2015/10/13 のログ
ご案内:「保健室」に平岡ユキヱさんが現れました。
平岡ユキヱ > 「あっ、やべ寝すぎた」
放課後のチャイムの音で、はっと目が覚める平岡ユキヱ。
見知らぬ天井…ではなく、保健室の天井を眺めてから、軽くあくびして上半身を起こす。

形が崩れるので髪は下し、ブレザーも脱いだブラウス姿でゴキゴキとベッドで首を鳴らした。

「ちくせう…蒼穹のヤツめ。まさか本当に
 異邦人というか破壊神的なあれだったとは…。
 ダメージが抜けないわ」
昨日の激戦の後遺症か、少し喘息気味に咳き込み、うぬぬと戦いを思い起こした。

平岡ユキヱ > 「毒は無理ね…一人で対処するもんじゃない。
 念のため…装備開発の申請をしておこっかなー」
今後の事を考えると、化学薬品などで暴れる違反組織が出ないとも限らない。
特攻課で開発しておこう。とひとりごちながら、いよいよベッドから起き上がって鏡を探す。

「あー…しかし寝すぎた。ねぐせついてんじゃーん」
櫛を自分のカバンから取り出し、保健室の手洗い場の前で呑気に髪を解き始めて。

ご案内:「保健室」にエルピスさんが現れました。
エルピス > 「失礼しまーす……」

 栗色の髪の毛の少女がゆっくりとドアを空け、きょろきょろと周囲を見渡す。
 探し人をしている素振りを見せてから、がっくりと肩を落とした。
 髪を解き始めた少女が一人いたけれど、それは探し人じゃない。
 きっと休んでる人かな。軽く思案する程度に留めた。

「うーん。
 もしやと思ったけれど、いないなぁ……。」

平岡ユキヱ > 「へーい、どうぞー」
別にこの部屋の主でもなんでもない生徒が、いやに堂々と返事を返す。
髪が櫛に引っ掛かったのか、んっ!? と苦戦し始める。

「わはは、アテが外れたのかしら?
 あなたは怪我してるって感じじゃないし…人探しかな?」
髪に櫛をひっかけたまま、エルピスの方に向き直る。

エルピス > 「あ、う、うんっ。
 えっと、邪魔しちゃったかな……?」

 苦戦する様子が視界に入れば、こてん、と、小首を傾げた。
 その上でユキヱが向き直ると、少々おどおどした調子で喋り出す。
 雰囲気的には、子犬あるいは小動物のような調子の変わりやすさが伺える。かもしれない。

「うん。リビドー先生の言付けでさいこ先生を探しているんだけど、ここには居ないみたいで……。
 …………あっ、忘れてた。えっと、こんにちは、お姉さんっ。」

 そう言えば挨拶をしてなかった、と、ふと脳裏に過ぎったのだろう。
 にぱーと笑みを浮かべ、声を弾ませる。

平岡ユキヱ > 「なんだこのカワイイモノ…」
失敬、人である。可愛さは兵器! という言葉もあるから、
きっとそういう道の実力者なのだろうと勝手に納得することにした。

「あー、リビドー先生は知ってるけど。さいこ先生ねえ…見たことないなあ。
 この学園広すぎるからねー、足で探すのは大変かも」
リビドーの方はあの胡散臭い先生ね! とがははと笑っている。櫛が通らぬ。

「一年、風紀委員の平岡ユキヱです。よろしくどうぞ!」
久々にこの自己紹介をした気がする。ぴんと背筋を伸ばし、快活に軽くこうべを垂れた。

エルピス > 「かわいいもの……?」

 何のことだろう、と、呟きを復唱する。
 まだ出会ったばっかりである故に自分のこととは思っていない、らしい。

「うぅん。保健室の宗仁先生と婚約関係だから、もしかして、と思うんだけど……
 うんっ。ユキヱお姉さんだね。えへへ、宜しく。ボクはエルピスって名乗っているよ。
 ここの学園の二年生で、公安委員会――の表向き担当かも。ユキヱお姉さんは風紀委員なんだね。
 色々難しい所はあるけれど、所属は違えど平和を守る委員として仲良くやっていけたらと思うよ。うん、宜しくね。えへへ。」

 本心からの言葉を弾ませ転がせ、嬉しそうに名乗りを返し、ぺ背を曲げてぺこりんとお辞儀をする。そうすれば、細く長い髪が踊る。
 ……快活なユキヱと比べ、愛らしく丸っこい仕草だ。

平岡ユキヱ > 「にねっ…えっ…先輩ッ!!?」
なぬー! と櫛がぶちちと髪を数本ちぎって通る。

「ですよねん…。えっと、しかも公安? 小さいし可愛い公安とか…ちょっと風紀にも欲しいんですけど?
 お持ち帰りしていいっすか?」
風紀もマスコット的なの欲しい。とエルピスを見ながら切に思う。

「…ああ、まあ細かいイザコザはあるかもしれないけど。
 同じ志の生徒がいるのも私は知っている。」
そう凛と断言して微笑む。

「ま、もうちょっと連携とれるようになるといいとは思うけどねー。あはは」

エルピス > 「あ、そうなっちゃうね。
 って事は、お姉さんって呼ぶのも可笑しいのかなぁ……」

 うーんと、間延びした調子で透き通る声を転がす。

「も、もうっ、からかわないでよー……ボクなんかをお持ち帰りしてもしょうがないと思うけれど……
 ……あ、本当なら表向きとかもあんま言っちゃいけないかも。内緒にしてね。」

 ううん、と、視線を外し恥じらいの後に困り気味な仕草の後、
 ねだるような瞳を覗かせユキヱを見つめる。
 余談ではあるが、無意識上の行為である。

「うん。ボクもそう思うんだけどね。連携が取れたら、もっとスムーズだと思うし。
 ……扱う管轄に共通する所はあるけれど、
 芯の部分の違いからどうしても、って所はあるのかも。」

「所でユキヱお姉さ……ユキヱさん、何処か具合悪いのかな。
 ボク、割りとガンガンユキヱさんと話しちゃってるけど……」

 負担になっていないだろうか、と、不安げな表情を浮かべる。
 やや豊か過ぎるとも言える程度には、ころころと表情を変えている。

平岡ユキヱ > 「ユキヱで結構ですよ。エルピス先輩!」
女子力たけーなおい、と相手のしぐさに顔をほころばす平岡ユキヱ。
もしユキヱさんが男であれば危うく事件を起こすところであったかもしれない。
危ないところであった。

「なに、ちょっと体の内側にダメージが。凶悪な知り合いと実地訓練でドツきあったもので」
先方はまさか私が相手だとは思っていまい、とわははとなぜか得意げである。
こほっ、と咳き込んで、失敬と小さく喉を鳴らす。

「ま…今のところは、それぞれが勝手に動いてでも、なんとかなってますからね。
 必要性に駆られればまた違うんでしょうけど。そこは脅威なり強敵を望むみたいで、ねえ?
 それはどうかなって…」
内心燃えますけどね、と苦笑いした。

エルピス > 「あっ、じゃあ……ユキヱって呼ばせて貰うね。えへへ、ユキヱっ。」

 その時歴史は動かなかった。
 公安と風紀が事件を引き起こす所こともなく、ほんわかとした空気が一瞬、流れる。

「そ、そうなの?
 えっと、サイボーグのボクが言えた事でもないけれど……あんまり無理しないでね、ユキエ。」

 かんらかんらと笑い飛ばしているあろうユキヱを見れば、不安な素振りを浮かべて崩さず。
 咳き込みが重なれば、不安の色をより濃く見せるだろう。

「そうだね。組織だった行動よりも、ワンマンで鎮圧することも多いよね。
 ……必要があればそうなるかもしれないけれど、やっぱ、無いに越した事が良いもんね。
 気持ちはちょっと分かるけど、風紀委員が言っちゃダメだよね。
 何だかんだ言っても、何時そう云う事が起こるか分からないしー……」

 冗談交じりな発言である事は承知の上なのだろう。
 わざとらしく"めっ"と、チョップを向ける。途中で止める為、当たりはしない。

平岡ユキヱ > 「サイボ…えっ? なんかすごい単語聞こえた気がするんですけど」
聞こえてはいるが、にわかには信じがたいのか、
つい念のためにと聞き返してしまうユキヱさん。

「いやあ、失礼しました。冗談ですってー! 本当になったら一大事ですからね。
 平和が一番っすよー」
チョップに何故か癒されながら、おどけたように笑う。
髪をとき終えると、リボンとシュシュでいつものツーサイドアップに。
ブレザーを着れば、バッチリである。

「まあ、万が一の時には、バシッとやっちゃいますから!
 …。…って公安の先輩に言うべきじゃあないか?」
ま、お互いいい刺激になれるよう頑張りましょう! と。胸を張る。

エルピス > 「うん。サイボーグ。
 元々は男の子だったんだけどね。訳あってサイボーグになったんだよ。」

 女の子の。が頭に付きます。
 ともあれ、頬を掻くような困りげな仕草と共に、聞き返したユキヱに対し肯定の意を見せる。

「あ、でもそうしなきゃボクは生きていなかったし、しょうがないって思ってるよ。
 女の子になっちゃったのは戸惑う所も多いけど、この身体空も飛べたりするし……なんて。」

 おどけた素振りで空気が重くなる事を阻止しつつ。
 ばっちりと身だしなみを整えたユキヱさんに対し、"おぉ"、と、感嘆の声を漏らした。

「えへへ、万一の時はパシっとやっちゃおうね。ユキヱ。
 ……うん、身だしなみもバッチリだね。これで元気百倍、なのかな?」

平岡ユキヱ > 「なん…だと…」
元・男の子ってどういうことなの…。としりやーす顔で大困惑する平岡ユキヱ。

「この島、いろいろと業が深すぎるわね…。
 まあ、エルピス先輩、気を付けて…。色々な方面から狙われそう」
ナチュラル女子としてなにか、こう敗北感が。
オホンと咳払いして、場の空気を戻す。

「ふっ…これでユキヱさんは再び無敵モード!
 矢でも大砲でも斬り伏せてやりますよー! でも呪いとか毒だけは勘弁な!」
と昨日の試合がよっぽど懲りたのか、謎の追加文がつく。

「さって、委員会にでも顔を…いや休んだ分の授業のプリント回収が先か。
 私は職員室あたってみますけど、エルピス先輩は先生を探しに行く感じですか?」

エルピス > 「あはは。確かに業が深いのかも。
 ボクをこうしたのがリビドー先生と主任さんなんだけど。」

 空気が戻った所にしれっと零しつつ。
 本人からすれば、何気ない世間話なのかもしれない。

「あはは、毒や呪いは難しいけれどね……
 ……ううん、職員室はさっき見たんだけど居なかったから、もうちょっと時間を置いてから顔を出してみるよ。
 グラウンドか体育準備室にでも行ってみようかなー……。」

 探し人は体育の講師でもある故、外に出てみようかと思案が回る。

「勉強の方も、頑張ってね。ボクで良かったら手伝えない事もないと思……
 あ、そうだ。良かったら連絡先交換しない? 風紀委員の知り合いが増えるのは、個人的にも助かるし……」

平岡ユキヱ > 「あの教師なにやってんだ…」
大事じゃん! とのけぞってぶっ倒れそうになるのを踏みとどまる。
冷静に考えてみると恐ろしいことが行われた気がするが、
それを追求するのはまたあの怪しげなる教師を捕まえてだ。

「大歓迎なり。個人同士で情報をやり取りできれば、確かに『便利』だし!」
組織で利かぬ融通を利かせるのが現場の仕事ぉ! と勢いよく交換した。
勢いに意味はないが。

「んじゃ、まー勉強とかも
 わかんない所があったら教えてもらいにいきますよー。ではまた」
失礼します! と軽く頭を垂れてあいさつすると、流麗な動作で踵を返して去っていっただろう。

エルピス > 「えへへ、またね。ユキヱ!」

 立ち去るユキヱを大きめの弾んだ声で見送る。
 保健室にしては、ちょっと大きい声か。

「……あ、ボクもそろそろ行かなきゃ。
 見つかると良いんだけど……」

ご案内:「保健室」から平岡ユキヱさんが去りました。
ご案内:「保健室」からエルピスさんが去りました。