2017/09/15 のログ
■時坂運命 > カーテン越しに返って来た声は、どうも軽薄で聞き覚えがあった。
これには敬虔なる神の信徒も半笑いである。
「んん゛っ、」
軽く喉を鳴らして気を取り直し、
「そう口では言っていても、いざという時に一線を越えられない、そんな勇者になれない残念な道化師よ。
神はそんな君を見て嘆いているに違いない。でも、今この場において煩悩は捨てるべきだぜ」
なんて適当に会話を流しながら、シャツのボタンを閉めて、十字架の飾りを襟元に通し。
着慣れた修道服なら手早く着替えも済んでしまう。
後は髪を結いたいところだが、生憎鏡が無いのでそれはカーテンの外に出てからにしよう。
彼が待機しているのを感じ取りながら、ザッと勢いよくカーテンを開けて
「やぁ、こんにちは残念なアリカ君」
にんまりと余裕ぶった笑みを浮かべて、随分な挨拶をするのだった。
■真淨在処 > 何時でも何処でも軽いノリを忘れない。真淨アリカとはそういう男である。
勿論、相手が敬虔なる神の信徒だろうとそれがブレる事は無いのだ。
「えっ、ちょっとヘタレ認定は勘弁だぜ?むしろ一線越えていいの?あと、俺は神様から生暖かい目で見られるタイプだから問題無いな!」
と、適当にこちらも軽口を返す訳で。チラリ、と簡易キッチンを一瞥。お湯が沸くまでもう少しといった所か。
そして、そんな事をしていたらカーテンが向こうから開かれる。そして、彼女の姿を見遣れば――
「おぅ、こんちはだぜ寝癖も素敵なウンメイさん?」
と、こちらもニヤニヤと笑ってカウンターは忘れませんとも。
軽く自然な動きで右手を伸ばし、髪を結っていないウンメイさんの頭…一部、髪の毛が撥ねている所を撫で付けてみようと。
「あ、今インスタントコーヒー作ってんだけどウンメイさんもどうよ?
その感じだとついさっきまで寝てたっぽいし。眠気覚ましくらいにはなると思うぜ?」
と、ケラケラと笑って問いかけつつも、お湯が沸いたのか薬缶がピーピーと音を立て始める。
そちらに足を向けつつ、火を止めればごく自然にカップをもう1個追加して二人分をスタンバイしようとしていた。
■時坂運命 > 「いやいや、へたれとまでは言ってないよ? だから、僕は君を紳士として扱おう。
まぁ、君がヘタレとしての自覚を持っているようなら、そう扱うのもやぶさかではないけどね?
そして軽い気持ちで僕に手を出そうものなら天罰が下るから、気をつけた方が良いぜ。
なんたって僕は神に愛されてるのだからさ。生温かい目も修羅に変わるというものさ」
負けずに饒舌を披露する少女は、腰に手を当てて自慢げに胸を張っていた。
だが、急に髪に触れられ、寝癖なんて指摘されれば、一瞬で表情は崩れ、慌てた様子で自分でも頭に触れてみる。
確かに跳ねていた。恨めしげにニヤニヤ顔をジト目で見ると、急いで壁に掛けられた鏡の前に行って直しにかかる。
「むー……、あ、うん。もらえると嬉しいかな、ミルクと砂糖もあると良いのだけれど」
視線は鏡に向けたまま声だけを返し、髪を軽く手櫛で通して跳ねた部分はカチューシャで隠す。
後は後ろの髪を軽く三つ編みにしてリボンで結べば、いつもと大体同じ――
ピコンと跳ねた部分は努力もむなしく、直すことも隠すことも出来なかった。
これはもう仕方ないと諦めて、キッチンに立つ彼の傍へと歩み寄る。
ご案内:「保健室」に真淨在処さんが現れました。
■真淨在処 > 「それ、変態紳士的な扱いにされてね?あと、残念ながら俺は何時でも本気ですが。道化師的な意味で!
…っていうか天罰か…それはそれで美味しいかもしれんな……ほほぅ?ウンメイさんのバストは○○か…」
と、何か真顔で考え込む馬鹿。残念な所は今に始まった事でも無いし、以前のお茶会もどきで彼女も察しているだろう。
そして、無駄な観察眼で自慢げに腰に手を当てて胸を張っている彼女のバストサイズを言い当てていたかもしれない。
しかも寝癖の指摘は彼女の余裕を崩す事に成功したらしい。楽しげに彼女の一連の行動を眺めていたが…
「ウンメイさん、髪の毛の質はめっちゃいい感じだけど寝癖とか結構出るタイプ?
…っと、あいよーミルクと砂糖も抜かりなくあるんで任せなさい」
と、笑いつつ手早くインスタントコーヒーを二人分作っておく。
青年はブラック。彼女のほうは言われた通り砂糖とミルク。分量は一応彼女に聞いてから入れたかもしれない。
「ほい、どーぞ?まぁインスタントだから味の方は目を瞑ってくれたまえ」
と、若干だがウンメイさんの言葉の語尾を一部真似しつつカップの片方を手渡そうと。
■時坂運命 > 「…………、まぁ、否定はしないよ。君はもう少し自分の行動を省みてほしいな、道化師君。
何が美味しいのさ、天罰なんて普通はみんな避けたがるものだと思うのだけれど。
ふっふっふ、さぁて正解はどのアルファベットなんだろうね?」
真顔で言う相手に反して、こちらは呆れ顔でため息をつき苦笑する。
一週間や二週間で早々人が変わることは無いと思うが、もう少し硬派であれば、
せめて黙っていればもう少し女子受けも良いだろうにと心の中で残念印を押したのは内緒だ。
「こ、今回は偶然だよ!まったく、僕の寝相が悪いと思われたらどうしてくれるんだい?
これでも手入れには気を付けているんだよ、髪は女の命と言うからね。
――あ、砂糖もミルクも二つずつ入れておくれ」
結局戻らなかった羽を指で遊びながら、コーヒーが作られる様子を見守っていた。
こうして出来上がった温かいコーヒーを受け取り、その温もりに目を細めた。
「うん、ありがとう。
人が自分のために作ってくれたと言うだけで、その点はカバーされているから大丈夫さ」
そう言って楽しげに笑みを浮かべながらベッドに腰掛け、いただきますとカップに口を付ける。
ほろ苦くて温かいコーヒーが空っぽの胃を満たして行く。味は文句なしだった。
■真淨在処 > 「いんや、自覚もしてるし行動も省みてるぜ?特に直さなくてもいいかなーと思ってるだけで。
…んー、だからこそじゃね?天罰を受けて悔い改めるかどうか。我ながら興味はあるねぇ」
ケラケラと笑う。別にドMでも何でもないが、天罰を恐れないどころか食らって自分がどうなるか。
それを仮定して楽しめる相手はそんなに多くは無いだろう。破滅型は伊達ではないのだ。
あと、この辺りの残念な所がナンパとかしても失敗したりいまいち女子にモテない原因でもある。
「ん?寝相は兎も角、寝起きって感じで俺はいいと思うけどねぇ。
あと、ウンメイさんが手入れしてるのは分かってるぜ?長い分手間も掛かりそうだけど」
「あいよ」と答えつつ砂糖とミルクも二つずつ入れておく。
カップを手渡せば椅子を彼女に勧めつつ、こちらは壁の一角に背中を預けてコーヒーを飲む。
「ん、どういたしまして。…あ、そういや先週はこっちが急用で悪かった。
いちおー今週末は平気なんで改めて週末よろしくな?ウンメイさん」
メールでも改めて送ったが、先週はまぁこちらの急用にて延期となった。
ただ、今週末はキチンと時間を確保した旨を告げつつコーヒーをちびちびと飲む。
ご案内:「保健室」に真淨在処さんが現れました。
■時坂運命 > 「はぁ……、わかったよ。君がそれを貫くと言うなら何処までも貫くと良いさ。
君が軽薄なだけの人間ではないと僕は思っているから、そこは良しとしよう。
まぁ、センセーとか、真面目な生徒からお小言を食らうのは仕方ないとして。
天罰を受けて君が生きていられるかが一番の問題だと思うけど、
もしそれで生きていられたら、僕も少しは君のことを見直すかもしれないね?」
好奇心だけで天罰も望むところだなんて言われたら流石に少し困り顔になったが、
軽く肩を竦めてコーヒーを啜れば笑って流せてしまう。
挑発じみた一言を添えて、またカップを傾ける。
「良いって……なんだか凄く僕は不満を感じてしまうのだけど。
婦女子の寝起きを見て許されるのは家族か親しい間柄の人間だけなんだ、よーく覚えて置きたまえ」
口では厳しいことを言っていたが、伸ばした髪を、そしてその毎朝毎夜の努力を認めてもらえることは
満更でもないようで、心なしか少女の声は弾んでいた。
「いいや、メールでも言ったけれどそれは仕方がないことだからね。
僕も……ああ、丁度良かったと思ってる。
こちらこそ、沢山買う予定だからよろしく頼むよアリカ君」
軽く首を振り、気にすることは無いと言う。
一瞬言い淀んだ言葉も、ふと笑みを浮かべて頷き、にっこりと笑って返した。
「君はなかなかコーヒーを入れるのが上手だね」なんて言いながら舌鼓を打って。
ご案内:「保健室」に真淨在処さんが現れました。
■真淨在処 > 「あらら、ウンメイさんになーんか色々と見透かされてる気がするなぁ。
とはいえ、天罰を受けてもしょーがない気はするし、まぁそん時はそん時だなぁ。
おっと、見直すって事はウンメイさん基準では俺の評価ってやっぱ低めだったり?」
と、尋ねてみはするが…例え評価が低くても気分を害したり落ち込むタマでもない。
何故なら、評価が低いならそれを上げさせていく楽しみがああるからだ。
プラス思考、というよりもマイナス面を表に中々見せないと言うべきなのか。
「…うーむ、別に変な意味でなくフツーにウンメイさんの寝起きとか寝顔とか興味あるけどなぁ。
親しい間柄、かぁ。しゃーない頑張ってみますかぁ」
道化師は肩をすくめる。本気かどうかはその軽薄さのせいで曖昧だ。
ただ、彼女の寝顔とかそういうのは興味があるのは事実ではあったりする。
「それに、ウンメイさんは髪の毛長いのがやっぱ似合う感じがするしなぁ」と笑って補足。
「ふむ、まぁウンメイさんの方に不都合が生じてないなら万々歳ってね。
沢山かぁ。やっぱりウンメイさんの私服姿とか見てぇなぁ。……あと水着」
前回のお茶会でも口にしていた気がするが、何処まで彼女の私服、はまだいいとして水着姿が見たいというのかこの男は。
まぁ、青年らしいといえばらしいか。一瞬、言い淀みがあった彼女の言葉も然程気にしない。
その辺りはまぁ、青年なりの気遣い…みたいなものかもしれない。多分。
「んーー割と広く浅くで趣味があれこれあるモンで。まぁ飽きっぽいと言われたらそれまでだけどな。
俺のコーヒーでよけりゃ何時でもご馳走するぜウンメイさん」
ケラケラと笑って。何だかんだコーヒーの腕前を評価されるのは素直にうれしいようで。
ご案内:「保健室」に真淨在処さんが現れました。
■時坂運命 > 「それはきっと気のせいだよ、人間は言葉にしなきゃ伝わらない。言葉にしても伝えきれない生き物だ。
僕が君のことを見透かしているように見えるなら、それは君が理解者を求めているからかもしれないね。
道化師として生き様はそれなりに高く評価してるよ? 人間としては……ふふっ。さぁ、どうだろうねぇー?」
クスクスと笑ってはぐらかし、流し目で彼を見ると、にんまりと笑みを浮かべて頬杖をついた。
人間として、ましてや異性としてどう思っているかなど、さらさら口にするつもりはない修道女は楽しげに言う。
「変な意味も何もないよ、舞台裏を見ていいのはそう言うひとだけって話さ」
親しくなれば許されることも多くはなるが、それが良いことばかりでないことはきっと相手も理解している。
彼は軽薄ではあるが、強かでもあるのだろうと少女は考える。
さりげない一言で視線は自分の髪、三つ編みにした白いリボンの尻尾に行く。
「それはどうも、ありがとう」と余裕を持った笑みで返して、コーヒーをまた一口含み。
「うん、これから寒くなるからね―― って、君は懲りない人だな。
だいたい、この前の勝負でかたがついた話じゃないか、それは……」
まだ言うか、と言いたげな顔をそちらに向ける。
勝負としては引き分けというか、うやむやになったが既に終わったことだと言いたいらしい。
彼の気遣いに気付いているのかいないのか、少女はジト目で抗議する。
「へぇ、多趣味もここまで出来れば大したものだね。
うん! また機会があれば、是非お願いするよ」
ご案内:「保健室」に真淨在処さんが現れました。
■真淨在処 > 「理解者ねぇ。…んー…あながち間違いでもない…や、どうだろうな…ビミョーな所だぜ。
ま、道化師とカッコつけてるけど単に日和見主義に近いだけとも言うけどな?もしくは賑やかし担当。
ハイハイ、人間としてはいまいちですよー俺は」
にんまりと笑みを浮かべて頬杖を付く相手に肩をすくめてみせる。
お世辞にも人間的に褒められたモノではない。自己評価が低いのではなく、そういうモノだという自覚があるだけの事で。
「舞台裏…ふむ…成る程なぁ。そりゃまぁ…確かに?」
成る程、と口にする。自分に例えるなら――…ああ、つまり”アイツ”の事かと自問する。
知らず知らず、少し遠くを見るように赤い瞳を細めてしまう。
そう、親しくなれば良い面と同時に悪い面。そういう部分も見る事、知る事になるのだから。
強か、というよりある意味で…という前書きは必要だが場の流れを読むのが上手い、とも言える。
一度、彼女の長い髪の毛や白いリボンを一瞥する。特に深い意味は無い。普通に似合うと思っただけだ。
「見たいモンは見たいからしょーがないだろ?ま、ウンメイさんの私服姿が見れそうだから我慢するかぁ」
と、肩をすくめてみせる。懲りてないというかブレていない。
水着に関しては多分絶対に諦めないだろう。そういう欲求に関しては無駄に一本筋を通している。
「他にもゲーム、読書、後は最近だとバイクかねぇ。一応、大型バイクとか自動車の免許持ちだしな?これでも」
何なら今度バイクに乗せてどっか繰り出すかい?と、笑って口にする。
まぁ、彼女の気が向いたらで構わないけれど。
■時坂運命 > 「おいおいアリカ君、この程度の戯言で懐柔されそうになっちゃ張り合いがないんだぜ?
まぁ、もし本当に君が道化の仮面を外して全てを吐露してしまいたいと言うのなら、僕はそれを快く受け入れよう。
それも僕の……シスターとしての仕事の一つだからね。
賑やかし担当とはこれいかに。なかなかぴったり来てしまったのだけれど……。
あはは、君は自分自身の中にある自己評価を高められるようにまず努力するべきだ」
人に好かれたいなら、まず自分で自分を見直して好きになれとはよく言ったものだ。
茶化すような言い方をしながらも、彼に向けられた視線は子供を見守るような温かなものだった。
「納得いただけたようで何よりだよ」
彼が何を思っているかまではわからないが、必要以上に踏み込まず留めよう。
付き合いが長くなれば否でもわかってしまうなら、わざわざ爆弾の中に踏み込む必要もないだろう、と。
一度目を伏せて、空になったカップの中を覗き、立ち上がると同時に顔を上げ振り返る。
「はぁ…、水着は次の夏までお預けだよ。そうそう、私服でも僕だったら多分きっと超絶レアだと思うぜ?」
遠い、学生にとっては遠すぎる未来を口にして希望のない谷へと言葉で突き落とす。
崖の上から頑張れとエールを送るように、悪戯っぽく笑ってパチリと左目を閉じウインクを飛ばすのだった。
「ふむふむ、そう言えば免許を持っていたんだったね。
……僕にはゲームとかバイクとかそう言う物は分からないけど、楽しそうなのは分かるよ。
――いいの? あ、危なく……ないかな?」
尋ねる声は嬉しそうだったが、しりすぼみになり少々不安げに小首を傾ぐ。
■真淨在処 > 「や、そういう場合はシスターとしての云々抜きで個人としてのお悩み相談になりそうだと思うけどなぁ。
ま、俺も色々と考えたり思う事はこう見えてあるって事さね。賑やかしもそれはそれで色々あんのよ」
ケラケラと笑う様子に暗さや深刻さは無い。自己評価に関しても、曖昧に笑うだけでハッキリとは答えない。
自分の性格をよく理解しているからこそ、例え表面上とはいえ下手な事は言わない。
変な所で堅い、というか真面目?な面があるようで。
「あと、その子供を見守る親御さんみたいな目線は何なのよ?」と、ツッコミを入れるのは忘れないけれども。
どのみち、お互い踏み込みすぎないのがいいのだろう。付き合いが今後も続けば互いに嫌でも知る事になる可能性もある。
まぁ、それは内面とかお互いの事情だけで水着とか私服とかそういうのは遠慮なく踏み込んでいくスタイルだが。
こちらもコーヒーを飲み終えれば、彼女の分のカップも回収して流し台へ。
「えーーウンメイさんのスタイルの良さが確認できないじゃんか」と口を尖らせるのは忘れない。
が、私服姿は確実に見れると思うのでそれで良しとしよう。
…むしろ、私服をゲットしても基本修道服の方が彼女のメインなのはあまり変わらない気はするが。
谷底へ突き落とされても平然と笑っていられる程度には図太いし破滅型だ。
「んーヘルメット着用はして貰うがそれ以外はまぁ信用してくれとしか。
別にトばしたり危ない運転はしねーし。ま、個人的にウンメイさんとバイクでどっか繰り出すのはしてみてーし?」
少々不安げな様子を見せるシスターに、茶化すのではなくh通に安心させるように笑って。
幾ら残念だったり破滅型だったり、困った面があるとしてもそのくらいの配慮は出来るのだ。
…普段からそうすればおそらく、まぁ少しは女受けも良くなるのだろうけど。
ご案内:「保健室」に真淨在処さんが現れました。
■時坂運命 > 「――ん、……君がその形を望むのなら、そうなるよう僕も善処しよう。
賑やかしが何を指すかは僕にはわからないけれど、うん、君は一筋縄ではいかない人だと期待しているよ」
僅かな逡巡の間に言葉を飲むように笑みを深め、シスターを名乗るにふさわしい笑みで頷き返す。
はぐらかされても追及は避けよう、なにより先にはぐらかしたのはこちらなのだから。
ただ、少女が言うように道化が本質ではなく仮面なら……。その下に隠された本当の顔に興味が湧いた。
「僕はシスターさんだからね、子羊達を見守り、時に導くのが仕事さ。
こんなに熱心な信仰深き信徒はそうそういないよ?」
こうも自慢げに自分で言ってしまうと、一気に冗談っぽくなってしまうが少女は気にしない。
カップが回収されると、「あぁ」と少し残念そうに声をもらし、トコトコと後に着いて行く。
彼からいじけた様な一言には、思わず真顔になって
(服の上から女の子のスリーサイズを一つでも言い当てられるなら、もう確認しなくてもいいじゃないか……)
と思ったとか。
「うん、それは楽しみだね。
バイクは乗ったことが無いけど……アリカ君が運転してくれるなら安心だ。
ねぇねぇ、アリカ君。学生は、普段は他にどんなことをするのかな?」
バイクの話には笑みが戻って来て、安全運転を掲げてもらえれば不安も消えて嬉しそうに微笑んだ。
疑わず、素直に信じられるのも彼の笑顔があってのことだろう。紳士的と言われる理由はそこにあるのかもしれない。
ご案内:「保健室」に真淨在処さんが現れました。
■真淨在処 > 「賑やかしは賑やかしだぜ?ウンメイさん。それ以上でも以下でもねーさ。」
と、笑って肩をすくめる。あと、一筋縄では行かないかどうかは自分ではピンと来ないもの。
ただ、前回のお茶会とか初対面の時のやり取りで、癖が強いのは確かな事か。
わずかな逡巡を彼女が抱いたのを察するが、勿論そこを追求はしない。その程度の配慮はある。
「まーウンメイさんのお仕事ならしょーがないだろうさ。
熱心なのは兎も角、個性的なシスターさんだとは思うぜ?」
笑ってそう素直に口にしつつも、「ありゃもう一杯飲みたかったか?」と、苦笑気味に。
まぁ、コーヒーくらいなら何時でも淹れると言ったし、次に期待して貰おう。
ちなみに、彼女が真顔で思ってる事を察したのか「直で見たいんだよ」と心を読んだように告げておく。
勿論心を読むなんて青年には出来ない。あくまで真顔や空気から読み取っただけだ。
「うーん、俺はもう成人しちまってるからなぁ。酒やタバコは基本未成年の生徒はしねーだろうし。
…んー映画、ゲームセンター、それに歓楽街にあるカジノ…は、未成年は多分無理か」
と、彼女の質問に律儀に考えて答える辺り、何だかんだ賑やかしだけではないのはバレバレか。
フと保健室の掛け時計を見遣る。もっとお喋りしたいがこちらはそろそろ引き上げる時間帯だ。
「ん、俺はそろそろ一度帰るけどウンメイさんはどーする?何なら送るぜ?」
別にボディガードも必要ないかもだが。もし彼女が残るならこちらは先に引き上げるつもりだ。
■時坂運命 > 「うーむ、君が賑やかしでいたいと言うなら今それで良いよ。今はね?」
追及はしない。だが、今は引くが、納得はしていないと言うポーズだけは見せておくらしい。
この会話はここで終わりにしておこう。
「そうそう、職業病と言っても過言ではないほどだよ。それは褒め言葉として受け取っておくね。」
クスクスと小さく笑って肩を竦めたのはつかの間、彼から返された言葉にはムッと顔を顰め、
「違うよ、片付けくらいは僕にさせてほしかったんだ」と不満を隠さずに言う。
作ってもらって、片付けまで任せてしまうのは少女的にはよろしくないことらしい。
「酒やタバコ、ふむふむ……映画……。え、ここにはカジノまであるの?
……ちなみに、未成年と言うのを誤魔化しては行ったりするのはセーフだと思うかな?」
悪い遊びは一応教えない真面目さも以外ではあったが、それ以上に話の内容に興味が向いてしまう。
まるで授業でも受けるように真面目に話を聞いて、相槌を打っていた。
カジノの一言でその真面目さもどこかに消えてしまうのだが。
「あ、本当だね。 センセーへの連絡……は、また後で電話すればいいか。
うん、僕もそろそろ帰るよ。送ってもらえると嬉しいかな、正直本調子ではなくてね」
少し迷うが、独りで帰るのはあまり得策ではないと、打算的な思考が働いた。
最後の一言は苦笑気味に呟いて、手早く帰り支度を進める。
■真淨在処 > 「と、いうか意識しなくても賑やかしになってるしなぁ、俺」
無意識にやっているのもある意味で凄いかもしれない。同時にくだらないが。
とはいえ、この会話はここまでだ。お互いこの話題で突き詰めると少々雲行きが怪しくなりそうだし。
「あら、悪い俺の配慮が足りなかったか。次からは気をつけるとするぜ」
苦笑気味に不満を口にする彼女にうなずいてみせて。ここらは課題かなぁ、と思いつつの。
「ああ、一度行った事があったけど見事にボロ負けしたなぁ。
んーー俺はアリだと思うけど。ウンメイさんは服装とか次第で大人びて見えるし。
まぁ、成人の知り合いと一緒に行くのが確実で手っ取り早いかもだけどな」
その時は声を掛けてくれてもいいぜ?と、笑って。悪い遊びもまぁ色々知っている。
単にシスターにそれを教えて問題ないかどうかを計りかねているとも言える。
そもそも、シスターという職業の人物に出会うのは彼女が初めてなのだ。
「あいよ、本調子じゃねーのは何となく察してたし。
ま、無理せずってな?そんじゃ行くとしますかねぇ」
こういう風に、ちゃんと気配りも出来るのだがそれでも基本モテない。
矢張り、賑やかしで残念な面が障害となっているのだろう。まともに振舞えば結構受けは悪くない…かもしれないタイプだ。
ともあれ、彼女が帰り支度を整えるのを待ちつつ、後は二人して雑談しながら彼女をマンションまで送り届けるのだろう。
「じゃ、週末に改めて会おうぜ!」とか、別れ際に楽しげに口にしていたかもしれない――。
■時坂運命 > 「うん、わかってくれたならいいよ。 次は僕が片付けるね」
あれだけ不満そうな顔をしていたのに、彼の苦笑を受けて存外素直にあっさりと頷き、笑って返した。
「カジノ、夢があって素晴らしいじゃないか。負けても勝っても面白い!
人生が動く瞬間が数秒の内に起きているなんて、ドキドキしてしまうねっ!
ふむふむ……ああ、僕と行くと目立つことになるだろうからねぇ。
アリカ君から大人っぽいと太鼓判を押してもらえたなら、きっと僕だけでも大丈夫さ」
興味津々、瞳をキラキラを輝かせて、くるりとスカートを翻して回った。
心底楽しそうな笑みを浮かべていたが、彼を誘っていいものかと考えると不自然に笑みを深める。
ちょっと遠くのお空を眺めて話をまとめあげようとする辺り、きっと碌でもない遊びをするに違いない。
この自称シスターさんは、実はダメシスターなのかもしれない。
「うん、お気遣いどうもだよ。
……君って察しは良いけど、それが見えるようになるまでで、ほとんど子に見限られてそうだよね」
さりげに酷いことを笑顔で、それも何気なく言って、何事もなかったかのように彼の隣を歩いて帰ろう。
週末の予定を楽しみにしながら歩く帰り道は、体はだるいが苦ではなかったと言う。
ご案内:「保健室」に真淨在処さんが現れました。
■真淨在処 > そうして、二人で帰りつつ思った事がひとつ。
(うん、ウンメイさん実は結構ダメシスターなのでは…)
と。ただし口にすると何か天罰が下りそうで怖いので黙っていたとか、そんな余談であった。
ご案内:「保健室」から時坂運命さんが去りました。
ご案内:「保健室」から真淨在処さんが去りました。