2016/07/18 のログ
ご案内:「教室」に阿曇留以さんが現れました。
阿曇留以 > 夜の校舎。
普通の学校と違い、場所によっては明かりがついており、人の姿が見えるところもある。
が、留以の居る場所は違い、全て消灯されている。
人気もなく、ただ静かな廊下で、目当ての教室まで足音を消しながら歩いている。

不法侵入、というわけではない。
教師の一人に許可をとり、お仕事の名目で夜の学校に来ている。

とはいえ、ザルな警備なのか。
警報装置の類もなく、わりと簡単に忍び込めそうだが。

阿曇留以 > お目当ての教室にたどり着く。
片手には御札を持ち、大太刀は背中に担いでいる。
何かに用心するよう、ゆっくりと扉をあけ、中を覗く。

中にはだれも居らず、ただ静寂と闇が存在していた。

(……)

今度は両手にお札を持ち、教室へと入っていく。

阿曇留以 > (あら、おかしいわね~。
ここに居たとおもったのだけれど……)

既に去った後か。
それとも、留以の勘違いか。
昼間に感じた気配――いわゆる妖気を感じ、妖怪が出やすい夜にもう一度きてみたが、どうやら外れのようだ。
全く、これっぽっちも気配がない。

「……杞憂だったかしら」

ご案内:「教室」に寄月 秋輝さんが現れました。
阿曇留以 > 教室の中をゆっくりと歩く。
机の下を覗き込んだり、机にお札をぺたりと貼ってみたり。
が、反応は全くなく。
思わず、ふぅ、とため息をついてしまう。

(学校が比較的新しいせいかしら。
あんまり居心地よくない……のかしらね?)

首をかしげ、机の上に座り一息。

寄月 秋輝 >  
「そこの生徒、何をしてるんですか」

ちょっと聞き覚えがあるかもしれない声が響いた。
と同時に、少し強めの白い光が、留以の方を照らす。
が。

「……留以さんですか?」

光を出すのに異能をオンにした瞬間、相手に気付いた。

阿曇留以 > カッ、と強い光に目がくらむ。
まぶしそうに目を細めながら声のほうに顔を向け

「あら、寄月くんかしら~?」

まだ姿が見えていないが、声からして、あたりをつけて確認する。

寄月 秋輝 >  
「そうですが。
 ……何をしてるんですか」

もう一度問いかける。
光を天井付近に放り投げると、まるで電気を点けているかのように教室が明るくなる。
いつもの装いだが、渋い顔で腕を組んでいた。

阿曇留以 > 「何って、お仕事よ~。
巫女さんらしく妖怪退治のお仕事」

机から降り、お札を見せてニコニコ笑顔。
なんだか微妙な顔をしている寄月とは対照的に。

「寄月くんこそ、こんな時間にどうしたの?」

寄月 秋輝 >  
留以の問いに応えず、渋い顔のままぱたぱたと端末を叩く。
が、途中で眉根のしわは少し減った。

「いえ、夜の学園に侵入者が居ると聞いて。
 ……ですが、どうもこれみたいですね。
 先生の一人が、生徒の夜間侵入の許可の申請をしてました」

端末をしまい、光を手元に下ろす。
目線に光の玉が来ると、やはり眩しいかもしれない。

阿曇留以 > なるほど、自分は疑われていたらしい。
とはいえ、それは仕方ないことか。
納得いったようにうんうんと頷いて

「誤解がとけたようで何よりだわ。
でも、ごめんなさいね。
なんだか迷惑をかけちゃったみたいで。
先生に話を通しておけば大丈夫かとおもったのだけれど」

まさか通報されるとは思っていなかった。

寄月 秋輝 >  
「問題なし、ということで返答しておきました。
 失礼しました、留以さん」

ぺこり、頭を下げた。
手元の光を弱め、淡く周囲を照らす程度に。

「……妖怪退治でしたか。
 ここに居たんですか?」

周囲を見る。
魔術視に細工を加えて、霊視に近い状態に変える。

阿曇留以 > 周囲が適度な明るさになり、ようやく寄月の顔を見る。
そしておなじように周りを見渡し

「昼間に妖気を感じたのだけれどね。
ちょうど今訪れたらなにもいなかったのよ~。
住み着きにくい場所だったのか、私の勘が外れたのか分からないけれど」

もう一度試しに、机にお札をぺたりとはるが、特に反応はない。
ねっ?といったふうな顔で寄月をみる。

寄月 秋輝 >  
ふむ、と考え込む。

「昼間に感じたのなら、近くに居てもおかしくないですね。
 移動しているかもしれないですし、少し付き合いますよ」

光の玉をふっと消滅させる。
周囲は再び暗くなった。
光に慣れた目には、ずいぶん真っ暗になったように見えるかもしれない。

阿曇留以 > そして暗闇が戻る。
今日は月も出ていないせいか、余計暗い。
とはいえ、窓の向こうには明かりがついている棟が見えるが。

「あら、ありがとう寄月くん~。
それじゃ、ちょっと移動しましょうか」

明るさになれた目で、暗闇の教室を歩く。
周りの机を手で探りながら、廊下へ出て行く。

廊下へ出れば、近くの教室へ移動し始めるだろう。

寄月 秋輝 >  
真っ暗な中をすいすいと歩いていく。
留以の詳細な位置も把握しつつ。
秋輝はどれだけ暗くとも、わずかな光でもあれば世界は昼間のように明るく見える。

「居たら教えてくださいね。
 僕の霊視は精度が低いわりに疲れるので、いつもは起動していられないんです」

振り向いてそう告げながら歩き続ける。

阿曇留以 > 「私のほうも、精度でいえばそんなにじゃないのだけれどね~。
人よりちょっと気付きやすいってだけだから……」

近くの教室の扉を開け、中を覗き、気配がなければ閉めて次の教室へ。
そんなことを数回繰り返している。
その数回目で、留以が教室の扉を開けようと手が触れた瞬間、険しい顔をする。

「……寄月くん、中、見てもらってもいいかしら」

扉から離れ、寄月に確認を願う。
中を見れば、大きな黒い塊――大きな蜘蛛が居るだろう。

寄月 秋輝 >  
「本来霊視は、使う脳のリソースが違いますからね……
 慣れた人はほぼ常時展開しているらしいですが」

呟きながら、ゆらゆらと歩いていく。
いくつかを見て、留以が動きを止めたら。
その中をすい、と見る。

≪蜘蛛ですね≫

声は出ていない。
留以の頭の中に、直接秋輝の声が届いた。
秋輝から飛ばすことしか出来ないが、思念通話の魔術である。

≪行きますか?
 やるなら、学校に危害が出ないようサポートします≫

教室の中を指さしながら、左腰の刀、その鞘を握る。

阿曇留以 > 脳内に響く声に驚くことはせず。
蜘蛛、といわれ少し思案する。
大蜘蛛、土蜘蛛の類だろう。

そう断定してから寄月に、待って、のジェスチャー。
先に教室に二枚のお札を貼っておく。
これは中から外へ逃げ出さないようにするための御札。閉じ込めるためのものだ。

寄月のように思念を飛ばすことは出来ない。
ゆえに、扉の前に立ち、寄月をみて、手を見せてカウントを始める。
5――。4――。
3――。2――。
1――。

留以が教室への扉を開けて、一気に駆け込む。

蜘蛛は入ってくる留以に気付き、糸を吐きかけてくる。

寄月 秋輝 >  
留以が攻め込む意思を見せたのを確認し、左手に力を込める。
魔力を高め、教室内部を結界で覆う。
逃がさないためでもあり、留以の札を破壊させないためのものでもある。
ついでに、中の机や椅子等を保護する。
かなり強力な結界術のため、規模は小さいものの消費は大きい。

留以が駆け込み、大蜘蛛の糸が見える。

「シールド」

留以の正面に防御盾を展開する。
範囲は狭いが、ピンポイントで留以を守る魔術。

阿曇留以 > 大蜘蛛が吐き出した糸は盾に阻まれ、留以に当たることはなかった。
留以も、寄月を信用していたのだろう。
一切スピードを落とすことなく駆け、大蜘蛛へ接近。
ゼロ距離までくれば、右手に持った札を大蜘蛛へ打ち込むように掌底を繰り出す。

「やぁっ!!」

『ギィィィッ!!』

御札の効果か、女の掌底で、留以の何倍もの大きさを持つ蜘蛛が軽く吹き飛ぶ。
が、蜘蛛のほうもまだ平気なのか。

今度は寄月を狙って糸を吐き出す大蜘蛛。

寄月 秋輝 >  
留以の行動に目を丸くする。
シールドは張ったものの、特に何も伝えていない留以がシールドを予期したかのように駆け込んだ。
なかなか出来ることではないというか、最悪あれ自殺行為では、などと考えて。

その札付きの掌底で見事に吹っ飛ばしたのを目撃する。

(いやいや、とんでもないな。
 僕みたいな身体能力強化魔術使ってないだろ)

札の効果であることはわかってない。

自分に飛んできた糸は刀で迎撃する。
キン、と鋭い音。
抜刀と納刀の瞬間がほぼ同時の、まさに神速の居合。
糸に刀が絡められることもなく、完全に叩き切り、自分には届かせない。

阿曇留以 > 後ろを振り返らず、吹き飛んだ蜘蛛へ追い討ちをかけるため回り込む。
おそらくだが、寄月はあの程度の糸でどうにかなるとは思えない。
もしどうにかなっていたら、その時は笑ってあげるが。

ともあれ、蜘蛛に回り込み寄月とで挟み込む形になる。
そして、五枚の御札を取り出す。

「――天清浄 地清浄 内外清浄 六根清浄と 祓給へ」

肘打ち、掌底、蹴り上げ、もう一度蹴り上げ。
その連撃に蜘蛛の体は浮かび上がる。
そして

「――寄月くん、いくわよ~!
天地一切清浄祓!」

大きく浮かび上がった大蜘蛛の身体を、回し蹴りで蹴飛ばし、寄月へふっとばす。

勢いよく、大蜘蛛が寄月へ飛んでくるだろう。

寄月 秋輝 >  
単純な体術の練度は高いな、などと考える。
さらに浄化術の唱えが聞こえて、これは出番も無いかな、と考えるが。
そんな矢先に、こちらに飛んでくる蜘蛛。

「わかりました」

右の拳に、はぁーと吐息をかける懐かしい動作。
ぐっと大きく振りかぶり、飛んできた蜘蛛の腹に抉り込むようなストレート。
魔力強化された拳。
さらに、『特別な筋肉』で出来た秋輝の肉体。
それを極限まで鍛え上げたという結果。

相手がデカかろうが重かろうが、その拳一発で腹を変形させながら留以の方へ帰っていくだろう。

阿曇留以 > ぐちゃり、という音。
ナマモノを、生きたものを思いっきり殴ったような音がした。
そして、体を変形させながら帰ってくる大蜘蛛には大太刀を抜いて相対。

特別な言葉は使わず、ただ飛んでくる角度に対して大きく太刀を回しながら振り上げ。
斬り下ろす。

ただ、その動作だけで大蜘蛛の腹と体が千切れ飛ぶ。
断末魔のような悲鳴を上げ、大蜘蛛は動かなくなった。


「――ふぅ、寄月くんお疲れ様~。
寄月のおかげでずいぶん楽できたわ~」

大太刀をしまいながら、ゆっくり寄月へ歩み寄る。
どうやら、大蜘蛛は始末できたらしい。

寄月 秋輝 >  
見事にぶった斬られた蜘蛛に手を合わせた。
妖の類とはいえ、生きるものであり、また人の魂のなれの果てでもある。
出来ることならば、綺麗に浄化させてやりたいものだった。

「お疲れさまです。
 ……いえ、僕ほとんど何もやっていませんよね?」

教室の内部の安全は保ったが、それくらいだ。
あと一応留以を一度守ったか。
正直何もしなくてもよかっただろ、とか思っている。

阿曇留以 > 「あら、そんなことないわ。
寄月くんがいなかったら私、あのまま帰っちゃうところだったもの~。
寄月くんがいたから妖怪を探し続けられて、見つけることが出来て、誰も怪我をすることなく祓えた。
8割は寄月くんのおかげよ」

ニコニコしながらありがとう、と感謝を続けた。
逆に言えば、退魔師としてそれでいいのか、ともいえるのだが。
留以にとっては祓えれば誰がやってもいいらしい。

寄月 秋輝 >  
「……そういうものでしょうか……?」

まぁ無事に終わったのならいいか、と納得した。
同時にようやく終わったと言わんばかりに、結界を解除する。
それなりの負担だったのか、珍しくかなり大きなため息を吐き出した。

「……感じたのはこれ一体だけですか?」

肩をぐりぐりと回しながら尋ねる。
さすがに疲れがたまっている表情。

阿曇留以 > 「そうね。
私が感じたのは一体だけ。
ただ……もしかしたら他にもいるのかしら」

もしかしたら、他にもいるかもしれない。
一体だけでおわるならそれでいいのだが、こういうのはふとしたときに現れるものだ。
例えるなら、黒いヤツのように。

「……きょうはここまでにしましょうか~。
寄月くんもつかれたでしょう?」

寄月 秋輝 >  
「そうですか。
 ならひとまずは大丈夫でしょうね」

首を横に傾けると、ゴキンと音がした。
関節鳴らしだが、首を鳴らすと怖い音がするものだ。

「そうしましょう。
 ……この結界を作るの、苦手なんですよね……
 おかげでかなり疲れました」

ふぅ、とまた息を吐き出した。

阿曇留以 > 「ふふっ、お疲れ様。
夜だけれど、簡単なものでよければ何か作ってあげましょうか?
確かご飯が少し炊いてあったはずだから、オニギリとかそういうのになるけれど……」

どうかしら、と首をかしげながら教室の出口へ。

寄月 秋輝 >  
「あー……そうですね。
 ではご馳走になってもいいですか?」

ぐ、っと大きく伸びを一つ。
そして淡い強さの光の玉をまた作り出し、留以の前を照らしながら教室を出た。

阿曇留以 > 「は~い、それじゃ寮のほうへいきましょうか」

教室を出て、最後にお札をはがす。
留以も若干疲れたような顔をして、教室を去っていった。


ただ、教室の暗闇のなか、もぞりと何かが動いた――かもしれない。

ご案内:「教室」から阿曇留以さんが去りました。
ご案内:「教室」から寄月 秋輝さんが去りました。