2017/02/27 のログ
■クロノ > (いつしか夜風から凍えるような寒さが和らいできて、少しずつ湿り気を帯びた重くて柔らかい空気感を感じられるようになってきたある日の夜。公務補勤務を終えて、仕事上がりにちょっとお散歩、な男の子ロボット。)
……~~♪
(電話の保留音か、あるいは携帯の着メロみたいに無機質で不自然な鼻歌は相変わらずだけど、職業上必要なわけでもないから、歌唱力をアップデートする予算は貰えない。)
…あ、名無先生、お疲れさま!
(階段から屋上へと続く重厚な鉄扉をギィ、と開いて、ニコニコ顔で金属の手をヒラヒラ振る。)
■暁 名無 > 労働に対する報酬がしょっぱいだとか、
何より自由な時間が少なすぎるとか、
現状に対する文句ばかりがつらつらと頭を掠めて、それらを全て煙にして空へと吐き出す。
幸いにしてほぼ毎日の様に女子高生を見る事が出来ることくらいで、それだけが唯一俺の心の安らぎだった。
いや、女子高生じゃちょっと子供過ぎる気がしないでもないが。
そんな俺のささやかな物思いタイムは突然の終わりを迎える。
「あ? ああ、クロノせんせ。お疲れ様っす。」
顔を見せた相手に軽く手を振って、短くなったタバコの火を消した。
■クロノ > …こんな遅くまでお仕事? …無理してない?
(僕でよかったら手伝う?と、なんだか悶々としている様子の相手を心配そうに覗き込む視線。)
…ぁ、名無先生。
(相手の手元を見て、男の子ロボットはそれをちょん、と指差し、自身の口許で二本指を立てて物欲しそうにちょっと上目遣い。見た目は16歳型のロボットだけど、製造からは既に120年以上経過しているうえに、そもそも生き物ではない男の子は法的には云々…というのはさておき。)
■暁 名無 > 「してないしてなーい、どうせ家に居ても恋人も居ないし無駄な時間を使うだけなんでね。」
自分で言ってて悲しくなるが事実は事実、出会いを求めて島内をうろついたところで碌な出会いが無さそうなのは目に見えているし。
「ええ?俺はともかく、クロノ先生が喫うのは何かと問題が無い?
こう、ビジュアル的に。生徒が見たら良く思わねえと思うよ?」
そう言いつつ箱から一本抜きとって差し出す。
自分が新たに吸う為に。ついでだ、ついで。
■クロノ > …そぅ?…だからといってずーっと仕事に張り付いてると、きっと心が疲れちゃうよ?
(学校の備品という立場で、養護教諭と公務補、シフトによっては夜間巡回の警備も担うロボットは、それでも人間の職員同等くらいにちゃんと余暇も貰って、非番の時は生徒との交流とかも案外満喫しているらしい。住所も教職なのに学生寮の一室、という扱いだ。)
……そぅ?かな。 …っふふふ、ありがと。 …あ、ちょっと火、貸して?
(受け取った小さな紙筒を慣れた仕草で咥えて、ライターのおねだりも忘れない男の子。)
…確かに、学校の生徒たちに見られたら…ちょっとびっくりするかもね。…ん。懐かしいなー、この感じ。
(煙草に火を着けて、先端がぽっ、と明るくなる。その後、話しながらふわふわと煙を吐く男の子の視線は、指先に挟んで燃えている種火へと。)
…ここにくる前、野良だった頃は…路地裏生活だった事もあって。時々、こういう趣向品に触れる機会も、あったんだ。
…名無先生の子供の時の将来の夢って、覚えてる?
(再びふわぁ、と慣れた雰囲気で紫煙を燻らせつつ、お隣に並んでそんな質問を。)
■暁 名無 > 「まー、その辺は色々と俺も仕事しつつのリフレッシュもしつつーって感じだから問題ないっすわ。」
主に目の保養、という意味で。
そこまで流石に言い切ってしまうのは虚しいので、言及されると困るが。
「あー、はいはい。火っすね……えーと、ほい。」
ぱちん、と指を鳴らせば自分が銜えていた煙草もろとも火が灯る。
一度大きく吸い込んでから一気に吐き出し、
ぽつぽつと語り始める同僚の姿を見てから、フェンスの向こうの夜景へと目を移した。
「子供の頃の将来の夢っすか?……いや、覚えてないっすねえ。
何かとありましたからねえ、学校出てから此処に戻って来るまで。」
ふはー、と大袈裟に煙を吐きつつ肩を竦める。
将来の夢ねえ、と思い出してみるもののやっぱり何も思い浮かばない。さて、今の俺は何を考えていたっけか。
■クロノ > …そぅ。よかった。ちょっと安心したよ。…でも、何か困った事があったら、いつでも言ってね?
(学校の備品という立場上、医師、養護教諭としてのケアの対象は生徒に限らない。)
……わぁ。 …っふふふ、便利~♪
(相手に頼んで火を着けてもらって、そのちょっとしたマジック感に男の子はきゃっきゃと楽しそうに笑う。)
…そっか。名無先生、今すぐじゃないとは思うけど…先生やめたら…どこか遠くに行っちゃうの?
(人生色々、それぞれの経験も色々。非常勤教師である相手のそんな曖昧な回答に、ふと隣の相手を振り返って見上げるガラスの視線。なんだか、なんとなくだけど…異界から来た機械仕掛けの男の子は、隣の相手にも、すぐ隣に居るのに、妙に遠い距離感を覚えて。)
■暁 名無 > 「はいは~い、どうもどうも。そん時は頼りにしてますよっと。」
タバコを銜えたまま笑うってのは中々に難しい。
とはいえ厚意を無下には出来ないので一応笑みを浮かべて応えておく。
彼女が出来ないというのは果たして何処まで相談に乗って貰えるんだろーか。
「俺が使える魔術の最低限で最大限っすからねえ
まあどうせなら女の子に喜んで貰いたいもんだけども。
……教員を辞めたら?
あー……うーん……考えた事無かったな、そういや。」
未来から来た。
ただそれだけの理由で半ばこの島に縛り付けられている現状を打開しない事には、将来も何もあったものではないんだがね、と言いかけて口を閉じる。
こういう時タバコは便利だ。何か言おうにもどうしても一拍必要になるから。
■クロノ > (ゆっくり吸って、ふわぁ、と吐いて。見た目は子供のロボットはしかし、煙草の扱いについては、ごく自然に馴染んだ仕草を繰り返す。変なところで噎せたり、苦さに顔を歪める事もなく。)
…ん、そうだ、お昼休みとか、良かったら遊びに来なよ。
(保健室でお昼ごはんついでに語らう生徒たちも一定数居るから、相手くらいの若手で気さくな先生だったら一緒に居ると楽しいかも、とお誘いしてみる。…目の保養になるかどうかは、分からないけど。)
…っふふふ、女の子じゃなくて残念でした。
(相手の魔術は、些細なものではあるけどちょっと何かこういう時に便利なんだろうな、としみじみ観察しつつ、残念ながら魔術にも異能にもてんで無縁な男の子。)
…じゃあ、他の違う世界に行ってみたいとかは、思ったことある?
(異世界から来た男の子は、相手の過去や経緯なんて殆ど知らないけど、相手が専門職の分野以外に興味関心がどのくらいあるのか気になって尋ねてみる。)
■暁 名無 > 「昼休みぃ……は、まあ暇があったらかねえ。」
どちらかと言えば研究肌な性分も相俟ってか、実のところ仕事の合間に『趣味』の生態調査もほぼ同時に行っている。
その為、休み時間の大半は趣味の時間という有様で、大抵引き籠って昼食も忘れて過ごしていたりだ。
此方に来てまだ一年も経っておらず、教員としても日が浅いんでやる事は山の様にある。
まあ、本当に暇があれば行ってみるか、と俺は頭の片隅にそっと置いた。
「違う世界ねぇ……んー、興味が無いっつーわけじゃねえが。
何て言うか、今はそこまで見据える余裕が無い訳で。少しは楽になれば考えられるんじゃねえかな……。」
ふー、と紫煙を吹きながら考えるままに口にする。
何はともあれ、今はやるべき事に追われる日々をどうにかしねーと、って状況だ。
「ま、も少しこの仕事に慣れたら、っすかねえ。
幸い俺の手の届く範囲でデカい問題は起きてねえし、このままなら半年もすりゃ余裕は出来そうっすけど。
……と、そんな事言ってたらそろそろ時間オーバーしちまうな。
悪いっすけど、クロノせんせ。そろそろこの辺で。」
俺はタバコの火を消すと、ひらりと手を振りながら屋上を後にしたのだった。
ご案内:「屋上」から暁 名無さんが去りました。
■クロノ > …ん。そっか。楽しみにしてるね。
(非常勤ということで、先生業務以外にも色々やることがあって忙しそうだから。生徒たちも交えて、相手とも一緒に楽しい時間を過ごせる時を待っていることにしようと。)
…… ──── ん。そうだね。
(相手が今の仕事に慣れて、時間にも、気持ちにも、もう少し余裕が出来ることを期待しつつ。再び忙しなく仕事に戻る相手を見送りつつ、「お疲れさまぁ~」と、煙草を持ってない方の手をゆらゆら振って見送ろう。残された男の子ロボットは再び一人、手元の煙草が尽きるまでそれを嗜んだら、同じように来た道を降りて巡回業務に戻る。)
ご案内:「屋上」からクロノさんが去りました。
ご案内:「職員室」に谷蜂檻葉さんが現れました。
■谷蜂檻葉 > 「―――はい、ですから本島に戻らずに暫くこちらに滞在を続けるつもりです。」
職員室で、穏やかな女性教師の前で檻葉は穏やかに本島への帰還を否定した。
「ええ。 ……少し、思うことがありまして。」
女性教師は、最初は檻葉が帰島する事を聞いていた。
彼女のある程度の事情を知った上で、進路指導として彼女が改めて「社会復帰」する事を喜び、勧めた。
しかし、卒業を間近にして――――
一応の、区切りとしての卒業だ。常世学園に時期における卒業は存在しない。
―――彼女はそれを撤回して、この島に残る意志を示した。
■谷蜂檻葉 > 「……え。 あ、いや別にその、体重がどう……とかじゃないですから。
もう。 先生と言えども怒りますよ? 確かに、その……”ちょっと”太りましたけど。」
別に、島に残るのも自由だ。
けれど女教師は比較的「島外」を是とする思考を持っていた。
―――なにせ、ここは”吹き溜まり”だ。
「島外」も似たり寄ったりな状況であるとは言え、此処に居る事は生物学的な、”歴史学的な”停滞を齎す。
……この島にいれば勘違いを起こしやすいが、この島は『集めて』この量なのだ。
散らばれば、そう簡単に同様の異能者に出会うという事はない。
(”怪異”としての超常には得てして出会うだろうが。)
■谷蜂檻葉 > 「勿論、別にずっと此処にいるつもりもありませんけれど。
それでも、もう少しここで『自分のやりたいように』していきたいな、って思ったんです。」
女教師は迷う。
彼女が見つけた『やりたいこと』に対し、背中を押すべきか。
―――それとも、引き止めて『一般的な答え』に引き止めるべきか。
この島における、【教育】の答えは非常に難解だ。
性善説、性悪説に頼るような考えでは最悪街一つ滅ぼすような存在が、
それを『ゲーム』のように楽しむ事を覚えて闊歩しだしかねない。
けれど、かの異能を持たざる者が『ただの人間』としての視点で引き止めれば、
時に革新的な―――もしくは伝説的な偉業を成しうる『黄金の卵』をくず鉄に変える。
■谷蜂檻葉 > 「―――はいっ! 有難う御座います、先生。」
それから、もう数分の間。
女教師は彼女から聴き得る限り全ての事を聞いた上で、彼女の背中を押すことを決めた。
『誰かを助ける仕事をしたい。』
どうやって―――という内容は聞き出すことはできなかった。
だが、彼女の素行。そして能力から考えれば「よろず屋」としてのヘルパーの道を選ぶのだろう。
基礎的で、地道な仕事はその仕事の中で、また新たな道を見出すことが出来るだろう。
それこそ、島内にいるのであれば彼女のもとに訪れるなりしても良い。
女教師は、多くの保険的な『楔』がしっかりと彼女が進むであろう道にあることを確認して頷いた。
■谷蜂檻葉 > それから、檻葉は女教師に幾つかの質問と島内における開業に関するルール(もしくは、暗黙にある”取り決め”のこと)と、彼女から聞けない内容に関する別のアドバイザーについて確認し、職員室を後にした。
ご案内:「職員室」から谷蜂檻葉さんが去りました。