2015/09/15 のログ
ご案内:「屋上」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > ──放課後の屋上
校舎の中でもひときわ高い屋上の、さらに高い場所。
給水塔の上に七生は陣取って学生街の街並みを眺めていた。
学生通りに並んだ街路樹なども黄色や橙に色が変わり始めているのが覗える。
季節は夏から秋へと順調に移行していた。
「……こないだまで春だったのに、早いもんだなぁ。」
そんな独り言を溢しながら、七生は購買部で買って来た炭酸ジュースを呷った。
■東雲七生 > しゅわしゅわと音を立てて喉を通っていく炭酸に目を細めて。
一つ、息を吐いて再び視線を学生通りへと向ける。
放課を迎え帰宅する生徒、買い物をする生徒、バイトをしている生徒。様々だ。
自分もあそこに居れば、そんな生徒の一人として見られるのだろうか。
──そんな事をぼんやりと考えながら、のんびりと放課後を過ごしていた。
■東雲七生 > 「そういや、今日はお祭りなんだっけ。」
常世神社の月例祭。
中々行く機会が無く、今回も思い出したのが当日なため行けそうにない。
いや、ちょっと覗いてみる程度でも良いのだろうけれど、どうしてか足が向く気がしない。
「……まあ、もうちょい涼しくなってからでも良いか。」
浴衣も何も買ってないし、と足をぶらつかせながら神社の方へと目を向ける。
鎮守の森の中に大きな岩が辛うじて見える。あそkが常世神社だろう。
学校の屋上から見えるくらいだから、やはり相当大きな岩なんだろうなあ、とぼんやりそんな感想を呟いた。
■東雲七生 > 「大きい、かあ。」
自分が呟いた感想の中の1ワードに自分で反応する。
昨夜防波堤で会ったリヒットとの会話でも思ったこと。
「……俺ってそんな子供っぽく見えんのかな。」
一応年齢は15歳の筈だ。入学書類にもそう書いたし。
それでも確実にそうだと言える確証は無いので少しだけ不安になる。
今までの誕生日を祝って来たという記憶も消えてしまい。
「……そもそも、俺の誕生日って……」
いつなんだよ。
誰宛てでも無い呟きが秋の空に消えていく。
■東雲七生 > 「はぁ~あ! やだやだ。
全っ然、何の進展もしねーんだもんなあ。」
消えてしまった自分の記憶。
もはやすっかり馴染んでしまったその状態に、少しだけ自己嫌悪。
持ち前の適応力というか理解力というか、要領の良さが少しだけアダになってる気がした。
「どっから、何から思い出せばいいんだろ。」
やっぱり、覚えてる限り一番古い物から一つずつ手繰り寄せていけば良いんだろうか。
何となく取り出した端末を手の内で弄びながら、ゆっくりとその場に仰向けに寝転んだ。
ご案内:「屋上」に真野 真さんが現れました。
■真野 真 > 勢いよく屋上に続くドアを開き開口一番。
「ふむ、今日も一日多くの人を助けることができたな!」
夕日を見ながら汗を拭う動作をとるタオルに巻かれた男。
どことなく仕事終わりの満足間が見える。
購買で買っておいた牛乳を一気に飲む。少しぬるくなってるが気にしない。
ふと給水塔の上に目をやると少年の姿が見えた普通の学校なら中学生ほどだろうか。
「そこの少年!そんなところで座ってると危ないぞ!落ちたら死ぬぞ!」
親切心から声をかける。
「死にはしなくてもきっと痛いぞ!」
■東雲七生 > 「……おょ?」
誰かにメールでもしようかと端末を眺めていたところ。
屋上の扉が開く音と、そして少し騒がしいくらいの声。
「落ちないから死なないっす。」
思わず反射的にそんな返しをしてしまったが。
……まあ実際落ちても着地が取れる高さである事は違いない。屋上から落ちる訳じゃないんだから。
「大丈夫っすよ、慣れてるんで。」
ゆるゆると上体を起こしながら男の方を見遣って。
誰だろうこの人と、じっと観察をしてみる。