2017/02/13 のログ
ご案内:「屋上」に三谷 彰さんが現れました。
三谷 彰 > 「っきし!」

 マフラーをしっかりと巻きポケットに手を突っ込んだまま夜の屋上に彼は立っている。別に忍び込んだわけでもなんでもない。単純に見回りの担当が今日はここだったというだけの話だ。体をブルルと震わせながら彼は壁にもたれて景色を眺める。

「まさかこんな日に担当になるとは」

 愚痴るのも仕方が無い、それほどまでに寒いのだ。魔術を使えば簡単に暖まれるが魔術をあまりそういうことには利用したくないというのが本音である。あくまでも必要な時以外は異能も魔術も無い人と同じに暮らすというのも大事な考えではないかなと考えたりするのは彼が元は無能力者だった故だろうか。
 だがここまで寒いと使いたいという気分にもなろうというものだ。

三谷 彰 > 「……」

 ブンブンと頭を振りその考えを消す。昔実家で教えられたのだそういう誘惑に負ければ技が鈍ると。確かに楽かもしれないがそれでは自分の理想とする武術家からは遠くなってしまう。そう考え再び見回り……というより見張りに戻る。
 今回ここにいる理由はここにたむろする生徒がいるらしいという話からだったのだが。こんなに寒い冬の夜の下にわざわざ好き好んでこんな場所に来る奴はいるのだろうか。少なくとも自分は来ないだろうなと一人考え勝手に納得する。

「っくし。あぁもう」

 もう一度クシャミをしてポケットから出したティッシュで鼻をかみ近くのゴミ箱へと入れる。
 時計に視線を落とす。まだ見張りの時間は残っているはぁとため息をつくもそのため息は白い煙となって空に溶けていった。

三谷 彰 > 「……時間か」

 時計に視線を落とすといつの間にか見張りの時間は終わっていた。逃げるようにして棒など必要な物を背負い通信機を取り出す。

「こちら三谷、異常なしでした」

 定期連絡を済ませそのまま階段を下りていった。

ご案内:「屋上」から三谷 彰さんが去りました。