2015/10/06 のログ
ご案内:「教室」に十六夜棗さんが現れました。
十六夜棗 > キーンコーンカーンコーン。
キーンコーンカーンコーン。

授業終了のベルが鳴り授業が終わってこれから放課後。
教科書を鞄に仕舞って、放課後の時間を考えていた時の事。

教室の窓側の席で、女子生徒のグループが話し込んでいる声が聞こえてくる。

『……クスクス……あの子ってさ…』

彼女達は誰かの噂を肴にして笑っていたようだった。
全部は聞き取れないから、誰の噂なのかまでは解らない。

十六夜棗 > 思えば、この島に来る前、こういうグループの影で笑うような噂話があって……遠い昔の記憶が刺激されて、無意識に拳をぎゅっと握る。

『なんであの子この学園に居るんだろうねー異能も魔術もないんでしょ?』

どうやら、彼女達曰く力のない《無能力者》の生徒がこの学園で暮らして、授業を受けている事に、無駄な事をしていると笑いものにしている様子だった。

話されている《無能力者》の当人は、この場には居ないし、自分と親しい訳でもない。
だから、普通は無関係な他人が突っかかる事じゃない筈だった。

だけど、その影で笑い物にする笑い声が、昔の忌まわしい記憶と、だぶった。

十六夜棗 > 席を立って、鞄を肩にかけて。
彼女達の方へと歩いていく。

まだ、彼女達は自分の存在にも気がついていないかの様に話している。
無駄な事をしている愚者だと笑い物にして、自分達が力を持っていると思っているから上から見ている視線で嘲笑する。

一人でなら彼女達もこうは言わないのかも知れない。
集団で、個人を的にする。

そんな彼女達をどうしてやりたいのか、どうしたいのか。
自分でもうまく纏らないまま、窓際の彼女たちの席へと近づいて…
声が出ない。

十六夜棗 > 話しかけられる前に、言わないと、ペースを取られかねない。
会話が途切れたタイミングを見計らって……見計らっても、途切れない。

暫く待っていると、女子グループの一人が気付いて、こっちを見た。

『何か用?』

結局自分から話しかける一言目を余り出せない事は克服も出来ていなかった。

「あ、ええと。暇、かしら?ちょっと演習場…にいける人を探していて。」

陰口を叩いている事に何か言ってやりたかった。
でも、ただ言うだけじゃあ、…何も変わらないか、自分も陰口に標的にされるだけ。
遠い昔の記憶から、そう感じて。

演習場での演習と言う名目を借りて――してやろうと思った。

ご案内:「教室」に流布堂 乱子さんが現れました。
流布堂 乱子 > がたん、と。イスが揺れる音がした。
「……演習場ならお付き合いできますよ。」

後方で、立ち上がりながらポーチに筆記具をしまいこんでいた少女が、
棗も含めた"集団"へと目線を向ける。

「入学以来、行ってみたいとは思っていたのですけれど。
……どのようなことにも先達は欲しいもの、ですから。
よろしければ、ご教授頂きたいですね。」
風紀や公安委員会は、委員会街にトレーニングを行う施設があるから実習地区には行かない、
という噂を聞いたことがあるか、どうか。

ともすれば一般学生に難癖をつけているとも見られかねない発言の少女の顔には、
その言葉の理由を解明するような表情は浮かんでいない。

「異能か魔術の心得が、お有りなんですよね」
念を押すように。言葉を付け加えながら、机を離れて棗たちに歩いて近づいていく。

十六夜棗 > 女子生徒のグループは最初は授業でも目立たない、殆ど話もした事がない人物の唐突な誘いに目をぱちくりとさせていた物の。

続けて現れた少女に視線をまばらに向け。
女子生徒のグループのリーダー格らしきポニーテールが一言。

『ええ、心得は私達はあるわ。けれど、大勢で演習場で演習するのはあまり良くないのよ。
異能や魔術同士の相互作用で引き起こされる事故もあるわ。
丁度行きたい人が二人いるのだからお二人でどうかしら?』

ご教授を演習の事だと捉えたのだろうポニーテールの少女の言に、彼女達は同意しているようだ。



「それは、ありがとうございます。」
当てが外れた、と言うよりも、当てがあたっていても、1:1でになる所だったのかもしれないけれど、と。
誘った側の自分としては、ぎこちない表情で頭を下げる。

自分からは断る論理も、1:1で行ったらどうだという言を返す言葉も、今は出てこなかったから、鬱屈していたものの行き場もない。

流布堂 乱子 > 「それは存じ上げませんでした、大勢で利用するには向かないのですね。
早速の御教授痛み入ります」
コツコツと足音を立てて、歩く先には棗が居る。
ちょうど女子集団との間に棗を挟むようにして、乱子は立ち止まった。

「……確かに、演習の名前の通り、
自分の力が想定通りに働くかを確かめに行くわけですから。
不確定要素を多くしたくはないでしょうね。」
「でしたら、又の機会に。
『力の使い道』を弁えていらっしゃる方と訓練する回数は、多いに越したことはないので。」
愛想笑いも浮かべずに言い切ると、棗の両肩に手を置こうとしながら、
「……では、どうか下校の最中も安全に気を配り、良い放課後を過ごされますよう。
私はこれから此方の方と演習について詰めようと思いますから」
ほとんど直接的に女子生徒の集団に下校を促した。
根本的に、用もなく教室に残る生徒に対しては風紀委員は冷たい。

十六夜棗 > 『ええ、制御訓練ですもの、不確定要素は少ない事に越した事はないのよ。
そうね、又の機会に、ではごきげんよう。』

ごきげんよう、といったすぐ後、ポニーテールの少女が愛想笑いを浮かべて、他の女子生徒に行くよ、と招き、教室を出て行く。
風紀委員の制服を見て素直に従う事にしたのだろう。
廊下を出てからも、彼女達は何かを話ながら歩いていった。


彼女達を見送り、少しの間肩に手を置かれても言葉がでないまま、どう言えばいいのか解らない表情で呆けていた自分は。

「あ、ええ。演習について詰めるのでした、ね。
近接、遠距離、私はどちらでも構いませんけれど…」

まずは距離の相談。向かい合うタイプの演習だろうと考えて、色々飲み込んで、演習の相談に表向きは入った。