2017/09/10 のログ
ご案内:「屋上」に和元月香さんが現れました。
和元月香 > ガサガサと物音を立てながら、屋上に現れた人影。
月香は扉を締めながらも、もぐもぐと仕切り無く口を動かしていた。
幸せそうに緩む頬を隠しもせずに、大好物であるあんパンを頬張っている。

肩から提げたスクバと別に、右手に大量のあんパンが入った使い古されたエコバッグを持っている。

「.....ん?」

ふと見れば、少し前に知り合った男子生徒が居るではないか。
あんパン片手に、普通に近づいた。

「.......んく、鈴木君じゃんかー。何してんのこんなとこで」

ひらひらと手を振りながら、片やあんパンを頬張る。
なかなかに忙しい。

鈴木竜一 > 竜一君はと言えば,ぐでー,という効果音が聞こえてきそうなくらいに脱力して空を見上げていた。
空腹を忘れるまで瞑想するつもりだったのかどうか分からないが,
ともかくとも自発的に動こうという気が起きないでいたのだが……

「……おぉ…っと!! ……和元さんー?」

声を掛けられれば,身体をびくっと分かりやすく震わせて反応した。
やべー完全に気ぃ抜けてた…。内心でそう思うも後の祭りである。

「授業の疲れを癒し中かなー?」

腹減りって言うのは恥ずかしかったのだろう。
けれど,アンパンの香りが届けば,身体は実に素直に反応した。

くー。

なんかちょっとかわいいお腹の音が響く。なにこれ恥ずかしい。

和元月香 > 「へへ、和元さんですよーっと」

にやにやしながら頷く。
分かりやすい反応にちょっと可愛いななんて思いながら。

「.....ふうん?」

何か隠してるな。
そう勘づいて、にやにやを深める。
人の慌てる姿は結構好きだよ!悪趣味である。

そして更に腹の音。

「あらあらまあまあ。
鈴木君、お腹減ったの?ぶふっ」

...最高潮に達して噴き出した。
馬鹿にする意図はあまり無い。
ちょっと微笑ましくて笑いがこみ上げてきただけだ。多分。

そして笑みを浮かべたまま、
月香は大量のあんパンが詰まったエコバッグから
ひとつあんパンを取り出して迷いなく差し出した。

「ん。食べる?」

笑顔をほんの少し穏やかなものに変える。
完全なる善意である。

鈴木竜一 > 最初に出会った時はナンパ男を撃退したり,我ながらカッコよく決められていたはずだ。
けれど今日はなんという間の悪さ!
カッコ悪いやら恥ずかしいやら,穴があったら掘り下げたい!
けれどもう仕方がないから,

「ばれたかー!
 ってか,そんな分かりやすく噴き出さなくてもいーじゃんかよー!」

テンションで誤魔化す作戦である。
盛大にそのまま笑い飛ばそうとしたのだけれど……

「……え,マジで?いーの?」

…地獄に仏,飢饉に女神,まさか本当に食料が降ってくるとは。
笑い飛ばそうとしていたのも忘れて,目を輝かせてしまう竜一くん。
貴女の笑顔が悪戯な笑みでなかったから,素直に善意として感じ取れたのかもしれない。

「アンパン2個持ってるとか和元さんマジ天使。ありがとーごぜーます。」

わざとらしく頭を下げてお礼を言ってから,アンパンを受け取った。
一口で3分の1はいったぞコイツ。

和元月香 > (誤魔化そうとしてる若者可愛いな。
うむ、微笑ましいな!!)

なんだか軽くキャラ崩壊を起こしている。
それぐらいなんか和やかな微笑ましい気持ちになった。

「うん。あの時助けてもらったし、あんま気にせんで」

へらりと笑ってあっさり頷く。
それに貯蓄はまだまだあるし問題無い。

「天使ではないかな。まぁいいや。
.....2個どころじゃないぞ、見るが良い!」

大きな一口であんパンを平らげていく鈴木君の
食べっぷりに満足げにしながら、エコバッグを大きく開く。
...そこには5とか6では済まない数の大量のあんパンが.....!!

「まぁ私も割と今月ピンチなんだけどねー。
好物ぐらい買い貯めしても許されるかなって」

何故か、ドヤ顔である。

鈴木竜一 > 同年代だと思っている竜一は,まさかそんな目で見られているなんて知る由もない。
カッコ悪いところを見せてしまったけれど,笑ってもらえたから良いか!
と,もはや自分を保つには前向きに考える他なかった。

「そー言えば,あん時以来だなぁ。…あ,腕はもう平気かー?」

アンパンをさくっと平らげて,身体中に力が戻ってくる感覚。カロリーって素晴らしい。

「んじゃ女神あたりにしとくー?
 ……って,うぉぉう!?ナニコレ怖い数入ってるけど!?」

エコバックの中身が大量のアンパンだなんて誰が想像するだろうか。
本気でビックリした竜一君だけれども…

「いや,待て,和元さん,許されるとかどーとかじゃなくて…
 多い!!マジで多いよ!!何日分なのコレ!?」

…謎のドヤ顔を前にして笑うしかなかった。けらけらと楽しそうに笑う。

和元月香 > 「平気平気!
怪我の治りは早い方だから」

ほら、と腕を見せてみる。
少しだけ焼けた二の腕には、もう痣も残っていない。

「女神もちゃうかなー。

...ふふん、驚いたか!
これが私のあんパンへの愛だ!」

更に胸を張ってドヤ顔。
オリハルコンメンタルによって倦怠を知らない月香。
いくら食べても飽きない。よって大好物は沢山食べてしまうのだ。
肉はつきにくいし、運動すれば問題無い。

「.....これぐらいなら2日で食える!」

断言する。
一気に食べてしまえば問題ないさ。

鈴木竜一 > 「おー,良かった良かった!
 痕とか残ったら面倒だもんなー。」

竜一の感覚はどちらかと言えば本土の一般的な高校生である。
少なくとも,表面上はそう見えるし,違和感も無いだろう。

「女神でもないかー……そしたら何が良いかな?」

「アンパンの神か,アンパンの神なのか!?」

貴女があんまりにも楽しそうに主張するものだから,竜一も悪ノリする。
しかし,実際どう見ても普通じゃない数なのは確かで……え,2日とおっしゃいましたか!?

「あかん!!早い!早すぎる!!!糖尿病んなんぞオイ!!」

駄目だ笑いが止まらない。お腹痛いくらい笑ったのは久々だ。

「和元さん料理で爆発事故起こすだけじゃなくて色々もってんなー!」

ただの美人さんじゃない。この子はツワモノだ。

和元月香 > 「まぁ一応女の子だしね!」

傷痕は別に気にする質じゃないけどね!と付け加える。
女の子が言う台詞ではないと思われる。

「.....っ、そうか、私はあんパンの神だったのか...!」

大真面目な顔で天を仰ぐ。天啓でも受けているのだろうか。
確かにもう何兆年崇拝しているのか分からない。
そろそろあんパン崇めすぎて神になっちゃているんじゃないだろうか、なんて思考が過ぎる。

「糖尿病が怖くて甘味食えるかよ!!!!」

豪快に過ぎる叫び。
一応問題無い、こんなに食えるの数ヶ月に一度だ。
主に金銭的な問題で。

「まぁ、ね...。色々、あるからね...!」

前髪を掻き上げて、今日何度目かのドヤ顔。
仕方ない事実だ。

鈴木竜一 > 「そこは気にしろー。」

何となく貴女の性格が分かってきたのか,その言葉は苦笑交じりだった。

「今ここに新たな宗教が生まれた……!」

竜一は勿論冗談で言っている。そして貴女もそうだろうと思っている。
まさか一瞬でも本気な思考がよぎっているなんて思いも寄らない。
まぁ,いずれにしても…

「ンな大声で叫ぶなー!!!」

貴女の絶叫で全ての思考が吹き飛ぶんだけれども。
もう何だろう,全体的にお腹痛いですこの空間。笑いっぱなしです。

「底知れねーなぁ……っと,ゴメン,座る?」

貴女も屋上に来たと言うことは休みに来たんだろうと思い至り,横に避けて荷物をどかし,座れる場所を作る。

和元月香 > 「...うーん、今更ってかなんていうか?」

同じく苦笑しながら。
くる、と回ってみせたら傷は見当たらないだろう。
この体には無いのだから。

「あんパンを捧げる宗教?最高じゃねぇか」

真顔である。
金銭的な意味でも素晴らしい。
誰か捧げてくれないかな、なんて現実逃避する。
もちろんネタだが、金銭は割と切実な問題である。

「いや鈴木君の方がうるせーですー」

急に声を下げ、生意気ぶった口調でからかう。
確信犯?何をいまさら。

「...ん?ありがと!」

前のようによっこいしょ、とベンチに腰掛ける。
スクバを膝の上に置くとスペースが無くなったので、
エコバッグはどさっと足元に置く。

「...そーいえば鈴木君、
何か持ってこなかったの?ご飯とか」

忘れてしまったん?と首を傾げる。

鈴木竜一 > 「今更……?なんか武道やってたとか?」

その言葉と傷の無い身体,繋がらない二つを無理につなげようと思考をめぐらすが,その程度の発想しか生まれなかった。

「信仰したらどんなご利益があるんだろーなぁ…。
 …って,オイ!今のは完全に和元さんが悪いだろー!!」

見事にからかいに乗って文句を言う竜一。こういうところは素直だ。
そしてまたもさくっと和元さんの隣をゲット。
フレンドリーっていうか,明るいっていうか,何か話していると楽しくなってくる。

「学食を信じて全てをかけたんけどさー……見事,足りなかった!」

今度はこちらがドヤ顔である。いや,学食も結構ボリュームはあったはずなんだけれどね。

和元月香 > 「武道かー。んー、まぁやった事はあったけどー、
そんなに傷はつけてないよなぁ」

独り言のように、軽い笑みを浮かべながら呟く。
きっと相手には訳の分からない呟きだろう。
月香はちょっとだけ申し訳なさそうに、

「今説明すんのめんどくさいから今度でいいかな?」

と笑う。
隠し立てする気は無いが、今はあんパンを食べていたい。

「んー?長寿とか?
...ははーん、乗っちゃった方が悪いんだよー」

適当なご利益を言った後、
小学生みたいなことを言って悪戯っぽく笑う。
月香も、久しく明るいノリで話せる相手に楽しそうだ。

「んもー、育ち盛りなんだから余裕持って用意しなきゃ。
スーパーとかコンビニとかで何か買うなりしなさいよー」

母親みたいにメッ、と注意する。
ぷりぷり怒っているのは演技か否か。

鈴木竜一 > 「あ,ぜーんぜん構わねーって。
 むしろ言いにくい事だったら言わなくていーし。」

この島に居るということは,何かを抱えているということだ。
自分と同じように,日常から引き離されていると言うことだ。
だから,竜一は無理強いをするつもりはなかった。気やすい感じで笑いかける。

「テキトーだけど案外有能じゃね…?」
ごもっとも。
「…いつか反撃してやっかんなー?」
なんてこちらも楽しげに笑う。
…っと,そうだ,今度こそ忘れないうちに…

「そうそう,この間聞き忘れっちったんだけど,
 あんパンの神への連絡先とか聞いてもいーかなー?」



「…って,おかんか!お前は!
 和元さんは神だから仕方ねーのかもしれないけど,そっちも栄養バランスとかを考えたほーがね,良いんじゃないかとね!」
ツッコミつつちょっとだけ反論する竜一君。

和元月香 > 「別に言い難い事じゃないんだけどね?
なんというか、説明がめんどくさい!!」

事情を聞けば分かるだろうが、こんがらがりまくっているのだ。
一般的に見れば闇の深い事情だが、
月香はそれだけの理由で話すことは少し控えているだけ。
聞けばあっさりと答える。

...他人には無理強いはしない。勿論、目の前の少年にも。

「あんパンを長く食べ続けていれば長生きできるかもしれん。
...楽しみにしてるぜボーヤ!」

挑戦的に笑う。
とことん人生を楽しんでいる、このババア。

「え?いいけど」

突然連絡先を聞かれても、
これまたあっさり頷いて携帯を取り出した。

「私神だから大丈夫。
...っていいたいとこだけど栄養バランスが酷いのは否定出来ない...」

げんなりとした調子でそっぽを向いた。
惣菜とあんパンと甘味で出来ているような奴だ、しょうがない。
その辺は反論の余地がなかった。

鈴木竜一 > 「そんじゃーまー,そのうち聞こーかな!
 今は多分頭にぜーんぜん入ってこねーと思うし…。」

1週間の授業疲れがどかっと出ているところだ,きっと複雑な話をされたら子守唄にしか聞こえない。
貴女の言い方に闇を感じなかったからか,竜一はそんな軽い気持ちで答えた。

「和元さんがマジで糖尿病になる前にやらねーとなー。」

けらけらと笑いながらも,連絡先をさくっと交換。
だから何だという訳でもないが,友達が増えた感じでうれしい。
美人さんだからより嬉しい。そんなオトコゴコロ。

「気を付けないと将来あんパン禁止とかになっちまーぞ!
 なんて,俺らくらいの歳で気にしてる人とかいねーだろうけどさ。」

貴女にとっては絶望的かもしれない未来をほのめかしつつ,けらけら笑う。

和元月香 > 「気が向いたら話すねー」

さらっとそう言って、その話題はひとまず終了。
きっと彼は普通に受け入れてくれるだろう、と思いながら。

「ならない、はず!うん。
一応野菜とかも好きだしね?ほとんど惣菜だけど」

言い訳がましい言葉を連ねながら連絡先交換完了。
なんだかんだで二人目である。
液晶に映った相手の名前に少しにやけた後電源を落とした。

「あんパン禁止とかそれはあれだ、死刑宣告みたいなもんだ...」

大真面目に言い切る。
最初にも言ったが何年愛し続けていると思っている。
そんな事まで言う親に従うぐらいなら縁切るわ。

「鈴木君もあるでしょ...。譲れないもの...。
私の場合それがあんパン...」

かっこいい台詞で何言ってんだ、と言われそうだ。
しかし本人は真剣である。

鈴木竜一 > あいよー。なんて軽く答えて,それ以上言及しなかった。
その内容は想像を軽く超えていたのだが,それを知るのはまた別のハナシ。

「…料理が爆発しないように練習するって手はナシ?」

いやその前に火を使わなければいけるんじゃなかったか!
野菜買ってきてサラダとか作ろうぜ!…そう言いたかったけど,それは内政干渉というものだ。
つまりはお節介である。あんまり言われて気分のいいものじゃないはず。

「清々しいくらいに愛してやがんなー……輝いてるぜ!
 …和元さんへのプレゼントで迷ったらあんパン選んどけば間違いなさそーだな。」

楽しげに笑ってから,静かに立ち上がって…

「…お陰でちょっと元気出たし,俺はそろそろ帰ろーと思うんだけど。
 和元さんはどーする?帰るならテキトーなとこまで送ってもいいけどもー。」

和元月香 > 「いやー、なんか、野菜とかはたまに自炊するけど。
纏めて買っちゃえってならない?」

けらけら笑って、そう宣う。
その通り、野菜などは調理できる。
しかし他の火を使った料理を惣菜として買っている時に目に入ったら、
最近はつい買ってしまうので惣菜で事足りてしまうのだ!

「あんパンでも素晴らしいけど、
そこに漫画とか別のお菓子がついてたら君は最高かな」

何とも図々しい約束を取り付ける。

「そっか、良かった!
私も帰ろうかな、暇だし」

あんパンは寮で食べよう。
うん、と頷いてベンチを立つ。

鈴木竜一 > 「あー,でもそれは分かるわー。
 夕飯の材料買いにに行くはずが安売りの弁当ダブルで買ってたりとかするもんなー。」

ちょっとズレてる気がしないでもないが,とりあえず理解したようだ。
図々しい貴女の言葉にも

「まとめてあんパンのヒーローが主人公のアレとかじゃダメ?」

なんて冗談を返して楽しげに笑った。

「そしたら帰るかー。
 ………ってかさ,マジで何個買ったわけ…?」

青年は気になっていたことを聞いたりしつつ,歩き出した。
そのまま,帰り道も他愛ない話が続いていくことだろう。

和元月香 > 「うんうん、何で私ら貧乏学生は、
セールとか安売りとか楽なものとかに飛びつくんだろうなぁ...」

月香がズレてるのは今更なことである!
そう電波を送りながら、うんうんと頷き返す。

「え、あれ!?
せめて一撃で敵倒す平熱系ヒーロー漫画にして...?」

流石にそれは、と苦笑しながら突っ込む。
ついでにさり気な要望を入れてしまう。

「うんー。
...何個だっけなー。確か、21...」

歩み出した月香の口から、衝撃的な言葉が返される。
楽しげにくるくるとエコバッグを回しながら、
本土の高校生がするようなたわい無い話をしながら。
2人は会話を盛り上げつつ帰り道を歩いたことだろう。

ご案内:「屋上」から鈴木竜一さんが去りました。
ご案内:「屋上」から和元月香さんが去りました。