2016/10/03 のログ
ご案内:「屋上」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「さーて、飯飯ぃっと。」

昼休みの校舎。屋上。
菓子パンと菓子パンと菓子パンと牛乳を抱えた七生が昼食を摂る為に現れた。
珍しく人の気配の少ない屋上広場を見回してから、ふと空を見上げれば。

「あー……」

どんよりとした重たい雲が立ち込め、今にも降り出しそうな気配だった。
それでも構わず七生は広場を突っ切る様に歩いて、空いてるベンチに腰を下ろす。

東雲七生 > どうせ購買で買って来たパンを食べるだけなのだから、急に天気が崩れても気にする事は無い。
これが誰かの手作り弁当とかなら少しは考えるが、抱えて走ったところで零れないし崩れないのだから。

「んじゃ、いっただきまーす」

最初に手を着けたのはカレーパン。
以前からクラスメイトの評価が高かったのでいつか買ってやろうと目論んでいたものである。

東雲七生 > 「……んむんむ。」

一口、二口と齧って咀嚼する。
紙袋に包まっていたためか衣はサクサクでまだ大分暖かい。
甘すぎず、かといって辛過ぎず。ごくごく普通のカレーパンのように思える。

「……ふむ。至って普通のカレーパンだよなあ。」

1リットルパックの牛乳をストローを使って飲みながら眉根を寄せる。
不味くは無い。むしろ美味しい。凄く美味しい。
でもそこまで話題になる様な代物かと考えると首を傾げてしまう。

東雲七生 > 「まぁ……うん、うちの飯や普段の弁当のレベルが高いのか……」

深雪や焔誼が作る料理が美味し過ぎるのかもしれない。
そう結論付けてさっさと食べ終えようと再びカレーパンを齧る。

「……!?」

──味が、変わった。
先程よりも幾分か辛く感じるのは、一度牛乳を間に挟んだからだろうか。
否、違う、明らかに最初の二口よりも辛さが増している。

「うっわ、何だこれ。おっもしれえっ!!」

もう一度牛乳を飲んで一口。
今度は物凄く辛くなった。思わず咽込んで牛乳を呷る。

東雲七生 > 残り一口。
今度はどれほどに辛くなっているのだろう、と若干の怖いもの見たさで口に放り込む。
今まで倍々に辛くなったから、最後はきっとめちゃくちゃ──

「──あっま!?」

超甘口になっていた。
こども用かと思うくらいの甘さ。高校生が食べるにはあまりにもあんまりで思わず叫んでしまう。

とはいえ、何故購買のカレーパンが妙な人気なのかは身をもって経験した。
どういう製法で作られたのかは知らないが、これは良くも悪くも話題になるだろう。

「きっと異能とか魔法とか使ってんだろうなー……。」

それがどの段階で行われているのかは皆目見当もつかないが。
最後の一口を嚥下して、七生は納得と共に牛乳を飲んだ。

東雲七生 > ついでに一緒に買って来たピーナッツクリームパンとイチゴジャムパンは普通のパンだった。
カレーパンだけが何故か様々な味の変化をお楽しみいただけます状態で、理由はともかく話題性は抜群だろう。
……変な薬とか入っていなければの話だが。

「……ふぅー、ごっそーさまっした!」

相変わらずの曇り空。
人の気配が殆ど無い屋上の広場に、七生の威勢の良い掛け声が響き渡る。
菓子パン三種と牛乳一リットルを平らげて、満足げに自分のお腹を一撫でした。

東雲七生 > 結局雨は降り出さないまま、昼休みが終わる事を報せる鐘が鳴る。
話題のカレーパンは機会があればまた食べようと思いつつ、
七生はゴミ箱に包み紙と牛乳パックを捨てて校舎の中へと戻って行ったのだった。

ご案内:「屋上」から東雲七生さんが去りました。