各部活の本部などが置かれたり、部活の活動のためなど、部活動のために設けられた建物。
ここに本部を置く部活は棟内に部室をあてがわれ、そこで活動を行うこともできる。また、この棟に本部がある必要は絶対ではない。
様々な部活の施設や店舗があるため棟内は混沌としている。
※ビルのようなイメージで考えています。内装など詳しいことや部室の事などがご自由に描写してください。
部屋の設定をその時に応じて変えられるので、棟内のロビーや所属部活の部室など、遊びたい場所に応じて変更してください。
フリー設定ルームですが、その範囲は部室棟内部やその周辺までとします。
●この部屋には固定パスワードが設定されています。
参加者(0):ROM(1)
Time:02:09:53 更新
ご案内:「総合メディアコミュニティセンター」から神代理央さんが去りました。
■神代理央 > と、通信機が甲高い電子音を上げる。
視線を落とすと、落第街での小競り合いへ加勢しろとの有り難いご指示。
どうやら、過激派の先輩方は後輩をこき使うつもりらしい。
「…ま、構わんが。どうせ下級生の内は派手に動くのも憚られる。従順であると思って貰う分には、此方も動きやすい」
僅かに溜息を吐き出して立ち上がると、空になった缶をゴミ箱に放り込み、今宵の戦場へと足を進めていった。
■神代理央 > 僅かに残る煙草の匂いが備考を擽る。
特段煙草は嫌いでは無い。幼少時、周りの大人は皆吸っていたので慣れてしまった。むしろ、風紀委員という立場でなければ自分も吸っていたかも知れない。
「煙草は二十歳になってから……だったかな?全く、毒物の摂取くらい、好きにさせて欲しいものだ」
風紀委員の顧問にも喫煙する教師やOBがいることだし、煙草そのものが禁止という訳ではない。
しかし、未成年であり学生であり風紀委員である自分が吸う訳にはいかないだろう。
窮屈な世の中だ、と異常に甘ったるいココアを堪能しながら喧騒に包まれるフロアをぼんやりと見つめていた。
■神代理央 > 報道フロアということもあって、大勢の人が行き交う中、風紀委員の腕章をつけた自分は若干奇異の目で見られていた。
取材しようかと悩むような視線。ガサ入れかと慌てて駆け出すサブカル地味た姿の生徒。テレビや新聞を牛耳る大手部活は冷静に――というよりも、風紀委員一人に構っていられないというような――己の業務をこなしていた。
「…やれやれ。歓楽街とはまた違う騒々しさだな。嫌いでは無いが、良くもまあ元気に走り回れるものだ」
フロアの片隅。喫煙スペースを兼ねた休憩コーナーに陣取り、タブレットを操作して任務完了の旨を伝える。
人は多いが休憩は各々の部室で取っているのか、共有の休憩スペースには意外な程人が少ない。というより、自分しかいない。
日が変わるくらいの時間にはそれぞれの部活生が休憩と情報共有の為に集まるらしいが、今は深夜のニュースに向けててんやわんや。新聞部も、朝刊を刷り上げる為の追い込みをかけている。
誰かと話をしてみたかったが、タイミングが悪かったかと思いながら、自販機で購入した砂糖ココアなる珍妙な飲み物に口をつけた。
■神代理央 > 「……成る程。情報の入手経路や報道姿勢に関する君達の思いは十分理解した。では、学園の風紀を乱さない程度に、これからも取材活動に精を出し給え」
フロアの一角に部室を構える幾分アングラな雑誌を発行する部活。
彼等は違反部活や落第街に対する取材を刊行し、違反部活、風空、公安問わず非人道的な行為に対して糾弾する報道を行っていた。
違反部活のみを対象とするなら問題は無いが、風紀・公安の活動にまで横槍を入れられるのは些か目に余る。
――というわけで、彼等には危険な取材活動について部員の安全を保証する様に【忠告】に訪れた。
勿論、報道の自由は保障されている。彼等の活動を禁止したり、制限するつもりは毛頭ない。
ただ、過激な取材活動についてはあくまで自己責任であること。学園の風紀を乱すと委員会が判断した場合における罰則の案内。風紀委員が任務活動中の地区に対する立ち入り制限等を行う程度だ。
無論、激しい抗議の声が上がったが、此方としては彼等の活動そのものに制限を加えている訳では無い。
あくまで校則に基づいて、罰則を与える可能性があることを示唆しただけ。
「まあ、無駄だろうがな。後は適当に巡回地区の情報をリークして、立ち入り制限地区への侵入で補導といったところか」
面倒事は早めに処理するに限る。
体制に反対するのは自由だが、その自由を行使した結果にも責任はとって貰わねばならないだろう。
ご案内:「総合メディアコミュニティセンター」に神代理央さんが現れました。
ご案内:「第十三音楽室」からアリスさんが去りました。
■アリス >
『わかったわ、そこまで言うならあなたの脱退はゲームで決めましょう』
ゲーム?
リーダーは……夜空さんは一体何を。
『ルールを説明するわ、ナイフを二本、床に刺してお互い刃に踵を置き、一歩でも逃げたら負けの殴り合いで』
「デスマッチじゃん!!」
急に何言い出したのこの人!?
「ガールズバンドでナイフエッジデスマッチ提案するなんて展開聞いたことないから!!」
最早デスメタルバンドですらない!!
『デスマッチやらないんデスか? オオウ、デスカレーションデスね』
「戦争の勢いが落ちるって意味で使ってるんだろうけどデスがつく言葉好きすぎるよ山崎さん!!」
今、思えば最初から疑うべきだった!!
この人たち、音楽好きだから気にしないようにしてたけど、変人すぎる!!
『アリスちゃん、私が卒業したらあなたにボーカルをやってもらいたくて…』
「リーダー……」
『あなたのメインの新曲も用意してあるのよ、タイトルはデッド・エンジェル・ロトン・コープス』
ギターをそっと置いて私は部室のドアまで歩いた。
「デスメタルじゃん」
そう呟いて部室を後にした。
二度と彼女達と関わることはなかった。
■アリス >
泣き出した私を前にドラムの山崎さんがふんわりと両肩に手を置いた。
『大丈夫デスか? とりあえずデスクに座って落ち着くデスよう』
「そのデスクの発音のデスの部分に力を入れて発音するの前からおかしいと思ってた!!」
リーダーがダンボールの中から新品の衣装を取り出しながら私に訴えかけてきた。
『もうアリスちゃんの分の衣装だって用意してるんだよ!?』
「改造した手術着じゃん!! しかも返り血のペイントが入ってるやつ!!」
『アリスちゃんに今、抜けられたら対バンのクラッシュグレイブに勝てないわ』
「対バンも前に聴いたけどノイズグラインドじゃん!!」
確かに私も悪かった。
アニメで軽音部に過剰な期待を持っていたのは、悪かった。
でもこの仕打ちはない。
最悪、返り血のついた手術着の衣装でデス声を叫ぶことになる。
『あなたのバンドメンバー専用の称号も用意したのに……』
「ライブのペーパーで確認したけど私の称号、金色の殺戮者だったじゃん!!」
泣きながら叫ぶ。
「人殺したことないから!!!」
■アリス >
ふ、と笑ってリーダーの夜空さんがマイクを握りなおす。
『さ、冗談はこれくらいにして練習を再開するよ』
「リーダー……」
『それじゃファッキン関係ねぇぜ!!のくだりからもう一度練習しようか』
「歌詞~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
仰け反って頭を抱えた。
「歌詞がもうおかしいよね!? デスメタルだよね!?」
私の必死に紡ぎだした言葉にベースの翔子ちゃんが肩を掴んで説得に来た。
『アリスちゃん、デスメタルじゃなくてうちはグラインドコアだから!!』
『翔子ちゃん、うちってデスグラインドじゃないの!?』
『ううん、厳密に言えば新ジャンルデスからガーリッシュゴアデスメタルとかそういうのデス』
「デスメタルじゃん!!!」
肩を落とした。
もうギターが重くて持っていられないレベルで力が抜けている。
もっとこう、ふわふわしたり、可愛かったり、かっこよかったりするものを求めてきたのに。
「デスメタルだこれ!!!」
デスメタルだこれ!!!
涙が滲んできた。軽音部だと思って入ったら、警音部だった。
もう自分で何を言っているのかすらわからない。けど、事実だ。
■アリス >
疑いの視線をリーダーに向けながら気になっていることを言っていく。
「そもそもうちって……バンド名が妙にヘビーでパンクだよね。エゴイスティック・エンジェルって」
『何言ってるのアリスちゃん、ガールズバンドなら普通だから!!』
なんか勢いで押し切られそうな感じはある。
でも。
「この前、音楽室の使用申請書見たけど……うちって軽音部じゃないよね?」
全員が顔を見合わせる。
気付いてしまったか、と顔を手で覆うドラムの山崎さん。
「……うちって軽音部じゃなくて、警音部じゃあ…」
『な、な、な! 何言ってるのアリスちゃん!! そんなのただの書き間違いだよ!?』
え、え……なんでそんなに必死に否定するの、リーダー…
そもそもうちが本当に警音部だとしても意味不明だし…
『まぁまぁ、アリスちゃん。これでも飲んで落ち着くデスよ』
「だから差し出してるそれデスゾーンじゃん!! あと山崎さんの口癖のデスってdeathだよね!?」
エアコンが効いた部室に、一気に気まずさが流れ込んできた。
■アリス >
言ってしまった。ここ三ヶ月ばかり気になっていたことを。
喉がカラカラに渇いている。
軽音部というにはあまりにも重低音がメインの演奏だった。
というか、私の前にもマイクがあるけど。
デス声の指示しか来ない。
『何言ってるのアリスちゃん! これはデスメタルなんかじゃないよ!』
「あ、そうなの……でもデス声とか入ってるし」
私がキョドりながらそのことを指摘すると、ドラムの翔子ちゃんが詰め寄ってきた。
『アリスちゃん、デス声じゃなくてグロウルっていうんだよ!?』
「いやその呼び方にこだわってるのデスのメタラーだけじゃない!!」
ツッコミを入れてしまった。
もうここまで来たら気になっていることを全部言うしかない。
「私、ずっと気になってたの……」
「なんかイメージだと軽音部って水分補給にスポーツドリンクとか飲むと思ってたのに」
「……うちはエナジードリンク、じゃない…? それもデスゾーンって名前の輸入エナドリ」
メンバー全員が顔を背けた。
■アリス >
私、アリス・アンダーソン。
今年から常世学園一年生。
最近になって友達が三人になったのでぼっち根性を捨てようと努力中の十四歳!
最近、私は部活に入ったの。
ぼっち根性を捨てるためにも、部活に入って一挙に知り合いを増やそうという魂胆。
そして勧誘されて私はこの軽音部に入った。のだけれど。
『さ、みんな! 練習を続けるよ!!』
リーダーの輝 夜空さんがみんなに声をかける。
私もギターを手に緊張しながら音を出す。
夜空さんの歌声と、私達の演奏が渾然となって『音楽』が生み出されていく。
『今の良い感じだったよね! この調子でいこう!!』
みんなに笑顔が生まれる中、私は強張った表情でおずおずと手を上げた。
「あの……みんな。これって………デスメタルじゃない?」
私の一言に、世界が凍りついた。
ご案内:「第十三音楽室」にアリスさんが現れました。
ご案内:「部室棟」からイチゴウさんが去りました。