2016/08/01 のログ
■暁 名無 > 「そうっすねえ、一人二人育て上げれば良いってもんじゃねえですからね。
一学級でも足りないくれえだ、偏りは無い方が良いっすよね。
ボンキュッボン、なんてわざわざおっさん臭いと思って避けたのに平気で踏んづけるんだこのおっさんは!
ははっ、まあ期待しないで待ってみるとしましょうか。
こればっかりは人の手を借りるより自分で歩かなきゃならねえ気もしますしね。」
ニヤリ、とけして上品とは言えない笑みを、我ながら浮かべている事だろう。
生徒以外に聞かれても信用問題に発展しそうだ。
「まあ、我々が付いてれば良いだけの話っすからね。
一日くらいなら、無理すりゃ空けられるだろうし。
生徒に混じって見てみるかなー、花火なー。」
妙にしんみりした空気にしてしまったのは、お互い不本意であるのは百も承知だ。
なので笑い出したマグナ先生に乗っかる様に俺も笑って、
「そうっすねえ、俺らの姿を見て育つ連中が少なからず居るんだ、
だったらしょぼくれてなんか居られねえってもんっすよね。」
まあ、異世界に渡航するのと時間を渡航するのはまた、訳が違って来るし、
俺はと言えば、元居た時間に戻れるなんて夢にも思っちゃいない訳だが。
それを言ってまた空気を重くするつもりなんか、更々無いのだ。
「なるほど、『門』ねえ。
話にゃ聞いた事があるけど、案外近所にあるもんなんすね。」
感心しながら差し出された右手を握る。
おお、何気にこの職に就いて初めての教員との握手かもしれない、と何だか感慨深い。
「お、今日は……あいや、持ち合わせが怪しいんで。
諸々の支払いが済んでからで良いっすかね。アパートの家賃が月頭なんすよ。」
後で空いてる日連絡しますんで、と顔の前で手刀を構える様にして片目を瞑る。
流石にいきなり奢って貰うのは申し訳ないと言うか、そこまで甘えられないって言う矜持もあるし。
俺はひとまず、持っていたメモに連絡先を走り書きして手渡すことにした。
■アルスマグナ > 「俺おっさんだもーん!おっさんはおっさん臭い言葉使ってもいいんだよ」
ぶりっこおじさんと言うべきか、妙な動きで冗談を飛ばす。
なんとなく相手の態度や空気から馬が合いそうな相手であるとわかると
いっそう親しげな笑みを見せ差し出した手に手がしっかりと握られれば嬉しそうにその手を振った。
「そういや月末だな、財布が寒いならしょうがない。
本当に苦しい時はいいなさい。ちょっとぐらいなら奢るのも吝かじゃないから」
まだ新米なだけに給与もそれほど蓄えがないのだろう。
同じ異邦人同士親身になってやれればな、と思いながら相手の連絡先を受け取る。
「ん、それじゃ連絡待ってるぜ。またな」
握手した手を軽く振り、笑顔で別れの挨拶。
箱を抱え直して廊下の角へと曲がって去っていった。
ご案内:「廊下」からアルスマグナさんが去りました。
■暁 名無 > 「くっ、開き直ったおっさんはこれだから……!」
俺だってすぐにそうなってやる、と固く拳を握りしめて誓う。
おじさま、とかそういうのは柄じゃない、おっさんだ。おやじだ。出来ればチョイ悪くらい付けばベスト。
「どうしてもしんどい時は、じゃあお言葉に甘えちゃいましょうかね。
ガスと水道が動いてる時は、まあ大丈夫っすけど。」
お察しの通り、未来から飛んできてこっち支援も何も得られれず日銭を稼いで生きて来たので、貯金なんてある筈もない。
幸い職員になれた時はアパートが借りれたが、給与は家賃と光熱費で火の車だ。インスタント暮らしには料理が出来ない以上の理由がある。
「どうもっした、マグナ先生!
残りのポスター貼り、頑張ってください!」
箱を運んでいく姿を笑顔で手を振り振り見送って。
さて俺ももうひと頑張りしますかね、と先輩から分けて貰った活力を無駄にしないために職員室へと向かうのだった。
ご案内:「廊下」から暁 名無さんが去りました。