2017/09/09 のログ
ご案内:「屋上」に鈴木竜一さんが現れました。
鈴木竜一 > この1週間は本当に慌ただしかった。
履修する授業を選び,教材を揃え,時間割を決めて,授業に出る。
本土の高校のように,黙って学校へ行けば授業が待っているわけではない。
無論それはたくさんの期待に胸を膨らませる機会にもなったのだが,
一方でやはりというか,慣れない状況への疲労は隠せない。

「あ゛ー…。」

一週間が終わり,金曜日の最終授業が終了した後,竜一は屋上へ上がってベンチに座っていた。
腕まくりして,2番目までボタンを開けた真新しいワイシャツは,新しい生活を感じさせる香り。

けれどそんなことはどうでも良い。
問題は,もっと深刻なのだ。

「………腹減った…。」

ハラヘリである。

鈴木竜一 > 馬鹿にするなかれ,この問題は非常に根が深い。
元来竜一の通っていた学校には学食があったが,その他に彼は母が作ってくれる弁当を持参していた。
所謂早弁をして午前中を乗り越え,昼に学食で腹いっぱい食べて,夕方は部活動の前後に捕食をとる。
そんな生活をしていたのだから,学食一本では足りるはずがない。

しかし弁当を自分で用意するような勤勉さは持ち合わせていないし,
部活動に参加していない現状では少ない貯金を切り崩してまで捕食を買おうとも思わない。

「この時間まで購買が開いてりゃーなー…。」

夕方といえどまだ日は沈まぬ。とは言え購買は殆ど昼前後で終了するのが常だ。
ここに居ても食料は降ってこないのでが,ここから家まで帰るのが億劫である。
詰んだ。