2017/04/17 のログ
ご案内:「屋上」に黒龍さんが現れました。
黒龍 > 「…取りあえず、魔導書の力と俺に発現した異能っつーのをさっさと判明させたいトコだな…」

ボヤくように口にしながら、右手を真横に伸ばして軽く捻るように手首を回す。
まるで空中に扉があってそのドアノブを捻って開けるような仕草だ。

途端、ぽっかりと黒穴が出現する。この世界に来る原因にもなった、《擬似門》の展開術式だ。
穴は人一人が通れる程度の大きさまでしか広げられないが、まぁ大分安定はしてきた。
そのまま、《門》の中に右手を突っ込んでゴソゴソと探る…ん?

「……あ、ヤベ…ミスった」

途端、穴の中からこの世界のモノとは明らかに違うテクノロジーの武器、兵器、道具、魔術書が溢れ出してきた。
反射的にそれらを押し戻しつつ、やらかした…と、にがーい表情を浮かべて。

黒龍 > 「…まだ完全にはあっちの座標が安定してねーっぽいな…ったく、俺とした事が」

どのみち、この穴の先は己が居た元の世界には繋がっていないのだけれど。
それでも、別の空間に繋がっている、という点では小型の《門》と呼んでも差し支えない。
面倒なので学園側にこの魔術の存在は意図的に伏せているし、何人か知り合った者にも披露しては居ない。

「…つーか、こんな仕舞い込んだ覚えねーぞ…どっかから流れ着いてんじゃねーだろうな…っとぉ!」

持ち前のドラゴン的な腕力で穴の中に強引にそれらを押し戻し、右手をまた捻るような仕草で穴を閉じた。
やれやれ、とばかりに短くなってきた煙草を蒸かしつつ。

ご案内:「屋上」に黒龍さんが現れました。
黒龍 > 「…あっちの座標を固定して…あー連結式を多重層にすっか?…いや、そうなると効率が…」

独り言をブツブツと零しながら、頭の中で擬似門の術式を軌道修正していく。
こちらの世界の魔術も最近は独学であれこれと調べて『取り込んで』いる為、それも組み合わせていけば目処は立つ。

「…で、空間を一方通行で凍結して、こっちから取り出す時だけ解除するパターンを組むか…」

独り言を続けていたが、どうやら解決の方程式は出来たようで一息。
すっかりと短くなってしまった煙草を、取り出した携帯灰皿の中に押し込んでおく。

「…つっても、あんまし人前では使いたくねーな…」

別に切り札でも何でも無いが、使い方次第では手数が格段に増える。
それに、元の世界に帰る事も諦めた訳ではない以上、この術式はまだ発展させる必要もある。

黒龍 > 「…そろそろ引き上げるとすっか」

ぼそり、と呟けばそのままフェンスの上から飛び降りて行く。
勿論、重力術式でフワリと地面に着地するのは忘れない。
…まぁ、普通に飛び降りて着地しても何事も無いのだけれど。

「あ~…また月曜になって学園か……かったりぃ」

偽造学生の身分とはいえ、一応適宜通っていないと不審がられてもアレだ。
欠伸をかみ殺しながら、気だるそうな足取りでそのまま立ち去るとしようか。

ご案内:「屋上」から黒龍さんが去りました。