2017/08/18 のログ
ご案内:「屋上」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 放課後の屋上、巡回の時間まではまだ余裕がある為、風紀の制服姿ではあるが武器の類は未携帯。
屋上のベンチの一角に腰を下ろしつつ、天候は微妙だが気温はそこそこ。ただし熱量操作の魔術の応用でそこは問題ない。
こと”熱”に関する事なら地味にスペシャリストになりつつある。必死こいて勉強した甲斐があったというものだ。

「…うーん、やっぱり加速術に関しては課題が…それに、指摘もされたし。
数日前の師匠と妹弟子とのやり取りを思い出す。単純に速い相手にこちらまで加速する必要は無い。
そのようなニュアンスのアドバイスを貰ったが、矢張り魔術の応用での加速は捨てられない。

(もうちょっと改良して突き詰めて行けば形にはなると思うんだけどなぁ)

うーん、と悩む。あ、そういえば命だけでなく体も大事に、と師匠に言われた気がする。
まぁ、この前の手合わせは確かに額切ったり左肩を脱臼したりとアレだったが。

ご案内:「屋上」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > ――しかし、身をもって実感したが、矢張り以前より怪我の治りが早くなっている。
数日前の額の切り傷も既に完全にその傷跡が消えてしまっており怪我していたとは分からない程。
これが条件付きの不死状態…「契約」の副司効果の一つなのだろうかと。

(とはいえ、別に人間止めたとかそういう訳でもないし。痛みもあれば体調不良もあるし)

ただ、怪我の治りや速くなり病気の類にも強くなったのは確かだろう。
魔力そのものは…どうだろうか?こちらはまだあまり目に見えた実感や変化は無い。
軽く己の手を握ったり開いたりと繰り返しながらボンヤリと空を見上げて。

「…加速術の完成に…「死神」の完全制御…それとナイフ術をもっと底上げして…課題、やっぱり多いなぁ」

ご案内:「屋上」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > (…いや、でもやっぱり「死神」何とかしないとな。これ俺自身もだけど周りに迷惑掛ける力だし)

うーん、と唸るが現状は異能の制御の取っ掛かりすら掴めていない。
何せ常時発動しているが、その手の類にありがちな異能の気配が無いのだ。
本当に、自身に死が迫った時にしか力が表側にハッキリと出てこない類。底意地の悪い死神だ。

「…常時発動しているのにハッキリとした異能の気配が無い。矛盾してる、けど」

ただ、分かる人には何となく分かるという事も研究者からは言われた。それが事実かはさて置き。
そもそも、本来の死神はもうちょっと違う形らしい。今のコレはあくまで暴走状態に近い、とも言われた。

(いや、うん。生まれつき異能が暴走状態っていうのもどうなのかなぁ。しかも17年間…)

ご案内:「屋上」にHMT-15さんが現れました。
HMT-15 > バタンと大きな音をたてて
勢いよく屋上の扉が開く。

「ぬぅ。」

間抜けた声と共に扉の奥から現れたのは
白い四足のロボット。
ただし顔は下方向を向き
身体を小刻みに揺らしながら
如何にも苦しそうな様子で屋上を歩む。

飛鷹与一 > 「……うわっ!?」

比較的、屋上の扉から近い日陰ポジションのベンチに居たせいか、いきなりの扉が派手に開く音に驚く。
反射的にそちらに顔を向ければ、…珍しく間抜けな声を出している風紀の同僚?が居た。
しかし、どうも様子がおかしい。具体的には何故か顔は下を向いていて体も小刻みに揺れている。
人間で表現するなら、プルプルして今にも倒れそうな、苦しそうな感じだ。

「…イチゴウさん?こんにちは……っていうか大丈夫ですか?何か苦しそうというか不調ぽいですけど」

と、思わずベンチから立ち上がりつつ彼に声を掛けてみようと。
彼のそんな様子を見るのは流石に始めてだ。ゴミ箱漁る場面は目撃した事はあったが。

HMT-15 > 掛けられた声に反応して
ロボットが何とか顔を上げれば
そこにいたのは風紀の同僚の与一だ。

「ああ・・・。与一か。
今、非常に暑いんだ。非常にな。」

ロボットの頭部から僅かにシュウウという
明らかに温度が高そうな音が聞こえるだろう。

「ここに来れば・・・風もあるだろうと
来てみたが・・・そんな事は無かった。」

声はいつもの低音な合成音声だが
不自然に間があいている。
そしてついには床にベチャっとへばり付き

「警告、AIチップが熱暴走。
動きたくない。」

そんな事を吐きながらもはや歩くことすら
やめてしまう。

ご案内:「屋上」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「…確かに暑いですけど。むしろイチゴウさん凄いハイテクなのに熱に弱いんですね…」

と、いうが少年は自身の周りの熱量を魔術で操作しているから快適だ。
彼の様子を観察…頭部辺りからシュウウという音と、気のせいか水蒸気みたいに湯気が出ているのが見えた気がする。

(…俺の魔術なら何とかなる、と思うけどイチゴウさんみたいなロボットにも効果があるんだろうか?)

屋上は本来、それなりの高さで風も吹く場所だが生憎と現在は無風状態。この蒸し暑さも加味すればオーバーヒートも有り得る、んだろう。

「…って、イチゴウさーーん!?え、熱暴走!?あぁもう!!」

慌てて小走りにベチャッと地面にへばりつくようにダウンした彼へと駆け寄り。
軽く頭部に触れ…あっつ!?何これ凄いあっつい!?危うく火傷する所だった。

「イチゴウさん、取り敢えず俺の熱量操作魔術の応用で冷却するんで、防衛機構とかあったら解除しておいてくださいね?」

と、言いつつ彼の頭部を中心に、その体全体を覆う空気の温度を魔力で操作、徐々に温度を下げて行く。
特に、頭部は急激にではないが比較的重点的に冷却して行くだろう。

(……で、「天眼」の異能で彼の体の温度変化をシミュレート、と)

同時に異能を発動し、サーモグラフィーの如き視覚モードで熱の状態を逐一チェックしていく。
熱に関する事なら、異能との組み合わせで結構応用性は利くのだ。

HMT-15 > 「報告、AIチップが活動適正温度へ到達。」

与一が駆け寄ってきて彼が魔術をかけてくれれば
ピピという電子音と共にロボットは
元気を取り戻したようで勢いよく
ボディを持ち上げ彼を見上げる。

「ありがとう。冷却ファンの経年劣化を
放置していたからか故障してしまったんだ。
もうちょっと持つと思ったんだが・・・。
おかげでチップの温度が103℃まで
上昇してしまっていた。」

前足を交互に上げたりして動作を確認しながら
バテてた理由を与一に。

「今のは魔術か、中々繊細な挙動だった。
使えるのは異能だけじゃないのか・・・。」

与一の細かい温度操作に感心しつつ
彼の多彩な能力が身に染みる。

ご案内:「屋上」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「…これは…中々…あ、適正温度になった」

独り言のように呟きつつ、彼へと右手を翳してその全身、頭部を中心に徐々に冷却していたがどうやら大丈夫らしい。
活動を再開した彼にホッと一息付きながら魔術を解除して右手を下ろす。

「いえいえ、あぁなるほど故障ですか。修理とか…あ、でも最悪部品交換とかですかね?
…あぁ、道理で火傷しかけた訳です(うん、手を冷気で覆っていても熱い訳だ)」

その温度を聞いて苦笑いしつつ、彼の動作確認を見守る。適正温度になった事で動作も元に戻ったようだ。

「ええ、俺は主に熱量操作の魔術と、あと仮想銃砲っていうオリジナルで考えた魔術を使いますね。
後者のほうは、まぁ頭の中で想像力と魔力で「設計図」を作って、それで銃を組み立てて再現するってヤツです」

隠すことでもないので彼に告げつつ、左手に「デザートイーグル」…ゴツい大型拳銃を忽然と出してみせる。
ただ、計測すればそれが限りなく本物に近い魔術主体の創造物なのが分かるだろう。

「…うん、ともあれオーバーヒート?が直ったようで何よりですね」

と、大型拳銃を魔術解除でパッと消しながら笑って。イチゴウの推測どおり、この少年見かけは地味だが多彩である。

HMT-15 > 「システムをスキャン中・・・。
これは部品交換だな。そもそも
生産されてからこのパーツは変えた記録が無い。」

まるで他人事のように機械音声を
淡々と並べていく。お前の事だろう。
そして与一が魔術の解説に入れば
仮想銃砲と呼ばれる魔術にロボットは
興味を示したようで

「それは非常に便利な力だ。
相対する対象に合わせて柔軟に武器を
変える事が出来る。」

そんな感じで頷いているような動作と共に
彼の魔術で生成された拳銃がロボットの目に入る。

「それはイスラエルの大型拳銃か。
威力は高いが汎用性に欠ける。
それにしてもそんな複雑なものまで
生成できるとは驚いた。」

しかし与一という少年は物覚えの良い少年といった
印象を受ける。何というか上達が早い気がする。

「そういえば前にキミには色々教えてくれる
存在がいると言ったが魔術に限らずキミの
高度な能力はそれによるものか?」

いつも通り彼を見上げてそう言う。
どうやら完全に復活したようだ。

ご案内:「屋上」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「…と、いうかイチゴウさんの体を構成している部品とかって、この島でも手に入るんでしょうか?むしろ外部から独自ルートで入手しないと無理な気が」

彼のハイテク性能を考えれば、この島のぶっ飛んだレベルでもそのパーツ供給は難しい気がする。
とはいえ、確かこの前転移荒野でヘリから自由落下して参上してたし、彼なりの独自ルートがあるのかもしれない。
ともあれ、パーツに当てがあるなら交換したほうがいいのでは?という事を伝えつつ。

「ええ、ただ内部構造もイメージしないと不発とか暴発もあるんですよ。弾詰まり(ジャム)とか。
弾丸自体は俺の魔力使って再現してるんで実弾と違いますけど、威力はほぼオリジナルと同じだと思います」

と、補足説明もしつつ。つまり大型で複雑な機構な銃になるほどイメージに時間も掛かるし、魔力の消費も増える。
しかも、弾丸1発1発にも魔力を使うので考え無しに使えば当然魔力が枯渇する。
ただ、彼の感想にあるように、丸腰になっても柔軟に対応できる可能性は高い。

「ああ、これは何となく出してみただけで基本的に有名所の拳銃とかは一通り抑えてます。
一応、ショットガンとかマシンガンとか。内部構造を把握すれば、イチゴウさんのあのガトリング砲?も再現は出来ます」

ただし、彼のガトリング砲は例え再現できても魔力消費がヤバそうだが。
ちなみに、才能もあるが少年はきちんと裏で努力している。
異能、魔術、体術、ナイフ術。自分の力を把握し、それを鍛え、そして組み合わせる。
まだまだ課題も多いが、成長性は高い方だろう。ロボットに例えるならアップデートの更新速度が早い感じ。

「…え?あ、俺の「師匠」ですか?師匠からは主にナイフ術とか体の動きのコツを学んでます。
あと、本土にも師匠が居ますが、そちらからは体術を護身程度にですが。
魔術も恩師が今も在籍してますけど、忙しいのか中々に会えてないですね。」

と、素直に答えつつ苦笑い。ただ、ここまで多彩に力をつけてきているのは、普通に努力しているからだ。
それが、持っていたセンスと噛み合っている結果が彼の多彩さにつながる。

ご案内:「屋上」に飛鷹与一さんが現れました。
HMT-15 > 「ボクを運用出来ている時点で
風紀委員会はある特殊なルートを確立している。
あまり他言は出来ない。」

イチゴウという技術実証機を実地運用する理由で
風紀委員会はある企業から物資供給を実施されている。
それだけにイチゴウの集める情報は
重要なのである。

「あくまで銃器のことを把握していないと
その魔術は不具合を起こすのか。
それと大型火器まで生成できるとは凄いな。
しかし大型になれば狙撃というより砲撃だと
思うんだが。」

彼が得意とする狙撃。
はたしてそれは曲射する砲にも
当てはまるのだろうか?

「師匠・・・。そういえばキミはCQBでは
ナイフを使うのか。そっちの実力は上がっているか?」

このロボットは人体の体術に関しては
さっぱりだ。イチゴウの近距離戦闘は
自身のパワーや装甲カッターの切れ味に
モノを言わせての力押し。
非力ながらも技術で勝つという方が
よっぽど難しい。

ご案内:「屋上」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「…でしょうね。まぁ、俺もこう見えて公私はキッチリ分けるタイプなので。
だから、下手な詮索もしませんし例えば今は制服はコレですけどオフなんでそこは聞いたりしません」

と、笑顔で肩を竦めて。要するにプライベートな時間だから、風紀の暗部に関わりそうな事に一切関知はしないという事だ。
まぁ、仕事中だとしても深くは聞かない。あくまで少年は一般の風紀委員として所属しているのだ。
彼に比べたら、どんなに多彩で凄い射撃技能を持っていたとしても暗部に関わる可能性は殆ど無い。

「ええ、そもそもこの魔術で再現できるのは銃火器前提ですしね。
ただ、銃火器のみに再現を絞る事で精度や安定性を高めてます。
…ですねぇ。俺も砲撃クラスの銃火器はぶっちゃけ魔力消費とかの問題もあるからまずやりません」

それこそ、大型の怪異とかそういう敵でなければ使う事はまず無いだろう。
そもそも、彼の本領は矢張り狙撃による後方支援だ。「面」制圧でなく「点」の一撃必殺みたいな。
ちなみに、曲射する砲も再現は可能である。ただし内部構造、仕組みを再現出来ればという前提があるが。
銃火器なら何でもホイホイ再現可能、という訳ではない。
その構造を把握していなければ、ただのモデルガンとかと変わらないのだ。

「そうですね。今は色々と近接戦闘への対応策を模索してます。あ、メインは矢張りナイフ術ですけど。
熱量操作の魔術も組み込んで、俺なりの格闘技能を磨いて行きたいですね」

いずれイチゴウさんとも手合わせしてみたいですね、と笑いつつ。
まぁ、彼相手だとまずその装甲に傷を負わせられるかも怪しいが。

HMT-15 > 「模範的な風紀委員だ。」

下手に暗部に手を出さないというのは
自身の身を守るという意味で非常に重要だ。
特に風紀は正義の組織という看板故に
暗部に触れられる事を嫌っているだろう。

「キミも人間だという事か?
まあ魔術師といった訳ではなさそうだ。」

彼を人間だという事に何故か疑問の
イントネーションを付け加えた。
イチゴウの人間観は少々特殊なものかもしれない。

「ボクもキミとは是非とも手合わせしてみたい。
特に射撃精度という面で。まあ、スマート弾を
使わせてもらうが。」

スマート弾、それはフィンを利用して
目標まで軌道修正しつつ飛ぶ所謂誘導弾、
どうやらインチキするつもりのようだ。

「さてそろそろボクは本部へ戻ろうか。
ファンが故障したままだとまた温度が
上がってきてしまう。」

イチゴウは短いながらも別れを告げると
自らのチップの心配をしながら
開いているドアへと歩み入っていく。
その動きは若干フラついていた。

ご案内:「屋上」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「俺は別に波風立てる気は無いですしね。こういうとアレですけど、我ながら正義感の塊でもないですし」

風紀の職務に忠実なのは「仕事」と割り切っているから。もちろんお人よしな性格もあるけど。
だからこそ、深入りしない。自ら暗部に飛び込む可能性は極小だ。
少年が暗部に飛び込む時は、自分の大切なモノが侵犯された時に限られるだろう。

「…あの、俺は一応普通に人間なんですが(最近不死っぽくなりましたけど!)」

魔術師ではない。それは間違いない。彼の中で魔術というのは一つの手段。
もちろん、自分の中のルールの範疇でしっかり使っていきたいとは思っているが。

「射撃対決、ですか?えぇとまぁ訓練の一環でならありなのかな」

一番得意な技能ではあるが、彼相手に勝てる自信は正直無い。
少年の欠点の一つとして、これだけ多彩な技能を持ちながらいまいち自信がもてないというのがある。

「あ、じゃあ俺の魔術を掛けておきますね。1時間くらいは持つと思うので」

と、去り際の彼に熱量操作魔術で彼の周囲の気温を下げて快適にしておく。
彼の移動に合わせて空気の温度を下げるのでちょっとした移動式のクーラーと思ってくれていい。

「と、じゃあ俺も引き上げようかな」

彼に続いて少年も歩き出す、ついでにまた彼がダウンしてないか様子見も兼ねて。そうして少年もロボットも立ち去れば屋上は無人となるだろう。

ご案内:「屋上」からHMT-15さんが去りました。
ご案内:「屋上」から飛鷹与一さんが去りました。