2016/05/26 のログ
ご案内:「教室」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 > リーンゴーン、カーンコーン。

鐘の音がなる。終業。だけれど、帰る気、よりはもう少しここにとどまっていたかった。
約束のショッピング前日。いろんなことを知り、分かった今ではちょっと緊張する。

その緊張を深い息とともに抜けて欲しいといわんばかりに。
ふかくふかぁく、息を吐く。

帰ろうとする生徒たちは、その姿を一瞥するだけでさっさと帰っていく。
もともと、親しいものはそういないのがこの少女。
でも、今はソレがありがたいような気もした。

ーーなんて、ね

内心、冗談っぽくつぶやきながら

伊都波 悠薇 > 特に何かできるわけでもない。
助けた助けられた、そういう話。
また、烏丸という人物について、今更探ろうとかそういう意図もない。
悠薇にとって、烏丸という人物は。”敵ではないから”

でも、気が重いとすれば。

ーー可能性の話だけど、あたってたらで私邪魔者、だよね……

伊都波 悠薇 > なにせ、わりと、コミュニケーションが得意じゃない。

『わりとじゃなくて、完璧にじゃね? マジバリ2000%じゃね?』

「心の中に突っ込んじゃダメです、小雲雀。それに、割と好きな曲をもじるの、禁止です」

ぶつぶつと、携帯ストラップに話しかけながら。
もいちど、ため息

ご案内:「教室」に山吹 冠木さんが現れました。
伊都波 悠薇 >  
とにかく、ちょっと姉に話を聞いてみないことにはどうしようもない。
今夜辺り、帰ってきてるか確認したら、部屋に行ってみよう。
そしてついでに、いろいろと聞いてみよう、言ってみようと。そんな風に思いながら
帰る支度をはじめて

山吹 冠木 > 「……そこの話してる人。もう終業時間ですよ」

終業時間の鐘が鳴り、何時ものように委員会の仕事で教室に
掃除に来てみれば……今日は珍しいことに、
生徒が教室に残っていた。

聞き耳を立てるつもりは無かったが、何やら携帯を持って
ブツブツと呟いていたから、多分誰かと話していたのだろうが……
時間も遅いし、一応声ぐらいはかけておくべきだろう。

そんなことを考えつつ、箒を片手に教室の隅へ足を向けた

伊都波 悠薇 > --最近帰りも遅いし……ん?

帰りが遅い、気になる人がいる。そつなく何でもこなす姉、恋愛マスターになってしまっていた。
夜--それはもうあられのない……
しかも、あんなことから助けられた後--

--上書きして……

「はうぁ、あわ、おね、おねねねね、だいた、それはだいたんすぎっ。白のキャンバスを余計にしろくするとかそそそs、そんなことまで!!!?」

がたたんっと立ち上がり、顔が真っ赤に染まる。
見事に妄想癖は炸裂した模様。
そして声が聞こえれば。人が、いた

「………………」

ひゅーっと風が抜けた気がした。

--おわった

「ななな、なんでもないんですよ? ええ、ただその、そう! 美術? の授業で白をいかにうまく使うか的なあれでして。ええ、なんでもないんですよ? もうすぐ還ります、みなかったきかなかったことにしてください、おねがいします!!」

山吹 冠木 > 「うわっ!?」

教室備え付けの塵取りを探していたら、
いきなり慌てた様子で声を掛けられた。
何だかよく分からないが、どうやら錯乱しているらしい。

「……何が何だか分からないが、とりあえず落ち着いてくれ。
白い絵の具を塗りたくりたいなら美術室に行けば良いだろう」

訳もわからないまま応える……と、
不意に、肩の上に奇妙な重さを感じた。

久しぶりだが、この感覚は分かる……これは、ヌシ様だ。

視線を窓に向けて、そこにうつる姿を確認してみれば……
今日のヌシ様はネバネバしたスライムような姿をしているようで、
白い糸ひく粘液が床にむけてとろりと伸びていた。

伊都波 悠薇 >  
よかった、変な誤解は招かなかったらしい。
セーフセーフと息を吐き--

「しろい、ねばねば?」

ソレが見えた。なんだ、これっと首を傾げ。

「……あの、肩に白いの、ついてますよ。もしかして、掃除中に……」

空の上からカーカーって鳴くもののあれがついたとかじゃ……

なんて思って。すごく、気の毒そうな顔。

「あの、ハンカチ--」

わたわたとポケットを漁り始めた

山吹 冠木 > 「…………気遣いはありがたいけど、落とし物じゃないから」

なんだかひどい誤解を招いている気がする。
前もそうだったが、そういう流れでも来ているのだろうか。
誤解されやすい星回り……正直勘弁願いたい。

「これはヌシ様っていって……妖怪? みたいなもんだよ。
一応害はないけど、色んな種類がいる」

言葉に応じるように、肩から肘そして指から床へと滑り落ちた
白い粘液状のそれが、目の前の女生徒に向けてねばっとした体を震わせて見せた。

……多分、挨拶か何かをしているのだろう。
だがその見た目は、なるほど落とし物にみえなくもない。

伊都波 悠薇 >  
「え、違うんですか」

ぱちくりと目を瞬きさせて。
じっと見つめれば動いた。動いたということは生きているということで。
常世島では珍しくないもの。魔物、妖怪--そのたぐいと知れば。

「そうだったんですね」

と安堵したようにつぶやいた

山吹 冠木 > 「そ。この学園に来たら、何なのか分かるかと思ったんだけどな」

結果は未だになしのつぶてだ。
図書館や書籍を漁ってはいるものの、正体に繋がる物は見つからない。
異能を使って箒では集め切れなかった塵や埃を集めつつ、
視線をチラリとヌシ様に向ける。

人の気持ちを知ってか知らずか。
目の前の女生徒に興味があるようで、
床をゆっくり這いながら近づいていっている。

「基本的にヌシ様は悪さはしないけど、一応は気を付けてな。
もしも、なんてこともあるから」

まさか溶かして喰うなどということはないだろうが

伊都波 悠薇 >  
「研究区、とかだと異能の研究がされていると聞きますけど」

自分もいってみたらと言われたことがある。
焦ってはいないので、行く気はないけれど。

「はい、気をつけます」

遠くから見てるだけ。ただみて、これが、へぇっと眼差しを向けるだけにする。
こういうのはちゃんと護るタイプなのだ

山吹 冠木 > 「研究区ね……何か、いきづらいんだよな」

燃えるゴミは燃えるゴミ箱のゴミ箱へ。
燃えないゴミは燃えないゴミのゴミ箱へ。
研究区に行く必要があるなら、自然に行くことになるだろうが……

「別に血の繋がりだのなんだのはないけど、ずーっと一緒にいた
ヤツが弄くり回されるかもと思ったら、なんか嫌でね」

そんな甘い態度だから、ヒントも見つからないのかもしれないが……

……なんて思ってたら、視界の端のヌシ様が
ねばねばした体の一部を女生徒に向けて伸ばしていた。
見ようによっては、握手を求めているようにも見えるが……

伊都波 悠薇 >  
「血のつながり--」

あぁ、そういうふうにも見えるのかなんて。ちょっと思った。
姉にそんなつもりはないだろうけど、その可能性もあるんだ。
なんて--あらためて他人が口にした」ことで、その実感が増す。
教えたつもりがこちらが教えられてしまったなんて。

「……?」

これは、触っても? という視線を返した。
最初のコンタクトに成功したからか、わりとコミュニケーションが取れる段階まで来ていたようで。
ほんの少しの緊張を隠しながら少年に接する

山吹 冠木 > 「……どうかしたか?」
呆れるようなものでも、聞き流すようなものでもない、
奇妙な間が空いたような気がするが……何か引っ掛かることでもあっただろうか。

「ん? ……床に何も起きてないし、多分大丈夫だと思う」
それに気づかず、何でもないように告げる。
見るかぎりはあのヌシ様から害意は伝わって来ないし……多分、構って欲しいのだろう。

伊都波 悠薇 >  
「いいえ、なんでもないです。じゃあ……」

そっと握手。手を握る。化粧水を握っているようで
冷たくて、少し心地よくて。

「どうしたの?」

首を傾げながら声をかけて

山吹 冠木 > 小さな影は応えない。
元々伝える手段を持たない為、ただぶよりと震えるだけ……
だが、粘液に浮かぶ二つの小さな目が、少しだけ優しげに光ったのが見えたかもしれない。

「……よし、次の教室に行くか」

その言葉に、小さな存在は夢から覚めるかのように震えると……
音もなく、その姿を虚空に薄れさせていく。
消える間際に、少しだけ指先に暖かさを残したかも、しれない

伊都波 悠薇 >  
「……あ……」

まるで、氷が解けたかのように、水に、そして空気に帰っていく。
すごく不思議な体験で、すごく楽しい時間だった。
ほんの一瞬だったけど。それに--

「うん」

指先の暖かさがあるという事実。
伝えることを実感させてくれたことに感謝を感じる。

そう--
今の”ヌシ様”は教えてくれた。
伝える努力の大切さ。自分という存在を伝える大切さ。
それがあったから--

「またね」

そう零せる。 

「……ありがとうございました。私も、還りますね」

そっとバッグを持って。
外へと--

山吹 冠木 > 「ん、気を付けてな」

箒を片手に、教室から外へと向かう姿を見送る。

……不思議な時間だったが、たまにはそんな時もあるだろう。
珍しく出てきたヌシ様も、
何かに満足したのか今はもういないようだ。

「……さて、掃除掃除」

箒を肩に担ぎながら、次の仕事場へと向かっていった。

ご案内:「教室」から山吹 冠木さんが去りました。
ご案内:「教室」から伊都波 悠薇さんが去りました。
ご案内:「廊下」に四街道 旭さんが現れました。
四街道 旭 > 「あ、ちょっと着信、っと、スイマセン」

マリンバの着信音を廊下に響かせた。
携帯端末の画面に表示された「母さん」の文字にやれやれと頭を掻く。
「ごゆっくり」、と息を吐いた教諭に隠すようにして端末を耳に当てる。

「……ねえ母さん、オレ言ったよね。昼間は学校だから電話してこないでって。
 今先生と喋ってるトコだからちょっと一回切ってもいい?
 あとでまた掛け直すか――大丈夫だって。大丈夫。
 いいヒトばっかりだよ。うん、じゃあね。」

やれやれ、と画面に浮かんだ赤い切断マークをタップする。

「スイマセン、何の話でしたっけ。
 編入するにあたっての学生証とかはもう受け取ったし、えーっと。」

四街道 旭 > 「言うことは全部言ったからあとは心配性のお母さんとごゆっくり。」

生暖かい教諭の目線を一身に受けて歯痒そうな表情を浮かべる。
本当はちょっとツッパったキャラでのデビューを果たしたかったところだが、
ものの見事に一瞬で崩れ去ってしまった。
崩れ去るも何も、演じることすら放棄して人の行き来する廊下で"母さん"なんて
言ってしまったのがきっと運の尽きだったのだろう。

「あーっと。ハイ、スイマセン!
 これからえーっと、何か月っしたっけ。
 よく解んないですけどよろしくお願いします!」

教諭が満足そうに職員室に引っ込んでいけば一気に溜息を吐いた。

四街道 旭 > 溜息交じりに自分が勉学に励むことになる教室を先に見ておこう、と
青年が僅かに顔を上げた。
両手に抱えた編入関係の書類に学生寮への引っ越しに関する書類。
それから生徒手帳と様々な紙束を抱えてよし、と振り返った。

「あ、ス、ンマセン。」

瞬間、背の高い女子生徒とすれ違って思いっきりぶつかって書類を一帯にブチ撒けた。
教諭から渡された学校の名入り封筒に仕舞わずにめんどくさがったツケだった。

「ちょーっとそこ足元スイマセ、いや、覗きとかじゃなく、ちょっとスイマセン」

じい、と井戸端会議をしていた女子生徒に睨まれ、作り笑いは途端に乾いた笑いに変わった。

ご案内:「廊下」にヨキさんが現れました。
ご案内:「廊下」に真乃 真さんが現れました。
ヨキ > 「おっと」

足元に滑ってきた紙の一枚を踏みそうになって、片足を持ち上げる。
抱えていたレジュメの束を小脇に抱え直し、拾い上げた。

どうやら落とし主らしい青年を見つけると、相手のところへ歩きながら
二枚、三枚と拾ってまとめた。

「これ、もしかして君のかね?どうぞ」

拾った書類を差し出す。
もしかして、とワンクッション置いたのは、青年が単に女子生徒と
会話をしていただけかも知れない、と思ってのことだ。
ローブの裾に並ぶ真鍮の飾りが、フリンジのようにしゃらりと揺れた。

真乃 真 > あ!あれは誰かが人とぶつかって紙をぶちまけている!
となれば助けないわけにはいかない。

「あっちょっとごめんよ!ちょっとだけだから!ごめんね!」

女子たちの足元に落ちた生徒手帳を拾って
ヤンチャな感じの男子生徒に手渡す。
女子たちの視線は完璧に真乃真の方を睨み付けるものに変わっていた。

「いやあ、気を付けないとだめだよ!無くしたら大変だからね!」

睨まれていることを気にも留めず男子生徒に話しかけた。 

「あっヨキ先生じゃないですか!こんにちは!」

近くに立っていた美術の教師には今気が付いたようであった。