2015/09/27 のログ
ご案内:「廊下」に『サモナー』さんが現れました。
『サモナー』 > 時は、放課後だ。
学生証はないが、制服を来ている七英霊『サモナー』。
そんな『サモナー』は学園の廊下を歩いており、傍らには小さな青き竜を従えていた。

「どこがあたし達の楽園に相応しいかって考えてたんだよね。
 せっかくだったら、こういう場所がいいよね?
 セイリュウもそう思うよね?」
青き竜、セイリュウはその質問には答えようとしない。
「それにしても、最近の七英霊って大人しいよね。
 もっとみーんな、みーんな、あたしのために死ねばいいのにね。
 島民も、英霊も、そして『ウィザード』もね。
 これ、『ウィザード』の前では絶対に言えないね。
 あはっ♪」
満面な笑みを浮かべる『サモナー』。
もはやそれは、狂気ともいえるべきものだった。
『ウィザード』は怒らせるべきではない恐ろしい英霊だ……。

「この学園をどうあたしの楽園に変えるべきだと思う?
 とりあえず、生徒とか殺して頭数減らす?
 あたしのためだったら、みーんな死んでくれるよね?
 だって、このあたしだよ?
 みーんな、みーんな、あたしのおもちゃなんだよ?
 あはっ♪」
とりあえず、そこら辺に歩いている生徒でも殺っちゃおう♪

『サモナー』 > 正面から歩いてくるは、冴えない男子生徒。
わー、冴えない冴えない。
髪型も顔も服装も、全部冴えない。
お人形さんでももっとマシな格好するよね。

「あの人殺しちゃうね。
 ううん、違ったね。
 まず死んでほしいとお願いするところからだよね。
 順番間違えちゃったらだめだよね。
 『サモナー』うっかりだよ。
 あはっ♪」
『サモナー』は自分の頭を軽くコツンと叩き、そして舌を出す。

「そういえば、学園を襲うリスクを『ウィザード』に教えてもらった事あったけど、そんなのどうでもいいよね。
 みーんな、みーんな、あたしのために死んでくれる事は変わらないものね」
というか、『ウィザード』の忠告とか、結構聞き流してるよ。
重要な事とか結構言ってた気がするけど、別にいいよね?

「ねぇ、あなた」
『サモナー』は、冴えない男子生徒に声をかける」
「お願いがあるんだけどね。
 あたしのために死んでほしいんだよね。
 このあたしが頼んでるんだからいいよね?
 いやなの?
 あたしが頼んでるのに……?
 え?
 そんな……。
 だってあなたは、あたしのおもちゃなんだよ?
 あたしの言う通り死ぬのがふつーだよね?」
『サモナー』は二歩ぐらい下がって、露骨にショック受ける。
だが次の瞬間、その眼つきがかわっていく。

「なら、あたしもお手伝いしてあげる。
 あたしってやさしいね。
 あはっ♪」

青き竜は氷柱を吐き、それが冴えない生徒に向かっていく。

ご案内:「廊下」にリビドーさんが現れました。
リビドー >  下がった二歩。
 その間隙に割って入り、氷柱から庇う。
 深く、突き刺さる――が。

(……この無法者め。)

「……こんな所で暴れないでくれないかい。
 キミが誰だかしらないが、特殊学級でもキミの面倒は手に余りそうだな。」

 悪態をつくように舌を打ち、見据える。

ご案内:「廊下」にエミールさんが現れました。
『サモナー』 > ショックを受けたのがいけなかったか、何者かが割って入ってくる。
あーもう、なんで邪魔するかな?
その氷柱は、リビドーに刺さった。

「ねぇ、邪魔しないでよ。
 今あたし、その子を手伝ってるんだよ?
 その子は、あたしのお願い事を聞こうとしたの?
 だって、みーんな、みーんな、あたしのために死ねばいいんだもん。
 そうだよね、あたしのために死ぬのって、幸せだよね。
 あはっ♪
 あたしも、みんなが死んでくれると、とーっても幸せだよ」
狂気染みた笑い方をする『サモナー』。
もはや、自分こそが世界の中心あると疑っていない。

「誰だか知らないの?
 そうだよね、なら教えてあげるよ。
 あたしは七英霊の一人『サモナー』だよ。
 みーんな、みーんな、『サモナー』のおもちゃなの。
 だって、あたしだよ?
 みーんな、あたしの言う事に従って当然なんだよ?」
その笑顔は子供じみてもいた。

エミール > 「んー__あれ?」

放課後、いつものように家に帰る途中、廊下がなんだか騒がしい、何か喧嘩でもしているのだろうか。
ちょうどいつも通る廊下だったので、特に気にせずそこに向かったのだが__

どうやら、予想以上に剣呑な状況らしい。

「七英雄……あー、確か風紀でそんな名前聞いたような__
 確か、見つけ次第逃げるか殺せ、だっけ?」

剣呑な空気に似合わない、間延びした口調。
しかし内容は相当殺伐としたもの、肩に掛けた竹刀袋から木刀を取り出し、構える。

「えーと、リビドー先生は逃げる? 殺る?」

そうリビドーに問いかけるうちに、巻き込まれた男子生徒は一目散に逃げていった。

リビドー >  
 左肩に刺さった氷柱を抜くか――なども考えたものの、
 下手に抜くことによって出血を加速させるのも考えモノだ。
 
「ま た 、七英霊か。
 ……とりあえず、ウィザードには詰めておく必要があるな。
 アイツも七英霊を名乗りながら静観の様子を見せて学生として乗り込んできた以上、
 同じ集団の存在として他の七英霊の監督責任を全て被って貰わねばなるまい。」

 誰に言うでもなく呟いてから、他の一般学生全てに聞こえる様、声を張り――

「ふむ。――よし聞いただろう皆の衆。コイツがくだんの犯罪者集団らしい。
 一般生徒ではなく、偽装した犯罪者集団だ。テロリストだな。
 さて、キミ達。風紀委員会と公安委員会に連絡を回しておいてくれるかい。それと速やかに避難するように。」

 告げる。ある種のカリスマ――もとい教師としての肩書を叩きつけて避難させ、通報させる。
 ――そうしてひらかした後に、呼吸を整え、ダメージはそのままに"仕切り直す"。

「皆キミに従って"当然"――かい。ああ腹立たしい。
 如何にも"自分は神様や超越者です"――そんな不遜な振る舞いが実に気に食わない。
 キミが考えを改めるまで待ってもいられない。」
 
 残っていた一人の声を聞けば振り向き応える。

「七英雄と言う程、ロマンのある存在でもないよ。
 教師としてテロリストの出現は見過ごせん。止めは委員に任せる事になるかもしれないが、殺る。」

『サモナー』 > 「あたしから逃げる? それともあたしを殺す?
 な……なにそれ?」
『サモナー』は、両手で顔を抑える。
「そんなの……酷いよ。
 おもちゃが主人にたてつくなんて、ありえない事だよ。
 おもちゃが主人から逃げ出すなんて、絶対にないよ」
それは泣いているともとれるポーズだった。

だが『サモナー』は、すぐ顔から両手を放す。
「どうして分かってくれないの?
 あたしのために、死んでくれるだけでいいんだよ?」

「あはっ♪
 テロリストとか人聞き悪いよ。
 むしろ、あたしの反抗する方がテロだと思うんだけどな。
 おもちゃの反乱とか許されないよ?
 あたしはね、この学園を自分の楽園に変えたいだけなの?
 たったそれだけだよ?
 そのために、邪魔な人は死んでほしいんだけどね」
分かってくれない……。
この人達、『サモナー』の言う事を聞いてくれない……。
分からせないといけないのかな?

「主人の前で腹を立てたらいけないよ?
 だって、主人までそれがうつっちゃうもん。
 あたしは超越者でも神でもないよ。
 逆なんだよ……。
 あなた達が、あたしのおもちゃ、ただそれだけ。
 あはっ♪」

青い竜は口を開く。
「おもちゃが逃げたらだめなんだよ」
竜の口から出現したのは、青白き光線。
光線が、男子生徒を貫こうとしていた。
「死んでほしいって、このあたしが頼んでるんじゃん。
 だったら、死んでしまうのは絶対の事だよ。
 逆らえない事なんだよ?」

ご案内:「廊下」に平岡ユキヱさんが現れました。
ご案内:「廊下」に十六夜棗さんが現れました。
エミール > 「了解、掃除を始めよう」

ここに残って戦うらしいリビドーにそれだけ言い、真っ直ぐに駆け抜ける。
向かうはサモナーの元へ、塵の話に興味はない、塵は塵らしく始末するのみ。

「おっと」

駆け抜ける最中、青竜が男子生徒に光線を放つ。
素早く蔓を伸ばして男子生徒を突き飛ばし、光線から回避させる。
男子生徒は何か言いたげな顔をしていたが、それどころではないのでさっさと廊下から消えていった。

「__まずは一匹」

サモナーを真っ先にぶん殴るのもいいが、まずオトモを仕留めるほうが良さそうだ。
蔓を巻き付けた木刀を真っ直ぐに構え、竜の喉へと突き立てる!

リビドー >  
「知らん。キミがどうこうではなく、ボクがそう思うだけだ。
 ――キミが暴れるだけで数十人が居残り《ざんぎょう》する事になるんだ。
 金にすれば少なくとも数十万、下手を打てば百数万の人件費用も吹き飛びかねない。
 当然、それを嫌う大人もいるものでね。」
 
「今日も何事もなく平和に終わりました。神聖な学び舎でそうであって貰わねば、大人も子供も困るのだ。
 生徒だって学園で学び、青春生活を謳歌したい。
 教師だって、己が持つものをを教えたい。
 学者や研究者だって、キミみたいな木っ端を相手にするよりは専門の研究や学問を進めたい。」

 怒気を孕んだ声を重く響かせ、エミールの後ろより。ゆっくりと歩く。

「理解する気のない奴とは分かり合えない。
 "もう"そのような思想を理解する感情は持ち合わせない。神様に供物を捧げるように機嫌を取る気もない。
 キミとボクは分かり合えない。この学園とも分かり合えないだろう。故に速やかに去ね。無法者。」

 普段見せぬような。/凶悪な、凶暴な気配――
 ――威圧をサモナーや召喚物に叩きこみつつ、歩み寄る。
 この気配は"人"ならぬ。怪物とも違う。然し確かに人外だ――そんな形容すら浮かぶかもしれない。

「さて、どうしたものか。だがそうだな。先に告げておこう。
 霊体化しただけのように、頭を使わずに切り抜けられると思うなよ。
 それへの札は持ち合わせている。持っているのはボクだけでもないかもしれぬがね。」

平岡ユキヱ > \ジャーンジャーン!/ という音は響かないが、黒いプロテクタのこすれる音。
毛先で揺れ動く青い焔。赤い風紀の制服。やべえと逃げ出す生徒たち。

「風紀委員特別攻撃課であるッ! どこの馬鹿だ!
 廊下で暴れるやつは!!」

声で窓ガラスにヒビが入る程の怒号、激おこユキヱさんがあらわれた!

十六夜棗 > 放課後、用具室に戻る途中。
廊下の騒ぎが聞こえて…覗く。
大暴れでもしてる奴がいるのか、はたまた、どっかの世界からの乱入かは知らないけれど。

「……逃げられてない人がいたら、ね」

自分に言い聞かせて、左手にバケツ、右手にスコップと持ち手を変えて、騒ぎの元へと駆け足で急ぐ。
逃げ出す生徒の流れに逆走してたどり着いた頃には4人と竜やらなにやら。

「あ、あー…」

どれが騒ぎの元なのか。

『サモナー』 > 青い竜セイリュウの光線は、男子生徒がエミールに突き飛ばされた事で命中しなかった。
そのまま男子生徒は消えていく。
「どうして……どうして……どうして!
 みーんな、どうしてあたしが困る事をしちゃうの?
 ありえないよ……。
 ありえない……」

そして青き竜セイリュウも、エミールにぶっ飛ばされてしまう。
「セイリュウが……セイリュウが……」
そしてまた、泣いてるポーズ。
両手を顔に当てる。

だがすぐに、顔から手を外して、リビドーを見る。
「あたしのためなら、あなた達はなんだってやってよ。
 あたしのためだったら、居残り《ざんぎょう》ぐらいしてよ。
 あたしのためなら、人件費つぎこんでよ」
狂気染みた笑顔を再び見せる『サモナー』。
「あはっ♪
 神聖って言うなら、あたしにくれてもいいじゃないの。
 ずるいよ、あたしだけくれないなんて。
 あたしだって、人を殺して青春を血で染めたいんだよ?
 あたしだって、人に苦痛を教えたいんだよ?」

「分かってよ。
 みーんな、みーんな、あたしの物だって事を理解してよ。
 島民も、他の英霊も、あたしの奴隷なんだよ」
意味不明な説得を試みる『サモナー』だった。
だが『サモナー』自身、本気で全てが自分の物だと思っている。
そんな時、リビドーの異様な気配を感じる。
な、なんなの……。なんなの!!
エミールによって吹き飛ばされた青き竜も、わずかながら怯える表情を見せた。

「霊体化?
 あなたがあたしに従ってくれるなら、する必要ないよ?」
あくまで、ここにいる全員がおもちゃだと思っているのだ。


そこに新たに、登場する人物がいた。
『サモナー』はユキヱを睨む。
「風紀委員?
 あー、あたしのくまさんのぬいぐるみ集団の事?
 知ってるよ、あたしに抱かれにきたんだよね?」
ユキヱさんの怒りに寄り窓ガラスにヒビが入るのを見て、わずかに眉を釣り上げる。
「だめだよ?
 くまさんなら、素直にあたしに抱かれないとね」


「まあいいや。
 とりあえず、全員消し炭にしていいかな?」
『サモナー』の持っている横笛を振ると、魔法陣が現れる。
そこから紅の鳥が召喚された。
「やっちゃえ、スザク」
『サモナー』は、横笛を吹き始めた。
禍々しき音色が周囲に伝わる。
すると、スザクと呼ばれた赤い鳥は、口から灼熱の業火を吐く。
火炎はこの場に居る全員を焼きつくそうとする。
もちろん、駆け付けてきたばかりの十六夜棗もその対象だ。

エミール > 吹き飛ばした青い竜へと肉薄し、木刀と蔓を伸ばす。

「死んで」

そう冷たく言い放ち__青い竜の全身に蔓が巻き付く。
鱗の隙間に、口に、鼻に、眼に、柔らかい部分へ蔓が潜り込み、食い殺さんとする。
埋め込み突き破り侵食する、それが侵食花の真骨頂。

マルトクも駆けつけてきたし、サモナーは彼女達に任せても大丈夫だろう。
ならは邪魔なオトモはこちらで掃除しよう。

新たにサモナーが召喚したスザク、その炎がこちらにも向けられるが、眉一つ動かさず軽く木刀を振るう。

「邪魔」

冷たい声と共に蔓が防壁のように展開され__炎から宿主を守りきる。
当然蔓は焦げ、痛みは宿主にフィードバックするが、この程度の痛みなら動きに支障はない。
寧ろ動きやすくなったぐらいだ。

ご案内:「廊下」に『サモナー』さんが現れました。
ご案内:「廊下」に『サモナー』さんが現れました。
リビドー >  
 自身に迫る灼熱を消す。もとい、
 灼熱を運ぶ風が霧消し火を弱め、灼熱の残滓を水が包み、抱き込んで散らす。
 被害は出させぬと、更なる怒気を叩き付ける。
 
「校内で火を吐くな。」

 そのままゆっくりとスザクに歩み寄り、その鳥へと触れようと手を伸ばす。

 超常的な要素など何も持たぬ鳥へと落としてしまおう。
 コイツは"解体"する――その思惑を以って、速やかに手を伸ばす。

 もし、触れられてしまえば――スザクに内在する"超常的な要素"を分解しようと、ある要素が働き掛ける。
 成立するのなら――、恒久的に超常的な要素全てがスザクから喪われる。
 そうでなくても、一日程度はそうなるかもしれない。

 構造そのものを分解する以上、完全なレジストは中々出来ぬもの――なのだが、
 溢れんばかりの怒気と、直感的に感じる厭な気配が発されている。
 恐れるのならば、事前に察する事は出来るだろう。

 もし、そう成ったのであれば、『次はお前がこうなる』と言わんばかりにサモナーを睨む。
 恐るに足る怒気と威圧を、ある意味無邪気とも言えるサモナーに叩きこむ。

 ……そう成らなければ、苛立たしげに舌を打つに留まるか。
 やはりとして、怒気と気配は怒れ荒ぶる何かのそれではあるが。

「……頼れる委員たちも来てくれた、か。」

 周囲を一瞥し、状況を把握する。
 駆け付けた者達恐らく実力者であり、その一人は風紀委員であることは認識した。

平岡ユキヱ > 「…人の命はお前のおもちゃではない。
 いや、誰もがもてあそんではいけないものだ!」
サモナーの常軌を逸した言葉に、極力セーブしようとしていた幻想変換炉の手綱を手放してただ自然に回す。
揺らめいていた彼女を覆う炎の勢いが、中に秘めた義憤を表現するかのようにバリバリと自然放電する雷のように変化する。

「…お前の言葉、宣戦布告と判断する。我らに迎撃の用意あり!」
吹き荒れる暴風と閃光。むしろこいつのせいで校舎の一画がヤバイ。

 ―状況確認
「リビドー先生! それからエミール先輩! と…そこの細いの! 吹き飛ぶなよ!?」
わははと十六夜に笑いながらも、互いの位置関係を確認している。
被害を最小限に食い止めるためだ。攻撃に巻き込まないように、そしてサモナーがこれ以上暴れぬ為に、動く。

「『千刃訓』…身代わり機動!!」
リビドー、エミールは既知の関係もあってか、深くは知らぬがおそらくは大丈夫と判断。
ここで守るべきは、未知の存在、十六夜棗。
自身の体から漏れる焔を盾のように展開すると、腕を薙ぎ払うように横一線、
十六夜を庇う為に業火と真っ向から対峙して打ち消した。左腕に重度の火傷発生。
別に仔細なし、胸すわって進むなり。

「後ろのバケツスコップ! お前は戦えるか!?」
戦力になりや否や! と叫ぶようにサモナーと対峙しながら十六夜に平岡ユキヱが叫ぶ。

十六夜棗 > 状況把握に様子を見ると会話が聞き取れた。
あいつか。あれが原因か。
殺人鬼かと思ったら、言うも事に奴隷?

まるで、アイツラだ、クラスメイトや周囲を自分達の物だと扱って、気にいらなければ自分達の物を使って排除する。
それを口に出して、当たり前の様に振舞う。

ああ、こいつこそ―らなくちゃ。

「……奴隷?ああ、またそーゆー……やっぱりどこにもいるんだ…」

紅い鳥、スザクだとか言うのが召喚された様だけど、火炎も吐かれているのはちと厄介だ。

一旦廊下の曲がり角に飛び込んで避難。
誰かと共同で戦うと言う経験がなく、遠距離戦で誰かを巻き添えにしない攻撃を咄嗟に思いつけないから、出方を見る。

「…ありがとうございます。――戦えはします。一応。」

庇おうと動いてくれた木刀の方に、返事は返す。
しかし火炎を避けようとした動きで、火炎に対して何らかの防御はできない、と宣言したような物だけど。

『サモナー』 > エミールが青い竜に接近!
リビドーに僅かながら怯えている竜は、全身蔓が巻きつけられる。
鱗は結構固く、隙間もあまりないので、そこから身にさすがに埋め込む事はできない。
だが口、鼻、眼は他の鱗の部分と比べて当然防御性能が低い。
青い竜セイリュウの口や鼻、眼など蔓が迫った。

「させないよ
 あはっ♪」
そんな『サモナー』の言葉とともに、笛の音色が変わる。
『サモナー』の宝具である横笛『ビースト・テイマー』は、その音色により召喚獣を操る効力があるのだ。
熱く燃えるような、そんな音楽だ。
すると、竜の眼は赤くなる。
巨大化する事で、蔓を無理やり切ろうとしているのだ。
そして、赤い鳥スザクは青い竜セイリュウを巻き込む。
セイリュウへのダメージと引き換えに、巻かれた蔓を燃やそうとしているのだ。

エミールに迫る赤い鳥スザクが放った火炎は、蔓の防壁により守られていた。
リビドーも、灼熱を水で包み抱きこむ事で消化した。

ユキヱの吹き荒れる暴風と閃光を『サモナー』は確認する。
これ、やばい予感がするよ……。
あはっ♪

ユキヱは、自身の身体から漏れる焔を展開して、薙ぎ払う。
十六夜棗を庇って、紅蓮の業火を打ち消してみせた。

スザクに迫り手を伸ばそうとするリビドーだったが、赤き鳥は翼を広げ、飛行しながらぎりぎり回避する。
スザクは焦りの表情を見せながら、『サモナー』の傍らに降り立った。

そして、風紀委員会の増援が訪れた事により、状況はさらに『サモナー』がピンチになる。
『ウィザード』の忠告、もっと真剣に聞いた方がよかったかな?
「あはっ♪
 みーんな、みーんな、そんな目であたしを見るんだね。
 この七英霊の一人『サモナー』の言う事を聞かないんだね。
 もういいよ、この場は一旦退かせてもらうね」

少し大きくなった青い竜に『サモナー』は乗る。
そして窓を息で吹き飛ばし、スザクと共に外へと逃げる。
「追いかけたい人だけついてきないよ。
 おもちゃと遊ぶのも楽しいからね。
 あはっ♪」
向かう先は、転移荒野である。

エミール > 「__殺しきれなかったね」

逃げていったサモナーを見送り、そう呟く。
木刀を下ろし、竹刀袋にしまう、これ以上追い掛ける気はない。

「タダ働きはここまで__残りは他の風紀が掃除してくれるかな」

とにかく、逃げた塵を追い掛ける義理は無い。
廊下の惨状を一瞥し、向こうに待機するマルトク達の元へ歩き出した。

ご案内:「廊下」からエミールさんが去りました。
平岡ユキヱ > 「とりあえず…追い払ったか」
腐っても…。否、あれだけの幻獣を使いこなす存在が遠ざかっていくせいか、
場に漂う異能や魔術の『密度』が落ちていく。
光が収束して、やがて穏やかな蛍のような光にまで毛先の発光が収まると、
苦しそうに胸を押さえながらユキヱがうずくまった。

ぐっと口を横一文字に結んで。耐え忍ぶ。
「ただの、やけど損か…。いや窓ガラスも」
こりゃ大目玉だな。と割れた廊下のガラスを眺め、気が重いわとその場に倒れた。

すぐに風紀の回収部隊が、爆発物でも扱うかのように平岡ユキヱを回収してしまうだろう。

ご案内:「廊下」から平岡ユキヱさんが去りました。
十六夜棗 > 「あっちも放っておけないけど…」

二人が追わない。治療もあるだろうからそっちは仕方ないにせよ、自分が追うとなれば、
あの軍勢を伴う相手を追いかける事はできても、迎撃されながら、されなくても迎撃を警戒しながら追いかけていては、体力が流石に保たない。

悔しいが、途中まで追って、限界を知られる前に止まるしかない。

途中で包囲も出来なければ、手札を晒さずに逃がしてしまうしか、なかった。

ご案内:「廊下」から十六夜棗さんが去りました。
リビドー > 「ち、流石に決まるものでもないか。
 まぁ脅かせたから善しとしよう。二度と来るなよ。」

 さすがに空振るか。
 苛立たしげに舌を打つも、サモナー/スザクの逃げ去る様子から恐怖を叩き込めた事を察すれば善しとした。
 とは言え――やはり、自身の振る舞いを思い返せば、苦い表情――強い自己嫌悪を見せる。

 道義や教師にかこつけてはいるものの、怒り荒ぶり糾弾するその様は、自身の嫌う存在のそれだ。
 自身の基準から見れば褒められたものではない。スザクに奮った術にしてもそうだ。
 誰も見ていなかったし何も変わらない。そも仕方がなかったと紛らわせようとするが、上手く行かない。
 
「……ボクも行くか。」

 報告諸々の居残り《ざんぎょう》を少しでも減らす為にも、
 することはしないといけないし、ウィザードにも詰め寄っておく必要がある。
 アレが七英霊を名乗る以上、静観をみせていても同じ集団としての責任を果たして貰わなければならない。
 責任を果たさない事は、宜しくない。

 ……左肩がずきりと痛む。
 そう言えば、氷柱が刺さったままだ。

「いや、その前に保健室行かせて貰うか……。」

ご案内:「廊下」からリビドーさんが去りました。
ご案内:「廊下」から『サモナー』さんが去りました。
ご案内:「保健室」にリビドーさんが現れました。
リビドー >  ――保健室。

 色々とあって左肩を怪我をした故に足を運ぶ。
 運がいいのか悪いのか、無人だったので休む事にする。

「いたた……ったく。」

リビドー >   
 薬のような鼻を透き通る匂いを嗅ぎつつ、勝手に消毒液を借りて雑に消毒する。
 それなりに鍛えているつもりである以上タフネスさはあるが、それ故に手当に関しては雑になりがちなのだろう。

「染みるな……。」

リビドー >  
 傷口を拭き、包帯を巻く。
 専門的な技能こそ持ち合わせていないが、
 まぁ無難にできた――気がする。
 線や図形を描いたり引いたり図ったりする事は得意ではあるが、
 だからといって万能に器用な訳ではない。

「……取り敢えずこれで良いか。」

リビドー >  
 心得のあるの人に見られたら怒られそうだがそれはそれ。
 暫くは残るかもしれないが。大丈夫だ、問題ない。多分。

「はぁ……。」

 すべきことはするとはいえ、
 苦いものを無闇に思い返し無駄に気を落とさないようにしよう。
 そう思っていても、溜息は出るもので。