2017/02/12 のログ
ご案内:「教室」に伊都波 悠薇さんが現れました。
■伊都波 悠薇 > ゆっくりと、カバンに教科書を詰めて。
今日も一日授業が終わったことにほっと一息。
ついていけていないわけじゃない。
ちゃんと、授業は理解できている、と思う。
ただ結果はやっぱり出ないもので。そこが困ったものでもある。
耳を少し、外に傾ければ女の子たちが材料の話をしている。
市販にするのか、手作りにするのか。
男の子たちはそわそわ。ちょっと期待のこもった表情。
――バレンタイン。
そういえば、そんな行事だっけ。なんて思う。
あんまり縁がないもので、姉に、家族に上げるくらいのモノだし……
外を見る。外は、晴天と言えない曇天だった
■伊都波 悠薇 > 「雨、降るのかな」
雨は嫌いじゃなかった
/好きじゃない
この雨がなければ育たない作物はたくさんある。
豊穣の神、その産物なのだし。そういう風に考えれば
暖かいものだとも思う。
神、といえば。最近は日本神話に興味がわいてきている。
遥か過去に起きた出来事。
わりと、どろどろとした世界で。
神様と言いながら、人間に近い心の在り方にどこか共感。
引き込まれているのかもしれないなんて思った。
「……せっかくだから、材料。買って行ってみようかな……」
■伊都波 悠薇 > カバンに荷物をしまい終える。
首に青い、マフラーを巻いて。
――失敗するのは目に見えてるし、市販のものも買っておこうかな
異能のことを考えると、この辺りは憂鬱だ。
最近はそれなりに、効力が薄いときもあるから今回のときは薄い時であってほしいなんて思いつつ。
いやでも、無理だろうなというのは8割くらいの感想だ。
残りの2割は、やっぱり期待する。
なにせ、 きな に渡すものだ。ちゃんとしたものを渡したいし、褒めてもほしいと思う。
いや、きっと失敗しても、微笑んでくれるとは思うけれど。
やっぱり、そこは女の子だ。
ねぇ…… ?
「……?」
今誰に声をかけようとしていたんだっけ?
そう、ここ一年。大事な何かがないような気がしている。
いつもなら、ここで合いの手を入れているものがあったような――
携帯を見る。そこにはストラップも何もついていない携帯があった。
「――簡単な、チョコの作り方……」
携帯で情報を検索。
気になったことは、すぅっと蜃気楼のように消えて。
喜んでくれるだろうか、少し褒めてくれるだろうか。
なにかよい空気になって――つい。なんてことあったりするだろうか……
「いやいやいや、さすがにそこは飛躍しすぎ。人は、もっとこう、つつましやかであるべきで?」
ぶつぶつと、つぶやきながらも。
ぽーっと、どこか意識は上の空。
そして――
ごちんっ……
壁に思いきり頭をぶつけて。
――すごく目立ってしまったのは、当然の出来事であった
ご案内:「教室」から伊都波 悠薇さんが去りました。