2017/05/08 のログ
ご案内:「職員室」にヨキさんが現れました。
ヨキ > 連休明け、午前中の職員室。
自席で事務仕事に励むヨキは、朝っぱらからこざっぱりとした顔で、質のいいシャンプーのいい香りをほんのりと漂わせていた。

ひと月の半分ほどは、こうして朝風呂から直行してきたらしい爽やかさが見て取れる。
理由はほとんどの場合、女の部屋から出勤してきたか、明け方まで悪の粛清に励んだか、あるいはその両方だ。

若者に人気があるバンドの、配信されたばかりの新曲を口ずさみながら、メールのチェックや書類の整理を進める。

ヨキ > 「……よし。返信は以上、と」

仕事のメール送信を終えて、机の周りを見分する。
備品が隅々まで整理され分類され、小奇麗にまとまっているのが“ヨキらしさ”だ。

「弁当は届けたし、図書館の本も返したし……」

とりあえず一段落。
大きく伸びをして椅子から立ち上がり、職員室の隅で楚々とストレッチ。
何しろ縦にも横にも幅を取るものだから、身体をほぐすときには隅へ移るのが習慣付いていた。

良くも悪くも目立つ教師だ。

ヨキ > 正義の教師たるもの、柔軟体操と筋力トレーニングとスキンケアには余念がない。
意識の高いライフスタイル雑誌がそのまま表れたような暮らしぶりは元からで、
人間となった今でもそのスケジュールは変わらない。

一通り身体を伸ばして上体を引き起こし、息を吐く。

雑務からストレッチを終えて、それからお茶汲み。
流れるような毎朝のルーチンワークだ。

室内を見渡して、ひいふうみい、と茶を淹れる人数を数える。

ご案内:「職員室」に宵町 彼岸さんが現れました。
ヨキ > このところめっきり蒸し暑い。
ガラスのコップに氷を落とせば、見た目ばかりは涼やかに映ろう。
方々の机で仕事に勤しむ教師に麦茶を配って回り、ついでに午前中の巡回を終えた風紀委員にも一杯。

お茶汲みは、仕事というよりヨキ個人の趣味のようなものだ。
自ら水分を補給し、配るついでに会話もできる。

宵町 彼岸 > 「……よいしょ」

目を離した隙に教師のデスクに腰かける影が一つ。
それはまるで自分の机であるかのように堂々と、机の上に花の御弾きを
良くわからない法則で並べていた。
見る人によっては散らかしているようにも見えたかもしれない。

「……んしょ」

数学が得意なものがみればその分類に法則性を見出すだろう。
とはいえ、法則性があろうとなかろうと机の上に私物を広げて
遊んでいるというのは間違いではない。
本来なら注意対象ではあるけれど、
物腰や人当たりは柔らかいものの何処か浮世離れした生徒にも拘らず
珍しく懐いているという理由で最近は見咎められることも無くなってきた。

「……できたぁ」

本人的には邪魔していないつもりなので、分類がひと段落付いたところでちょこんと姿勢よく椅子に腰かけ、
机の主が一回りして帰ってくるまでのんびりと待っている。
こうしているからと言って特に重要な用事があるわけでもなく……
彼女からすれば何だかちょっと気が向いたので来た程度の理由。
最近何度かそういう事があった為、嗚呼また遊びにきたのかと
他教員も特には気にしないかもしれない。

ヨキ > 馴染みの女性教師との談笑を終え、空になった盆を手に戻ってくる。
不意に自分の席へ目をやると、知った学生の姿が目に入った。

「……おや」

新しいコップに氷と麦茶を注ぐ。
私物の湯呑にも注ぎ直して、彼岸の後ろから歩み寄る。

「こんにちは、カナタくん。遊びに来てくれたのかね。
 これ、君の分の麦茶」

二人分のコップと湯呑を、机上にそれぞれ並べる。
授業のために席を外している教師の椅子を引っ張ってきて、並べられたおはじきに目をやった。

「何だい、それ。メッセージか何か?」