2016/10/16 のログ
ご案内:「廊下」に足ル歯 繰朗さんが現れました。
■足ル歯 繰朗 > ガシュ、ガシュ、と重いものが床に接触する音がした。
ほとんど等間隔で、連続して聞こえるその音が、だんだん近づいてくる。
やがて、階段を上ってくる数名の生活委員。その中に、ザックをひっかけ、脚立を軽々と担ぐリザードマンの姿があった。
『おーい、ちょっとこの辺通らせてくれ。防火設備の点検やるから』
委員の一人が声をかけ、たむろしていた学生のグループに離れるよう促す。
その間に他の委員たちは、めいめいが火災報知機のカバーを開けて調べたり、窓際に設置されているはずの救助袋を探したりし始めた。
■足ル歯 繰朗 > 大柄のリザードマンは、ワニガメのような首をぐるりと回して上を見ていたが、やがてガシャガシャと歩いていき、廊下のある地点で脚立をたてた。視線の先には、円形の熱感知器。
『足踏み外すなよ』という声を背中に受けて、素早くだが慎重に上がる。
黒い爪が装置に届くと、静かにカバーを外して点検を始めた。
「フム。問題ないな」
天井に張り付くような姿勢を保ちながら、青い大男は呟いた。
センサーも正常に起動しているようだ、この辺りは大丈夫だろう。
■足ル歯 繰朗 > そうして同様に、煙感知器を見つけては脚立を移動し、調べてまわる。
下の方では、
『おい、この警報器壊れてるぜ。ボタンが押し込みすぎて戻らなくなってる……回線も切れてるし、誰か悪戯したな』
などと憤りの声が聞こえてくる。設備への悪戯はやめようね。
ひと通りの点検を終えて廊下に降り立つと、一か所に集合して問題点をまとめる。
さっきの警報器は早急に修理するとして……他には備え付け消火器の交換が3つほど。
いつの間にか、廊下に隣接している教室を見回ってきたらしい。報告したのは3年生の委員である。流石に仕事が早い。
■足ル歯 繰朗 > 『よーし、そろったな?この階は終わりだ。上行くぞ、上』
『イエッサー!』
『了解です』
「ム、了解」
リーダーと思しき学生を先頭に、またぞろぞろと生活委員のグループが動き始めた。
それに続き、青いリザードマンもまた、脚立を担ぐと列に加わる。
ガシャガシャと音を立てながらにぎやかに階段を上ってゆき……
やがて、その姿が完全に見えなくなった。