2016/02/11 のログ
■美澄 蘭 > 考え事を一旦中断して、ザンギ…骨付き唐揚げを食べる事に集中する。
箸を使って、食べ方も、食べた後の状態も汚くないようにするのは結構大変なのだ。
(説明、ちゃんと読んでおけば良かったなぁ…美味しいけど)
なんて考えつつ。
一人暮らしで揚げ物など、わざわざする気にならないのである。
ご案内:「食堂」にフィアドラさんが現れました。
■フィアドラ > 今日も食堂にやってきました。
でも、今日の私は一味違います!
食券を簡単に手に入れて、あっさりとご飯を手に入れたのです。(ちなみにメニューは今日のおススメの唐揚げ定食です。)
そして、昨日までの私と違うところがもう一つ。
それはお盆の上におかれたスプーンでもフォークでもない棒みたいなこれ。
そうお箸が置かれているところなんです!
そんな嬉しい気分で食堂を歩ていると知っている人間をみつけました。
蘭さんです。
「こんにちは蘭さん、一緒にたべても大丈夫ですか?」
頑張って唐揚げを食べている蘭さんにそう尋ねました。
■美澄 蘭 > 何とか、ザンギとの格闘を終わろうとしていたところで、かけられた知った声。
慌てて箸を置き、水で口の中のものを流し込んで。
「…フィアドラさん、こんにちは。
ええ、大丈夫よ」
「私は結構食べちゃったけどね」と言いながらも、向かいの空いた席を手で示して暗に勧めた。
蘭の前のプレートの皿や小鉢の残りは、総合的に見て半分くらい、というところだろうか。
■フィアドラ > 「ありがとうございます!」
そう言って指された蘭さんの向かいの席にご飯と唐揚げと<ミソシル>とかがあるお盆をおいて座りました。
…ご飯を飲み込むのを忙してしまったみたいです。
「蘭さんも唐揚げですか?おいしいですよね!」
残った料理の中で私が知っていたのは唐揚げくらいであとは分からないものばかり。
唐揚げは少し前購買部に売ってたパンに挟んでました。
鳥を油で揚げた料理の一つだそうです。
でも、あの唐揚げには骨が入っているみたいです。
■美澄 蘭 > 面白い偶然もあったもので、フィアドラも今日の主菜が唐揚げのようだ。
しかし、フィアドラの方には骨が見当たらないし、何より他の献立が違う。
食券を使う、定食の方なのだろうか。
「ええ…自分じゃわざわざ作る気になれないから、学食で気になるとつい食べたくなっちゃうのよね。
…でも、私のは「ザンギ」っていう…北海道の方のやつなんですって。だから、骨があるのよね」
「外で食べるのちょっと大変だから、失敗しちゃったわ」と少し困ったように笑ってから、残ったザンギを口に運ぶ。
正しい箸の持ち方で、骨付きの唐揚げを上手に支えている。
■フィアドラ > 骨が入ってたらザンギで入ってなかったら唐揚げ…。
なるほど。少しの違いで名前も違うようです。
「蘭さんは自分でご飯作ってるんですか!?凄いです!」
私は寮で暮らしているので朝ごはんと晩ごはんは頼んでおけばつくってくれるのです。
部屋で料理も出来ると聞いたことがあるのですがわからなのです。
「北海道…確か外の大きいところですよね。」
授業で教わりました。
この島はこの世界の日本というところにあって
そのなかで上のほうにあるのが北海道です。
「私も今までお箸の使い方が分からなくて色々食べにくかったです。」
でも今は今日思いついた方法があるのです!
グーでお箸を握ってそれを唐揚げに突き刺してそのまま口に運びます。
これなら私でもお箸が使えます!
■美澄 蘭 > 自炊の事を驚かれれば、苦笑して。
「大したものは作ってないわよ。
夕飯は大体煮物の作り置きで二日くらい同じの食べてるし、みそ汁も作り置きの手抜き手順だし。
…カフェテリアで出るような副菜は、作ってる余裕無いしね」
「勉強とかの方に力が入っちゃうからどうしても」と肩をすくめて笑うと、きんぴらを数本、上手いこと箸で摘んで口に運んだ。
正しい箸の持ち方をすればこそ出来る業であろう。
「ええ…ここよりは大分北にあるわね。
だから、夏は涼しいけど…冬は、かなり寒いはずよ。
…私も、行った事は無いけどね」
そう言ってくすりと笑んで、ちょうど一口くらいの量のご飯を口に運んだ。
「お箸は…他の世界だとあんまりご縁がないかもしれないわ………ね………」
フィアドラの箸の使い方を見て、見事に固まった。
■フィアドラ > 「でも、お料理できるって凄いと思います!だってお料理って魔法みたいじゃないですか!」
肉や魚、私が知ってた物から見たことないものが出てくるのは本当に魔法みたい。
この世界に来て最初の方は料理がどこかに落ちているとか木に生ってると思ってたくらいです。
人間が作っていたことを知った衝撃は凄かったです。
「ここより寒いんですか?私は温かい方がいいです…。」
そういいながらご飯を二本のお箸ですくいます。
…これはスプーンで食べた方が良いかもしれません。
「今日思いついたんですよ。やっと私も皆みたいにハシでご飯が食べれます!」
得意になって話します。
切っ掛けは授業中隣の子が消しゴムにえんぴつを突き立てているのを見たことでした。
■美澄 蘭 > 「お父さんは、理科の実験みたいなものだ、って言ってたけど…
…って、フィアドラさんは理科の方がよっぽど分からないか。
まあ、手順とか、そういうものの積み重ねなのよ、料理って。」
蘭の自炊技術および知識は、主に父の仕込みである。
料理だけならば母親の方が上手なのだが、母親のレパートリーは「学生の一人暮らし」にとことん向いていないのだ。
「寒さは、そうね…この位が丁度良いところかもしれないわね。
…私は、夏はもうちょっと涼しいくらいが良いけど」
そう言って、またきんぴらを口に運ぶ。
フィアドラの箸使いは…ご飯については、厳しいがまだごまかしがきくように見えた。
「………そう、思いついたの………」
…子どもの得意げな話を聞く大人って、こんな気分なのだろうか。
同じ学生という立場のフィアドラに対してこんな感慨を抱くのは失礼だとは思いつつも、蘭は苦笑をおさえる事が出来なかった。
………そして、自分のプレートの上を見て思いつく。
幸い、もう一品の副菜は、豆とひじきと水菜のサラダだ。
箸の使い方の見本にもってこいである。
「………ねえ、フィアドラさん。見て?」
蘭は指で自分のサラダを指差した後…箸を使って、サラダに入っている豆を安定した状態で摘み、口に運んでみせた。
■フィアドラ > 「積み重ね…じゃあ、機械みたいなものなんですね。
私も勉強して機械も料理も作れるようになりたいな。」
この前の話では機械とかも積み重ねが大事だそうなので機械に近いのかもしれません。
作るという部分では一緒です。
「はい!」
もっと得意になって答えます。椅子の隙間から尻尾も揺れちゃってます。
「?」
何でしょうか、じーっと見てみます。お皿の上には豆と黒いのと草。
そして、その豆を上手につかみました。
そのハシの使い方はそれこそみんなが使ってる使い方。
確かに私の使い方ではあまり取れないものがあるのも事実。私も真似をして持ってみます。
「こうですか?」
えんぴつを握る時みたいに二本のお箸をまとめて握って蘭さんに見せました。
■美澄 蘭 > 「…ある意味、そうなるのかしらね。
材料とか…手順が身近にある分、料理の方が挑戦しやすいと思うわ」
「積み重ね」が大事という話を、そういえば前にもしたな…などと思い出しつつ、料理と機械の違いといえば「工程がどれだけ身近に存在するか」かな、と考えて、そんな説明をした。
箸の持ち方を学ぶ意欲自体はあるようで、蘭が豆を摘んで口に運ぶところを観察するフィアドラ。
今の自分の持ち方では食事に不便な面がある事はちゃんと認識出来ているようで、蘭はひとまず安心感を覚えた。
…そして、持ち方を変えてみたフィアドラに、その手を見せられれば
「…うん、ちょっと近づいたかな…?」
と言って、立ち上がってフィアドラの方に回る。
「二本まとめてそう持つんじゃなくて…片方はここ、親指と人差し指の間に引っかけて、薬指で支えるのよ」
フィアドラの横に立ち、自分の左手で、自分の右手の要所要所を指差してみせながら、アドバイスをする。
「…あと、薬指で支える方のお箸はあんまり動かさないようにしてね。安定しなくなっちゃうから。
…それで、ちょっと試してみて?」
そう言って、自分の座席に戻る。
■フィアドラ > 「じゃあ、機械よりも先に料理を作ってみたいです。何がいいかな?」
すぐに思いついたのはあんぱんでした。蘭さんは何が好きなのでしょう?
あと、唐揚げも作ってみたいな。
「えーと、こっちをこう持って…。これがここ。」
えんぴつを持つみたいに一本だけもってこっちはここで挟んで…
この指に置く!
蘭さんの使い方に近づいた気がします!
その持ち方で自分の唐揚げを挟もうとしますが。
「やった!掴めました!掴めましたよ!」
少しプルプルしてますが何とか唐揚げをつかんで食べることが出来ました。
でも挟み方は難しくて蘭さんみたいに小さな豆はとても掴めそうにありません。
「でも、ハシも練習すれば蘭さんみたいにうまく使えるようになりますよね!」
これもきっと積み重ねが大切なのです。
■美澄 蘭 > 「ええ…「手順」の事を勉強する良い機会だと思うわ。
…最初は、そうね…カレーとかシチューなんかは、箱の裏の作り方を見ながらやればそこまで失敗はしないんじゃないかしら」
フィアドラが料理に挑戦する意欲を見せれば、好ましげに笑って。
それから、最初に作ってみるのに良さそうな料理の名前を挙げてみました。
箸の持ち方のアドバイスをしてみたところ、フィアドラはかなり良い感じの持ち方を修得する事が出来たようだ。
下手に癖がついていないだけ、飲み込みが早いのだろう。
「すごい…フィアドラさん、覚えるのが早いのね。
後は、箸で掴みやすい位置とかを感覚で覚えれば、大分使いやすくなると思うわ」
フィアドラが箸と格闘している間に、蘭はすっかり昼食を食べてしまったようだ。
馴れとは恐ろしいものである。
「混雑してる時に長居するのはあんまり良くないから…私はそろそろ行くわね。
フィアドラさん、頑張ってね」
プレートを手に取って、食器返却口の方へ向かっていった。
ご案内:「食堂」から美澄 蘭さんが去りました。
■フィアドラ > 「カレーとかシチューですね。今度試してみます。」
カレーもシチューもおいしいので好きです。
今度つくってみることに決めました。
「私は教えてもらったことは出来る子なのです!」
覚えるのが早いねと言われると嬉しくなってしまいます。
尻尾もかなり揺れてます。
「はい!頑張って皆みたいにハシを使えるようになります!
蘭さん!ありがとうございました!」
そういって蘭さんを見送ります。
私が考えたハシの持ち方『フィアドラ持ち』は今日だけになりそうです。
…そのあと昼休み一杯まで頑張って綺麗に完食することができました。
ご案内:「食堂」からフィアドラさんが去りました。