2016/09/12 のログ
ご案内:「教室」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >  
 お昼休み。
 終鈴の音と共に教室を去る学生を横目に眺める少女が一人。
 何だかんだで夏休みは終わっているし、講義だってあるのだ。

(どーにも夏休みの感覚が抜けないわね……)

 窓の外からの陽射しに暑さを覚えながら面倒くさそうにカバンを漁る。
 昨夜買った総菜パンを突っ込んだような記憶があるのだが……。
  

ご案内:「教室」に世永明晴さんが現れました。
世永明晴 > 何事もなく授業が終わった。
非常に珍しいことだ。いつもなら、アレがあるというのに。
自分のことながら、何を怠けてるのだとも思うし、逆にそれでいいんだろう。とも感じる。

残念ながら。アレを伴わない場合、講義に食らいつくのがで必死だ。
ノートに脳内を回転させながら、授業の内容をまとめるだけでそれは終わる。
理解できているのかも妖しい。だからこそだ。気づけば、一人、また一人と。
教室を去る人は増え、ノートに未だに書き込んでいる人物は自分だけとなった。

「……ふぅ」
風邪の事もある。既に治ったが、スタートダッシュに遅れたことが少しだけ。
休憩するように息を吐き、周囲を見渡すと、どこか見覚えのある少女がいたような気がして、少しだけ。ほんの少し。

「あ……」
と零した。

水月エニィ >  
「……あら。」

 視線を外せば、いつぞやの熱に浮かされていたような男の姿。
 懸命?にノートを書き加えていたのだろうか。落書きに興じ過ぎていた風には見えない。

「こんにちは。ええと……。」

 視線を交わせば意識する。覚えはあるが名前は知らない。
 挨拶を交わした所で知りもしない名を呼ぼうとし、言葉をつっかえさせる。
 

世永明晴 > あちらも気づいたようだ。
お互いに短時間での邂逅ではあった。
気づかれなくてもおかしくないし、そうでなかったら、ただ女子生徒を眺めただけの男になってしまわなかったのは、それはそれで幸運だったのだろう。
「……こんにちは」

自身のノートに目をやり。もういいか、とばかりにそれを閉じる。
疲れた。彼女の様子を見るに、少々何を言葉を止めているのか頭をかいて考えた後。

「えー、と。……あぁ。世永でス。いつぞやはどうも」

水月エニィ >   
 お昼時ともなれば教室内の人影はまばらだ。
 大体のものが購買や食堂へと向かったのだろう。
 故に、此方へ向ける視線に気づくのも容易くもあったか。

「世永さんね。水月エニィって言うわ。
 ……元気そうで何より。……よね?」

 言い直すように伺う。
 一見こそ快復しているようにも思えるものの、断定するのは早計かと思えば言葉を変える。

世永明晴 > 「元気でスよ。お蔭様で」

病院にも、何とか行きましたし。そう付け加え乍ら苦笑する。
自分も昼ごはんを買いに行かなくてはいけない。
自炊をしないわけではないが、生憎今日は持ち合わせてはいなかった。……少々、手遅れかな、とも思いながら。
抜きかな、と小声でつぶやいた後。

「水月さんでスね。いやぁ……一人暮らしというのは、怖いものでス」
いやはや、とでも言いたそうに頭をかき、風邪による苦労を思い返すかのように渋い顔を作った。

水月エニィ >  
「全くね。同感するわよ。」

 苦笑で応える。
 独りの時に病気を患う厳しさは知っているつもりだ。
 故に共感を覚える。

「……お弁当は買わなくて大丈夫?
 私は持ってきたものがあるはずだけど……。」
 

世永明晴 > 「ここに来てから初めてやったもんスから。どうにも勝手が……」

等と、少しばかり愚痴になりかけるな、と思い言葉を止めた。
今言うべきことでもない。
……言える人間も、いたかななんて余計なことを考える。
やめやめ。首を少しだけ振った。

「今からいっても、間に合うか微妙でスしね。潔く諦めるのが吉かなと」
言葉から、目の前の少女も一人暮らしなのだろう。準備がいい。
……いや、自分が準備が悪いのか。

水月エニィ >  
「そう。ちょっと待って頂戴。
 確か惣菜パンなら2個ぐらい……」

 ない。
 寝ぼけていて別の鞄にいれてしまったのだろうか。 
 いずれにせよ迂闊な話だ。

「……悪いわね、なかったわ。」

 肩を落とし消沈。
 自分から言いだした事もあってか決まりの悪そうな、バツのわるそうな。
 

世永明晴 > 「いや、悪いっスよ、そんな……」
他人に、と言いかけて。やめる。
少なくともそういうべき言葉ではないだろう。
しかし乍ら、その後の展開を見るに、苦笑ではなく微笑みが出たのは悪くない事だったのだろう。
案外、目の前の少女は抜けているのかもしれない。

「えぇ、と。……ドンマイ、ス?」
頬をかき乍ら、そういうのも。どこか間違っていたのだろうが。

水月エニィ >  
「ボタンのかけ間違えに気付いたような気分だわ。
 見えるものでもないけれど。」

 妙な、どこか的を外したような言い回しで誤魔化す。
 目頭を抑えて溜息を付いた。

「仕方ない。お昼ごはんは諦めましょう。」
  
 別段死ぬようなものでもない。
 午後の講義は一つか二つだったから、その後にでも早めの夕食を取るとしよう。
 立つ気を捨てれば力を抜いて椅子に凭れかかる。
  

世永明晴 > 「?」

妙な言い回しの意図に気付くわけでもなく、少しばかり不思議そうな顔をした後。
まぁ、恥ずかしがっていたのだろう、と見当違いか否か。
そのように一人頷いた。

「そうでスね。お互い昼食抜き組として、のんびりしましょうか」
休憩というよりは省エネ。弛緩というより脱力。
省エネに関しては、得意だ。
そのような姿を見た後、一つ欠伸をした後。
もう一度ノートを開き、少しだけ講義のそれを書き足した。

ご案内:「教室」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > ふらりとあらわれた着物の男。
きょろきょろと周りを見回し、目的の人物を探し……

いた。

「やっほ、エニィちゃーん」

軽く手を振りながら近づく。
なんかもう一人居るけど、まったく気にしていない様子。

水月エニィ >   
 見当通り。
 恥ずかしさといたたまれなさで誤魔化した。
 
「本当、仕方ないわね……。
 ……意識したら余計にお腹が空いて来たわ。」

 熱心?にノートへ書き込む世永を横目に、ただぼうっとする。
 脳内で昨今の事を思い返しつつ――

「あら、烏丸さん。こんにちは。
 ――いえ、烏丸センパイの方が良いのかしら?」
 
 ふと、思いついたようにそう零す。
 教室で会ってみて初めて意識したものの、先輩と言えば先輩だ。
 とは言え話のフック程度と言えば、そうでもある。
 

世永明晴 > 「……ん」

ぼんやりと、声をかけられた方へ目を向けた。
知らない人物だ。……少なくとも、自分は。
というより、彼女の名前を読んでいる時点で、そういう事なのだろう。

んー……。と少し唸る。
全く見向きもされていない様では、挨拶を返すのも変だろうか。
少し的が外れた事を考え――。
……。

「お知り合いでスか?」
席を外した方がいいのだろうか。等とむだに悩む。
まぁ、元より偶然会った縁だ。どちらでも構わないのだろう。
とりあえず、今書いているノートを閉じた。

烏丸秀 > 「うーん、先輩、はちょっとなぁ。
もうちょっと気楽に、『烏丸さん』か『愛しの貴方』だと嬉しいな」

ちなみにオススメは後者、などと益体も無い事を言いつつ。
二人の話す場に、すとんと座り入り込む。
ある種お邪魔虫の極みであるが、この男、まったく気にしない。

「ほら、お昼でしょ?
折角だから一緒に食べようと思ってさ」

にこにこと自分のお弁当を取り出す。
ちなみにここまで世永の方は軽く見ただけである。

水月エニィ >  
「あんまり変な事言っているとお兄ちゃんって呼ぶわよ。」

 冗談に冗談で返しつつ、座り込んだ彼を認める。
 楽しそうにお弁当を広げる様を見れば、眉を顰め。

「残念だけど、お弁当は忘れてきたのよね。
 総菜パンとお茶を突っ込んできた筈だけど、寝ぼけて入れる鞄を間違えちゃったみたい。
 で、そこの彼……世永さんとそんな話をしてて、一緒に空腹を味わっていたところ。」

 左のこめかみを掌で押しながら言葉を零す。
 どうにもならぬものを自分の身体に押し付け直して誤魔化す仕草か。
 

世永明晴 > 少しだけ向けられた視線。
なるほど。と一人頷いた。
というより、少しだけ感服すらした。凄い人物だなぁ。
この様子だと、女性限定なのだろうか、等と伺えるも自分に足りないそれを持ち合わせているのは憧れにすらなる。

まぁ、それでも。
ちょっと失礼な人だな、という感想自体もなくはないのだけれど。それを言う気もなければ、邪魔する気もない。
少しだけ細めた、複雑とも言える目を相手に向けた後。
一つ溜息をついた。

そうして、彼女からかけられた言葉に一つはっとしながら。
「……あ、え。はいっス。えぇと、そんな感じでス……烏丸先輩、でいいんでスかね」

烏丸秀 > 「あ、いいね、ちょっと背徳感ある感じでヨロシク」

へらへらと笑いながら真正面で受け止める。
この男、半分くらいは冗談ではない。半分くらいは。

「む、なるほどねぇ……ちょっと待ってね」

ごそごそと巾着袋から、もう一個お弁当を取り出す。
まだ御飯を買っていないようだったら、と持ってきたのがうまい具合に働いたようだ。
しかし。

「んーと、世永君? うん、よろしくね。
早速だけど、君、その見かけで物凄く食べる、って事はないよね?」

いそいそとお弁当を広げはじめる。
どうも3人で2人分のお弁当をつつく昼食会にしたいようだ。

水月エニィ > 「冗談よ。
 噂話をされるのは困るもの。」
 
 何が困るのか。
 そこについては言及せず、呆れ気味のじっとりとした瞳で流す。

「あら、お弁当?
 ……烏丸さんって結構食べる方なのかしら。」

 2つのお弁当を見て何気なく零す。
 特に深読みをせず、自分で食べる分と合点を付けた模様。
  

世永明晴 > 「あ、よろしくおねがいしまス」
「……はい? えぇと、そうでスね。人並みだと思いまス」

言葉にワンテンポあったのは、予想外だったからだ。
……。……最初の印象だけで判断してしまうのもやっぱり考え者なんだろうなぁ。等と自省しつつ。
この流れから、そんなことはないと言われたら笑い話になるのだろうけど。

烏丸秀 > 「んー、キミの為に作ってきたんだけどなぁ」

これは本当。
ちなみに必要なかった場合は誰かに差し入れとして持っていくつもりであった。

「それじゃ大丈夫だね。まぁちょっと量は少ないけど、3人で食べようか」

二人に箸を渡しつつ、お弁当をオープン。
豚の煮つけをメインに、焼き魚、煮物、きんぴら、漬物の入ったオーソドックスなものだが、御飯が炊き込みご飯になっている。

「ボクはお菓子作りがメインだから、あんまり料理は得意じゃないんだけど」

水月エニィ >   
「お世辞として受け取っておくわ。」

 少しだけくすぐったそうに苦笑。
 ……真っ赤な嘘でもなさそうな事は理解している。
 当てが外れた時にどうするかは考えてあるのだろうし、それがこれかもしれないが。
 
「ふふ、ありがと。烏丸さん。世永さんも食べましょう。
 …………得意ではないと言う割には、手が込んでいるわね。」

 焼き物、煮物、漬物、炊き込みご飯。
 不得意と言うにはレパートリーに富んでいるし、和食で染めている。
 食べたいものを作っただけにとどまらない、きめ細い作りだ。
 

世永明晴 > 「……いいんでスか?」
今更ながら確認してしまう。
元より全く関係のない自分が手を付けていいのかと。
しかしながら、箸を渡されれば受け取って、頬をかいた。
「ありがとうございまス。……充分すごいじゃないでスか」

自炊をやっていると言っても所詮男の料理だ。
お菓子作りがメインと言うのは信じられない程の料理に見える。
マメなんだろう。多分。きっと。

烏丸秀 > 「そりゃね、キミを無視し続けたら、ボクの印象最悪じゃない?
役得と思って食べていきなよ」

あけすけと言い放つ。ここら辺、男に容赦はしない。
お弁当を褒められると嬉しそうに。

「いやそれがさぁ、聞いてよ。
ボクはさ、普通に豚肉買ってきてって言ったんだよ、メイドに。そしたらさぁ、細切れでも平切りでもなく、こんなおっきなブロック肉買ってきてさぁ。もう料理するの大変だったんだから」

自分ではあまり手をつけずに話しながら、二人が実際に食べるのを待ち。