2015/09/23 のログ
平岡ユキヱ > 「通るでしょ」
何故か言い切った。
特に異能では、と自分の毛先を見て、驚いたように不凋花を見る。

「不凋花…ありがとう。あなたの異能、今の私とは『相性がいい』みたい」
自身の異能…ながらにして、ユキヱの魂をすり潰していく『あの力』が今は消えている。
久々の、本当に久々の澄み渡るような平穏。

「…」
惜しむように目を閉じ、数秒沈黙。
よし休憩終わりと不凋花の傍の席から立ちあがり。踵を返した。
彼女の間合いから離れれば、またユキヱの毛先に光がともるだろう。

「フッフッフ…なんて事いっちゃったりして、謎を残してみたり」

ああ、最後にと思い出したように、去り際不凋花に振り向く。
しゅるり、竹刀袋の口がほどける音。
教室に充満するような青白い殺気。尋常の剣法では遠間も遠間。そこから。

「    ッ!!!」
大上段から袈裟に、剣の気配『だけ』を振るうように飛ばす。
鋭い何もかもを切断する糸のような、線が飛ぶ気配が不凋花に。

不凋花 ひぐれ > 「ですが、お役に立てるかどうかはまた別なので……」

遠慮ではないが、懸念をこめて。どこかの委員会が、複数人で行動しているのを委員会街で見たことがあるから。

「……はて、そうなのでしょうか」

心当たりは有る。この場所まで近づければ彼女の異能の範囲内。
自分の異能は異能系の抑制、または消失を適応させることができる。とあればそれに関連したことを云っているのだろう。
しかして、すぐに離れてしまえば、それをおいかけるでもなし、彼女はゆるやかに席に立った。
同時に、こちらへと向かい来る『線』が――

「見えました」

ふつりと呟くと共に、腰元に落とした刀。柄に手をかけて刃を下に、手元を胸に引き寄せる。
右手を密着させて抜刀すると、そのまま飛んできた"ソレ"を抜刀して弾くか、断ち切るか。
物理的か魔術的かの差異はあるにせよ、こちらへと飛んできたそれは彼女に斬撃を与えることなく、力の行き場を失って落下するか、掻き消えてしまうことだろう。

平岡ユキヱ > 飛ばした殺気のはじける気配。
ふふん、やはりな。猫かぶりめ。

直感的に相手の佇まいから推察していたことに確信が持てたのか、満足気である。

「抜刀か…。どこが"嗜む"よ?」
一流なり! とニヤリと笑うと。今度こそ本当に嵐のように去っていった。

ご案内:「教室」から平岡ユキヱさんが去りました。
不凋花 ひぐれ > 「―――はぁ」

薄目を開く。どことなく満足そうな、含み笑いを零された気がした。彼女のほうを見上げると何故だか褒められていた。
本当何故だ。

カマをかけられたのか。いやというか――
仮にも一般生徒に攻撃を仕掛けるとはどういう了見だろうか、あの殺気を放った人。
釈然としないまま首をかしげ、肩を竦めて刀を仕舞う。

不凋花 ひぐれ > ただ、悪い人ではないはずだ。彼女なりに考えがあってのことなのだろう。
色や世界を映さない目の奥で、どれだけの人がどんなことを考えているのか。
――などと仰々しく考えたところで答えは分かりきっている。
あちらに入ってほしいということなわけで、結局は力試しに過ぎなかったというわけで。

「……」

どうしたものかと悩みが巡った。

不凋花 ひぐれ > ―――考えても答えが出ないのであれば仕様がない。
はたと息をつきながら、帰宅の準備を進める。刀をしっかりと押さえながら、杖代わりに地面すれすれまで左右に振る。
そうして歩き出し、戸締り確認と職員室までの道中は、少々気を張りながら慎重に帰ることだろう。

ご案内:「教室」から不凋花 ひぐれさんが去りました。
ご案内:「教室」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > ──使われていない教室の、最後列。その一番窓際の席。

東雲七生は図書館で借りてきた本を枕に、すやすや寝息を立てていた。
図書館を利用する機会が増えたものの、本を読む場所は大抵どこかの空き教室で図書館でそのまま読むことはあまりしない。
今日も今日とて、午後から予定が空いたので図書館で本を借りて、この教室で読もうと思い立ち。

──そしてそのまま秋の穏やかな日差しに陥落した次第である。

東雲七生 > 「……すぴー。」

最後列の席というのは、七生にとって憧れの席だ。
15歳にしては身長が物足りない七生は大抵の授業を最前列で受ける。
少しでも後ろに行くと座高の都合で視界が制限されるからだ。
これで頭に角があるとか背中に翼があるなどの身体的な理由で他の生徒に迷惑が掛かる
……というのなら特別な対処もされようものだが、七生にとっては至って普通に身長が足りないの一点に尽きている。
特別な対処を必要としない。椅子と机を特別に高くする必要もまた、無い。

なので七生は春から常に最前列の席で授業を受け続け、最後列の席に憧れ続けていた。

ご案内:「教室」に日下部 理沙さんが現れました。
ご案内:「教室」にトトさんが現れました。
東雲七生 > 「ふにゃ……」

口元をもごもごさせながら、相変わらず本を枕に安眠している。
色々あって昨夜は寝るのが遅かったのだ。ちょっとだけだが。
ちなみに口の端から涎が垂れたりはしていない。そもそも寝るときに口を開けない方なのである。

穏やかな斜光の中で眠る姿はこの上なく幸せそうに見えるだろう。
今日は休日、ここは空き教室。居眠りを咎める教師は誰も居ないのだから。

トト > 結局のところ、其処にたどり着いたのは偶々という他ない、勉強は好きだが、余りじっとしていられない性分のトトは
図書館で本を借りたり、参考書を読む際も、公園や、空き教室等、ある程度好きに出来る場所を探す傾向があった

「………  七生だぁ。」
そんな中、今日は陽射しを浴びれる場所がいい、と良さげな空き教室を散歩がてら回っていたら
とても、とてもよく知る彼が其処で気持ちよさそうに寝息を立てているではないか、ちょっかいを出さない理由は無かった

日下部 理沙 > 「ここだったかなぁ……」

なるべく音を立てないように、控えめに教室の後ろ側の戸をあけながら、新入生、日下部理沙は教室に入ってきた。
何故、理沙がこの教室に来るのかといえば、まぁ理由は至極単純であり忘れ物である。
背中にデカい翼の生えている理沙は前の方の席にすわると後ろの人の視界を遮ってしまうため、授業中はだいたい最後尾の席に座っている。
そのため教室に入るときは常に後ろの扉からである。
故に、今回も後ろの扉から、机の中に入れっぱなしにしてしまった教科書やら筆記用具の類を取る為に教室に戻ってきたわけだが。
 
「あれ」
 
理沙が前の授業で座っていた席には、一人の少年が座って寝こけていた。
赤髪が特徴的な少年である。
それはもう幸せそうに眠っているが、このままでは机の中のものがとれない。
 
「うーん……」
 
どうしてくれようかと考え込んでいたところ、今度は白いワンピースを着た少女がやってきた。
いや、少女? でもワンピースだし、多分少女だろう。
この学園では見た目で性別を判断することが難しい。
しかし、それはそうとして。
 
「あ……」
 
どっちも知らない人である。
理沙は知り合いが少なかった。

東雲七生 > 「んん……」

小さく鼻から抜ける様な声を上げて小さく身じろぎ。
自分の後に新しく教室を訪れた者が居るなんて文字通り夢にも思っていない風だ。

憧れの席に座り、惰眠をむさぼり続けるという幸福に包まれた彼に起きるという意思は無い。
だが、対外的には物凄く無防備である事だろう。

トト > 「… 寝た子を起こすな、ってコトワザがあるらしいし。」
取り敢えず暫く彼はそっとしておくとして、とそーっと教室に入ってくると、理沙の姿も同時に見つけ

「……  ? あ、  ♪」
そうこうしていると、初めての人に会う、少し困った様子の彼に大して、手をふりふりと左右に振りつつ近づいて

「どうした、の?」
とそーっとささやきかけるように声をかけつつ、、七生の寝顔をちらり、とのぞき見たり

日下部 理沙 > 「あ、いえ……机に忘れ物をしてしまいまして」
 
囁くように声をかけられ、つい理沙も合わせて小さな声で返事をしてしまう。
合わせて背中の翼が小さく揺れた。
黒い瞳の少女の目を、蒼い目で覗き返す。
淡緑色の髪と、抜けるような色白の肌が綺麗な子だった。
理沙とは対照的に大分活発そうである。
 
「私が前の授業で座ってた席……そこなんで、どうしようかなぁと……」
 
まぁ、次の授業もあるし起こす以外の選択肢はないのだが、それでもここまで気持ちよさそうだと気が引ける。

トト > 「あれ、此処って七生が使ってた席じゃなかったの?しょうがないなぁ…。」
くすくす、と笑って七生に手を伸ばし、起きないようならナデナデと髪をかいぐるように撫でてみたり

「えっと、僕はトト、君の名前は?… あ、君も羽があるんだね、ミウちゃんと同じだ…  って事は、神様系?」
声量こそ抑えているが、興味津々と言った様子で矢継ぎ早に声をかけてくる、背中の翼を見ると、もふもふしてそう、と呟いて

東雲七生 > 「ふへへー……らくしょーらくしょー……ふに。」

どんな夢を見てるのだろうか。
気の抜ける様な寝言とともに、七生の頭がトトによって撫でられる。
さながら犬みたいな様相だが、東雲七生はれっきとした人間である。念の為。

「ぅんん……」

しかしあまりにも撫でられ続ければ、僅かに意識が揺り起こされ始める。

日下部 理沙 > 「九月からの新入生で、日下部理沙といいます……この羽は後から生えたものなので、異邦人の類ではないです、ご期待に添えず申し訳ありません」
 
背中の翼を揺らしながら、申し訳なさそうに頭を下げる。
間違われるのは日常茶飯事ではあるが、その度に只管に理沙は申し訳ない気持ちになる。
異邦人にも申し訳ないが、ややこしい見た目で勘違いさせてしまう他の人達にも申し訳ない。
そこまで理沙が気にすることもないのかもしれないが、そこは性分である。
今回も今回で早速、そういった気持ちで満たされてきた理沙は、用を済ませて早い所出て行ったほうがいいのではないかと思い始めた。
見た所、彼女ことトトと、こちらの少年は親密そうな仲のようだし、邪魔をしても悪いだろう。
 
「あの、すいません……お休みのところ申し訳ないのですが」
 
そんなわけで、トトの隣にたって、手早く少年を起こそうとその背に手を置く。
本来ならここで少し強めに肩を揺らすべきなんだろうが、初対面の相手にそれが出来るほど理沙は気が強くない。

トト > 「ふに、だって、ぷぷ、どんな夢見てるんだろうね、七生ってば………え、9月から…? わ、じゃあ僕よりも後の人だ、後輩だね。」
おお、と片手で七生を撫でつつ、嬉しそうに目を輝かせる

「へぇ、そうなんだ?面白いね、どうして生えたの?僕もやろうと思えば作れるかもだけど、それで飛んだり出来るのかな。」
後から、という言葉に寧ろ興味を持ったのか、そのままの勢いで理沙に問いかけつつ、楽しげに口元に笑みを浮かべて

「でも、異邦人の類じゃない、って事は、この世界には羽が生えてる人は基本的にはいない、ってことなのかな?」
というかそも、そこらへんの根本的な知識が欠落していたりする、未だに

東雲七生 > 「ほぇ?

 ………っ!」

ぼんやりと薄目を開けてから、状況を理解するまでおよそ3秒。
それが長いのか短いのか分からないが、状況を見てから動くのは早かった。
本を読みに来て、ふと気が付けば知った顔と知らない顔が居る。どうやら自分は寝ていたらしい。
反射的に口元に手を当てるが、別に涎などの跡は無い。
それだけがこの場での救いだった。

「わ、わ、えっと。何、何事!?……俺寝てた!?」

日下部 理沙 > 「……」
 
トトの質問に、理沙は咄嗟に答えられなかった。
いや、答えるのが恐ろしかったのかもしれない。
理沙からすれば、その質問にはどれも肯定的な返事を返せない。
翼は異能で勝手に生えたもので理由など理沙はしらないし、飛ぶこともできない。
この世界がどうなっているかも関東の片田舎で半生以上を過ごした理沙では答えを持ち得ない。
故に、理沙に出来る答えは一つだけだった。
 
「……わからないし、飛べないです」
 
怖くてもなんでも、いえることは結局それだけだった。
ただ、それだけ言ったところ、丁度目を覚ました少年に、理沙は頭を下げた。
 
「お休みのところ、すいません……その机の中にあるものを取りたいのですが……」
 
とりあえず、要件を述べる。
少しだけ体が強張っているかもしれない。
 

トト > 「ふぅん…?  よくわかんないんだ、じゃあ僕と同じだね、僕も【出来る】って事は知ってるけど、何故、なんてわかんないし。」
そっかー、とちょっとだけ残念そうであるが、にこー、と笑って首をこてんと

「おー、起きた起きた、この人、理沙が、七生の座ってる席に忘れ物あるんだってさ、僕は偶々居合わせただけだけど。」
七生のそんな慌てた様子に、ぷっ、と少し吹き出しつつ、理沙と一緒に要件を告げる

東雲七生 > 「へ?机……ああ、はいはいはい!
 ここ、キミが使ってたとこなんだ?ごめんごめん!」

バタバタと椅子を引いて、机から物が取り出しやすい様に空間を確保する。
その際、翼が目に留まったが特に気にした様子も無く視線はトトへと向けられた。

「今聞いたよ。
 つーかトトは何してんだよ、こんなとこで。」

偶々居合わせたと言っているが、そもそも今日は休日の筈だ。
本でも読みに来たのだろうか、と小首を傾げる。

トト > 「あ、でもという事は理沙は人間ってことだよね?種族がちゃんと分かってるなら、そこは僕とは違うか、うん
一つ言葉を交わしても、近いところ、違うところがぽろぽろ出てくる、会話というのはやっぱり面白いよね。」
ころころと顔色を変えて、考え込んだり、にこーっと笑ってみたりしつつ、そんな事を彼に話して
矢継ぎ早にも見えるそんな会話の節々からも、トトの楽しげな雰囲気だけは伝わってくるだろう

「図書館に参考書をね、で、折角だから校内のどっかで読んでいこうって空き教室を回ってたのさ。」
七生の質問にはそう返して、ぐっ、と大仰に肩をすくめる仕草なんてしてみせる

日下部 理沙 > 「お手数かけてすいません」
 
改めて少年……七生に頭を下げながら、理沙は机の中にある筆記用具を取った。
彼は翼を一瞥だけしたが、それ以上、何かいう事もない。
多分、この島で過ごし慣れているのだろう。理沙にとってはありがたいことであった。

日下部 理沙 > 「はい、翼がはえてるだけのただの人間です。トトさんは、物言いからすると異邦人みたいですね」
 
七色に表情が変わるトトは本当に楽しそうに話をしてくれたが、理沙からすると何だかこそばゆい感じだった。
理沙は普段こういう人懐こい人とはあまりしゃべらない。
というか知り合いがほとんどいない。
故に、単純に気恥ずかしかった。
そして、そんな人の時間を取っていることが申し訳なくもあった。

東雲七生 > 「あっはは、気にすんなって!
 ……それよりさ、見たところ同い年……同学年っぽいし。
 そんな改まってくれなくて良いって、何かこそばゆいからさ。

 俺、東雲七生。君は?」

理沙、とトトが呼んでいたのを耳にしていたが。
敢えてそれはスルーして、翼をもつ少年へと名前を訊ねる。
その顔は年相応よりもだいぶ幼く見られがちな笑顔を浮かべていた。

「なんだ、トトも同じかよ。
 俺もさ、図書館で本でも借りて読もうと思ってたんだけどー。」

陽だまりが気持ち良かったから、と言い訳がましくごにょごにょ呟いている。

トト > 「そのまま気持ちよくって寝ちゃってた… と… まぁ、アレだよね、七生って勉強苦手っぽい感じだったし
僕としては七生の寝顔がまた見る事になるとは思わなかった、って感じかな?」
そういって肩を竦めてみせる、口元は楽しげに笑っているが

「うん、僕はゴーレム、かっこかり、みたいな感じの、異邦人だよ、7月に此処に来て、学校に通ってるんだ。」
こくこく、と何度も頷いて、理沙には柔らかく笑ってみせる、少し緊張している様子の理沙を見て

「…  何かさっきから理沙、少し硬いね、あ、先輩だから?だったら全然気にしなくて大丈夫なのに。」
ぽん、と全然筋違いの答えを出しつつ、理沙の肩をとんとんと軽く叩こうとしてみる