2015/09/25 のログ
■おこん > よっし、授業じゃ授業。 とっとと戻るとするかのう。
(そそくさと立ち上がって教室ヘ向かう。
汚れないように着ていた服のせいで生徒たちに色々言われたのはまた別の話。)
ご案内:「購買部」からおこんさんが去りました。
ご案内:「食堂」に『ウィザード』さんが現れました。
ご案内:「食堂」に蒼穹さんが現れました。
■『ウィザード』 > 常世学園に入学し、学生証を手にした事で『ウィザード』の行動範囲は大幅に広がった。
こうして堂々と学園にいても、立場上問題ない。
他の英霊達が暴れている現状だが、『ウィザード』は少なくとも表では罪を犯していないのだ。
最も、裏では序々に『ウィザード』の策が進んでいるわけである。
『悪意増幅(ダーク・マリス)』計画、破滅の結界作動計画など、『ウィザード』はあらゆる策に着手している。
だがそれも今は一段落ついたところだ。
入学する事で得られるメリットは、学生証の発行だけではない。
学園で授業を受けて新たな知識を得られるチャンスに巡り合えるわけだ。
知識の探求を好む『ウィザード』にとってそれは、とても好ましい事だった。
だが、そう思う通りにもいかず、授業内容のほとんどは既に『ウィザード』が知っている事。
確かに復習にはなるものの、新たな知識の吸収には至っていない。
ここは第二教室棟の食堂である。
『ウィザード』は、野外席を陣取っていた。
彼女はいつものように赤い魔女帽子と赤い魔女服姿である。
魔女帽子を深く被り、その表情は見え辛い。
『ウィザード』の席にあるのは、りんごジュースだ。
グラスを手にとり、りんごジュースを一口だけ飲む。
「この食堂のりんごジュースも中々においしいものだな。
しかし、カフェテラス「橘」に比べればすっきりとした甘みが足りない。
こちらにはこちらの美点があり、客観的な甲乙はつけがたい。
だが、しいて個人的な感想を述べるならば、テラスのりんごジュースの方が好みだ」
『ウィザード』は冷静に、りんごジュースを味覚で分析し、その評価を下していた。
それにしても先日、破壊神蒼穹の放った魔術は興味深いものだ。
予告線がなければ、熟練した魔術師であっても限りなく回避し辛い必殺の一撃になり得る。
あの魔術を見ても分かるように、もはや奴が破壊神である事には疑いようがない。
破壊神ソラは、あれ程の者だ。
ヘタレな『ハンター』が怯えるのも、狂気する『プリースト』が両手を上げるのも、もはや必然と言える。
ふん。邪神か……。
中々に、この『ウィザード』を楽しませてくれそうだ。
『ウィザード』の口が僅かに歪んだ。
■蒼穹 > (お昼頃。
本日は珍しく学校に顔を出し、
珍しく学校の午前の授業をすべて受け、
そしていつも通り適当にご飯を済ませて午後の授業をパスしようと言う算段だった。
場所は変わって一階、第二教室棟、食堂。
秋空の下、今日は何故かしら残暑による仄暖かい日差しが降り注いでいた。
燦々たる太陽。食堂の野外席。…今日はここで食べようか。
一緒に食べる御友達がいないのは、寂しい訳だが。仕方ないと言えば、仕方ない。
生憎授業はあまり出ないから、そういった御友達にも恵まれない。)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(さて、冒頭は以降で省略する。
兎も角、屋内の食堂で注文を済ませた己は野外席を探していたわけだが、
…今日は込み過ぎじゃないだろうか?
既に二人三人座っているところに御邪魔するのも良いけれど、
出来ればお知り合いのところに御邪魔したいと言うのが当然である。
例え傲岸不遜たる邪神であったにしても、それは、それだけは譲れない。
取り敢えず、御盆を持ったままフラつくのも視線が嫌なのでさっさと座りたいのだが。
…おや?)
…やぁ。
(深く魔女帽を被った、同年代の同じ様な髪色の少女が見える。笑っていることは見えない。
当然、彼女の邪悪な計画や、邪悪な考えも、その帽子で隠されているかのように、見えない。
こちらからは何を考えているか分からないし、帽子の位置故に、すぐに目も合わなかっただろうが、間違いなく、
リンゴジュースを冷静に批評している彼女へと言葉を向けて、手を振った。
片手で御盆を楽々持っているのは些細な事。)
やっほー、ウィザード。
ご入学おめでと。相席させてもらうよー。
(滅茶苦茶馴れ馴れしく呼びかければ、彼女が如何なる反応をも下す前にさっさと彼女の対面の席を引いて陣取った。
まるでお前の返事は聞いていないとでもいうかのような実に横暴で自由奔放で傲岸不遜な振る舞いだった。
そして野外席の机に御盆をおく。ごとん。
本日の御飯は米飯並、ミニサラダ、シジミ汁、鶏のから揚げ。
それから異世界で飲まれる所謂魔力回復薬という代物。但しお子様でも飲めるようにフルーツの味付けがされている。ブドウ味。)
あっははははは、んで。
ようやっと学生証も貰ったってわけかな。
(そして馴れ馴れしい口調は崩さないまま、馴れ馴れしく御友達に話しかける具合に割り箸を割りながら世間話へと洒落込んだ。)
■『ウィザード』 > りんごジュースを飲みながら邪神の事を考えていた。
その時、声をかけられる。
わずかに顔を上げ、『ウィザード』のルビー色の瞳を声の主に見せる。
なんと、そこにいたのは、当の邪神ではないか。
噂をすれば影、いや思考すれば影というべきか。
先日、威嚇射撃とは言え『ウィザード』に魔術を放ってきた張本人。
その事について別段怒りはしない。
だが、あの後だというのに、かなり気安く声をかけてくるものだな。
「貴様か、蒼穹。
ふん、ありがとうとでも言っておこうか」
この女、あんな事があった後だというのに馴れ馴れしすぎる。
あろう事か、もはやこちらが許可を出すまえに席に座ろうとしているではないか。
「待て。
誰が相席を許した?」
あまりに横暴な態度に、そうつっこむ。
なにせ、先日攻撃されて、そのまま今日の今まで対面していないままなのである。
蒼穹が持つお盆の上には、中々に美味しそうな料理が並んでいる。
当然のように対局の席に座り、そして高笑い。
なんだ、この気安い態度……。
「そういうわけだ。
これで正式に、私も常世学園の生徒というわけだ。
それで貴様は、今の状況に何も疑問に思わないのか?」
もちろん、蒼穹が『ウィザード』を攻撃して、そのままだという件だ。
■蒼穹 > ではどういたしまして。と、ね。
(あれは、己からすればただちょっかいを掛けた"だけ"だった。
それ以上でもそれ以下でもない。威嚇射撃、確かにそうだった。
だけど、そんなの女の子同士、水鉄砲を撃ち合って笑い合ってるのに過ぎない。
だから己に敵意は無い。そして、敵意はなかった。更に言えば今のところこれから敵意を持つ理由もない。
誰を殺そうとしているわけでもない。仮に、彼女が英霊でどうしようもない奴だったとして、
だからどうした。と、それだけで振り切るのが己のやりかた。
取り敢えず飲み物を一口。炭酸のブドウ味が爽やかである。)
ん?まぁ硬い事言うんじゃないよ。
もう今更の事じゃん?
(そう言って一蹴する有様。
彼女はきっと、真正面から相席をと持ち掛けても断っていただろうし、
これくらい強引な方が良い。ゆず風味のドレッシングをミニサラダに振りまき、
悪びれない笑顔をウィザードに振りまいた。)
思わないねぇ。
…ああ、それとも。ごめんね、と言えば良いのかな。
(全く不思議ではなかった。
あの攻撃は、全て避けられる事を想定して撃ったのだから。
嘗ての英霊たちは、馬鹿だったが、荒事だけは出来た。一般市民以上の戦力は持っていたし、
プリーストあたりなら、あれで一般市民は軽く凌駕する戦力を持っていただろう。
なら、そのプリーストが畏れる彼女なら?それは、言うまでもない事だった。
ただ、こうして話すのであれば、その事を持ち出されてやいやい言われるのと食事が拙くなるので、
先に謝っておく。ミニサラダのキャベツの千切りをお箸でつかんだ。)
寧ろ、今までの連中が雑魚かったのさ。
どうよ、ハンターだプリーストだ。それに比べてキミは面白い。
情報を握って、この島でどう暮らせばいいか、きちんと理解しているみたいだからね。
(して、そんな面白い奴が一人で食事をしていたなら、放って置くわけにはいかない。
どうせ暇で退屈なのだから、面白い奴は、とことんまで面白さを絞り出してやらねば。
…この、ゆず風味が染み込んだキャベツみたいに。我乍ら上手くないな。美味いけど。)
■『ウィザード』 > あまりに軽い蒼穹の態度。
『ウィザード』と同じように蒼穹も、あの威嚇射撃の事は気にしていないのだ。
例えば、ちょっと遊び心が働いてやっちゃったとか、その程度のもの。
遊び心という面では、『ウィザード』も然程変わらない事になる。
少なくとも、蒼穹からは敵意は感じられない。
蒼穹はこちらに笑顔を向ける。
だが『ウィザード』は笑顔で返すわけでもなく、相変わらず帽子で表情を隠したままだった。
「ふん。まあいい。
好きにしろ」
もはや、仕方がないといった感じで蒼穹の相席を受け入れる。
帽子で顔を隠れていながらも、溜息をついている事は蒼穹にもはっきりと分かるかもしれない。
素直に謝る蒼穹を見て、『ウィザード』は口を歪ませていく。
「そうか。思わないのなら、それでいい。
余計な質問をして悪かったな。
快く許そう。
そもそも、あれはただの余興だろう?
私としては、中々に楽しめる一撃だった」
そう言って、『ウィザード』は帽子の裏で愉快に笑う。
わざわざ親切に予告線を用意するぐらいだから、あれはお遊びだ。
しつこくやいやい言う事でもないし、言うつもりもない。
食事は、美味しく食べようではないか。
最も、『ウィザード』はりんごジュースだけだが。
これまで蒼穹と出会った英霊をはっきりと雑魚呼ばわりするのを聞いて、さらに『ウィザード』は楽しげに微笑する。
むしろ、爆笑すらしたくなる。
「雑魚呼ばわりとは、仮にも英霊たる『ハンター』や『プリースト』も哀れなものだな。
事貴様が破壊神だからな、あの程度の英霊ではもはや歯が立つまい。
ああ。丁度私も、貴様に興味を抱いていたところだ、破壊神ソラ。
なんだかんだで私はこの島に来たばかりだからな。
そう多くの情報を掴んでいるわけでもない。
だがな、最低限ここでどう暮らせばいいか、その知識と理解は必須だろう?
私は、そんな当然の事をやったまでだ」
それは、とてつもなく謙虚な言い方である。
実際のところ『ウィザード』は、既にこの島に関する、いやこの世界に関する情報や知識をかなりの量握っている。
だがそんな事をわざわざ自慢しても仕方がない。
むしろ、ある程度何かを知らないふりをしていた方が情報を引き出しやすい事も多い。
『ウィザード』は静かに、りんごジュースの入ったグラスを口につける。
この蒼穹という女、やはり面白い。
■蒼穹 > …つれんねぇ。
(露骨にと言った具合に溜息。愛想の欠片もない。
だが、それは想定していた通りでもある。
プリーストの一件でも知っていたが、こいつらは、仲間同士でさえ道具としか見ていない。
ハンターやプリーストは、このウィザードを尊敬していたから情報を吐かなかったんじゃない。
ただ、畏れていたから情報を吐かなかった。孤高で、慣れ合わない。それが、お前のありかたなんだろう?
―――ほっぺたでもつついてやろうか。いや、帽子をはぎ取ってやるでもいいか。
そう思うと、にやけがとまらなかった。)
あっははははは、結構結構。嬉しいねぇ。
…結構な事だよ、本当に。
余興も余興さ。お互いカードを見せあっただけの、ね。
(何だ、やっぱり分かっているじゃないか。
深くかぶった帽子の向こう、にたりと歪められているだろう、そんなウィザードの目は見えない。
だけれど、口元だけは、見える。楽しそうではないか。
であれば、己も仰々しく笑う。悪戯で、悪辣な、そんな笑顔。
悪い子供が悪友に向けるソレと、酷似している。
しじみ汁を啜った。やはり日本の心であることよ。心温まる味わいと温もりが口に広がる。
リンゴジュースしか食卓に並べていないウィザードに気を効かせて
「これ、たのんだらどうよ?」と。80円、お手頃価格だ。)
雑魚は雑魚さ。もし私があの余興の一撃を放ったとしても、避けられたのはキミだけでしょ?
そういう事。破壊神は、強さで言えば間違いなく最強なんだから、さ。
(臆面もなく、ただそれが事実であると、本当に思っているように告げるのは、自信か慢心か。)
興味を持ってくれたのは嬉しいね。つっても、私はガードが硬いぞー。
って言いたいけど。…キミ、さ。同性愛者って嘘でしょ。
(さりげなく、公園での一幕を拾い上げて否定してみる。あの演技は見事なものだった。
そして、彼女が彼女として振る舞っていたなら、気付くことはできなかっただろう。
これは一種のかまかけの様なもので、確信ではなかった。だが、まるで見透かしたようにお箸で彼女を差して言う。
行儀が悪い。)
そうだね、当然だよ。…でもさぁ、そういう嘘はやめといた方が良いと思うなー。
大方、この島がどうなってるか、もう知ってるでしょ?
聞いてるよ、何でも風紀委員の事や、学生街やスラムの事、全部キミが他の英霊に触れて回ったんだって?
…ま、でも来たばっかりってのは嘘じゃないみたいだし。
これも知り合いの好かな。分からんことがあったら聞くと良いさ。
(遂にそんなことまで言ってのけるのだった。敵意は無い。疑惑もない。
あるのは、ある種、同族を嗅ぎつけた時の、そんな友好的な物。
米飯をつつきながらのんびりとした昼食を、一方的に押しかけて勝手に御友達に為し上げた人物と過ごすわけで。)
…で、ウィザード。
この後暇かな?
(から揚げと米飯のマッチングは見事なもの。
それはさておき、このまま学校から帰る予定だったが、
面白い奴を見つけたのだから、今日は暫くついて行ってやろうか。
若しくは何処かに遊びに誘ってやろうか、なんて画策さえ始める始末。)