2017/04/06 のログ
ご案内:「教室」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
「三年生か───」
新年度最初のガイダンスを終えた教室はバタバタと慌ただしい
少しずつ少しずつ人は減り始め、緩やかに静けさが訪れる中で
長机に頬杖をつきながら、その生徒は複雑そうな表情を浮かべている
■伊都波 凛霞 >
一年生の時は、異能の開発コースだったおかげでまたたく間に過ぎていった
二年生には……色々とあった
思い出してみると、思わず苦笑が漏れる程度には色々と
親にも言えないようなそれは未だに尾を引いているけれど、
友人達のおかげである程度は学生生活の平穏を取り戻した
正しい意味で初心に帰ることができた気がする
と、いうことであれば自分の中で最後と決めたこの年は──
「初心に帰ったら、次は──躍進だよね」
うん、と胸元に手をあてて、決意の色が瞳に宿る
■伊都波 凛霞 >
今まで以上に、学生の本文だる学業に取り組むのだ
成績が落ちているわけではない、むしろ例の事件があった頃でもトップクラスは維持していた
ただそれに胡座をかくことなく、更に邁進し躍進すべく気合をいれて臨むのみ
負けないで、と妹は言った
それに自分は応えた、肯定の言葉を約束として
成功者、勝利者
まわりまわってでもそこに辿り着くべく、努力だけは怠れない
「…うん、よし」
学業に専念すべく、空いたコマ数は全て埋める
部活をしているわけでもない、委員会からも身を引いた
放課後までみっちりとスケジュールを埋められる
■伊都波 凛霞 >
もう一晩煮詰めたら提出しよう、と書類を鞄へとしまって
長机から立ち上がるとはっと気づく
そういえば此処の教室はチェックしていなかった
此処最近、使った教室で必ず実行していることがある
すたすたと大黒板横のボックスまで歩いて行くとそれを覗き込む
まじまじとその中を眺めて、小さくため息を付いた
「うーん…ないなぁ。
どこでなくしたんだろ、学校じゃないのかな…?」
腰に手をあててやれやれと佇む
気づいたら妹の持ち物からアレがなくなっていて、
どこかで落としたのだろうと当て込んでまずは学校の落とし物ボックスを探していたのだ
■伊都波 凛霞 >
…まぁそれ以前に、超お気に入りだったストラップがなくなっても、
自分に『どこかで見なかった?』という言葉もなかったことを考えると…
「落としたんじゃないのかなぁ…」
持ち歩くのをやめたのだろうか
あの、肌身離さずお風呂にまで一緒に入ってたようなのを?
それはそれで考えにくい
「…ま、しょうがないか。
とりあえずこの教室にはなしーっと…。
ある程度期間がたったら落とし物ってどこが管理するんだっけ…」
さらさらと手櫛でポニテをいじりつつ鞄の紐を肩へとかけて
「さて、まだ道場での稽古までには時間があるし……寄り道でもして帰ろうかな」
すっと入り口の引き戸をあけて、廊下へと歩いていった
ご案内:「教室」から伊都波 凛霞さんが去りました。