2015/06/24 のログ
ご案内:「職員室」に戮意 鞠栖さんが現れました。
■戮意 鞠栖 > 今日も、暗い学校に幽霊が降りたつ。
まるで魔術の様に何処からともなく顕れれば、くすくすと笑む。
時間、今更言うまでもないだろう深夜だ。
何故か?彼女がいるからだ。そして、彼女は紛れもない、"幽霊"だからだ。
殺意。
それに色などなく、形もない。勿論普通なら感じることも出来まい。
けれど、彼女の持つ殺意を形容するのであれば"寒い"という形容が最もふさわしいだろう。
目的の部屋の扉の前に立つ。
「ふふ…御邪魔、します。」
この間は興が冷めて、殺りそこなった。殺り足りないのだ。
だから、今日は本格的に殺ってみよう。
この教室の職員は、異能も魔術も使えないやつばかりと聞く。
戦闘慣れしていない、弱い職員。
人数が少ないであろう深夜。
例え、彼女が幽霊でなくとも、それらの職員を少女が葬ることは容易だ。
(どんな声で鳴いてくれるかしら。)
なんて思って、愉快気に笑いつつ、その中へと踏み込んだ。
■戮意 鞠栖 > 突きつける様な形で包丁を片手に携えながら。
ゆっくりとした足取りでその中へと入って行く。
繊細ながらも大胆な、そんな足取り。
中にいるのは…なんと、残念なことに一人だけ。
流石に深夜と言う事もあってか、ハズレと言って間違いないだろう。
興冷めだ。何とも殺り甲斐がないことで。
何やら幽霊のような風貌と包丁に驚いているようだが、こちらとしてはつまらない。
「はぁ。」
思わず、溜息が出てしまうくらいにはつまらない。
殺戮というのは始めは抵抗、それから無惨にも一方的な蹂躙というプロセスでなければ気が乗らないのだ。
例え、その職員が後ずさりしようが、慌てようが。
つまらないものはつまらないのだ。
人は集まれば屯し、群を為して調子に乗るが、
一人になればこんなにも弱弱しい。
「甲斐がないこと。」
もう一つ、溜息を吐けば、そのまま職員の方へと歩いていく。
溜まる鬱憤。この職員で晴らしてやろうか。
だが、全く晴らせそうもない。
時に…幽霊って、そんなに怖いものなのだろうか。
■戮意 鞠栖 > これが、二人だったら多少ましだったろう。
三人だったら…寄れば文殊の知恵等とも言うし、よりましだろう。
四人だったら尚の事。
五人、六人と。
ああ、深夜にしか動けないというのは不便な体だ。
せめて、昼頃に来れればもっと見れたろうに。
馬鹿馬鹿しい。
高々つまらない一人の為に時間を割いてここまでやってきたと思えば本当に馬鹿馬鹿しい。
驚きのあまりその職員が失神しようが何だろうが、馬鹿馬鹿しいものは馬鹿馬鹿しい。
あまりの下らなさに最初とは違った意味でくすくすと笑いさえ零れてくる。
それは少し、大袈裟かもしれないが。
いずれにしても、わざわざ深夜の時間を使って蹂躙できそうな場所を調べたらこれだ。
「骨折り損ね。」
がっくりと肩を落としたい気分。
深夜の静かな職員室。
元いた職員はすでに気を失い。
残るは音もない殺意を抱えた幽霊のみ。
その日、悲鳴もなく一つの灯火が、散った。
後日、何らかの事件として取り上げられるか、
それとももみ消されるか、それは幽霊の知ったことではない。
深夜の静かな職員室。
相変わらず、夜が更けるまで延々と静寂は続きそうだ。
夜が更けたならば、この職員室から最初に聞こえる音は何だろう。
それこそ、悲鳴だろうか?
無論それも、幽霊の知ったことではない。
ご案内:「職員室」から戮意 鞠栖さんが去りました。