がれる気持ちはない。けれど。

友達が危険な状態にいるかもしれないのを、放っておくのも寝覚めが悪い。
これでも、身内には甘いのである。

「悠薇ちゃんさ、最近、また異能の事で悩んでる?」

あの天秤の異能。
その正体は、分からない。
だが――

伊都波 凛霞 >  
「ん…」

烏丸の顔がまじめである
となれば茶化すのは失礼だ、一口、コーンスープを口へ運んで…


「さあ…。
 でも私はもう異能のことで悩むことがさっぱりなくなったから、
 悠薇は悩んでるのかもしれないなー……」

自分がずっと近くにいれれば平気なのだけど
姉妹とはいえそんなわけにもいかない、というか、最近はちょっと避けられている気もする
……良い意味と悪い意味両方で

「何か気になることでも言ってた?」

烏丸秀 > 凜霞に心当たりは無いらしい。
だとすれば、烏丸の気のせいなのかもしれない。

「天秤の異能の事でね。
――天秤とは一体何なのか、天秤とは誰が持っている者なのか」

彼女は悩んでいる。
間違いなく、自分自身に。
そう、烏丸は、知っている。

彼女の中には、『彼女』が居る。

「――どうだろうね。彼女は、自分自身の異能の事だけでなく。自分自身の事を、知りたがっているのかも」

伊都波 凛霞 >  
「……そういう年頃だよ。
 自分自身のことでも悩むし、この島にいる人なら異能との付き合い方にも悩む」

言い終わると、ぐーっと残ったスープを一気に飲み干す
テーブルに缶を置いて、視線を向き直った

「そういうのも思春期だしあるある。
 大丈夫、あの子にはちゃんと私がついてるんだから」

にっこりと、まるで変わらない笑顔を見せる

烏丸秀 > 「――甘やかすなぁ、凜霞は。
その調子で、ボクにも甘い言葉のひとつでもくれればいいのに」

やれやれと肩を竦めてみせる。
まぁ、この話題はこれくらいでいいだろう。
どこまでも、彼女達姉妹の問題だ。
烏丸に出来る事と言えば、求められればアドバイスをする事くらいである。

「あ、そうそう、鍋を新調したんだよね。しゃぶしゃぶも出来る奴に。
よければ今度食べにおいでよ」

そしてナンパも忘れない。
死んでも治らないやつである。

伊都波 凛霞 >  
「そういうこと言ってくれる女の人、
 烏丸クンだったら沢山いるんじゃないの?」

テーブルに頬杖をついて、にんまりと厭らしい視線を向けてやろう

「ん、ごちそうしてくれるってこと?
 いいよー最近そういうのご無沙汰だしね」

その提案は笑顔で受け入れる
──なんと言おうと、自分が折れたその問に一番身近にいた人間は彼である
ある種の、信用できない信用が打ち立てられていた

烏丸秀 > 「あぁ、心外だなぁ。
乾いたボクは、凜霞からの甘い言葉をこんなに望んでいると言うのに」

多少芝居がかった声で言う。
まぁ、言ってくれる女性は本当にあんまり居ないのだ。
もっぱら言う方だから。

「うん、じゃあ今度鍋しよう。できれば悠薇ちゃんも呼んで。鍋は人が多い方が楽しいし」

しれっと受けられれば、こちらも普通に返す。
まぁ、この姉妹とはこの程度の友人関係が心地よいのだ。
この男にも、距離をおきたい時期というのがある。

伊都波 凛霞 >  
「はいはい。
 それならちゃんと潤してくれる女の子のとこにいきなさいね。
 "今の私"じゃ、烏丸くんは乾いたままんでしょ」

芝居がかったその物言いに苦笑を返す

「そんなこと言ってー、本当は悠薇が目的なんでしょ。
 まぁいいけど、一緒ならちゃんと監督しておけるもんね」

烏丸秀 > 「ちぇっ、凜霞は相変わらずガードが固いなぁ」

くくっと笑って、降参とばかりに両手を上げる。
まだまだ彼女には勝てそうもない。

「――悠薇ちゃんはさ。あの件以来だと思うけど。凄く、しっかりするようになったよね」

ぼそっと呟くように言う

伊都波 凛霞 >  
「特売期間はあの時まで、残念だったね」

くすくすと笑みを向け、
過去のことをさっぱりと流した表情を見せて

「んー…そうだね。
 変わったのか、変わろうとしてるのか…どっちにしても、
 あの子があの子の臨んだカタチになれるなら、それでいいけどね」

烏丸秀 > 「ん、本当に。
――ボクの愛したはるかちゃんはもう居ないんだなぁって、ちょっとアンニュイになったよ」

ふぅ、とため息を吐く。

彼の愛したはるか。
その瞳に、憧れと羨望と嫉妬と渇望。
全てを宿したあの少女は、もう居ない。

分かっていた。あの病室で別れた時から分かっていたはずなのに。
いざ失うと、やはり、寂しい。

「でも、悠薇ちゃんは、何を望んで、何になろうとしているのかな」

ゆっくり立ち上がりながら

伊都波 凛霞 >  
「気になるなら、聞いてみたら?」

立ち上がる烏丸を目で追いながら、そう言葉を投げる

「私は一番近くにいるくせに、なかなかあの子の気持ちを見つけてあげれないから」

自分がただただ不器用なのか、
妹が巧妙に隠しているのか、それはわからないが

そしてついでに

「烏丸くんならすぐ次の相手見つけられるよ」

励ましなのかそうでないのか、微妙な言葉を投げつけておくのだった

烏丸秀 > 「――悠薇ちゃんと話す機会があったら、ね」

それだけ言うと、ひらひらと手を振りながら、ロビーのゴミ箱にほうじ茶のペットボトルを捨てる。

近くに居るからこそ気づかない、か。

ちなみにもう次の狙う相手が居る事は決して言う事が無いのだった。

ご案内:「ロビー」から烏丸秀さんが去りました。
伊都波 凛霞 > 相変わらずだなぁ、なんて思って見送って
でも一度好きだと言った相手を気にかける様子はどこか可愛らしくも見えて

「…なんて、さすがに本人の前じゃ言えないよね」

くすっと笑って、自分も立ち上がる
冬季休業前とはいえまだ講義がある、小さな腕時計で時間を確認して肩にバッグをかけたらさぁ走ろう
おもったより長話をしてしまったらしい

ご案内:「ロビー」から伊都波 凛霞さんが去りました。