2017/03/02 のログ
東雲七生 > 「うん、大丈夫だよ!

 ……ん?えっと、うん、ありがとう?」

耳打ちされた助言には僅かに首を傾げて。
今の自分に何か応援が必要な事があっただろうか、と思い返してみる。多分、無いと結論付けて。

「そうだよ。
 ……まあ、そういう事なら研究区でも行ってみたら良いんじゃない?先生の中にもそういう専門の人も居そうな気もするし。
 俺は体動かすのが性に合ってるから、あんまり科学とか頭使いそうな事はよく分かんないけどさ。」

うーん、と首を傾げながら告げる。
自分の守備範囲外の事柄に関してはいまひとつ的を射た事が言えない気がするので多少の申し訳なさも感じつつ。

クロノ > …っふふふ、どういたしまして。
(彼が女の子たちから何故あのような扱いをされるのか、なんとなくだけど少し理解できた気がする。昼間の休み時間に女子生徒から聞いた内容と、今の目の前の彼の反応に、何を納得したのかクスッと微笑んでニコニコ顔の男の子ロボット。)

…なるほどね…研究施設かぁ。そうだよね…。
(男の子自身、図書館を始め色々とあちこち巡って調べたり学んではみたけど、機械の自分に会得出来そうな術は残念ながら手がかりも得られず。彼と並んで空をぼんやり眺めながら、しかしちょっと心配そうな男の子。)

…逆に、僕がバラバラに分解されたりして。…ぁはは、考えすぎかな。
(医師とは言いつつ、研究施設じみた雰囲気の場所は何故か少し苦手な男の子。けれどもその先に求める何かがあるのなら、行ってみる価値はあるかも、と。)

東雲七生 > 「そっか、まあ確かにね……
 じゃあまずは安全性の高そうな研究所を探してみたら?
 他の先生に聞いて提携してる研究所を幾つか調べるのが良いかも。」

七生自身、研究区には良い思い出があんまり無かったからか、最近はすっかり近づかなくなっていた。
なのでここ1~2年で何か変化があったとしても全く分からないのが困りものである。

ひとまず学校と、あるいは教師と協力関係にある研究所ならクロノの立場上危険は無いと思うのだが。

クロノ > …ん、そう、だね…。機械と相性の良い魔術か、異能の制御とか、その辺かなぁ。まずは。

…もし今後、僕が改造作業か何かを受けるときは、七生か誰かに付き添ってもらえたら安心だな。

(手術に失敗して死亡…という心配はなくても、生身の人間と違って、機械の男の子は電源を一度切られると、自らの意思で再度目を覚ますことは叶わない。故に、第三者に自らの機体を委ねる際には、誰かに付き添って欲しい…と、意外と心配性というか寂しがりな様子の男の子。)

東雲七生 > 「俺は……機械の扱い、あんまり得意じゃないから……
 壊したりとかは出来ると思うけどさ。」

安心は出来ないんじゃないか、と苦笑する。
仮にクロノの電源を入れ直す事態に立ち会ったとして、ただ見ているだけしか出来ないだろう。
だからあんまり安心されても困ってしまう、と肩を竦めた。

クロノ > …ぁはは…七生ってば……。
(彼の返事の後半、リアルに笑えない精密機器系男子は力なく苦笑いを向けるだけで精一杯だったけど。)

…じゃ!じゃあ、七生の知り合いで機械に詳しい人居たら、今度紹介して…?

(そんなお願いをひとつ足して、もし自分に魔術や異能が使えたら、と考えてみる。)

…手ぶらで空を飛んだり、瞬間移動とか出来たら…便利だろうなぁ。
(16歳程度の思考を模して組まれたAIらしく、出力される理想も普遍的かつ地味ながら、ごくシンプルなものだった)

東雲七生 > 「割と笑い事じゃないけどね……
 分かった、心当たりが多い訳じゃないけど探してみるよ。」

今使っている携帯通信端末だって慣れるまで半年掛かったのだ。
しかも機能を十全に使えているわけではない。そんな七生が精密機器を扱える筈もなかった。
だが機械に詳しそうな知り合いが居ないでもないので、小くん、と頷いて了承する。

「便利だろうね……いや、俺も出来ないから実際どうかは分かんないけどさ。」

あはは、と笑いながら頷いて、ふと唐突に考え込む。
いずれは自分も、魔術を扱えなければならないのだけれど、一向に兆しは見えてこないのだった。

クロノ > …ん。ありがと。楽しみにしてる。
(彼の返事には、とりあえず最悪の事態は避けられそうでひとまず一安心。)

…あと、指先からライターみたいにちょっと火が出たりとか、この間見せてもらった時はちょっと感動したなー。
(手品の小ネタか、とでも言わんばかりのささやかな魔術。果たしてこの街の機械類がどこまで魔術や異能を扱える水準になっているのか、自らの機体で一つ一つ試してみるしかないか…と期待半分、不安半分。)

…じゃあ、僕、そろそろ戻るね。…七生、今日もありがとう。気をつけて帰ってね?
(あと、紹介よろしくね~…とひとつ添えて。緑色の男の子は屋上を後にする。電話の保留音か昔の着メロみたいに電子音そのままの、機械らしい無機質な鼻歌を歌いながら階段を降りていく。)

東雲七生 > 「ライターは何て言うか……自分で自分を改造してみるのが良いんじゃないかな……?」

それくらい出来そうなものだけど、と訝しむ。
いや、もしかしたら何らかの制限が掛かっていて自己改造が出来ないのかもしれないが。
もし、そういう訳でもないのなら、即座に試せるというのは機械の体の強みではないのか、とも。

「あ、ああ。うん、これからまだ仕事?頑張ってー。」

おつかれさまー、と手を振りながら見送る体勢。
見た目は機械で、自分たちと年も変わら無さそうな言動なのに、それでも間違いなくこの学校の教員の一人なのだ。
そう考えて神妙な気持ちになりながら、七生は屋上を後にするクロノを見送ったのだった。

ご案内:「屋上」からクロノさんが去りました。
東雲七生 > 「それで、ええと──何考えてたっけ。」

再び一人になった屋上で、七生は思い返す。
クロノが現れる前、自分は何を考えていたのかを。

「ああ、そうそう。スカート捲りは却下、で……」

そもそも女性下着なら家で嫌になるくらい見ている。
洗濯係が七生だから、という理由からなのだが、それでも見ている事には変わりない。
誰が身に着けていようと、身に着けていまいと、下着は下着、そう思うが故に、スカート捲りでも良いのではと考えるが、

「流石に何か越えちゃいけない線を越えてるよな、やっぱり。」

改めて却下だな、と結論付けた。

東雲七生 > 「よーし、そんじゃそろそろ俺も行くかな。」

これからどうしていくかは帰りながら考えようと、と校舎への扉へと向かう。
どうしても妙案が思いつかなければ、最終手段として深雪に訊いてみるのも良いだろう。

ただ、どうやって訊いたものか、が判らない。

「……俺がエロいものに興味があってもおかしくないよね? こうかな。」

ぽつりと呟きながら、七生は屋上を後にしたのだった。

ご案内:「屋上」から東雲七生さんが去りました。