2017/01/14 のログ
ご案内:「ロビー」に朝日希さんが現れました。
朝日希 >  
「ふぅ……」

今日最後の授業を終えた私は"いつものように"自動販売機で買ったココアを手にベンチで一息ついている。
周りを見渡すと、私と同じここの生徒たちが思い思いの時間を過ごしているが見えた。
人間と全く変わらない容姿の学生がいる、動物が二足歩行をしているような容姿の学生がいる、自我を持った機械の学生もいる。

ここは常世学園なのだから当たり前ではあるのだけど入学してから
今まで飽きることの無い景色。
日常と非日常が混ざり合ったこの空間を眺めるのが私は好きだ。

朝日希 >  
「この後どうしようかな。今日バイト無いからフリーだし……うーん」

未来は無限の可能性を秘めている、そう言えば聞こえは良いけどただの暇人。
結局いつもと同じようにただこの光景を眺めるだけに終わりそう。
好きだから良いんだけどね!

そうやってしばらく眺めているとふっと頭に今日のハイライトシーンが浮かんでくる。
基礎魔術の実技があった。
魔術の適正を持たない一般ピーポーな私は胡散臭いエスパーみたく『きてます……きてます……』と手をかざしながら言ってみたり。
もういっそ物理で何とかしようとして先生に注意されたりとしていたっけ。

クラスの受けも良くてなかなかに充実した時間──じゃない、あまり勉強にならなかった。
思い出したようにココアを一口飲む私。ああ、このほっとする甘さが良いの。

朝日希 > なんにせよ平和が一番だよね!
ぐびーっとココアを一気に飲み干して勢い立ち上がりゴミ箱まで歩いてポイ。
めんどくさいからって投げたりはしないのです。

「よーし、今日も一日平和でしたっと!」

プチ達成感を味わいながら伸びをする。さあ帰ろう。
そうだ、大体食堂で済ませてたからたまには自炊をしなくちゃ。
誰が言い出したか、女子力。そのせいでダラダラさせてくれないのも考え物だと思う、本当に。

今日も今日とて新鮮味溢れる一日でした。

ご案内:「ロビー」から朝日希さんが去りました。
ご案内:「職員室」に獅南蒼二さんが現れました。
獅南蒼二 > この学園にも教師がおり,職員室がある。
つまり,日夜,教師たちによる職員会議が行なわれているということだ。

「…………………。」

と言っても,それは小集団レベルの話であり,全教員が一堂に会することなどまずありえない。
そもそも中心となってそれを計画するような人物が居ないのだから。

無論,この男はそんな会議に興味があるはずもなく,日夜無断欠席を繰り返している。
だが今日ばかりは,魔術学部棟実習室の鍵を取りに来たタイミングが悪かった。

獅南蒼二 > 職員による新年の運営方針確認,そして決起集会といったところか。
各学部からの報告が済んでからは,めいめい新年の抱負を語ったりと,
和気藹々とした様子で親睦を深めているといった具合だ。

「……………………。」

この男はと言えば,自席についてはいるが,無論会議には参加していない。
深く椅子に座り,腕組をして,静かに,目を閉じている。


……あれ,寝てるんじゃね?

ご案内:「職員室」にルギウスさんが現れました。
ルギウス > 「もしもし?
 もしもーし? 起きてますかぁ?」

そっと耳元でいい声で囁く男。
もちろん、この男も会議なんて知ったことでないので参加している様子は微塵もない。

獅南蒼二 > びくりと体を動かすことも無く,獅南は静かに瞳を開く。
それから,ゆっくりと視線を貴方へ向けて…

「…居眠りをしていた方がまだ有効な時間の使い方だとは思わんか?」

これが教師だってんだから世も末だ。

ルギウス > 「居眠りよりも内職の方が有意義かと思います。
 まぁ、私も会議は自分会議で済ますのでどうでもよろしいのですがねぇ?」

この男の場合は文字通り複数の自分で会議を行うので性質が悪い。
そしてそんな両者が教師なので、不安は募る。

「まぁ、それはそれとしましてねぇ……仕入れていただきたい代物がありまして。
 魔術的なモノでしたら、明るいでしょう?
 私はソレを利用した儀式の準備で手が離せなくなりそうでして」

獅南蒼二 > 「なるほど道理だ…次は魔具でも持ってくるとしよう。
 しかし,アンタの言葉は時々意味不明だな……。」

貴方の正体を知るはずもない獅南はそうとだけ述べて苦笑する。
追求するつもりなどあろうはずもない。尋常でないことは肌で感じている。

「魔術関連の資材など市場に溢れているだろうに……表沙汰に出来んような話か。」
面倒そうに肩をすくめてから,まっすぐに貴方を見る。
「アンタの狙いと,私にどんな見返りがあるのかくらいは先に聞きたいものだな?」

ルギウス > 「魔術の実験は、裏で密やかに行うものだと思いませんか?
 私が表で大々的に実験する場合は、もう世界崩壊目前ですけれどねぇ?」

くくくと笑って。

「この国由来の死者蘇生法の実験ですよ。
 見返りは……成功時のノウハウ、でいかがでしょう?」

獅南蒼二 > 「……その考え方はいかにも旧時代的だと思うがな?」

そうとだけ言った後で,貴方の言葉に目を細めた。
それまでの気の抜けた表情が,一変する。

「よほどの間抜けか,それとも楽観主義者か。
 アンタは自分で言っていることの意味が解っているのか?
 ……いや,どうせ分かったうえで言ってるんだろうな。」

小さく息を吐いてから,

「大方見当はつくが,何が必要なんだ?」

ルギウス > 「私、こう見えてもかなり旧い人間でして」

しれっと返事をしながらも。

「私はただの道楽者ですよ?
 それに……魔術が過去の積み重ねであるならば、過去からも学びませんと。
 貴方も私も興味深いものに対しての倫理なんてとうに捨てたでしょう?」

同じ穴の狢ですよ、と。

「陰気をたっぷりと吸った葡萄、筍、桃。
 それから陽気をたっぷりと吸った岩」

指折り数えていく。

「もしくは、この国に伝わる旧い経典ですかねぇ。
 アプローチ方法は幾つか考えてはいますが、中々に難航していまして」

獅南蒼二 > 「アンタよりか理性的であろうと努力はしているつもりだが…
 …まぁ,何を言っても言い訳がましいな。」

苦笑しつつ,貴方の提示する品を聞き,呆れたように肩をすくめた。
事実,獅南は貴方の考えたアプローチ手法を脳内で構成し,模倣し,検証し,文字通り呆れていた。

「…神話を再現するつもりか。」

そうとだけつぶやいてから,深く椅子に座り直し,
もう一度息を吐いて……

「本土へ行けば手に入らんこともないが,時間か,もしくは金がかかる。
 アンタが失敗すれば私は丸損なわけだが,随分と分が悪い投資じゃないか?」

答えた獅南は,すでに脳内で自分なりのアプローチを構成し,検証していた。
……まぎれもなく,同じ穴の狢である。

ルギウス > 「神話の再現は、手っ取り早く起こせる奇蹟ですのでねぇ。
 ああ、金なら糸目はつけませんよ。
 趣味に全力出すのが私ですので」

言いながら金額が空白の小切手をヒラヒラと見せる。

「もし本土まで行くのでしたら、香もお願いしたいところではありますねぇ。
 沈香と乳香をお願いしたいのですが」

獅南蒼二 > 「随分と気前が良いな…。」

苦笑しつつも,躊躇することなくその小切手を受け取った。
この男のことだから,使い込むことはしないだろう。
少なくとも魔術学の分野に関して,この男は極めて誠実なのだから。

「…まったく,道楽者とは救われん人種だな。
 手っ取り早く奇跡を起こすつもりで災厄を呼び覚まさんようにしてくれよ。
 ……それと,物の質は保証するが,出所は聞くな。」

そうとだけ言って,獅南は立ち上がった。
貴方が何をしようとしているのか,そんなことには興味は無い。

だが,死者の蘇生……魔術学でも古くより多くの魔術師が挑み,そして悲惨な末路を迎えた,禁忌とされている分野だ。
その手法,実験に,興味を抱かぬはずがない。

「渡航費くらいは必要経費だろうな?」

そんな冗談を言いつつ,会議中の職員室から堂々と去っていく。
もはや周囲で行われている会議など,雑音でしかなかった。

ご案内:「職員室」から獅南蒼二さんが去りました。
ルギウス > 「ええ、御自由にお使いください。
 どうせ貴方も金の出所は聞きたくないでしょうから、そこはお相子ですよ」

くくくと笑う。
そのまま、同病の男が去っていくのを見送った後に。

「元から災厄を狙っているんですから、奇蹟が起こる方が困るんですが、ね?」

そう呟いて、舞台上のスポットライトが消えたように男も姿を消した

ご案内:「職員室」からルギウスさんが去りました。