2017/11/02 のログ
ご案内:「屋上」にラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが現れました。
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 教室棟の屋上、そこに通じる階段を上り、重い金属製の扉をゆっくりと開ける。
11月に入ると、風が吹いていなくてもひんやりとした空気の冷たさが肌に伝わるが、
北国出身である自分にはそれが心地よく思えた。

「雲一つない時に見る月は国が違っても綺麗ね」

後ろ手に扉を閉めれば、空に浮かぶ月を見やる。
あと数日で満月、今の月は限りなく真円に近いものの、どこか不完全な雰囲気だ。

「今度の土曜日だから、明後日かしら?満月」

誰に問うわけでもないが、そんなことを確認すれば屋上に置かれたベンチまで足を運ぶ。
こんな時間帯だから当たり前だが、誰もいない。
足元にギターケースを置けば、静かにベンチに腰を下ろして>

ご案内:「屋上」に岡崎燐太郎さんが現れました。
岡崎燐太郎 > 「……よく人と出会うな、この場所は」

ギシと外気に冷やされた鉄の扉を開ける。
そしてベンチに腰を下ろした人影を見つければそう一言。

この時間にこんな場所に居る人間を見たからといって引き返すつもりはないらしく。
夜風に流された月明かりの下に出ていく。

「どーも」

屋上の少ない外灯の中でもお互いの顔が見える距離まで歩み、顔が認識できればひとまず挨拶。
自分は忘れ物を取りに学校へ訪れそのついでに気分転換で寄っただけだが、普通に考えれば怪しさ満点である。
なので怪しい者ではないことを示そうと。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「……あ、え?えっと、どうも……?」

月を見上げたままぼーっとしていたところに、誰かがやってくる。
ずっと月を見ていたせいで、相手が声をかけてくるまで気が付かなかったようだ。
少し驚いたようにして視線を月から相手に移すと、同じ学生と思しき男子生徒がいた。

一人でいる時や、人間じゃないものと話しているときはそこまででもないが、
人と対面した時には人見知りが出てしまうようで、少し困ったように返事をする。

「………………」

そして問題になるのが、会話が続かないことだどうしてこんな時間に?何年生?名前は?
初対面の相手に振るのに無難な話題は頭に浮かんでくるのだが、言葉として口から出てこない>

岡崎燐太郎 > おどおどした反応にまあこんなものかと苦笑い。

「あー、邪魔しちゃってごめんね。あまり長居はしないから……」

単に初見の人間に対して驚いたか、独りの空間を割られて機嫌を損ねたか。
いずれの感情からの無言かはわからないが、とりあえず謝っておく。
警戒心があるのなら少しでも解いてもらおうと何も持たない両手をひらひらと動かす。
月光に照らされた一方の手は金属的な光を反射していた。

「君も夜景見に来たの? さっきは月、眺めていたみたいだけど」

他に人のいない空間で無言のまま、というのも気まずいのでこちらから話題を振ってみる。
話しかけながら落下防止の金網の側まで行き、一度月に視線を移したあと眼下に広がる街の景色を覗く。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「いや、邪魔なんてことはないんだけど、少し驚いたから…」

驚いたから。でもそれ以上に人と話すのが少し苦手なのだ。初対面ならなおさら。
見知った相手じゃないと普通に話せない。
そんな様子の自分を気遣ってか、フランクな雰囲気で話しかけてくる相手。
しかしひらひらと振られる手は、およそ人間とは言えないもののように見える。
それが義手なのか、装甲なのかは定かではないが。

「そこまで素敵なことはしてないわ。
 外が晴れてて、明るかったから、月が見えるかなって。そう思ったから」

夜景を見に来たのか。そういわれて、初めて視線を空からもっともっと下に移した。
そこに広がるのは島の街並み。しかし昼間にみるそれとは違って、
行き来する車や、店の灯りなどがキラキラと光り輝いていた>

岡崎燐太郎 > 「そうか、じゃあ良かったな。今日は眩しいくらいに見えている」

校庭からでもまばゆい光が降り注いでいるのはわかるほど丸く大きい月だ。
屋上からならより綺麗に見えることだろう。

「俺はただ忘れ物取りに戻ったついでに来ただけなんだけど……
 やっぱ綺麗なものは見たくなるもんなのかもな」

金網を背にもたれかかってベンチに向き直る。

「君は何年生? あんまり夜に出歩いていると、風紀委員に見つかった時が厄介だよ?」

そのまま自分に返されそうな言葉だが、相手は外見だけならさらに幼く見える。
同い年ということを知らないので若干子供相手に話すような口ぶりになる。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「そうね。でも今日は満月じゃないから、またタイミングを見て見に来たいわね…」

そう言って月を見上げる。限りなく真円なのに、少しだけ欠けている月。
ある意味満月よりも今見ている不完全な月の方が好きかもしれない。
満月でなくとも十分な光量を地上に届ける月は、
フェンスに身体を預ける彼をきらびやかに照らしていた。

「まぁ、そこら辺の風紀委員に見つかっても、私は悪いことしてないから大丈夫よ。
 私は2年生よ。あなたは?」

何年生か。さっき頭の中に浮かんで、話せなかった話題だ。
そして気持ち幼い子を相手にするような彼の口調には気づく様子がない>