2016/12/14 のログ
ご案内:「屋上」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「うぅ……さっむい。」

下校時刻もとうに過ぎた、夜の校舎。その最上階、屋上に七生は居た。
小さな体を夜風に竦ませながら、ぼんやりと空を眺めている。
時折吹く風が体の芯まで冷やしてきて、身震いをしてから寒気から逃げるかのように足踏みをした。

東雲七生 > ついこの間まで真夏だった気がするのに何だろうこの寒さは。
地団太を踏む子供の様に身体を動かしてなるべく寒さから逃れようとしつつ、ひたすらに夜空を見上げる。

特に何かある訳でもない。
何となく星が視たくなった。それだけの理由で七生は今此処に居る。
流石に一人で来るのは心細かったので、何人かクラスメイトにも声を掛けたのだが、
こんな真冬にただ空を見上げよう、という気になる級友は、残念ながら居なかった。

「うぅ~、寒いっ。」

まあ、当然と言えば当然である。
今回も級友たちの方が正しい。けれど、付き合いの悪い奴らだな、と恨めしく思わない事も無かった。

東雲七生 > ふと、夜空に向けていた視線を下ろす。
時間も時間で気候も気候だ。誰も居ないだろうと思って此処に居たのだが、人の気配を感じた様な気がしたのだ。

「………?」

僅かに首を傾げながら、辺りを見回す。
自分が来る時に校舎内と繋がる扉は鍵を開けたままなので誰か来てもおかしくは無いけれど。

東雲七生 > どうやら、気のせいだった様だ。
少しだけ気落ちした様子で七生は再び空を見上げる。
いつもより月が少し明るく、眩しいというほどではなかったが、七生は目を眇めた。
昨日、温泉の中で見たよりも丸くなっている気がする。

「……真ん丸、ってわけじゃないけど。」

今月は、これで満月なのだろうか。
真円でなくとも、満ちた、と言い切れるのだろうか。
そんなことをぼんやり考えながら、一人、冬の夜空を眺める。