2015/07/12 のログ
■雪城 括流 > 「生来のものなんだ。」
自身の魔術もそのようなものに近いため、生まれたてなのに案外力を持っていそうなことに感心する。
指示するなら…先ほど血が付いていたし吸血鬼系の教師だろうか…などと考えながら。
「ふうん…。
ねえ、人の姿をしているなら本能のままに動くばかりじゃないはずだよ。今まで出会った人は本能のまま動いていた?
ライフワークと言うなら、なぜそうするのかを考えなくてはね。
もしそれがまだ自身でもわかっていないのなら、される誰かも困惑してしまうよ。」
今まで使ったことがない…上手く行かない、のはそう言うところに原因があるのではないかと想像する。
じっくりと諭すように、考える時間を与えるように微笑んで言葉を伝えて。
■アリス > 「うん。んー、他と違って、何かが違うような感じもするけれどー」
この魔術は自分でも良くわからない。他がなんとなく自分との繋がりがわかる分、尚更。だから首を傾げていて。
「…そうだけどー…そうなんだけどー、
何故そうするのかはー……
楽しいからと、そうしたいから?困惑もスパイスだし…うーん。
クルケイアー先生も、そういうの、あるの?」
なんでだろう。誰かに妄想を打ち込むのはやってて楽しかったし、妄想の道に引きこむ事はやりたい、本能に近いもの。
例えるなら、食事ではないけど食事に近いのかも知れない。
上手く伝わるか解らなくて、クルケイアー先生にも似た様な物があるのか、聴いてみた。
■雪城 括流 > 「そう言うことは自分だけで悩んでいても、解けない問題じゃないかな。
アリスは学ぶ、ということをまずしらなきゃいけないかもしれない。」
頼むことも、授業についてもまだ知らないのではないかという様子に苦笑して。
悩み考える様子をそっと見つめていて、尋ねられれば。
「そうだね… 在るべき姿、とでもいうようなものはあるよ。
本能と言うよりは強迫観念だね。私の場合は治療とか、何かを教え諭すとか…そういうことになるかな。」
何かを治す、知恵を与える、そして…これは言わなかったが、執着することが神族としての自身の性質なのだろうと思う。
_____ _____ __括り、殺す。
「だからやるべきじゃない、とは言わないけど。
それとどう付き合っていくか、きちんと見つめ続けることは大事なんだ。」
目をそらしていたら、再び見つけてしまったときにどうなるかわからないから。
■アリス > 「…んー、そーかな。
学ぶという事を知る?と少しは変わるのかなぁ。」
腕を組んで悩み、きっと自分らしくないーと苦笑した。
「…強迫観念?あるべき姿…
それは、先生は変えたいと思う?あるべきだから変えなくていいと思う?」
治療も、教え諭す事も。いい事の様に思える。
だけど。
「どちらにせよ、ずっと付き合っていくから見つめ続けて向かい合う、事は必要なんだろーけれど…」
治療や、教え諭す事が良い事だと考えてるなら、見つめ続ける、って思考になるんだろうか?強迫観念の何かを、どこかで望んでいない様に思えた。だから、さっきの質問を、自分とも重ね合わせて。
■雪城 括流 > 「変えたりする必要はないよ。
でもいいことに聞こえるけど…好き勝手に死者を蘇らせ、知識を一方的にばら撒いたら…それは、いいことかな。」
問いかけて考えさせようと。
頼まれるまま死者すら冥府から呼び戻し、罰せられた神がいた。
兵器や富、そう言う知識を偏らせれば、それは争いの種になる。
「だからどう扱うかは考えなければいけないし…
たぶん自分ではどうしようもないこともあるから、誰かに頼むんだ。
誰かを頼って学ぶんだよ。アリスは頼ることがまだ下手そうだね…学費も自分で何とかしていようとしたし。」
悩んで苦笑する様子をあはは、と眺めている。
生まれたてなら仕方ないのだろう…。
■アリス > 「…変える必要はなくても、良い事だと思っても、後を考えないといけないって事?」
考えて、考えて。好き勝手に蘇る。一方的にばら撒く知識、その後は?位しか悪いことになりそうな事が思いつかなかった。
「どう扱うか考えてー…どうしようもないから頼む。
誰かを頼って学ぶ…うーん。なんだろう。
頼り方、なのかなぁ。」
考えて考えて、そろそろ頭の上からぷすぷす湯気が出そうになっていました。
■雪城 括流 > 「まだそれを決めるには知識が足りないと思うから、心にとどめておく程度でいいよ。
そうだね…教師や生徒に出会ったら何か教えてもらう、ことを夏休みの宿題にしておこうか。
思い出したら、やってみて。」
くくる自身のひんやりとした指先をアリスのおでこにあてて、
考えすぎた頭を冷やしてあげようとする。
そろそろいいかな、と腰を上げそうな気配。
ぽかぽかと日光浴してだいぶ身体もほっこりしていた。
■アリス > 「うーん、解った。思い出せたらやってみるよー。
色々ありがとー…そーだ。それで思い出した。」
あっ、とひんやりした感触がおでこに当たってゆっくりと冷えてくる。それからお返事をして、アッと気付いた。
ちょっとだけ手を挙げて。
「前に公園で言ってた事は決めたのー?」
ハーイ、と質問。
■雪城 括流 > 「思い出した?
…ああ、ええと…。」
いろんな話をしたから、どのことだろうと少し思い出すようにして。
アリスと…零くんがいたときだろうか。誤魔化したことばかりだった気がする…。
もしくは、お礼に叶えたい妄想の話?
何がしたかったかについては今でも完全には整理はついていないが…。
■アリス > 「うん、叶えたい妄想とー、それからー…選択肢、かなー」
うん、と思いだしてこれこれ、と頷いて微笑み。
「何がしたいかも、解らない様子だったから、あの時ー。」
だから、こうしてクルケイアー先生が話せたなら、きっと前よりは、やりたいこと、叶えたいこと、選択肢。少しは決まってきているんじゃないかな、とそう思って。
「本当にお世話になったから、全力だしますよー?」
■雪城 括流 > 「…全てが上手くいく未来を願うけど…たぶんそれは叶えてもらうものじゃないから、そうだね。
せっかくだからある人がちょっとだけ素直になれることでも願ってみるかな。」
あまり期待していないし、そう言う形で何かが変わるのはよくない、と
ほんの少しだけ気にしていることが上手くいく程度に、そんなことを想像する。
未来は括流みたいなものの妄想ではなく、人が悩み選んで作るものだと思うから。
「あれは…本当に引き裂くようなことにするつもりはないよ。
でもこのことは、内緒でお願い。」
冗談か、ブラフだったかと言う様子で、口元に指を当てて内緒、というようにお願いする。
ひょーかに嘘って言われてから嘘をついてばっかりかもしれないな…なんて思いつつ。
■アリス > 「全てが上手く行くなんてそれこそ、…。」
妄想だと思う、なんて言えなかった。
けれど、ある人がちょっとだけ素直になれること。なんて言われて。むん、と気合を入れようとする。周囲の空間がほんのり歪むような雰囲気をだして――
「…人の意志を動かせるか解らないけれどー。って、うん?」
内緒と言われて、発動しかけていた何かが止まった。
「んー、解った。…使わなくて、いいの?」
冗談だったかどうか、解らないけど内緒と言われれば、しーと指を口に当てて。
■雪城 括流 > 「ああ、願いは零くんとか公園でのことじゃないんだ。
関係が無くはないんだけど……使ったことがないなら試してみてもいいよ。
上手くいくかは分からないけど…いまなら副作用もないだろうしね。」
大蛇のイメージは不安定な括流のが見せたものだったようで。
逆に言えば意図してそういうこともできる、みたいな。
「引き裂くように見えるなら…そう動いてみることもできるかなって。
それで上手く行けば問題ないんだよ。でもバレたらダメだからね。」
あの言葉は引き裂くように振舞うことを思いついたことでもあり、
そう振舞ったブラフでも在った、ということをいたずらっぽく口元をゆがめて。
■アリス > 「う、うーん。じゃあ、やってみるよ
関係が無くはないって、なんだろう。あ、ちゃんと妄想していてね!」
よし、じゃあ、やってみようと集中する。
でも、妄想以外はどうしようもなさそうだから、ちゃんと付け足して。
「…ふぅん……じゃあ、そっちは面白そうだしそのままにしとくねー。じゃあ行くよー!」
クルケイアー先生の目をじっと見つめて、微笑み、そして念じる。
周囲の空間がほんのり歪むような雰囲気だけが出る――そして、それは――
【妄想具現化-マーブル・オブ・デリュージョン】
【1、妄想の中にある存在にアリスが変身し、妄想の細かい内容を読み取る 2、妄想の中身を描写した漫画が一冊落ちて来る 3、妄想の映像が音声付で空間に流れる。 4、しかしなにも起こらなかった! 5、どこか遠くにその妄想が飛んで行った。妄想されていた本人に伝わったかも知れない 6、突然空間が割れて妄想にあった場所があればそこへの転送門が開く。が3秒で閉じる】 [1d6→1=1]
■雪城 括流 > 「わかった。」
イメージは軽いもの。もし本当に…少しだけでもそう補正する力があるのなら、と思う程度で。
あまり真剣に願うものでもなかったからか、アリスの姿が白衣の研究者風の姿になるかもしれない。
内容はなぜか凄くどす黒く、そしてやはり…大蛇がそれを飲み込もうとしているような、そんな内容が思い浮かんだ。
「…どう?」
様子を伺う…。
■アリス > 「う、うぐ?」
あれ?何かおかしい。ゆっくりと衣装と体が変化していく。そして、妄想のイメージを初めて読み取れて――軽いけれど黒くて怖い。丸呑みされそうなイメージに…目を見開いて。
「何かちが…う?」
変化を終えて、声が変わっている事に気付く。…
「素直に…呑みたい?」
妄想を叶えると言った以上、読み取ったそれを、叶えようとして、満面の笑みを向けて、ゆっくり歩み寄って。
■雪城 括流 > 「…妄想は妄想みたいだね。」
なるほど、こういう風に叶うのか…と、言うように、納得した様子で。
何の変哲もない衣装のようだが、括流には見覚えがあるようだ。
近寄ってくるアリスのおでこにぺちん、と魔方陣を纏ったデコピンを撃って正気に戻そうとする。
その後封筒を片手に立ち上がり、用事も終わったし今度こそ立ち去るそぶりをみせた。
「やっぱり。…たぶん人間の妄想じゃないとダメじゃないかな。
変なノイズが入っちゃったんだと思うよ。半分は上手く行ったみたいだけどね。」
正気に戻れば苦笑してそんなアドバイスを。
■アリス > 「…叶いはしないー。と。」
へぶっとデコピンを喰らっちゃって頭ふるふる。
明らかにこの姿の持ち主とは違う振る舞いを見せて、くわんくわん、と頭をふらつかせる
「そーゆーものなのかなー。ノイズー。ってゆーか戻る方法が解らない…。時間で戻ればいいんだけどー。」
うん、全力でやったけど叶えられませんでした、ごめんなさい、と謝って、去って行くなら
「今度は、また…きっと…」
どう言いたいのか、自分でも解らなくて。
そこで止まって手を振り
■雪城 括流 > 「すぐに戻ると思うけどね。
思い悩まない。本能でやるんじゃ無くて、何でやったのか思い出せたら何が得られたのかもわかるはずだよ。
試してみて、ちょっとは満足した?」
何かを得られていたらいいな、とそっと微笑んで。
手を振るアリスに手を振り替えした。
ご案内:「廊下」から雪城 括流さんが去りました。
■アリス > 「多少はー、満足したけれど。
叶えたいからだったから、得られたのは…心を紛らわせる位だったって事かなーって。
妄想としては、正しいんじゃないかなー」
あはは、と笑って済ませて。最初に入っていたダンボールを抱えて、持って帰ろうとー。
帰って行くうちに声が戻って、そして、服や影響も戻っていたのは帰ってから気付くお話、でした。
ご案内:「廊下」からアリスさんが去りました。
ご案内:「教室」に青砥 朱音さんが現れました。
■青砥 朱音 > 数冊のノートを抱え、補講が行われているであろう教室群が並ぶ廊下を、目的の場所に向かって歩く姿
青砥朱音――常世学園の教師である
白いワイシャツに黒のタイトスカート――ワイシャツはスカートから出すのが彼女流のきこなしだった
と言っても、ワイシャツがスカートの中でゴワゴワとした感触を生み出すのが嫌だったという理由で生み出されたものであった
同僚から「みっともない」「だらしない」と言われようと、自らの事を第一に動く彼女にとっては馬の耳に念仏であった
■青砥 朱音 > 「・・・あー・・・今日もあっついわね・・・」
持っていたプラスチック製の下敷きでパタパタと扇ぎながら、窓の外を眺めると
ギラギラと照りつける太陽が、雲ひとつ無い青空に我が物顔でたたずんでいるのが見える
「梅雨明けはまだだったはずだけど・・・、この暑さにこの湿度じゃ、空調なしだと死人が出るわね・・・」
以前、空調の乏しいクラスで「授業中下敷きで扇ぐな」というスタンスを貫き通していた同僚がいたことを思い出していた
理由を聞くと、「生徒の興味がそちらに行き、授業に集中できないから」と言っていたが、
「暑さで汗ベトベトのままの方が集中できないんじゃ?」と朱音は思った
――立場上口にすることは出来なかったが
ご案内:「教室」にライガさんが現れました。
■ライガ > ガラリと扉が開き、大柄の青年が息を切らして現れる。
試験はまあまあだったが、専門系の講義に不安を覚え、補講にやってきたのである。
「はあ、はあ。
よし、間に合った…かな?」
教室を見回し、空いている席──と言ってもそう多くはないが──を探す。
すると窓際に、珍しく一列空いているところがあったので、できる限り前の方へ座った。
■青砥 朱音 > 「まあ、今回の教室は先に空調だけつけておいたし・・・問題はないかしらね」
そう一人ごちると、目的地である補講室の扉に手をかける
ドアの脇には「青砥:心理学」という使用予約の立て札が掛かっていた
「さて、誰が何人いるのかしら・・・ゼロってことはない・・・と信じたいわね
ゼロならゼロで涼めるからいいんだけど」
クスっと笑うと、ガラガラと手をかけた扉を大きく開いた
■青砥 朱音 > (ひいふうみい・・・うん、サボることは出来なさそうね)
古臭い数え方で生徒の人数を把握し一人ごちると、教卓へ持ってきた書類を置き、生徒のほうを見やる
(あの子とあの子は・・・普通に講義を受けに来た、と
あっちの子は・・・あらあら、開始前から爆睡してるわね
涼みに来たのだろうけど、そこに座ったからには授業は受けてもらうわよっと)
持ち前の観察力である程度の状況を把握すると、すぅと息を吸い
「あーあー、マイクテスッ、マイクテスッ、さー補講やるわよー」
これまた古臭い方法で、授業を開始した
■ライガ > 外では熱気が猛威を振るっているが、教室の中はひんやりしていて、とても過ごしやすい。
ほっと一息つきたいところだが、授業授業。
心理学の教材をテーブルに置き、ノートを広げた。
ふと、近くの席を見ると、幸せそうな顔で爆睡している生徒がいる。
「朱音先生ー、寝ている奴ほっといていいんですか?
正直なところ、やる気そぐんですけど」
■青砥 朱音 > 「あら、貴方は・・・ライガ君かしら?」
補講の出席者リストの外見的特徴と照らし合わせて、ニッコリと笑い、そう言葉を発する
「いいのよー、放置しといて
普通の授業ならいざ知らず、参加自由で単位もない補講で寝ててもその子にも、私にも、君にも害はないから♪」
そう言い放つと、黒板に何か図のようなものを書き始めた
■ライガ > 「ええ、ライガです。
心理学は、学識を広げるために取っておきたくて。
……まあ、先生がそうおっしゃるならいいんですけどね」
ため息をついて、ペンを握る。
黒板を眺めながら、あの図なんだっけなー、と考え始める。
■青砥 朱音 > 黒板に1本の木を書くと、生徒の方を振り返り
「さて、と、そこにいるライガ君が私の名前を言ってくれたけど・・・
改めて、今回心理学の補講をやることになった青砥朱音よ、よろしくね♪
専門は今回やる心理学だけど、私の授業が始めてって子も多いだろうから
とっつきやすそうな"心理テスト"から心理学の初歩にアプローチしていくわね」
辺りを見回し、再びライガを見据える
「じゃあライガ君、この木の絵を使った有名な心理テスト、なんて呼ぶか知ってるかしら?」
■ライガ > 教室を見ても、自分のように目立つ生徒はそうそう見つからない。
目につきやすいから当たりやすいんだろうか。
それはともかく、指名されれば、少し考えてから答えを出す。
「はい。
えーっと、バ…バウムテスト、でしたっけ。
ドイツ語で『木』を意味するバウムと、その背景の描写から、深層心理を読み取る技法ですよね」
これは有名なテストの一つだったはず。
おぼろげながら、何とか思い出す。
■青砥 朱音 > 「そう、バウムテスト!
今回のテストでも出題してみたんだけど、案外皆出来てなかったのよねぇ」
ふと、まだ返却されてないテストに関しての出来を公言する失策を犯した事に気づいたが
まあ、気にするほどでもないだろうか
「髪と濃い目・・・4Bぐらいが適切かしらね、それらを用いて描いてもらった樹木を分析することで、被検査者の知能やパーソナリティ、人格を明らかにするものなの
描いてもらった絵をもとに、全体的な絵の印象とバランス、根っこや幹、樹幹や枝とか葉といった様々な部分の特徴をはじめ、鉛筆の使い方や筆圧、紙面の上下左右前後をどのように使っているかについて、様々な側面から分析するのよ」
そう言うと、最初に書いた木の隣に、もう一本、先とは正反対の特徴を持った木を描きあげた
■ライガ > 生徒たちがあるいはざわつき、あるいは呆然とする。
この学園フリーダムな教師は多いけど……
「朱音先生、ちなみに平均点はいくらだったんですか?」
流石にこれには答えてくれないだろうが。
うっかり言ったら小言クラスである。
「……これ結構細かいなあ。
筆圧まで調べるなんて」
と、木が一本描き足された。今度は何の木だろうか…?
■青砥 朱音 > 「平均点?可もなく不可もなくって感じかしらね
なーに?赤点をとりそうなヘマでもしでかしたのかしら?」
のらりとかわし、クスクスと笑いながら辺りを見回す
(・・・あらあら、表情の変化がちらほらと
それを見越してこんなに多くの生徒が補講に来ているのかしらね
・・・まあ、今更点数は変えられないけど♪)
朱音の作成した問題の中には、満点を取らせないためだけに生み出されたような意地汚い設問や、こんなものをテストの問題にだしてどう採点するのかという不可解な設問も含まれていた
前者は単にいたずら心、後者は・・・
「さーて!補講の続きよ!」
手を打ち鳴らし、思考を脳から追い出す
そして2つの木のうち、右の木を指し示した
「例えばこの木、樹幹のサイズを基準にして幹の長さを見ると、ひどく長いでしょう?
これは精神的な発達が出来ているか否かを指し示していて、発達していればしているほど、幹が長くなるのよ
それに、デッサンがおざなりで筆圧も弱い、ここから意志力が弱いということも読み取れるわね
それに潤筆・・・鉛筆を寝かせて画面を塗る描き方のことね、これをしていると言う事は内向性の表れなのよ」
■青砥 朱音 > 続いて、左の最初に描いた木を指し示す
「木が根元から2つに分かれているわね、これは自我を形成する思春期によく見られる特徴なのよ
加え、筆致が荒々しいし、全体的にゴツゴツとした質感を持っているのは、攻撃的で、暴走しやすい傾向を示しているの
ただ一方で、一部の枝が剪定されたようになっているわね、これは周囲の環境に束縛されていると感じている証なのよ」
粗方解説し終えると、再び辺りを見回す
一心不乱にノートを取る者、後で見せに来るのだろうか、試しに木の絵を描いてみている者
変わらず爆睡している者、十人十色である
(・・・もうすぐ鐘がなる時間ね)
途中で話がそれたのもあって、本来の目的であった心理学の本質に触れることは出来なさそうである
そこで朱音は、急遽予定を変更した
「さて、もう直ぐ鐘がなるし、何か質問とかあるかしら?
授業に関係の無い事でもいいわよー?どうせ補講だしね♪」
テストの平均点は教えないわよ、と念を押し、そう口にした
■ライガ > (ああ、やっぱみんな苦労してるんだなー。あの問題じゃあ、むしろそれなりの点数とれる方がおかしいだろうし。
……やっぱ点数そのものはそう簡単には教えてくれないか。しょうがない)
ひと通りメモを取り終えると、
ノートの端に、木の絵を思うままに描いてみる。
「じゃあ、質問。
木が地面に根を張ってなくて、浮いている場合はどうなります?
水の上とか、空中とかに」
■青砥 朱音 > 質問のあった人物を見ると、またも同じ顔であった
熱心な生徒ねという表面的な感想を抱きながら、質問に答える
「いい質問ね!
まあ、木が浮いていると言う事自体普通にはありえないことなんだけど・・・
その場合、木自体から読み取るのではなく、大地から読み取るのよ
大地っていうのは、身近な人・・・家族とかとのつながりの強さを表すの
それが離れていると言う事は、親子の基本的な信頼関係に問題がある
もしくは現実にはあり得ない、木が浮かぶという事象を描写していることから
空想や観念の世界だけに漂っているということが読み取れるわね」
まあ、魔術や特殊能力、はては異能を持った人物が大勢いる常世学園では
空想や観念の世界というものは存在し得ないのかもしれないが
■ライガ > ライガがノートの端に描いた木は、地表を離れて浮遊していた。
飛○石ではないけれど。
「親子、か。
確かに僕は異邦人だし、繋がりはないな。元々決まった父母がいるってわけじゃあないですけど。
母親は辛うじてわかりますけど、父親は知りませんし。兄弟も特に……種違いが多いけど、そういう慣習の地域なので。
身近な人でも特定された誰かは今のところ、思い浮かばないし」
なるほど、ぴったりというわけではないが、見当外れではないような気がする。
■青砥 朱音 > ライガの表情を見て、ニッコリと笑い
改めて全員を見渡した
「今回は時間が限られててバウムテストしか紹介できなかったけど、他にも色々な心理テストがあって、それらはほぼ全てが心理学の本質的要素と綿密に結びついているの
バーナム効果を利用したインチキ紛いの心理テストもあるにはあるけど・・・、少なくとも私が紹介するものとは無縁のものだから、安心してね♪」
実際のところ、バウムテストも科学的根拠に欠ける心理テストではあるのだが、言うと今回の補講をやった意味がゼロになってしまうので、あえて言わないでおいた
・・・まあ、勘のいい生徒や頭のいい生徒が後日質問にくるだろうが
そう思案し終わった時、補講の終了を告げる鐘が鳴った
■ライガ > 「お、もう時間か……
ありがとうございました」
礼をすると、学生の何人かが教室を出ていく。
しかし廊下に出たとたん、ムワッとする熱気の再来に耐えきれず、舞い戻ってくる者もチラホラいるようだ。
寝ている学生は、……面白そうなのでそっとしておこう。
「あー、喉乾いたな。購買部でも行ってこようかな」
■青砥 朱音 > 「さて、と」
舞い戻ってきた生徒にはこの部屋の空調を切る事、また別の空調が効いている空き部屋の場所を伝え、
寝ている生徒を横目に宣言通り空調を切り、部屋を去っていく
数十分後あまりの暑さに飛び起きるだろうが、
最初から寝ていて此処で補講が行われていたことを知らない生徒に、朱音の非を問い詰めることは出来ないだろう
部屋に戻ってアイスコーヒーでも飲もう
そう決めて職員寮の自室へと向かっていった
ご案内:「教室」から青砥 朱音さんが去りました。
ご案内:「教室」からライガさんが去りました。