2017/10/17 のログ
ご案内:「屋上」に和元月香さんが現れました。
和元月香 > 「さっむ」

屋上に出るなり、月香はぼそっと呟く。
しかしながら戻ることはせずに、
ペットボトルのキャップを外しながら柵に手を掛ける。

珍しく、笑顔は浮かべていない。
しかしながら、不機嫌というわけでもない。

和元月香 > 冷えたジュースで喉を潤し、
ぼんやりと曇天の空を仰ぎ。

ゆっくりと口を開く。
自然な流れで目を閉じて。

「____♪」

緩やかに、流れるような歌声。
いつもの破天荒な性格とは真逆の、
可憐で透明感のある、綺麗と言っていい声だろう。

今日は眠いのか無表情のため、
今更美少女設定を思い出したかのような光景である。

和元月香 > 穏やかで虚ろな旋律が、風に運ばれてゆく。
うつくしく、確かに鮮明なのに、どこか消えてしまいそうな 。
微かに聴こえる歌詞も、どこか鬱々とした
哀しいがとても美しい歌だということが分かる。

さも儚く、悲しげに見えるであろう彼女の背中。
しかし、月香は無表情に空を見上げながら。

(今日の夕飯、スーパーのコロッケにしよ)

などと実にくだらないことを考えていた。

ご案内:「屋上」に岡崎 燐太郎さんが現れました。
岡崎 燐太郎 > 島の栄えを見渡せる生徒たちの憩いの場所、つまり屋上へと少年は向かっていた。
コツコツと無機質な足音を反響させながらやがて重厚な扉に手をかける。

「あれ……人いた」

特に人もいないだろうと思っていた矢先、ねずみ色の空の下に一人の少女がいた。
まあ常時開放されている場所なので驚きはしないが。

「……お邪魔かな?」

流麗な歌をBGMにして、ふとその歌を紡ぐ少女の背中に声を投げかける。
もしものために扉の前から距離を保って。

和元月香 > 乱入者により途切れる歌声。
髪をたなびかせながら、ゆっくりと振り返る。

「.....えっと、どうも。どちらさん?」

未だ無表情のまま。
少し首を傾げて、まっすぐに少年を見る。

「.....お邪魔ではないよ?」

思い出したように、そう付け加えて。

岡崎 燐太郎 > 「ああ、別に怪しいもんじゃないよ。しがないここの生徒だ」

邪魔でないのならと扉を閉め少しだけ距離を縮める。
いまだ表情のない少女とは対照的ににへらとした緊張感のない笑みを浮かべていた。

「さっきの歌、君が?」

傍らの木造りのベンチに腰をかければそう問いかける。

和元月香 > (ねむい...)

昨日ゲームをやりすぎたせいか、少し視界が霞む。
笑顔を浮かべるのさえだるく、月香は未だ無表情のままだ。
少年の問いに、月香はこくりと頷き。

「久々に歌いたくなったんだよね」

と独り言のように呟いて、
空をまたぼんやりと見上げる。

「君はどうしてここにきたの?
今日寒いのに」

ぼんやり空を見上げたまま、
自分のことを棚に上げて尋ねる。

岡崎 燐太郎 > 「歌うの、好きなんだ? 素人の俺が言うのもなんだけど綺麗な声していたし」

音楽的感性が乏しい彼でも人並みに聞き分けることはできる。歌声に対し思ったまま素直な感想を述べた。
率直に感想を言ったあと同じように空を見上げる。

「いやぁ、ちょっとした暇潰しだよ。外の空気でも吸おうと思って」

空から少女に視線を移し答える。
どこか上の空な気もしたが特に気にすることもなく。

「そういうきみも、寒くないのか?」

双方ともに制服を纏っているだけでなんら防寒対策をしている様子はない。
自分は寒さをそれほど気にしない方だったが彼女はどうだろうと。

和元月香 > 「.....あ、そう?ありがとう」

少し頬を染めて、照れたように微笑む。
しかしこれ以上筋肉を動かすのは面倒くさいと言わんばかりに、
すぐ無表情へと戻ってしまったが。

「へぇ。まぁ、私も一緒だし」

なにかと暇だと、ふと空を見たくなる。
だからここに来たのかもしれない。

「.....あんまり」

面倒で、持ってきていたパーカーは教室にある。
それに、幸いと言うべきか自分は過剰な寒さを感じる体質では無く。

少しだけ言葉を濁らせたが、素直に答えた。