2017/11/03 のログ
ご案内:「屋上」にHMT-15さんが現れました。
HMT-15 > 適度な緑化が図られた屋上、数は少なくとも
色あせない庭園を夜空の星たちと庭園灯が
暖かく照らしている。しかし外気温は対照的に
日に日に寒さを増しているようだ。

その屋上にフェンスから街を見下ろすような形で
佇む一機のシルエット。マヌケなフェイスと
物々しい関節部という不思議な外見だが
学園周りでは色んなものに興味を示す妙なロボとして広まってきた。
その好奇心を逆手に取られてイジられる事もまあまああるが。

HMT-15 > 相変わらず断続的なモーター音と電子音を鳴らしながら
フェンスの金網の隙間から学生通り、奥へ進んで
歓楽街、落第街と様々な場所を見渡していく。
そののんびりさから分かるように今の時点で
任務という任務は請け負っていないようだ。

「非常に面白い。」

機械らしい低音の合成音声で不意にそう一言だけ呟く。
ロボットの目に当たるカメラレンズには
夜になって活発になるネオンや電灯の光が映っていた。
このロボットを反応させているのは
それらの光を奏でる人間の社会性。
見下ろすその景色の中には
人を幸運にさせる者もいれば不幸にさせる者もいる。
しかも人間の行動は単純に利益だけで始まるものではない。
だからこそ面白いのだ。

HMT-15 > 「・・・?」

唐突に季節外れなぬるい風が吹く。
それと同時にロボットはターンして
先程まで食い入るように見ていた金網を背にし
辺りを見渡す。一番注視しているのはその屋上の床、
つまりは教室棟。

「魔力反応を検知。」

他にも不可解な点はあった。いくら夜とはいえ
人の気配が無さすぎる。スキャン結果を見るに特に保健室付近のエリア。
保健室で休んでいると思われるもの以外に
生体反応は存在していない。

「"学校の七不思議"という奴だろうか。」

しかしこのロボットはそれほど好奇心をそそられなかったのか
すぐに振り向いて再度金網から街を見下ろす。
今のロボットにとって楽しいのは人間の活動を見る事、
その様子はまるで蟻の行軍を見守る子供のよう。