2015/08/05 のログ
■ルフス・ドラコ > クーラーボックスに手をついて、しっぽで片足分の体重を支えて、
ゆっくりと立ち上がった赤龍は周囲を睥睨した。
……居た。お隣の第三教室棟の屋上に"起き上がる最中"の少女。後なんかもう一人赤っぽい服の人間。
赤龍は、頬を釣り上げるようにして、牙を剥くようにして笑った。
■アリス > 「そうそう、箒にまたがって空を飛ぶオーソドックスな…へっ?」
ちらーり。親指の先を見る。…ほう、き?怒り?え?あれ、やばい?
湯気のようなオーラが、えー、あれ?これは死ぬ?
目を白黒させて、目ぱちくり。
この状況は…選択肢が頭に浮かぶ。
1、突如いいアイデアがひらめく
2、誰か来て彼女を宥めてくれる
3、ぶちのめされる。現実は非情である。
答え3っぽい気がするので、1に向けて頑張ってみよう。
女の子の方に向けて大声で
「…だ、だいじょ、じょーぶですかっ!?
怪我はっ!な、なんてことをっ!」
そして、男性の方へと顔を向けてどうしようって顔をして見る。
濡れ衣、押し付けちゃえっ!
■ルフス・ドラコ > 「……そうですね、まずはお二人にお話を聞いてみましょうか。」
風紀委員の制服の背中を突き破って翼が生える。
翼で風を屋上に叩きつけて空を舞うと、クーラーボックスごと龍が攻めこんでくる…!
二回ほど羽撃くと、第三教室棟の上空へ到着。
威圧感とかなんかそういうのとともに、ゆっくりと降下しながら無闇に柵の上に着地する。
しっぽを柵に巻きつけてあるので突然の強風でも安心だ。
「ええ、大丈夫です。私に怪我はないですよ、私には。」
「ただ……そう、私は無事だったのですけれど」
常ならぬ微笑みを浮かべながら、赤龍は二人へと均等に目線を向けてゆっくりと話した。
「私の宝物が割れてしまいましたので、
ここは応報刑の精神に則り下手人の頭部を叩き割らなければならないかな、と」
全く同意を求めているわけでもないのに人間がそうするから擬態したかのごとく、
彼女は小首を傾げた。
「それで……お二人としてはどちらから先がいいですか?」
濡れ衣は無事に押し付けられていた。本日の話を聞くパートは唯一この部分だけという面持ちである。
■久藤 嵯督 > ありゃダメだ、完全にキてる面構えをしてる。
まあ荒事には慣れっこなので、いつものように適当に抑えておくとしよう。
そしてまた適当に話をつけて、こっちの妄想女には深く反省して貰うことで場を収めようと……なんだって?
「はァ!? いや、お前がやったんだろーが!
人に擦り付けてるんじゃあないぞクソガキ!」
その如何にも『悪人』を強調した面構えで少女を睨みつける。
ヤーさんもびっくりなその顔は漆黒のオーラを放っている。
■アリス > 「そそそ、そうですかっ、怪我がなくて良かったですよっ!」
まさかの屋上から屋上へ直接飛来。コレハヤバイ。
怒りがあれでやばいので、とりあえずー。
宝物?と首をかしげて神妙に正座しました。
睨みつけられたけど、まずは困った顔で正座して深く頭を下げます。
「…」
無言土下座。
主犯じゃないように見せかけて濡れ衣かけてから神妙に土下座すれば私に対しての怒りは大分抑えられる筈、と言う姑息な計算。
「…私が、私が悪いんですっ!」
睨まれてからこう言えば真実を言っていても脅されたように見える筈っ!軽くなるといいなぁ、お仕置き。
■久藤 嵯督 > やってきた少女は風紀委員の新人かと思っていたが、どう考えても風紀委員のやることじゃない。
と言うか、風紀委員の格好で暴れられては信用問題に関わる。
何とかしてこの場を抑えなければ……
巻き起こる風に白金の髪を揺らしながら、赤龍の少女の方を向く。
今更こっちのプライドバーゲンガールのことなど庇おうとは思わないが、風紀委員にまで飛び火するとなれば話は別だ。
「どちらもこちらもえっちらおっちらもないッ! 俺は通りすがりで無関係の風紀委員だ!
……ああ、クソ! 食堂でアイスを奢ってやるから話だけでも聞けッ!」
たったの数百円で場を収められるなら安いものだ。
少ない額ではあるが、一円を笑うことは出来ない。出来る事なら経費から落ちてくれればよいのだが……
■ルフス・ドラコ > 「……ふむー……」
二人の反応を見てから、よいしょ、と柵から降りた。
クーラーボックスを床に置くと、おもむろに開く。
保冷剤が満たしていた冷気がゆるやかに流れるとともに、中に入っていたのは色とりどりのアイスの入ったカップ。
要するにさっき食べていたアイスのバリエーションである。十個で今日本で使われている紙幣で一番大きいやつ一枚くらいになる。
いや、商店街の洋菓子店を知っていればだが。
「いえ、考えてみれば私も少し頭に血が上っていました、アイス一つくらいで土下座なんてさせては可愛そうですよね」
膝を折ると、尻尾の助けを借りながらアリスの肩に手を伸ばした。
「あんな悪人のために、こんな……さ、アイスは差し上げますから顔を上げてください」
今常世で一番頭に血が上ってチョロい赤龍が居た。
「無関係の風紀委員とか、よくもそんな白々しい言葉を吐けたものではありませんか…!
食堂のアイスなどで私の怒りが収まると思ったら大間違いですので!」
嵯督を見遣ると、指を指したいところだったが手が足りないので、とりあえず啖呵を切った。
キレッキレの表情でなく、いつもの平らな表情に戻りつつ有ったが逆に面倒くさい雰囲気が有る。
■アリス > 「……」
静かに頭上のやり取りに聞き耳を立てて、様子を伺う。
あれっひんやり。
落ち着いたかなーと思ったら風紀委員さん?あれやべぇ。言い訳、言い訳…。よ、よし。思いついたっ。後はタイミング。
「そ、そんな事はありませんよー…。宝物ではなかったのですかっ?」
肩に手を置かれて、顔を伏せたまま、顔をあげられない、と首を振る。
「わ、私が悪いんですよ…っ!」
言い訳の為に、もう一度真実を土下座のまま口にする。
嘘なき…までもうちょっと涙を貯めて…悲しそうな妄想を思い浮かべる。あ、じわっと…。涙を感じるまで、顔を上げるのは我慢しないと。
■久藤 嵯督 > 「クソ、見られてなかったからっていい気になって……」
古今東西、女の涙ってヤツにゃあ適わなかった。
いや自分は何とも思わなかったのだが、自分以外がそれで動いてしまうのだから大抵こっちが不利になるワケで……
まぁ大体今と似たような状況だという事だ。これだからこういった女がイヤになるんだ。
「ちげーと言っとるだろうが馬鹿もん! 騙されるんじゃあないッ!
全部そいつの単独犯行! そもそも俺が一体何をしたってんだ! 言ってみろ!」
眉間にどんどんシワが寄っていく。
ゆする側のツラを引っ提げた男がゆすられている様は何と滑稽に見えるだろうか。
■ルフス・ドラコ > 「一番美味しそうだなと思って買ったフレーバーなので、それこそ宝物でした、ええ、あのアイスは……」
気づいているでしょうか?今、肩に置かれた手に段々と力が入ってきていることに。
「でもですね、土下座してもらうのは、ちょっと。」
「そんなことより、私としてはこのアイスの美味しさを堪能して欲しいんです」
声音は優しく、ゆるやかに語りかけるようにしながら、
肩に掛けた手でアリスの体を引き起こそうとしている。
「……だって、そのほうが、どれくらい罪深かったのかわかると思いません?」
土下座なんてして死後の評判を下げたら可哀想、の意であった。
既にムカ着火ファイアーであった。
「単独犯行って、示し合わせたように屋上に居たじゃありませんか、
しかもお知り合いのようですし、あと悪人面ですし、風紀委員ですし。」
たとえ事実だとしても名誉毀損は逃れ得ない発言を行う赤龍。
生憎ながら精神ベースは十代少女が多めなので、嵯督の顔の第一印象は逃れ得ぬカルマとして刻まれていた。
■アリス > あれ?力が…。許してもらえた空気ジャナイ?
「……、な、なるほ…ど…?」
あれ?おかしいなー。悲しそうな妄想で涙じわって出たけれど、このまま私が泣く気がするよー?
「……あっ。」
つ、罪。…やばいこれどちらもぶちのめす気だ。
……やるしかない?体が引き起こされて…上目遣いで見上げてみます。
「ふ、ふふ、ふふふふ、ふふふふふふふふ…?
な、ならば…っ。そ、そのアイスを…」
やるしかない、目の前の彼女のアイスへの妄想を、具現化に成功するしか…っ!
……やれない気がするなぁ。
「アレ最後っ!?」
突っ込みを思わず入れて隙だらけになりました。
そう、事実は私の単独犯行です。けど風紀委員わかっててこれってどうなんでしょー?
■久藤 嵯督 > 「顔はともかく風紀委員関係ねえだろ!! 風紀委員取り締まる側! 警察!
つーかお前も風紀委員だろうが!!」
普段はここまで叫ぶような事が少ないのか、声が枯れ枯れである。イントネーションも若干おかしい。
島の外では強さの象徴として持て囃されたこの顔が、ここに来て急に欠点として機能している。
しかしここまで深く印象を刷り込まれてしまうとは……これも笑顔の鍛錬を急げという天啓か。神など信じないが。
「……俺が来た時にはもうほうきは空を舞っていた。
こいつとは同級生ってだけで、それ以外に何の接点もない。いいな?」
今更冷や汗をかくほど肝は小さくないが、この蒸し暑い気候の所為で汗がたらたらと流れる。
我慢できない苦しみではないが、気持ちが悪い。
出来ればそこのアイスでも引っさらって涼みたい所だが、風紀委員としてそれはやってはいけない事だ。
当の真犯人はアイスにあり付けていると言うのに、クソッタレ。
■ルフス・ドラコ > 「さて、最期にお名前だけでも聞いておきましょうか。
アイス殺害犯の地獄に落ちた先では『謝って済んだら風紀委員要らない』と喧伝していただく予定ですから、
お名前を聞いておかないとちゃんと仕事して頂けたかわかりませんよね?」
隙だらけのアリスの肩をガッチリロック。
上目遣いも涙もまるで効果があるとは思えないタイプであった。むしろ喜ぶ類、これが邪龍か…!
「さ、それじゃお好きなフレーバーを選んでください」
チョコ&キャラメルとかラムレーズンアイスの中にブルーベリーソースとか、
最後の晩餐となるクーラーボックスを尻尾でアリスの傍へと引き寄せた。
「手が震えるようでしたらあーんして食べさせて差し上げますよ?」
多分キテないんじゃないかな、と。そんな気がした。
「風紀……風紀?」
心底意外そうな表情になった(レア表情03)邪龍であったが、
自分の制服を見返してみて改めて頷いた。
「そうそう。そうですそう。風紀です風紀。疑わしきも罰することでこう……治安を?維持しませんと?」
借りた際に入っていたのか、風紀委員への応援呼び出しのコールを殆ど見ずに黙殺しつつ、とりあえずさしあたっては風紀委員を主張してみた。
「まあ、そのあたりはいかにも自分に都合のいい主張だと思いますけれど…陪審員が居たとしたらまず間違いなく通らないと思いますけれど…」
嵯督の話を聞きながら、ふと彼の流す汗に気づき。
「ともかく、貴方もアイスお一ついかがですか」
尻尾が再びクーラーボックスを器用に動かして、嵯督に近づけた。
■アリス > 「……おー、おーまいごっど。…ア、アリスとゆーですよー?」
お待ちを、お待ちを、とロックされた肩はもう動かせないし、視線で訴えかける。
「…いえ、先ほどの宝物を想像、いえ妄想してみて下さい…」
あえて怒らせる可能性がある事は解っている。でもこの賭けに勝たねばならぬのだ。妄想してくれたならば、その時に殆ど試してないアレを試せば…多少は…どうにか…なる可能性があるといいなぁ。
「やるときゃやってみせましょー。いやその私はクッキー&クリームがよさそーだと思うですがー。」
それでも一応好みは言ってみる構え。
「どー、きゅーせー……。」
そういえば授業に一度も出てませんでした。
学校生活、終わりかなーと遠くを見る目…。
■ルフス・ドラコ > 「そうですか、アリスさん。ではクッキー&クリームをどうぞ。」
先程から地面に触れている尻尾で渡すのもなんですし、と、
肩に当てていた手を離して、脚にシュルリと巻きつく尻尾。拘束度合いはむしろ上がっていた。
お待ちを、という言葉についてはもう聞いても居ないのではないか。鼓膜を通っているのだろうか。
「そうまで言うなら、さっき私が食べようとしていたのははちみつ&オレンジでしたけれど…失われた物はもう、帰ってこないんですよ」
買ってこれるけど別物なので気持の問題という最悪の領域に入りつつ。
自分で食べられる、というアリスにアイスとスプーンを渡すと、自分が食べようとしていたアイスのことを思い出しやすかった。
そういえば自分も先ほど蓋を開けた時は幸せな気持がそこにあったような。
それが失われた怒りが、今ここに増していくような。
■久藤 嵯督 > 「今明らかに嘘ついたよなお前……その制服、誰のだよ」
一体誰かがあの駄龍に貸し与えたのだろうか。まったくややこしいマネを……
しかし真に気にすべきは、無線のコール。誰かが制服の主に助けを求めているのだろう。
一風紀委員として、これは放っておけない事態だ。魔術絡み以外なら大抵の件はこなせるので、自分が出る事には何の問題もない。
黙殺されつつある無線を素早く奪い取ると、応援呼び出しに応じた。
その際自分ではない役員の名前が呼ばれたが、赤龍の少女が制服を借りていることを報告すればひとまずは納得してくれた。
先ほどの砕けた口調から打って変わって、声色から身振り手振りがその冷静さを現している。
差し出されたクーラーボックスには『いらない』のジェスチャー。食ってる場合じゃない。
「……生憎だが、俺は風紀委員としての責務を果たさなければならん。
おふざけは執行対象にならない程度にしておけよ。
風紀委員の制服とか、そういった話はまた今度聞かせて貰う」
そう言って嵯督は、屋上の手すりの上に飛び乗った。
屋上から飛び降りようとしているのだろうが、何かあれば一言ぐらいはやり取り出来るかもしれない。
■アリス > 足、足まで尻尾巻きつきました。あ、これはもう成功させるしか…もはや風紀委員の人にこう、意識を向ける余裕がないですよ、ないですよっ?!
「あ。ありがとーございます。」
わぁい、嬉しいな、嬉しいなーと笑って…
「……え、えいしょう、いのり、ねんじて」
やばい、これ成功してもアウトパターンではないでしょーかー?
でも、受け取ったアイスとスプーンを手にして最後の晩餐となるのは不味くございますよ?
か、彼女の妄想をなんとか具現化しないと、死ぬ。きっと死ぬ…や、やってやらああああああ!
もしかすると、去り逝く風紀委員の背で大災害が発生するやも知れない。
【妄想具現化-マーブル・オブ・デリュージョン】
【1、妄想の中にある存在にアリスが変身し、妄想の細かい内容を読み取る 2、妄想の中身を描写した漫画が一冊落ちて来る 3、妄想の映像が音声付で空間に流れる。 4、しかしなにも起こらなかった! 5、どこか遠くにその妄想が飛んで行った。妄想されていた本人に伝わったかも知れない 6、突然空間が割れて妄想にあった場所があればそこへの転送門が開く。が3秒で閉じる 7、妄想にある物品が具現化する。】 [1d7→5=5]
■ルフス・ドラコ > 「サイズが合わないから前を開けてるとかそんなこと有るわけ無いじゃないですか、私の制服ですよ、私の」
どうでもいいことのように、弁明さえ適当にしつつ。
いや、先ほどの驚きようから言えばどうでもいいと思っているのかもしれない。
「とはいえ、そうですね、また今度。」
「風紀委員の責務なんかよりも、私はこちらのほうが大事ですから。
貴方にお任せしますね。」
赤龍がどうでもいいと思っているものは、つまるところそういうわけで。
「私のことは、流布堂乱子とでも覚えておいてください」
いつかまた今度のためにと、少女はそう名乗った。
風紀委員相手に本名を名乗るわけがなかった…!
■久藤 嵯督 > 「流布堂乱子だな? 後で名簿を確認させて貰う。
俺は久藤 嵯督(クドウ サスケ)だ。では、また会いたくもないが……」
そう言って屋上から足を外す瞬間――
「――嘘だったら反省文な」
とだけ言い残して、垂直落下。
器用に着地してすぐさま、通報のあった場所へと赴くのであった。
(……今度はアイスの幻覚か? いや、それにしては……)
普段から『門』の先の映像や音声を聞かされている嵯督にとって、
この程度の妄想など日常茶飯事であったと。
(……『おいしい味』だな)
少しだけお得な気分になった、真夏の風紀委員であった。
ご案内:「屋上」から久藤 嵯督さんが去りました。
■ルフス・ドラコ > 「嘘ではないですよ、だってその名前で昨日から学生証を……」
……偽造、したんでしたっけ。
ついつい普段使っていた偽名をそのまま言ってしまったがこれはマズイのでは。
いかにもうっかりしがちな使い始めの初日に風紀委員なんかに出会うべきではなかった…!
緊張感だけが残された屋上。
状況は悪化の一途をたどるばかり。
脚に巻きついた尻尾はどうすれば離れるんでしょうか。
強く引っ張ると抜けるというのが俗説ですが試す価値はあるのでしょうか。
「……さて、嵯督さんが言ってしまった以上、
ここで行われることを見咎める人はいなくなってしまったのですけれど」
「そういうわけですからゆっくり食べてて構いませんよ?
一人で食べるアイス美味しいですよね?」
無表情な眼差しがじ、っと捕食対象を見つめていた。私は後から食べるのでいいです的な目つき。
■アリス > 「…い、いただきます」
そして、発動したけれど、なんだか別の効果でも出たらしいのか、何も見た目は起きなかった事でとうとう諦めて、しかも誰もいなくなって死刑宣告を受けて。しんみりとアイスを口にする…あ、おいしい。冷たくて、クッキーのしっとり感とクリームアイスの甘さがマッチして…食べ終わったらこれ死ぬですよね?
「……」
…正座もできませんね。…でも悪あがきはしましょう。
妄想オン。…私と教室でベッドインして善がる彼女を…その快楽毎妄想をぶち込んでくれるわっ!
視線から妄想波送ってどうにかするけど、多分根本的な解決策に…なってないですよね!
■ルフス・ドラコ > 「なるほど、面白い子ですね」
といって赤龍はほんの少し笑った。視線は逸らさない。
赤色の龍は特に強欲なのである。
「でも、それじゃあ食べられるのが逆、ですよね?」
アイスのスプーンを挟んで額が触れそうなほど顔を近づけて、真っ赤な瞳がさらにアリスを覗きんだ。
「……ああ、それとも、教室でなら何とかなるっていうんでしたら」
「今誰も見てないここで、私が主導権を握ってしまったほうがいいんでしょうか?」
■アリス > 「……あ、る、ぇ…?」
あれ、妄想打ち込んでもだめでした?
これは、逝った。逝きましたよ?
「あ、はは、はははは。…」
顔も近い上に…逃げ場もないどころか身動きも取れない。
「完全にアウトですよー?」
笑って言ってみるけど、そろそろ厳しい。
瞳に射ぬかれそうで、これは、やばい。
「…う、ふふ。ふふふふふ。」
手は最後の二つしか思いつかない。でも1時間掛かるしあれ、その前に終わる気がす、る…。
「そっちで食べますか…?」
命は助かるならそれもあり?とは言えど…今ので隙が出来なかったのは、辛い。逃げ、逃げー…
■ルフス・ドラコ > ぱくり、と。スプーンの上のアイスを食むと、唇についたアイスを舌で舐めとった。
「やっぱり美味しいですね、ここのアイス。」
ゆっくりと顔を離して、赤龍は言った。
巻き付いていた尻尾は無かったもののように一度消えると、
次には立ち上がる支えとして柵に巻き付いていた。
「生憎ですけれど、美味しいものは万全の状態でいただくほうが好みですので。
私に手なり足なりが生えてきたらお誘いいただければと思いますよ、アリスさん」
平坦な表情に戻ってしまえば、どこからが嘘でどこまでが本気だったのかはどうにも掴み難い。
ただ、先程までの殺気が無くなったのは確かだった。
「まあ、今度からしないということでしたら、箒の件は許して差し上げようかな、と思います」
「……今度からしない、ということでしたら、ですけれど。」
赤龍は念を押しつつ、
クーラーボックスからバニラ&ストロベリーを取り出すと、食べることにしたようだった。
■アリス > 「…美味しいですものね…アイス。」
あ、これやっぱだめだ。と思っていたけれど。
尻尾の圧迫感が消えていて。目、ぱちくり。
「う、あ、なーるほど…。堂乱子さん…
その時はお手柔らかにお願いします」
深々と頭を下げて、調子を合わせて柳のようにふんわりとした声色と表情で話す。
「…こ、心得ました。箒の宅急便は別の方法を考えます、ね…」
そ、それでは、失礼しました、すみませんでしたっ!と大きく頭を下げて、去って行く。助かった、と言えば助かったけれど、アリス宅急便の為の飛行訓練は失敗に終わったのでした…。
ご案内:「屋上」からアリスさんが去りました。
■ルフス・ドラコ > 「ええ、またいずれ。……そっか、乱子ではなく堂乱子にしておくという手も……」
ぱくり、とアイスを食べながら。
炎天下だというのに汗もかかず、ようやく落ち着いたという雰囲気で。
焦げ茶色の髪を熱風に揺らしていた。
ご案内:「屋上」からルフス・ドラコさんが去りました。