2017/05/09 のログ
柊 真白 >  
……そう。
頑張って。

(どうやら決意は固いらしい。
 ならばこれ以上口を出すのも野暮というものだ。
 実際異能が発現しても変わらない生活を送っているものも居ると聞く。
 固い決意があるならもしかしたら大丈夫かもしれない。
 黙々と食事を続ける。
 静かなのは慣れているし、人と積極的に会話をするタイプでもない。
 特に気まずくもなんともなく、ひたすら食べ続けていたら。)

――良いよ。

(右手で弁当箱を彼女の方に押しやる。
 そのまま彼女の皿からエビフライを一尾失敬。
 エビフライを口に咥え、頭の方からもふもふもふと口に吸い込んでいく。)

藤巳 陽菜 > 「ええ、頑張るわ。」

…もしかしたらこの少女も何か異能を持っていてそれで苦労したりしたのだろうか?
そんな的外れな考えが頭の中に浮かんだ。

「…あ、ありがとう。っ!」

そう言って弁当に箸を伸ばしたところで…

(エビフライの食べ方可愛い…。)

表情に乏しいながらも小動物的な可愛さがある。
もう一匹くらいなら…。
そんな思考をなんとか振り払い煮物に箸を運ぶ。

「あっ、美味しい。」

しっかりと味が染みている。
実家で食べた煮物は主に麺つゆだったけどこれは違う。
あまり濃すぎずされど薄すぎず、和食って感じの味付けだ。

柊 真白 >  
(自身がどう、と言う事ではなく、単純にそれだけ多くの人を見てきただけだ。
 エビフライはしっとりとした厚めの衣が絶妙にパサパサだった。
 とは言え味はしっかり付いていて、所謂よくある定食屋のエビフライ、と言った感じ。
 学食なので質より値段と量と言った事なのだろう。
 皿代わりになる弁当は彼女の方だし、左手も使えない。
 合理的判断に基づく食べ方だ。)

特別な事は何もしてないけど。
ありがとう。

(普通に出汁を取って普通に煮ただけの煮物だ。
 食事はシンプルな方が好きだし、隠し味のようなものも一切入っていない。
 基本に忠実に作った煮物である。)

藤巳 陽菜 > 「…これもイケるわね。」

きんぴらごぼうの方もおいしい。
これは、ご飯がいける味付けだ。
久しぶりに食べた家庭の味に名残惜しさを感じつつも弁当箱を返す。

そしてご飯が無くなった今、弁当箱を開ける。
その中にはぎっちりと詰まったおにぎりが。
質実剛健な弁当箱と合わせて女子力という言葉とは無縁の弁当だった。

「私は料理とか出来ないのよ。ええ、全然。
 …こんな事ならもう少しくらい勉強しておけば良かったわ。」

おにぎりを口に運びながら言う。食べる速度はかなり早い。
流石におにぎりしか出来ないというわけではないが作れるのはせいぜいカレーくらいなものだろう。

柊 真白 >  
(弁当箱を返されれば、食事を再開。
 ご飯ときんぴらごぼうと煮物をバランスよく。
 所謂三角食べと言うヤツだ。)

良ければ教える?

(おにぎりがみっちり詰まった彼女の弁当箱を見て。
 得意なのは和食だが、洋食や中華などもそれなりに作れる。
 と言うか料理の基本を抑えていればどれもそれなりに作れるのだ。)

何か始めるのに遅いと言う事は無い。
料理なんてそんな難しいものじゃ無いし。

藤巳 陽菜 > 「本当?いいの?」

自炊は出来た方が良い。
食事量がどんどん増えてきている今の状況だと
いちいち外でご飯を食べていたらお金が全然残らない。
それに将来の事を考えても料理はやっぱり作れた方が良い。

「煮物とか何となく難しそうなイメージがあるんだけど…。
 教えてくれるならやってみたいわ。」

何となく煮物とかは面倒そうなイメージがあった。
実際に作ってみれば簡単なのはわかるのだろうけど…。

「流石にずっとおにぎりっていうのには限界感じてたのよ…。」

ふりかけを変える具を変える。
それでもセンスのない陽菜には7、8種類を使いまわすのが限界だった。

柊 真白 >  
別に構わない。

(別に減るわけでもない。
 何より彼女の弁当の中身を見たら不憫でならない。
 食に拘りがあるものとして我慢できなかっただけだ。)

そんな事は無い。
むしろ味付けたら煮るだけだから、楽。

(煮物ばかり作るのは手間が掛からないからと言う理由がある。
 出汁だって顆粒出汁を使えば手間も掛からないし、なんならそれこそめんつゆを使っても良いのだから。)

冷凍食品とか使えば良いのに。

(冷凍のグラタンとかスパゲティとか、弁当用のヤツが売っている。
 それを凍ったまま入れておけば、食べる頃にはちょうど溶けている具合だ。
 ぼそりと呟く。)

藤巳 陽菜 > 「そうなのね…。
 …じゃあ、カレーと似たようなものなのね。」

カレー、当然箱のやつだ。
野菜を切れさえすれば誰にでも作れるやつ。
あれなら陽菜も作った経験がある。

「冷凍食品…その発想は無かったわ。
 家ではあまり出なかったから。」

中学の時までは給食だったし。
確かに最近はそういうのもあるらしい。
料理が出来るようになるまでそういうのもいいかもしれない。

「…教えてもらうにしても腕が治ってからの方がいいわよね?」

片腕で料理するのは大変だろう。
でも弁当を片手で作ったのであれば問題はないのかもしれないが…。

柊 真白 >  
カレーも煮物。
それが作れるなら大丈夫。

(スパイスから作るなんて面倒な事はした事が無い。
 便利なものがあるならどんどん使えば良いのだ。)

スーパー行ったら色々見ると良い。
使えるものが沢山ある。

(自分も面倒な時とかはよく使っているし、腕がこうなった時のためにレトルトのものも常備している。
 最近は質も上がっているし、そもそもファミレスで出てくる料理も大抵レトルトだったりするし。)

別にどっちでもいい。
教えるなら全部私がするわけじゃないし。

(今の自分では料理など出来ないが、彼女に教えるのならば彼女が作業をすればいいのだ。
 ちなみに弁当箱の中身は怪我をする前に作ったものである。)

藤巳 陽菜 > 「…私でも作れそうな気がしてきたわ。」

カレーが作れればいけるというのであれば煮物もつくれそうではある。
…今度一人で挑戦してみてもいいかもしれない。

「こっちに来てからもスーパーはあんまり行ってなかったから…。」

基本的にコンビニだ。
コンビニにも色々と揃っているがなんせ見ない。
家で食べるのも弁当とかおにぎりくらいだった。

「そう、じゃあまた今度、近いうちにお願いするわ。
 …だから、その…メールとか交換しておかない?」

きっと、近いうちに教えてもらえる機会はあるだろう。
そういう時の為にお互いの連絡先を交換するのは必要だろう。

柊 真白 >  
出来る。
簡単。

(余程の不器用でなければそれなりの味になるのが煮物だ。
 カレーが作れるのだから、不器用と言う事も無いだろう。)

スーパーは便利。
安いし、食材が多い。

(コンビニもたまには行くが、やはり買い物は基本スーパーである。
 肉なんかは安い時に多めに買って冷凍し、その日安い野菜でメニューを決めている。
 何よりコンビニよりも安い。)

わかった。
――はい。

(箸を弁当箱の上に置き、スマホを取り出して操作。
 自身の連絡先を表示させて、彼女に見えるように机の上へ。)

藤巳 陽菜 > …じゃあ良く見る南瓜の煮物を作ってみよう。
上手く出来ると良いのだけど。

「柊さん、かなり慣れてる感じがするわね。」

きっと、大分長い期間一人暮らしを続けていたのだろう。
その見た目からは想像もできない逞しさを感じる。

「…はい、送ったわ。」

久しくしてなかった連絡先の交換。
この学校に入ってから新しく入れた連絡先なんて異能の研究施設くらいだった。

「これでいつでも大丈夫ね。
 空いてる日があれば教えてね?合わせるから。」

そう言って携帯をしまい。
また、弁当を食べ始める。多かった弁当ももう残りは少ない。
意識しないと殆んど噛まずに飲み込んでしまう。

柊 真白 >  
独り暮らし、結構長いから。

(それこそ百年単位だ。
 そこまでは口にはしないが。)

ん。
むしろこっちが合わせる。
ここしばらくは暇だし。

(この左手では仕事も出来ない。
 他の用事などが入らなければいつでも平気だと告げて、弁当を空に。
 箸入れに箸をしまい、弁当に蓋をして。
 やはり片手で器用に包みを縛って、立ち上がる。)

それじゃ、先に。
また。

(そうしてすたすたと歩いていく。
 人の多い学食を、誰にもぶつかる事なく。)

ご案内:「食堂」から柊 真白さんが去りました。
藤巳 陽菜 > 「そうなの…。」

この感じだとずっと前きっと小学生くらいの時から一人だったのかもしれない。
流石に100年単位であるとは思わないけど。

「そう?じゃあ、また今度伝えるわね。」

直接伝えてもいいし、メールをしてもいいだろう。
そう、同じ学年なのだから直接伝えても全然いける。

「ええ、またね柊さん。」

この島にきて初めてアドレスを交換した少女。
その少女を見送ると。

(今日の晩から作ってみようかな…煮物。
 いや、教わってからがいいわよね…。)

そんな事を思いながら昼休みを丸々食事に費やすのだった。

ご案内:「食堂」から藤巳 陽菜さんが去りました。