2015/06/28 のログ
ご案内:「廊下」にコゼットさんが現れました。
コゼット > (コツ、コツ、と静まりきった廊下に足音が響く。

夜。殆どの生徒がそれぞれの帰路に着いたであろう時間。
陽は沈み、辺りはすっかり暗くなっている。

懐中電灯片手にコゼットは見回りをしていた。
…というのも、深夜にも関わらず生徒が残っている事があるらしく、更には職員室への不法侵入等の報告もある。
それでこうして職員が定期的に見回りをしているのだ。今日は、その当番。)

コゼット > (普段の賑やかな廊下も、今の時間では物音一つしない。
非常灯を除いて灯りになるのは自分の懐中電灯のみ。

夜の学校と言えば"何かが出る"というのはほぼお約束の噂であるが
ここは多種族も居れば様々な異能もある。出るとすれば、出るのだろう。

当のコゼットはと言えば、その日の当番の際に同僚に怖いかと聞かれれば「まぁ、仕事ですから…」と呑気なもので。
何か出たらそれはそれで困るのだが。)

ご案内:「廊下」にサイエルさんが現れました。
サイエル > 足音もなく、後ろからそっと声が聞こえる。

「こ~んば~んわ~……」

うらめしやーの如く、ひっそりと
雰囲気出すべく。懐中電灯で自分の顔を照らしつつ。

まるでお化け屋敷のような演出である。

このおっさん、普通のおっさんに白衣なので
もうどうしようもないくらい、モブの幽霊っぽくて

存在そのものが、それに適しているようなそれだった

コゼット > 「…っ!!!」

(物凄い速さで振り向き、懐中電灯を声の方向へ向ける!
声を上げる事無く、その顔は何かに怯えていたような顔だったが、それを知る者はその正体だけだっただろう。)

「な…な…!」
(そこに居たのはサイエルだった。しかも懐中電灯を下から当てている。明確に怖がらせようとする意思がそこにあった。この保険医め。)

「……何してるんですか、サイエル先生。」
(呆れに、驚かされた事による苛立ちを含んだような声色で)

サイエル > 「何してるって……サボリに来たんですよ。いろいろ」

大成功、それを確信してくつくつと笑った。
顎を撫でながら、すごく満足そうだ。
足音を聞こえなかったのは異能のせいだ。全力の仕掛けだったらしい。

「まぁ冗談はさておいて。復帰後の当直と聞きましてね
一応念のためということで、補佐に来ただけですよ」

――渡すものもありましたしねぇ……

どこまでが冗談なのやら。いや、冗談なんてどこにもないのかもしれない。
どことなく、飄々とした雰囲気がどっちつかずな感じを生み出して。
じょりっと無精ひげを撫でた

コゼット > (まるで気配を感じなかった…。それが異能の力であるにしろ、なんとも力の入ったサボりだな、と。
サボる事に全力をかけているんだろうか。

そういえば見回りは一人ではなかった筈だった。
何せ一人ではこの学園はとてもではないが回りきれないし、何かがあった際には一人では対応しきれない事もありえるからだ。

…その補佐がよりにもよって脅かし保険医だったとは。
やれやれと息を吐く。
そういえばとコゼットも気が付く。驚かされてすっかり忘れていた。)

「それは…お疲れ様です。

…あ、そうだ、大事な事を!
この間入院していた際に医師の方から聞いたのですけど、サイエル先生とクオン先生に助けて頂いたそうで……その節はありがとうございました。」
(慌ててその場で深く礼をし、感謝の意を伝える)

サイエル > 「ええ、お疲れ様です。気をつけましょうね
どんなイタズラが仕掛けられてるかわかりませんし。
今時の若い者の発想はすごいですから、七不思議の再現とか
どっかに仕込んでるやもしれません、オカルト部辺り」

溜息をみれば、肩をすくめて。
やれやれと首を振る。

「あぁ、いやいや、サボるついででしたから。気にせず
なによりほとんど、クオン先生がしてくださったようなものですし」

何もしてませんよと言いながら、シュガレットを口に運ぶ。
口が寂しいからだ。

「あぁ、それと忘れ物ですよ」

そっと頭の上に帽子をのせたあと、携帯電話を渡す。
動くかどうかはわからない、女性のプライベートだ。
弄ったりはしていない。

「あなたのですよね? あ、帽子はクリーニングに出しておきました、経費で落としてるので心配なく」

コゼット > (それをやる貴方が言うか、と言った感じで眉間にしわを寄せる表情。)

「私はあの時はもう気を失っていたようなので全然知らなくて…、気が付いたらベッドの上でしたし。
いえ…本当に助かりました。」
(彼はそう言うが、駆けつけてくれたという事には違いない。
彼らが居なかったら森で倒れたままだったのだろうし、どうなっていたかも判らないのだから。)

(そう思って頭を下げていると、頭の上に何かの感触が。
頭を撫でるようなものではなく、包み込むようなソレは紛れも無く、いつも被っている自分の帽子だった)

「あ、これ…。…そうですか、貴方が。
体調が戻ったら探しに行こうと思っていたのですが…サイエル先生が持っていたのですね。
…ありがとうございます。」
(端末も受け取ると、帽子の唾を両手で抑え、深く被り直す。
懐かしい被り心地である。その表情は安堵していた。)

サイエル > 「では素直にどういたしましてと返しておきましょうね
あまり感謝を無碍にするのはよろしくない」

あっはっはと笑いながら、ゆっくりと歩き始める。
”一応”見回りだ。

「ええ、それまた一応。警察とかに届けてしまうと二度手間ですし
良かったですよ、合ってて。すごく魔術師っぽいですね」

くぁぁっとあくびする。
今日は職員会議から一度も顔を合わせたことがない。
しかし出番にはなっている。なにせ非常勤というわけでもないのだから。
だいたい、いままで何をしていたか……察せられるかもしれない。

「だれかからの贈り物ですか?」

コゼット > (端末と…特に帽子が戻ってきた事に安心してすっかり忘れていたが、そういえば見回りの最中だった。
後を追う様にして並び、見回りを続ける。)

「ええ、生徒に魔術の先生だっていうのを一目で覚えて貰おうと思って。
それで被ってるうちに愛着でも湧いたんですかね…ここ数日はなんだか落ち着かなくて。」
(端末をポケットにしまいこむと、前を照らしながら進んでいく。)

「…いえ、なんて事のない普通の帽子ですよ。ただ、やっぱり気に入っているので新しく買うって気持ちには中々なれなくて。」
(途中、帽子の鍔を摘んだりして。)

「そういえば、先生は普段殆ど姿を見かけませんけれど…、やっぱりサボってるんですか?
先生は居ないといざという時困るのでは…。」
(保険医は何かと自由な人が多いのだろうか。)

サイエル > ゆっくり歩いて、シガレットをぶらぶら。
たまに教室の扉を開けて懐中電灯を中にあて、チェック。
随分大雑把で適当だ。

「なるほど、たしかにわかりやすい。可愛らしくて似合ってますよ
ふんむふんむ、愛用品ってところですね」

私の白衣のようなものかと呟けば、猫背でぶらぶら。

「ええ、あんまりドリルのマダムには言わないでくださいね
三ヶ月に一回、しっぽり絞られるんですから、機会は増やしたくないんです。ええ、実に」

はぁっと心底深い溜息を吐いて。
かりっと、ちょっとかじる。甘い

「優秀な保健医はいっぱいいますから
治す異能も魔術も、この老体には宿ってないもので」

――それに、そういうときこそサボるからいいんですよ

なんて、なんともダメ発言をしてきた

コゼット > 「まぁそんな所です。何せ学園内ではいつもこれを被ってましたから…。」
(時々窓の外を見たりして様子を伺う。窓に接触してずれた帽子をその度に直しつつ)

「言わないも何も、あれだけ出ていない日が続くとバレても仕方ないのでは…。
…それが続いてると、立場としても危ういのでは?」
(退職させられるのでは…と心配にもなる。)

「でもそれじゃあ……何の為に先生は保険医になったんです?」

サイエル > そっと、懐中電灯を消す。
今日は月が明るい。
コゼット先生がもつ灯りだけで十分に思えた。
――そしてなにより”音―まち―”は賑やかだ

「……でもバレないとサボりじゃないですからね
1回は大事です。いいですか、1回という回数が大事なんです
大丈夫ですよ、そこはうまくやってますから」

くつくつと喉を鳴らせば、心配ありがとうと付け足して。

「随分お優しいですね、コゼット先生」

二枚目でも三枚目でもないただのおっさんに言われても嬉しくなかろうが。

「何のためですか。
異能があっては本土は居心地が悪い。
だからここの仕事で一番サボれる安定した職を求めたところ
一番サボれる、このポジションに来たわけです」

それと。

「意外と、キズが残る治療を求める人もいるもので
結構需要はあるようですよ?」

コゼット > 「…??」
(1回というのが彼の中で何を意味しているのか判らなかったが
少なくとも今後もやめるつもりはないらしい。
保険医が彼しか居なかったら大変だっただろうが、もしそうだったらそもそも彼はやっていなかったりするのだろうか。)

「そりゃあ、同じ先生という立場上は。」
(余程嫌われでもしない限りは、同僚に対しては心配位はするものだ。)

「はぁ…。まぁ確かに、そんなにしょっちゅう怪我人が出る訳ではないですけれど…。
しかし異能ですか?サイエル先生の異能は存じてないですが…。」
(異能自体に興味はあるが、個人個人の能力までは一々把握はしていない。公表している者もいるが、していない物は大抵理由があっての事なのだろうし。
それが発揮される場面に遭遇しないというのもあるが。)

「傷が残る…ですか。確かにここ最近は傷痕も残らない位に治療出来る技術が沢山ありますけど。
…自戒の意味もあるんでしょうかね。」
(もう一人の保険医は傷を無くす代わりにそれに纏わる記憶を無くすという。
必ずしもそれを使うとは限らず、彼女は的確に応急処置をする辺りむやみに使う事はしないのだが。)

サイエル > 「サボリとは奥が深いという話ですよ
この道、云十年の私が言うんだから間違いありません」

大体の見回りは終わった。あとは帰るだけだ。
廊下を歩く音が静かに響いて。

「あっはっは、それに頻繁にご利用されても困る職種ですからな
暇なのがいいんですよ、暇なのが」

そしていのうと言われれば顎をさすり・

「さっき使ったじゃないですか。驚かすのに、なにも”音”聞こえなかったでしょ?」

サボるには便利だなんてつぶやいて。

「私の異能は、音の遮断、伝播ですよ
かっこいい名前は魔術のようについてないですが」

くぁぁっとまたあくび。
目の端に水滴が貯まる。

「まぁそんな感じです
女性ならば、なくしたほうがいいかもしれませんが
やんちゃな男はそれを勲章にしたりしますからね」

なんて適当な言葉を吐きつつ

コゼット > 「…そうですか。」
(どうも自分とは性格が正反対というか…縁のない話のようだ。

…確かに。彼らが暇なのは学園に関わる者が怪我一つない元気である証拠だ。
それは良い事なのだけど。)

「…確かに、物音一つしませんでした。
ただ音を出さないように近付いてきたのかと思っていましたが…そうゆう能力だったとは。」
(普通に考えたら抜き足差し足で近付いて来る事も出来るような気もするが
言われて見ればそれは"無音"だった。彼がそう言えば、容易くそれに納得する。)

「勲章ですか…。
男子の考える事は、良く判りませんね。傷跡は無い方が良いと思うけど…人それぞれなのでしょうかね。」

(どう思っているのかは、本人に聞いた方が早そうだ。
──そう考えていると、予定のルートを回り終えていた。話をしているとあっという間だ。)

「うん…異常は無かったですね。
私は職員室に戻って休憩するとしましょう。…先生は?」

サイエル > 「ま、あれだよ。娯楽の一つだからね」

うんうんっと、あんまり納得していない様子を見て頷く。

「まぁ、それ以上の使い方はできないのだけどね
まぁ連絡網みたいな使い方はできる。おかげでキミを探せたわけだけど」

音を探って、鳴動を耳朶に届かせる。
またはその振動を、届かないようにする。
いたって単純ではあるが局所では使い道はあるのだろう。

「女性なのだから仕方がない。分かられたら、話をして
価値をわ”かち”あうなんてこともできないだろうさ」

こっそり気づきにくいダジャレを言いつつ、寒い

「私は、ちょっと吸ってくるよ。用事はだいたい終わったしね」

シュガレットを口から離して、タバコを口にくわえつつ

コゼット > (いくら夜の見回りの当番だったとしても、この広い学園内から一人を探すのは難しいだろう。
しかも彼は極度のサボり魔のようだし。こうして見つけて貰えたのは幸運だったのかもしれない。)

「成る程…使い方次第では色々と便利そうですね。
…その使い方が、今日みたいに驚かせる事以外なら。」
(ちょっと根に持っているらしい)

「………。」
(じっとりと生暖かい視線を送っている。実に、寒い。)

「……そうですか。ではこの辺りで私は。
…端末と帽子、届けてくれて本当にありがとう御座いました。」
(別れる際にもう一度感謝の気持ちを示し、深く頭を下げた。
別れ際に煙草を取り出す辺り、一応気を使ってくれていたのだろうか。
そんな事を思いながら、コゼットは職員室へと戻っていった。)

ご案内:「廊下」からコゼットさんが去りました。
サイエル > 「……あいたたた……」

言葉と視線、二重にやられてしまった。
すごく痛い。
苦笑しながら。お礼には手をひらひらと振るだけで。
外に出てから、しゅぼっと火を灯す。

「ま、無事で良かったよ。患者様」

その呟きは、夜に消える……

ご案内:「廊下」からサイエルさんが去りました。