2015/08/04 のログ
ご案内:「廊下」にアリスさんが現れました。
ご案内:「廊下」からアリスさんが去りました。
ご案内:「屋上」にアリスさんが現れました。
アリス > 昼下がり、まだまだ暑くて日差しも強いおやつの時間。
自分の身長より大きなほうきを持って屋上の扉を開ける。

「……んー、こっちがいっかなー。」
そのまま手すりの方へと歩き出して…。手すりに背を向ける。
そして、指先を咥えて、小さく傷をつけて血をほうきの柄にちょんちょん、とつけていく。

「…毎回これやると思うと、ちょっと痛いかな…?」

アリス > 今は、屋上には声がしてないから、多分他に人はいなさそう。
周りを見ても見える範囲にはまだ誰の姿も見えない。
すぅ、と息を吸って。

「――――っ」

何語なのかよく解らない詠唱の様な物を唱える。
ほうきが腰の高さ位に浮く。ゆっくりと跨って、屋上の反対側を見る。

「こーゆーときはどーゆーんだっけ。
V1,VR,V2?…だったかなー?」

アリス > 「――っ」

小声で、もう一つ唱えて…箒が前方へ加速し始める。
ほうきの柄を握って端から屋上を横断する動き…向かい風が強い。
声がでない。

目も開けていられない。

それでも加速は止まらず、髪が後ろに流れるように舞う。

そして、耐え切れずに手が離れて、ほうきから落ちて屋上の床に転がる。反対側の手すりまで転がって何とか止まって。
ほうきはそのまま、屋上を飛び出て何処かへと飛んでいってあっという間に見えなくなった。

アリス > 体を起こす頃にはほうきはもう空の彼方。

「あー…学校のそーじよーぐ…。」

掃除用具入れから持ってきた物でした。
…知らん振りしとこっかな?
恐る恐る一回見回してみよう。今の間に誰か屋上に上がってきてたり…しないかな?聞き耳も立てて、飛んでったほうきが騒ぎになってたりしないかな…?

ご案内:「屋上」に久藤 嵯督さんが現れました。
ご案内:「屋上」にルフス・ドラコさんが現れました。
ルフス・ドラコ > スコーン、と星よりは手近な辺りから音が響いた。
大気圏を越えてほうき星の名を思うままにする前に動力を失った箒は、
一転して重力の井戸に魂をひかれるとお隣の校舎の屋上へと墜落したのだ。

たまたま屋上でアイスを嗜んでいた少女の額へ、狙いすましたかのようにすこーんと。

衝撃を受けて、少女の頭がのけぞる。
クーラーボックスに腰掛けてぶらぶらさせていた右足の近くへと、その手を離れたアイスが着地した。

久藤 嵯督 > ほうきが飛んでいく直前、屋上へやってきたのは風紀委員の一人。
昼休みを利用して、誰にも邪魔されずにアストロヨーヨーの練習をするつもりでやってきたのだ。
しかしそこには先客がいて、同級生の妄想女……が、ひっくり返ってた。

そしてその遥か彼方には飛んでいくほうき、そしてヤツは、隣の校舎のアイスガールの上に落下したのだ。
まぁあの様子なら多分、死んではいないだろう。アイスの方は床に食い殺されてしまったようだが。

「何やってんだお前」

まずはそこで体を起こす少女に声をかける。

アリス > あれ、箒はどこへー。星になったと思ったらっ!?
くわんくわんと目をぐるぐるさせて…起きる所で声をかけられる。
えーと?

「…空を飛ぼうとして失敗?」

見られてたかなーと思うけどどうやってとかその辺ぼかして笑って見ました。
お隣の校舎に落下したとは気付かずに……証拠物品はどこかにいっちゃったしごまかせないかなーとゆー目論見。
何かがぶつかった音はきっと気のせい、気のせい…

ルフス・ドラコ > 「……」
のけぞった頭を引き戻してからも額を押さえながら少女はしばらく動かなかった。
痛いとか痛くないとかではなく、割れる。普通は割れる。
かなりの高度から重力加速を受けた物体が命中しておいて夏の二時間サスペンスにならなかったのは、
少女が意識して発現させていなくとも、微妙に龍の外皮が彼女を守っていたからに他ならない。
外皮が硬くても衝撃が抜けて辛く苦しいのは見ての通り。
まるでかき氷の早食いの末路のように額を抑えながら、この暑さのせいではない冷や汗をだらだらと流して苦しんでいた。

いや、いま食べていたのはかき氷ではない。
商店街でもそこそこ名前の売れた洋菓子店のこの夏のイチオシ、
はちみつアイスクリームの中にオレンジのソースが詰まった爽やかさで冷たい…

冷たくて幸せだったソレは、今はぬるくて惨憺たるオレンジ色の悲劇に変わっていた。

「……斯様なことが許されるのでしょうか」
ちょっと昨日まで悩まされていた事案が一つ解決したからと、自分へのご褒美的に買い込んだアイスの尖兵が今、叩き潰された。
「実行犯の首は、柵に掛けられて屋上から吊るされるのがお似合いなのでは……?」
紅い髪が総毛立つ。紅の瞳が復讐に燃えた。今ここにいるのは怒りに燃える一頭の龍…!
なんか熱い日差しが更に熱く感じるような怒りのオーラが熱として周囲に伝わっていく。

久藤 嵯督 > 「そうかそうか」

そう言って向こう側の手すり……少女の隣まで歩いていくと、隣の校舎の屋上を親指で示す。
あそこにはオレンジ色の冷血と、紅い怒りに燃える少女の姿。そしてその傍には凶器《ホウキ》。
少し遠いが、見えるだろうか。

「俺はてっきりアイスを頬張る健全な女子生徒を暗殺しようとしてたのかと思っていたのだが……
 とんだ見当違いだったかな?」

仏頂面のまま、両手の平を上に向けてやれやれのポーズ。
風紀委員として注意喚起すべき案件なのだろうが、ああも怒り狂われては大事になる恐れがある。
非常に面倒だが、自分が仲裁する必要があるかもしれない。