2017/05/08 のログ
ご案内:「食堂」に藤巳 陽菜さんが現れました。
藤巳 陽菜 > ゴールデンウィークは終わり学校が始める。
人が戻った食堂で他の学生たちはどこに行った、どこも行けてないなどの話をしている。
そんな中を、少しずつ慣れて様になって来た身体の動きでプレートを持って空いた席を探す。

「…まあ、私は普段と何も変わらなかったんですけどね。」

溜息を吐いて一人つぶやく。
特に遊びに出かけることも無く、普段と同じように異能を直す為に色々と調べたりしていた。
充実していたとは言えないけどそれがそこまで寂しかったとも思わない。

…寂しかったとしてもそんな事を言える相手もこの島にはいない。

ご案内:「食堂」に柊 真白さんが現れました。
柊 真白 >  
(連休が終わった食堂は、やはり連休中とは活気が違う。
 そんな騒がしい食堂へ弁当箱を手にやってくる。
 空いている席はと見渡せば、一際目立つ異形の姿。)

――隣、空いてる?

(そんな彼女の元へ向かい、声を掛ける。
 感情の少ない瞳を真っ直ぐに向けながら。)

藤巳 陽菜 > Aセット、男子学生が満足できるこのセットの量に不足を感じたのはいつごろからだろう?
この身体になってすぐぐらいはそこまでの量を食べなくても大丈夫だった。
大盛のご飯に皿一杯に盛られたメインのおかず(今日はエビフライだ)汁ものに小鉢。
いままでの自分なら到底たべきれなかった量だ。

ようやく見つけた開いてる席にプレートを置いて席に座る。
椅子に尻尾を巻きつければ席のスペースをそこまで取ることは無い。
他のヒトがやっているのを見て知った方法だ。

背負ったリュックから弁当を取り出す。
本土で使っていたものもこっちにもってきていたがあれは小さくてあまり入らない。
取り出したのはそれこそ、部活をやっている男子学生のような弁当箱である。

「…いただきます。」

そう言って手を合わせる。

そこに声を掛けてきたのは少女。
あまり、話したことのない。一回だけ話した同級生。

「え、はい!どうぞ、空いてるわ!」

話掛けられた!前避けられたと思ったのは思い違いだったのかも…。
いや、席が空いてないから仕方なくかもしれないし。
どちらにせよ、横にある椅子を差し出して座るように促す。

柊 真白 >  
ありがと。

(弁当箱を机に置き、椅子を引いて座る。
 右手だけで器用に包みを解いて、箸箱から箸を取り出した。
 その箸を口に咥えて弁当箱の蓋を開ける。
 行儀が悪いが左手が使えないのだから仕方ない。)

――随分食べるね。

(以前ちらりと大食いとは聞いたが、思っていたより量が多い。
 一人前に十二分な量の定食プラス大きな弁当箱。
 人より巨体である事を考えればそんなものだろうけれど。)

いただきます。

(箸を右手の親指と人差し指に挟み、その右手だけをぴんと伸ばして軽い会釈。
 弁当箱の中身は煮物とか和え物とか、全体的に茶色い。)

藤巳 陽菜 > 「…その腕どうしたの?どこかで転んだの?」

見ると左腕に包帯が巻かれている。
骨折だろうか?
今まで普通に使えていたものが急に使えなくなるというのはとても不便な事だ。
それは陽菜にも良く分かる。

「えっ!いえ。沢山たべないとどうしてもお腹が空いてしまって…。」

(言えないわ…まだ、購買でパンを買おうとしてたなんてとても言えない。)

陽菜も年頃の女子だ。食べる量を指摘されれば顔も赤くなる。
そして、そんな事を指摘された上で更に食べるなんて出来ない!

「えーと、今日はお弁当、大丈夫だったのね。」

この前は中身が傷んでいたらしいが今日は普通にいけそうだった。
実家でもあまり出たことの無かった和食で構成されている。

柊 真白 >  
ちょっと切った。

(嘘ではない。
 強いて言うなら「ちょっと」が嘘だが、とにかく切った事には間違いはない。)

その身体なら仕方ない。

(自分は気にしないけれど、普通の女の子は気にすると言う事は知っている。
 食べずに空腹で過ごすのは辛いだろうし、別に気にしなくていいと言うように。)

――うん。

(僅かな間のあと、短い返答。
 煮物の人参を掴んで、口へ。
 昨日の夜作った煮物は、一日置いた事で良く味が染みている。)

藤巳 陽菜 > 「ちょっと?…まあでもいつも使ってた部分が急に使えなくなるって不便よね。」

ちょっとという割には随分とグルグルと巻いている。
通り魔に襲われて切りつけられない限りはそこまでの怪我はしないだろう。

「そうね、この身体のせいよね。はあ、早く元の身体に戻りたいわ…。
 …私こうみえて四月までは普通の身体だったのよ?」

そんな事を話す。
同じ学年であるならばもしかしたらその噂くらいは聞いているかもしれない。

「そういえばこのお弁当、柊さんが作ったの?
 えーと、家族の人、お祖母ちゃんとかが作ったとかじゃなくて?」

失礼だけど弁当の中身がなんとなくおばあちゃんっぽい。
この目の前の少女とギャプを感じてしまう。

柊 真白 >  
ちょっと、深く切った。

(言い直した。
 「ちょっと」「深く」と言うのは矛盾している気がするが。)

知ってる。
――異能でしょ。
だったら、その姿もあなた自身。
あまり否定ばかりするのはよくないと思う。

(自分の異能を否定し続けると、逆に暴走などが起きやすい異能もあると聞いた。
 だからあまり後ろ向きにならないほうが良い。
 そう言う意味で言ったのだが、誤解されるような言い方になっているかもしれない。)

家族はいない。

(おかずを口に運びつつ、それだけ告げる。
 ごぼうのきんぴらも良い味が出ている。)

藤巳 陽菜 > 「どっちよ!?まあ、大事ないならいいのだけど…。」

この子は少し、天然なのかもしれない。
だとすればこの包帯も巻きすぎているだけかも…。

「…この島の人皆言うわよね。それ。
 でも、慣れてるからそういう風に思えるのよ。
 …こんな姿じゃ本土の方では生きていけないわ。
 私は身体を戻して元の生活に早く戻りたいの。」

きっと、心配してくれているのだろう。
多くの人がそういう風に言ってくれる。
あまり否定しすぎるなとかその身体でも問題ないとか。
確かにこの島ではまだ普通に異邦人が暮らせている土壌がある。
ずっと、ここから出ないならばそれでも問題ないだろう。
だが、外は未だに排他的だ。

「…ごめんなさい。」

…そういえば以前、両親の遺産で暮らしていると言っていた。
彼女はもうずっと一人なのかもしれない。

柊 真白 >  
時間が経てば治る。
問題ない。

(一生使えないわけでもない。
 包帯を解けばわかるが、むしろ包帯を巻いておけばいい類の傷ではなく、病院に行ってしかるべき処置を受けるべき傷だ。
 ただそうなると怪我をした理由を聞かれることになるし、ならば自分の異種族としての治癒力に任せた方が色々と楽なのだ。)

慣れるしかない。
――それに元の姿に戻っても、今の感覚を忘れるわけでもない。
異能を持った人間は、以前の生活には戻れないと思う。

(厳しい言葉だが、そう言うものだ。
 新しい事を経験したなら、その感覚はいつまでも忘れない。
 人でありながら蛇の体を持つとか、効率よく人を殺す方法を知るとか。
 新しい力を得ると言う事はそう言うことだと。)

別に気にしてない。

(届出している情報上はともかく、実際はもう随分と昔の話だ。
 今更そう言う話になったところで思うことも特に無い。
 ご飯を口に運ぶ。)

藤巳 陽菜 > 「…異能に目覚めたせいで普通に暮らせなくなったけど
 制御できるようになって普通に暮らしている人の話もあるわ。
 直る頃には時間も経って色々今までと変わるかもしれないけど…。
 …それでも、私は普通に戻るわ…絶対に。」

確かに経験は消えない。今の姿でした苦労は消えないし努力も残るだろう。
それでも、元の姿に戻る事を諦めない。
諦めたらその時こそ今までの藤巳陽菜が消えてしまう。
根拠はないけどそんな予感がする。

「そうなの…。」

(気にしてないと言われても…。
 こっちが気にするのよね…。 )

いつも通りに平静で実際に気にしても見えるが…。
それでも、こちらが気にしてしまいどうも会話が止まってしまう。
静かな時間が少し流れて…。

「…えっと、柊さん。その…おかず交換しない?
 綺麗にできてるから気になっちゃって…。
 このエビフライときんぴらごぼうと煮物一口ずつでどうかしら?」

そう、切り出す。
実際きになっていたのは事実だ。
何というか料理に作りなれている感がある。
…きっと、一人になってからずっと作っていたのだろう。