2017/08/07 のログ
筑波 察 > 「おおう、そこまで言われると君が僕の頭の中をのぞいているのかと思うくらいだよ。
まま、自分が動く理由の根本を他人に求めている、と言われれば聞こえは悪いけど。」

(随分とまたこちらの性分を言い当ててくる人だ。ますます興味深い。
でも、彼にとって僕自身が数ある知り合いの中の一人として片付いてしまいそうな、
そんな雰囲気はとても残念だ)

「ふふ、その辺は至極平均的な行動原理なのがまたなんとも。
案外その見た目は意地みたいなものなのかい?」

(いつだったか、行動が大事なのであり、その理由は形骸化する、と。
彼もまた不良でいることにこだわり、こだわる理由は薄れていたりするのだろうか)

「補正、というより、これは僕の眼そのものだねぇ。
まだまだ完成とは言い難いけど、ここ最近やっと実用に堪えるものになった」

(ほとんど自作に近い。
それゆえその見てくれは不格好だし、ダサさは一級品だ>

黒峰龍司 > 「あん?聞こえが悪いからって自分を曲げるタイプにも見えねーがな。
そもそも、聞こえが悪い「程度」を気にするタマでもないだろーよ」

ズバズバ言い当ててるようだが、男はそんなつもりは特に無い。
本当に、ただ思った、浮かんだ相手への印象をそのまんま口にしてるだけだ。
この辺りは、単に長い年月を生きた故の経験則に近いものがある。

「いや、単に黒ずくめが落ち着くってだけだが。意地なんてのは通すべき時に通せりゃいいんだよ」

瞬きをサングラスの奥で数度してからそう訂正する。意地を張ってるのではなく単に黒ずくめが好きなだけ。
不良ぽい見た目はそもそも生まれつきで、だからそれは理由にはならない。
だから、理由を挙げるなら本当に「黒が好きだから」という事にしかならない。

「失明か何かしてるって事か。感覚的に魔術の類は関わってねぇぽいから異能方面か?」

デバイスそのもの、というより彼自身がそれをどう活用しているか、その源についての問い掛けだ。

筑波 察 > 「そこらへんはよく理解してくれているようでうれしいねぇ。
まま、そんなので一々落ち込むようならとっくに生き方を改めてるさ。
でもまぁ、君と違ってちょっと最近は意地を張るようにはなったかなぁ」

(この人はきっと望まなくともこんな身なりと態度を通すのだろう。
それと比べてしまえば僕の生き方というのはなんともちゃちに思えてしまうというもの。
しかしそれで劣等感を抱くでもなく、妬むわけでもない)

「この間までは明るい時に限っては見えてたんだけどねぇ。
ちょーっと実験に失敗したもんで完全に見えなくなっちゃったわけ。
で、それと引き換えに僕は能力を拡張した。
拡張した能力とこのゴーグルの力を借りて、僕はとてもよく見える目を手に入れた」

(ことのあらましについてザックリと説明する。
魔術についてはからっきしだ。自分の力はほんの少しの異能と、
それを使いこなすためにため込んだ知識の上に成り立っている>

黒峰龍司 > 「別に理解してるつもりはねーけどなぁ。単にそう思ったから口にしてるだけだ。
ま、意地を張るのは年齢性別種族関係ねぇわな。無いよりあった方がいい。
それに……意地ってのはバカにできねぇぜ?意地は時に世界を変えるからな」

ニヤリ、と最後の一言は笑って口にする。実体験済みとでも言わんばかりの発言だ。
その言葉は軽い調子だが、バカにできない「重み」のようなものがある。

「ふーん…まぁ失明と引き換えに能力を拡張って事は等価交換だな」

本来の正しい視力を失った変わりに力が増してそれで補う。
勿論、彼の努力と知識、試行錯誤があるのが前提となるがそれを怠る少年でも無いだろう。
彼とはこれもまた逆な事に、男は魔術に関しては万能だが異能はからきしだ。

2本目の煙草を蒸かしながら思う。そういや俺の異能って未だに何かわかんねーんだよなぁ、と。
目覚めているのは確かだが、未だに能力そのものは謎だ。だから発動条件も内容も分からない。

筑波 察 > 「結果として正しく理解できているなら、
その変遷はあまり意味を持たないことだってあるさ。
意地が世界をかえる、ねぇ。
僕はあいにく世界を変えるほどの意地を発揮したことなんてのはないけど、
世界は確かに意地を持った先達が作り、変えてきたとは思うねぇ」

(口ぶりから察するに、もとの世界でだいぶ派手をやってきたようだ。
そして今自分がこうして超人的な視界を手に入れつつあるのも、
思考し、証明し、書き記してきた先達の成果があってこそだ)

「まま、ゴーグル、正確には受容体がなけりゃ視界はおろか歩くのもままならいけどねぇ。
君はどんな力を持っているのかな?
僕は振動を操るっていうちょいとややこしい力なんだけどね。」>

黒峰龍司 > 「そりゃそうだ。世界を変える意地がありふれてたらどんな世界もとっくにメチャクチャだからな。
…が、「自分自身が先達になる」って事もある。テメェの「ソレ」が世界を変えるかもしれねぇ」

ソレが何を意味するかは彼自身の解釈に勝手に任せるとしよう。
ただ、たった一人の人間が後の世界の者から「先達」と評される事も珍しくは無い。

彼が積み重ねてきたモノまで読み取れないし、詮索はしない。
だが、先達の成果がそこにあるなら今度は彼自身が後の別の誰かの先達になるかもしれない。
まぁ、それはおそらく彼の死後とか与り知らぬ後の世になるかもしれないが。

「…あ?俺か?俺は異能は最近ちょいと切っ掛けがあって目覚めたぽいが…。
正直、詳細は未だにわかんねーな…研究区画で検査も一応は受けたがよ?
能力の内容の欠片どころか、発動する条件すらまだ分かってねーな」

と、肩を竦めてみせた。今の男の異能はつまり「無形」だ。
力はあるが中身が無い…もとい分からない。形が伴っていないのだ。

筑波 察 > 「その滅茶苦茶なじゃじゃ馬たちをまとめる人間だって、
また意地のある人間かもしれないからねぇ。
僕は自分のやっていることが誰かにとって意味のある、特別なものになるなら大歓迎だだ。
たとえそれが、自分の意図した結果と異なっていても。
誰かから向けられる特別が、先達という形で表れても」

(自分が積み重ねてきたもの。
それが周囲の人が並みの時間と労力で成し遂げられるものだとは思っていない。
誰よりも学び、誰よりも思考してきたのは事実である。
胸を張ってそういえる。それが後々他人の中で意味を持つなら、拒む理由はない)

「存在はしているけど見えない。ねぇ。まるでエネルギーと同じだ。
エネルギーは仕事をするまで、つまり何かに働きかけるまで観測は難しい。
ある意味君はエネルギーを持っているといえる。
実に期待に胸が膨らむじゃないか」

(どうやら物理をやり過ぎるとこんな例えが出てくるらしい。
ある意味これは異能による"副作用"なのかもしれない>

黒峰龍司 > 「誰かにとっての特別、ねぇ。俺はそこにこだわりが無ぇからテメェとは逆に近いが…。
まぁ、その気持ちはなんとなく分からないでもねーな」

特別視された事は何度も元の世界であった。だがそれが日常茶飯事になりすぎた。
そうなると、逆に特別に見られない新鮮さの方を心地よく思ってしまう面があるのは否めず。

(とはいえ、まぁ例えば気に入ったヤツに特別に見られるとかは存外悪い気はしねーが)

と、そんな事を思って内心で苦笑する。やれやれ俺もまだ特別に見られたい願望はあるのか、と。

「形や法則性がよく分かってねぇ未知のエネルギーみてぇなもんだな。
まぁ、研究すればいずれ分かるんだろうが、実験動物になる気もサラサラねぇしな」

そもそも異能があっても無くても自分のスタンスに何ら変わりは無い。
変わらざるを得なくなるとしたら、なら変わらないように男なりに試行錯誤するだけだ。

(ま、期待はしねぇがどんな内容の力かは興味は無いでもねぇけど)

後天的、知り合いの一人の力の副作用で目覚めた力。だが紛れも無い彼自身の異能。
今はまだ形が無い無形だが、形が定まり殻を破る時はいずれ来るだろう。

筑波 察 > 「このこだわりがある意味今の僕のほとんどを形作っているんだけどねぇ?
まま、僕の持っている数少ない意地さ。」

(その他大勢とおなじに扱われることの息苦しさは、
ややこしものを持っているほどに大きくなる。
だから自分はこの異能を持つ限り、この意地を貫かなくてはならない)

「案外、根本にあるものはほかのものと大差ないのかもしれないねぇ。
この世界に統一理論があるように、異能や魔術にだって統一的な源があるかもしれない」

(物事は経過とともに複雑になり、しまいには収集がつかないほどややこしくなる。
しかしほつれたものを手繰っていくいけば、根本はバカらしいほど単純だったりする。
彼の異能もまた、そういうものなのかもしれない。>

黒峰龍司 > 「いいじゃねぇか、それがテメェの意地なら俺はどうこうは言わねぇよ。それこそ野暮ってモンだ。
ただ、テメェもタマ付いてる男なら死んでもその意地は通せ」

言われるまでもねぇだろうがな?と、付け加えて呵々と笑う。
意地というのは通すものだと昔から決まってるのだから。
苦悩も苦難もあるだろうが、彼がそう決めているならそれは彼が選んだ道であって。
そこに干渉するなんて無粋な真似はしないと決めている。彼の意地は彼だけのものだから。

「まぁ、そもそも内容が分かっても使うかどうかは別だし勝手に力が発動してるパターンもあるらしいしな」

異能については素人だが、そういう自動発動タイプの力も意外と多いと聞く。
任意で発動できる異能だと男としては楽なのだが、そもそもまだ無形だから謎としかいえない。

筑波 察 > 「ふふん、はじめからそのつもりさ。
通せなかったらこの10年間が一瞬で無駄になるからねぇ?」

(人生80年、そのうちの10年を失うというのは、とてもじゃないが御免だ。
誰がなんと言おうと、通すべき意地だ)

「そうだねぇ。勝手に発動して気づかぬうちに寿命を持っていく死神、
発動して力を失ったのに形だけが残る異能。
僕が知るだけでもタチの悪いものはたくさんある。
僕なんかはまだ制御が利くからいいけどねぇ」

(皆、苦労している。
10年で視力を引き換えに異能が使えるというのは、ある意味贅沢な話だ。
彼の持つ異能がどんなものなのかは知りえないが、
彼の意地を通すうえで障害となることもあるだろう。>

黒峰龍司 > 「上等、それくらいの根性と意地と覚悟がなけりゃ人生張り合いがねぇしな。
…俺は黒峰龍司だ。一応1年って事になる。テメェの名前は?」

名前を名乗る、そして聞く。ありふれた単純な自己紹介。
だが、これは男なりにこの少年を気に入った証左でもある。
特別云々は脇に置いておくとして、コイツは面白いと思ったらしい。

「寿命を勝手に削る力に形だけが残る力か。そりゃまたその連中は難儀だな」

同情はしない。だがその連中にも通すべき意地がきっとあるのだろう。
魔術と同じく異能にも個性やピンキリはある。まぁ難儀なのもそれまた個性だ。

「ま、最低限利便性がありゃそれで十分だな結局は。利便性皆無だったら面倒だが」

活用できる、魔術とは別の側面からアプローチ出来る力ならまぁ当たりだろう。
男の基準では少なくともそうなる。少なくとも能力の強弱はこの際関係無いのだ。

筑波 察 > 「ふふん、何かと話の馬は合うようだねぇ?
競走馬と木馬くらいの差はあれど、馬は馬だ。
僕の名前は筑波察。一応2年だ。君が後輩だなんて正直びっくりだよ。
人は見た目に寄らないねぇ?」

(年下に見えた少女が自分よりも何倍も生きていると知ったこともある。
今回は年上だと思っていた人が後輩ときた。
この島は本当にいろいろと期待を裏切ってくれてたいくつしない)

「まぁ、それをどうするか、どう付き合うかは彼ら次第だ。
難儀がなけりゃ張れる意地も張れないだろうしねぇ」

(難儀を不幸ととらえればそこで絶望し立ち止まるだろう。
そこで考え、試し、挑む者が先達として語られるのだ)

「利便か不便かは本人しだいさ。
不便を利便に変える為に先達に学び、先達になる。
そこに強いも弱いもないさ」>

黒峰龍司 > 「差もまた個性。何をどうしても生じるモンだからそこはあんまし意味ねぇわな。
むしろ、その差を楽しめるくらいのノリでいかねぇとつまらん。
ああ、まぁ先輩だろうが教師だろうがそれはどうでもいい。名前と面白いヤツってのが分かれば十分だ。」

で、見た目どおりというかタメ口は変わらないし先輩だろうと関係ない!という態度。
ちなみに表向きの年齢は20歳で通しているので煙草はこの場合合法である。
うん、教師以外で喫煙してる学生ってのはアウトかもしれないがそれはそれ。

「おぅよ。難儀がねぇイージーモードの人生なんてつまらんしな」

絶望し立ち止まろうが前に進もうが、まだ顔も知らないその連中の勝手だ。
だが、最低限の意地を通す気概があるなら男なりに敬意は表する。

「魔術だったら話がはえぇんだがなぁ…まぁいい。気長にやるさ。
…さて、俺はボチボチ歓楽街でも繰り出してくるわ。テメェは?」

と、2本目の煙草を携帯灰皿に放り込みながら一応尋ねる。

筑波 察 > 「差もまた個性、難儀もまた幸運であり、意地を通す気概は生きる意味。
絶望の淵で綱渡りをしながら、先達を超える為に挑むというのも、
また風情があるねぇ」

(きっとそんな生き方を出来たら、実に気持ちが良いのだろう。
今のところ、胸を張るにはいささか足りない部分は多いが)

「僕は少しここで考え事をしたいねぇ。
考えが詰まるとどうにも足を進めることが不安で仕方がない」

(自分はここに残る旨を伝えると、ベンチに横たわる>

黒峰龍司 > 「風情とかは正直ピンとこねぇが、まぁ言いたい事はなんとなく分かるな」

と、首肯しながらゆっくりと歩き出す。さて、歓楽街で美味い酒と食い物でも食べたい。
学生街よりも矢張りアウトローな空気漂う街並みが男の性には合っているのだ。

「おぅ、煮詰まって煮詰まって残ったモンが解になればいいんじゃねーの?
んじゃ、あばよ《揺れる者(クェイカー)》」

と、笑いながら最後に名前でなく勝手に変な異名を付けて屋上を後にするのだった。

ご案内:「屋上」から黒峰龍司さんが去りました。
筑波 察 > 「なんとなくでも伝わればいいさ。
得てして、煮詰まったものっていうのは綺麗なもんじゃないことが多いけどねぇ」

(揺れる者、ねぇ。異名、もといあだ名をつけられるのは二回目か。
彼、龍司が屋上から去れば、驚くほど静かになる。
時折吹く風が庭園に生える草花の葉を揺らせば、
静けさの中にその音を見出し、心地よさを感じる。
眼は見えずとも、この耳で聞く音は紛れもない事実。

深い深い思案に更けるうち、ベンチの上で寝息を立てては、
夢の中でも異能を考え、ひたすらに計算式を書きなぐり、
煮詰まった残りかすのような答えを探し彷徨うのだ>

ご案内:「屋上」から筑波 察さんが去りました。