2016/02/15 のログ
ご案内:「屋上」に寄月 秋輝さんが現れました。
■寄月 秋輝 >
まだ日の高い時間帯のこと。
屋上に現れ、一息つく姿。
「……いや、今年はこんなことはしないでいいような……」
屋上まで逃げて来てしまってから気付く。
ここは前の世界ではないのだから、大量のチョコを贈られることはないのだ、と。
■寄月 秋輝 >
「……今思えばありがたかったんだけど……」
それは記憶の美化によるものだろう。
三年間在籍した中学時代、いつも鞄いっぱいにチョコをもらってしまっていたころを思い出す。
とはいえこちらでは日が浅いのだ、贈ってくる人など居るはずもない。
ある意味安心した様子で、ため息を吐き出した。
■寄月 秋輝 >
とはいえ屋上まで来てしまったのだ。
少しはのんびりしていこう、と思い至る。
「……よいしょ」
鞘に納めた刀を、地面にまっすぐ立てる。
さらにその上にひょいと飛び乗り、つま先で立つ。
いつもの精神修養の構えを取り、静かに目を閉じる。
吹き抜ける風の中、日の光を浴びながら瞑想を始めた。
■寄月 秋輝 >
うっすら目を開く。
はるか遠い空のかなた、太陽の光に阻まれて届かないはずの星々の光を見つめる。
彼女たちはどうしているのだろう、と考えた。
それなりに長い付き合いになってしまった友……もとい、戦友たち。
平和に暮らしているといいのだが。
そんな自分は、やはり平穏とは遠い世界で生きる必要がありそうなのが、どうしようもなく笑えて来る。
結局、この身は使い捨てのコマなのだ。
■寄月 秋輝 >
随分と静かになってきた。
おそらく今年は大丈夫なのだろう。
刀の上から降り、その刀から伸びた帯をベルトに通す。
もう一度だけ空を見そうになり……一度首を振って、今度こそ屋上を出た。
ご案内:「屋上」から寄月 秋輝さんが去りました。