2018/03/19 のログ
ご案内:「教室」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 「……以上の様に、大変容後の異能、魔術の発現、発達が起きた後も、結局は人類の組織的な行動原理に大きな変化は無いと考えます。生存圏理論に基づく政治的影響力と支配を及ぼす母体が、この常世学園を含めて国家以外の形を有するものに変化しただけであり、それらの組織が膨張を続ければ何れは国家の様相を呈する事は――」

学園の空き教室で開かれている勉強会。
今日は、地政学・政治学についての議論発表会が開催されていた。余り形になったとはいえない自身の発表ではあったが―

「――以上を持って、私の発表を終了させて頂きます。ご清聴、有難うございました」

こういうものは、多少間違えていたり、データの根拠が薄くとも、自信ありげに話していれば何とかなるものだ。
儀礼的な拍手に頭を下げつつ、丁度小休憩に入ったのを良いことに教室の隅に腰を下ろす。

空調の効いた教室内で缶コーヒーのプルタブを捻り、暴力的な甘さを誇る砂糖水の様な珈琲で喉を潤した。

神代理央 > 緊張感を保っていた教室内の空気も弛緩し、各々手洗いに立ったり廊下で学友と喋ったりと思い思いの時間を過ごしている。
此の後は、総括と次の勉強会のスケジュール発表が行われる程度。自分の発表を終えた生徒の一部は、委員会や部活動への参加の為に此処で離脱する者もいる。

「…しかし、こういう場所に来ると己の浅学を嘆くばかりだな。荒事ばかりでは無く、もう少し教養を身につけたいところだが…」

思えば、風紀委員として戦場に立ち続けてきたものの、こういった教養・素養については鍛錬を怠っていた部分がある。
グラウンドを駆け回る運動部の様子を窓から見下ろしつつ、小さく溜息を吐き出した。

神代理央 > やがて、司会を務める生徒が休憩の終了と総括・閉会の合図を告げる。
各々が己の席に戻り始めるのを眺めつつ、自分以外の参加者の発表資料を改めて眺めていて―

「…次は、もう少し勉強してから参加するか」

淡々と進む様を眺めつつ、小さく己の決意を呟く。
図書館や古書店街に足を運んでみるかと思案しながら、少年の放課後は穏やかに終わりを告げていった。

ご案内:「教室」から神代理央さんが去りました。