2016/06/18 のログ
士尺 流雲齋 > 男子制服を着た中性的な生徒が、首をひねり、難しそうな顔をしている。
と、別の席から伸ばされた白い手とともに声が上がった。

「ほう、創造を選ぶかの。
たしかにの、この暑さの中こういうものを呼出すにしても、保管するだけで余計なエネルギーを使うじゃろう。
冷凍庫や異空間なら話は別じゃが、そこまでするような代物でもないし」

和装、とも少し違うような、洒落た衣装をまとった少女の方を向き、ふむ、とその答えにうなずく。

「いい読みじゃ。
これは、先程の杖を対価に、生成した剣での。
正確には無からではない、いわゆる等価交換。これは錬金術にも引っかかるかの」

問題の仕方が少々悪かったの、と頭を掻きかき、小さくなった。

「この問いの意味はの、これの鑑定ではない。

ひとつの結果に到達するために複数の異なる手段をとれる、
という事を改めてしめしただけでの。
何を当然のことを、と笑うかもしれぬが、教本通りに固執しすぎた結果、応用に弱くなる。
という事が起こりうる物での。柔らかい発想を忘れないでほしいんじゃ。
流派、師の教えにとらわれすぎず……と、あまり言うと魔術学の先生方にお叱りを受けそうじゃがの」

ほっほほと笑うと、氷の細剣を教卓のそばに立てかけた。

「さて、系統の分け方も色々あるんじゃが。
例として、融解、凝固、破砕、旋回、拡散、収束、──あたりを上げてみるとしようかの」

セシル > 豪奢な服装の白い少女が、挙手をして自分が推測した手段の片方を意見として述べる。
服装からすると、剣士というよりは魔術師を連想させるが…だからこそ、魔術の理路について述べる勇気があったのだろう。セシルは素直に感心するとともに、

(…やはり、正規の魔術学の受講も考えるべきか?)

と、少し思いを巡らせた。

しかして、正解は「等価交換」。
更に言えば、教師の実践は「そもそも「魔法剣」に複数の理路があり得ることを生徒に納得してもらう」ことにあったらしい。
魔術を理路として突き詰めることそのものではなく、「実践で魔法剣を用いること」に主眼を置いた講義に、ふむふむと深く得心した感じで頷き。

筆記具を手にし教師の方をまっすぐに見て、具体例の解説を待つだろう。

那岐夜車丸汀 > 魔術の具現化と言えば 召喚か創造か、しか知らなかった。
自然の力を借りるにしろ今現在少女が知識として貯めている魔術はその二つしか無かったのだ。

(…保管するだけで膨大魔力の消費 其れは愚の骨頂。錬金術…!等価交換という
その場に或るものを…考えるのは後にせねば為らぬ)

(…二つしか知らない私の浅学さが露呈してしまいましたか…!錬金術はまだ習得しておりませぬ。)

「れ、錬金術で御座いましたか。…まだまだ甘かった様に御座います。」

そして 氷の剣は教卓の傍に置かれたようだ 音がしたからだ。
色々と悶々してしまう思考を取りあえず取り置き、具体的にこれから行われるようだから
黙って講義を聴くべく傾聴を心掛けるだろう。

因みに この少女は…系統からすると魔法剣士扱いだ。武器が特殊過ぎる故に。
服装はただの趣味と、問われたら答えるつもりだが。

士尺 流雲齋 > 「今思いついたが、幻術を使い一時的に氷の剣に見せかける、というやり方もあったのう。
……まあ、錬金術、魔術、呪術、仙術など…興味があれば片っ端から齧ってみるのもおススメじゃ。
その道一筋、それも一向にかまわぬが……壁に向き合った時、解決方法が複数考えついたほうがいいじゃろ?」

トライアンドエラーをやるには、選択肢は多い方がよい。
が、それはさておき。
ホワイトボードには、【融解】【浸透】【凝固】【破砕】【旋回】【拡散】【収束】と書かれている。

「さて。具体例を挙げつつ、話してゆくとしようかのう。そうじゃの…… 
【融解】は、攻撃的な魔法が分類されるかの。
わかりやすいところでいうと、手段としては、炎熱で溶かすとか、強酸で溶かすとか、そういったところかの?
【凝固】は、守備的な魔法が分類されるんじゃ。
これも、手段としては、液体を冷気で固めるとか、混ぜものによって固めるとか、もし泥ならば水を抜いて固めるとか、かの」

それから、【浸透】をまたいで、【融解】【凝固】2つの間を“矢印”で結んだ。

「さて、気づいたものもおるじゃろうが、この2つは相反しておる。
しかし、どちらかに熟達していれば、もう片方も伸びしろがある。
もし属性別の分け方をしてしまうと、相反する属性で同居がむつかしいように思えるがの」

セシル > 様々な術系統を次々に挙げていく教師。
それらと剣術の組み合わせを考えるのは、なかなか骨が折れそうだが…それでも、元の世界の「魔法剣」よりも、出来ることが増えそうなのは間違いがなかった。

そして、講義は続く。
例に挙げられたものは、術式を術系統そのものというよりは目的によって分類したもののようだ。
それぞれの分類に、様々な方法が挙げられていく。

…そして、「相反しているが、両方に伸びしろがある」という話に、少し考えるようなそぶりを見せた後、恐る恐る手を挙げた。

「…どちらかの方法論を熟知していれば、反対側の方法論も考えやすい、ということでしょうか?」

もし指されれば、声色に迷いの表情を見せながらも、腹から出た声でそう質問する。
中性的な…勘の良い者であれば、「意識して」出された胸声であることが察せられる、太い声だ。

那岐夜車丸汀 > 再び無言になりつつある一介の生徒たる少女。
魔術学んでいるにも拘らず 徐々に講義の内容が難しくなってきたからだ。
そこまで分けた事がない、その分類。許容範囲を超えつつあったようだ。
そして 気配も薄くなりつつある、それに加えて無言だ、一応いるのだが気配は薄くなった。
それは一種の才能だった 異能でもない ましてや魔術でもない。

(…女性の様な 中性の声…気のせいでしょうか)

講義が終わるまで気配は薄く 他にいる生徒並みの気配のまま 講義を受け続け 講義が終わった頃には 姿はなかったとか―

ご案内:「教室」から那岐夜車丸汀さんが去りました。
士尺 流雲齋 > 先程は黙していた中性的な生徒が挙手したので、其方を向いて発言するよう促す。
ためらいがちだが、ちゃんと理解しているような質問である、老人教師は大きく頷き、微笑んだ。

「うむ、そうじゃの。
この分け方でやれば、相反する2属性をただやるよりも訓練はしやすくなるじゃろう。
一応、属性魔法剣の項で、2つ以上の異なる属性の剣は、やるつもりじゃがのう。
呼称は、一般には【合体魔法剣】もしくは【ミクスブレイド】かの。魔法剣の奥義に至る道の一つとも言われておるが」

さて、今は教える段階にあるか。僅かに目を細め。
そういう方向に、興味があるのかの?と問いかける。

「相反しているものだと、この中では……【拡散】と【収束】もじゃな。
歌や音楽を乗せたり、癒しの風を操ったり、光魔法の形を変えたり、とかの」

セシル > 自分の理解が間違っていなかったことに、安堵したように一度胸を撫で下ろす。
…が、老人教師による、魔法剣の発展系の示唆に、目を瞬かせて。
「興味があるのか」の問いかけには

「いえ…一般的な属性の多くは故郷の魔法剣の講義で扱いましたが、異なる属性を同時に扱う、というのは初めて聞きました。
…自分の出来ることを広げたい、という意味での興味なら、ありますが」

と、自分の中で初めて認識した技術、技法を自分なりに噛み砕いて理解しながら語るように、言葉を細かく切りながら答えた。

士尺 流雲齋 > 「やはり知名度は低いかのう。
“合体魔法”の発想そのものは、他の魔術でもあるようじゃが、感覚的なものが必要になるのと、制御が難しゅうてあまりはやらぬ。
よく聞かれる話ではそのような感じかの。
一纏めにしておけば、いちいち唱え直すよりも触媒や時間は短縮されると考えるんじゃが」

とはいえ、習得して使いこなすのに少々時間がかかるのはしょうがない。
その辺は魔術師としての強さによっても、変わるだろうが。

「できることを広げたい、いざというときの選択肢増加は先の話にもつながるからの。
良い良い、そういう興味のもち方でよいんじゃ」

そこで、講義の終わりを告げるチャイムが鳴る。
老教師はハッとしたように壁かけ時計を見上げると、少々長引いてしまったわい、と呟き、改めて皆に向き直った。

「時間じゃな、この辺で終わりにしようかの。
次回は『演習場』で実習を始めるからの、皆間違えずに来るんじゃよ」

セシル > (…まあ、専業の魔術師でも難易度が高いことを、「魔法剣」を学ぶ者が進んでやることは少なかろうな…)

セシル自身、故郷では魔術の素質は「特別劣ってはいないが優れてもいない」程度だった。
理解度が低いわけではないが…魔力への感受性など、お世辞にも高いとは言えない。
セシルの故郷でも剣士は男の方が多かったし、魔術の素養が「皆無」の人間も男の方が比率が高かったから…魔法剣に複雑な術式構成が普及しなかった理由は理解出来ないではなかった。
…と、教師の話をそんな風に聞いているうちに、講義の終わりを告げるチャイムが鳴った。

「ありがとうございました。
選択肢を広げる意味でも…次回、楽しみにしております」

立ち上がって、教師にそう礼を告げて頭を下げると…教室を後にしようとその細身を翻した。

ご案内:「教室」からセシルさんが去りました。
ご案内:「教室」から士尺 流雲齋さんが去りました。
ご案内:「教室」にルギウスさんが現れました。
ご案内:「教室」からルギウスさんが去りました。
ご案内:「教室」にルギウス先生さんが現れました。
ルギウス先生 > 教室の壇上に立つ、司祭服の男。
サングラスが実に胡散臭い。

「えー、本日の代講は『召喚術』についてです。
 本来の宗教学はどうしたか、は永遠の課題になるかもしれません。
 きっと貴方達の知らない間にやってますよ。
 どうせ人気のない講義ですからねー ぶっちゃけ暇してるので大目に見ておいてください」

ルギウス先生 > 胡散臭い男は、壇上で言葉を続ける。

「さて、一口に召喚術と言いましても……それこそ、星のような数のスタイルがあるわけです。
 何を呼び出すかにも通じてきますしねぇ」

言葉を区切って、ふむ と考える。

「まぁ、割とメジャーなスタイルかつ 最近は見かけないやつからいきましょうか。
 そこの生徒さん……『ソロモンの悪魔』って知ってます?
 『ゴエティア』とか『小さな鍵』でもいいんですけれど」

ルギウス先生 > 「ええ、そうですね。
 かの有名なソロモン王が使役した72柱の悪魔達。
 彼らの召喚は、星辰と魔法陣からなります。
 星辰とは、星の並び……まぁ、平たく言えば召喚するタイミングが限定されているわけですよ。
 そして勘違いされやすいのですが、魔法陣はなくても召喚できます。
 魔法陣は古くは『中にいるものの安全を確保する』ものなんですよ」

板書に適当に○を描いた後にドットで描いたような悪魔を外側に書き込む。

「悪魔ごとの性格もありますが、基本軸は召喚術師を騙して殺して魂を奪う事になります。
 ですので、召喚術師は安全圏から自分に有利な契約を結ぶ 事が主眼になっていたわけですね。
 契約後も、ルールにないから とか ルールを曲解 して破滅させたり殺しにかかってくる奴もいますけど」

悪魔から○に向かって→とドクロマーク。

ルギウス先生 > 「さて、ソロモン悪魔に対しての対処法ですが……知恵比べに尽きますね。
 彼らはルール抜けや曲解をしてきますが、裏を返せば結んだルールには逆らえません。
 呼び出そうとした悪魔の性格を考慮して、徹底的に嵌めるのがいいでしょう。
 ご多聞に漏れず、若干の例外はいますし……彼ら自信も基本的に頭も舌もよく回りますけれど」

文字通り 悪魔のような という形容詞がつくわけだし。

ルギウス先生 > 「ええと、次の召喚パターンは……そうですねぇ、『真名による勅令』にしましょうか」

授業なのに思いつきで進めている教師。
レジュメ? そんなものはない。
代講だろうって? 細かいことは気にしない。

「私からすれば、この召喚術が一番馴染みが深いですねぇ。
 そこの生徒さん『真名』って何かわかりますかぁ?」

胡散臭い教師の授業は続く

ルギウス先生 > 「はい、その通り。
 『真名』とはその生物ないし個体がもつ魔術的な名前です。
 これを使った命令は、ほぼ逆らえません。
 極論を言えばランさー自害しろであっても実行してしまうわけですね。
 逆らおうとすると、動けなくなったり激痛が走ったりは個々の術式の差になります」

言葉を区切って、板書を少し。
真名 絶対命令 とだけ書く。

「種族としての真名で召喚すれば、基本的に呼び出す個体はランダムないし術者と相性のいい個体になる事が多いようです。
 基本的に召喚対象が強ければ、真名を掴むのが大変だったり逆に飲まれて真名をつかまれてしまうようですがねぇ」

ルギウス先生 > 「さて、このタイプの召喚術は術者と召喚物の相性がとても重要です。
 支配が心地よいものであれば、召喚物の方から望んで来てくれますからねぇ。
 逆に言えば、特定個体と相性が良いだけで種族全体としては相性が悪いなんて事もありえます」

そして板書に言葉を増やした。 絆。

「まるで少年漫画のようで言葉にするには少々恥ずかしいですが。
 強制で強請できる術ですが、信頼と絆があれば相手が来てくれるという機械的な面以外も重要視されるアンバランスな技術ですねぇ」

ルギウス先生 > いつの間にか用意していた、紅茶を一口。
喉を潤すのは大事だね。
その紅茶、湯気がたってますけれど。

「さて、この信頼と絆ですが……強いそれはメリットと同時にデメリットも生む事になります。
 まずは不慮の事故で相性のよい召喚対象の個体を失ってしまった時。
 何せ種族で相性が良いわけではないかもしれないので、呼び出すのが大変になる上に命令に逆らうかもしれない。
 先生に呼び出されて雑用や厄介ごと押し付けられていい顔する生徒はいないでしょう?」

次に、と言葉を続ける。

「強ければ強いほど、シンクロしてしまう事があるわけですね。
 そうすると……痛みや死なんかも体験してしまう。
 術者にフィードバックする時もあります。最悪 死 に引きずられます」

ルギウス先生 > 授業は続くよ どこまでも。

「さて、三つ目は……本物そっくりの偽者を呼ぶ召喚術です。
 以降は便宜上『影』と呼称しましょう。
 これは技術としては一番体系化していますねぇ。
 リアライズと称してる事もあるようですが。
 厳密には召喚というよりは具現化の類であるような気もします」

コホンと小さく咳払い。

「このタイプのメリットは、大量召喚と維持が比較的容易な点ですねぇ。
 無論、術者の力量もありますが。
 呼び出すのが本体でない以上、コピーしてペーストするだけですからねぇ?
 優れた術者はスナック感覚でバハムートやフェンリルを並べてしまうでしょう」

あれ、厄介なんですよねぇ と零して。

「デメリットは何か、というと まずリアライズそのもののコストが高い点です。
 並みの魔術師なら呼び出した時点でスッカラカンになりかねません。
 外部供給か自己回復手段がないと辛いですよぉ?」

重い と 板書を。

「次に、多くを呼び出したら制御が手間です。
 ものすごく邪魔くさいです。
 細かい作業をこなしてもらう為には、基本的に逐一指示が必要になります。
 まぁ、普通はその作業に特化したモノを呼ぶわけですが」

ルギウス先生 > 「ああ、そうそう対処方法でしたね。
 この手の召喚されたものや、天使・悪魔なんて存在に対してほぼ絶対に効果のある方法をお教えしましょう」

少々もったいぶった間を作り。

「彼らのほとんどが、世界の理を曲げて現界しています。
 魔術だったり気合だったり根性だったり様々ですが……ですので!
 彼らが萎えるまでぶん殴り続けてください。
 そのうち負荷に耐え切れなくなって、自分の世界に還るか、死にます」

当たり前である。
実に、当たり前である。

「そうでなければ、そもそも召喚されない土台でもこさえておく事です。
 相手が召喚師に限った話ではないですが……対策をとらずに構えていられるのは強者のみの特権です。
 それ以外の方は相手の長所を潰し、短所を突く。戦術の基本ですよ」

ルギウス先生 > 「無論、対策の対策も採られている可能性がある事には留意しておいてください。
 メタデッキ用意したけど相手のデッキ構成が違ったとか。
 対策ばっかりで攻める手段なかった、なんてなったら私が指差して笑いますのでそのつもりで」

終了を告げる鐘が鳴る。

「では、本日はここまで。
 スナック感覚で力が欲しい方は私を探してきてください。
 それと今回の授業は出席点くらいしか加味されません」

最後に胡散臭いことだけはしっかりと告げて、教師もどきは退場する。

ご案内:「教室」からルギウス先生さんが去りました。